『アライズ 素朴な物語 Arise: A Simple Story』レビュー: とある男の走馬灯
『アライズ 素朴な物語 Arise: A Simple Story』とは、Piccolo Studiosが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見れます。
あらすじStory
安らかに
ゲームが始まると、おじいさんが焼かれようとしている。
禍々しい儀式!?
というわけじゃなくて、どうやらおじいさんのお葬式のようだ。
そう、本作の主人公であるおじいさんは既に亡くなっている。
きっと、みんなに愛されていたんだろう。多くの人に囲まれて、おじいさんが旅立っていく。
真っ白
おじいさんの旅立ちを厳かに見守っていたら、真っ白な世界に到着。ここが天国?
いや、おじいさんの旅はまだ終わっていないようだ。
あたりに広がる真っ白な砂(雪?)に触れると、おじいさんの思い出が浮かび上がる。
ここから、おじいさんが辿ってきた人生を垣間見ていくことになる。
そして、おじいさんの旅の終着点まで見守ることに。
ゲームの特徴Features
思い出の辿り方
本作は、いくつかの章に分かれていて、おじいさんの思い出を順番に辿る。
カメラは固定でおじいさんを操作しながら、ちょっとした謎解きをしつつ先へ進む道を見つけて、ひたすら歩いていく。
時を操るおじいちゃん
おじいさんは、移動とジャンプ、そして特定のモノにグラップリングフックを引っ掛けたり、壁をよじ登ることができる。
そして、1番大切なのが、時を操ること。
右スティックを右に倒すと時間が進み、左に倒すと時間が戻る。
時間が進むと、雪が降り積もり、崖が崩れ落ち、虫が飛んでいく。
時間を戻せば、逆の現象が起こる。
そうした変化を利用して、足場を近づけたり、虫に掴まったりして、先の足場へと進んでいく。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
あらすじやゲーム画像から予想できると思うけれど、本作は心があたたかくなる感動の物語だ。
私だってもちろん「このゲームは感動系だろうな」と思ってプレイを始めた。
で、予想はしていたけれど、案の定しっかり泣いた。
セリフやテキスト情報は一切ないけれど、演出を見ているだけで涙ポロポロ(ちなみに私はゲームでよく泣く性質の持ち主です)。
正直、予想しやすい筋書きではあるんだけど、胸がキュウウンとなる演出が上手くて泣ける。
特に物語の終わり方が素敵すぎた。
キャラクターの魅力
4.0
主人公のおじいさんは、ちょっと不器用だけど、あたたかい心の持ち主。
彼の幸せな思い出を見ていると、思わず微笑んでしまう。
おじいさんの表情はハッキリと見てとれないんだけど、哀愁漂う佇まいがたまらない。
幸せな時ばかりではないのが辛いけらど、「おじいちゃん、きっと幸せになって!」と願わずにはいられない。
操作性
3.5
操作性は、あまり良くない。
主人公がおじいさんであることを再現しているためか、キー入力してから動作が起こるまでにラグがある。
また、遠近感が分かりにくいところもある。
そして、進み方には正解のルートが設定されていて、ちょっと近道しようとしても許してもらえない。
ジャンプで届くはずの距離なのに、正解の道のりを通ってなければ落下してしまったり、壁を掴みさえしてくれない。
難易度バランス
4.0
物語をテンポ良く楽しめる。
特に詰まったりすることもなく、おじいさんのゆったりした歩みで攻略出来る。
進む道が見当たらなければ、右スティックをグリグリ回せば絶対に進む方向が分かるはず。
章ごとにギミックが変わり、しっかり急がなきゃいけない場面や正確なアクションが求められることもある。
そんな時は、あまり良くない操作性が邪魔をして失敗することもあるけれど、チェックポイントが小刻みなのでストレスは感じない。
ゲームシステム
4.0
時間を進めたり戻したりすると、世界がダイナミックに変化するのが1番面白いところ。
複雑ではないけれど、どこがどう変わっているのか観察するのが単純に楽しい。
序盤の方は「景色変わって面白いな」くらいだったんだけど、徐々に時間を動かすことが攻略の重要な鍵を握るようになる。
やりこみ要素
3.5
基本的に一本道だけど、ちょっと行きにくい脇道には光る蝶々が飛んでいる。
その蝶々に触れると、主人公の思い出が描かれたイラストが「記憶」として収集される。
これがやり込み要素。
ただ、正規ルートで見る物語と全く同じ内容のイラストなので、物語がより分かるといった類いではないのが残念。
グラフィック
4.0
おじいさんの人生が季節になぞらえて描かれる。
陽の光が眩しい元気いっぱいの夏も、切なさが漂いつつも落ち着きを感じる秋も、おじいさんの心情を表した光景は見ているだけで癒される。
3Dグラフィックだけど、アナログなあたたかさを感じる可愛いグラフィック。3D絵本みたいな感じ。
サウンド
4.0
控えめだけど、ささやかな幸せを大事にする。
そんなおじいさんの人柄そのもののようなBGMが流れる。
美しく穏やかな曲調なんだけど、哀しさも感じる涙を誘う旋律。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
感動の物語
癒される雰囲気
時を操るシステム
残念なところ
操作性があまり良くない
悩む謎解きではない
オススメな人
泣きたい気分
癒されたい
短時間で攻略できるゲームを探している
芸術性が高いゲームが好き
オススメではない人
歯ごたえのある謎解きを求めている
ゆったりしたペースが苦手
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本作と同じく、時を進めたり戻したりして攻略するパズルアドベンチャーゲーム。とある少年と少女の友情物語が楽しめる。
本作と同じく、おじいちゃんが主人公。2Dグラフィックを逆手にとった高低差を操るシステムが斬新なパズルアドベンチャーゲーム。
Arise: A Simple Story アライズ 素朴な物語
とある男の走馬灯
おじいさんの思い出を辿り、彼の愛に満ちた人生を体験できる感動の物語。
時を進めたり戻すと、周囲がダイナミックに変化するシステムが面白いパズルアドベンチャーゲーム。
Arise: A Simple Story アライズ 素朴な物語
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