『Garden Story』とは、Picogramが開発したアドベンチャーゲーム。
本作は今のところ日本語版がないけれど、高度な英語力は必要ない。
セリフなどのテキストは自動で流れないので、自分のペースで理解できるし、スラングや専門用語もほぼない。
本作は、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
閉じ込められたブドウ
本作の主人公は、Concord。そう、ブドウのコンコード。
その一粒の実が頭部であり身体でもあるという謎の生態を持つ、めちゃくちゃ可愛いブドウちゃん。
Concordは、Kindergardenと呼ばれる場所でせっせと植物に水をあげている。
ここから外に出れないようで、もしかして監禁され労働を強いられている!?Kindergarden(=幼稚園)って嘘だろ。
ちなみに、この世界はGroveと呼ばれる大樹の根元に広がる植物の世界だ。

次のガーディアンは君だっ!
ConcordのもとをPlumというプラム生物が訪ねてくる。
Plumは、このGroveを守るために戦うガーディアンの1人(一粒?)だ。
PlumはうっかりKindergardenの鍵を閉めてしまっていたらしい。良かった。犯罪に巻き込まれているわけではないようだ。
そして、Plumは、これから旅立つので、Concordに春の町Spring Hamletを任すと伝えてくる。
どうやら、Concordは次のガーディアン候補らしい。

大樹の危機
この世界に棲んでいるのは、どう見ても平和そうな植物達だけど、どうやらGroveには危機が迫っている。
大樹の力が失われていっているのだ。そして、Rotと呼ばれる木を腐らせてしまうモンスター達も大発生中。
というわけで、Groveのあちらこちらでトラブルが勃発している。
小さいConcordだけど、春の町から始まりGrove全体の危機に立ち向かっていくことになる。

ゲームの特徴Features
戦うブドウ

本作は、見下ろし視点で、様々な武器を使って戦い、オブジェクトを壊して資源を採集しながら探索する。
主人公には体力ゲージとスタミナゲージがあり、メイン武器とサブ武器を装備することが出来る。
あと、完全にファッション目的で帽子やリュックサックを装備することが出来る。
みんなを助けるブドウ

ゲーム内では時間が流れていて、朝から晩、そして深夜と時間が変わっていく。
各地の町にはConcord専用の拠点があり、そこで眠ると次の日になる。
毎朝、いくつかのクエストが掲示板に貼り出されるので、その内容を拠点に帰って寝るまでにこなせばクエストクリアとなる。
ちなみに、クエストを攻略せず1日を終えても特にペナルティはない。次の日にまた新たなクエストが登場するだけだ。
町とブドウの成長

上述した掲示板に貼り出されるクエストを攻略すると、町が発展してショップの品揃えが増えていく。
武器や道具のアップグレードはショップで出来るので、町が発展するほど主人公を強化できるというわけだ。
本作には大きく分けて4つの町があり、それぞれの町を発展させていくことになる。
が、クエストが同時発生するわけではなく、主人公が前の晩に泊まった町でのみクエストが発生するようになっている。
また掲示板のクエストとは別に、メインストーリーが進行するクエストがあり、これは物語に沿って発生する。
やりたい放題のブドウ

上述してきたように、時には戦い、時には人助けして町から町へと練り歩くConcord。
しかし、道中では結構やりたい放題出来る。
というのも、本作にはサンドボックス要素と栽培要素など、環境を変えることができる要素もある。
どこでもかしこでもというわけではないけれど、特定の場所に種を植えて数日後に収穫したり、好きな設備を好きにレイアウトして飾ることができる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
ノンストップで可愛い。
もちろんGroveは危機に瀕してるわけだけど、ひたすら癒される穏やかなゲーム。
町は季節がテーマになっていて、4つの町はそれぞれ春夏秋冬の景観になっている。
町ごとに雰囲気や住人の人柄も違っていて、夏はお気楽な雰囲気だったりと各地の趣の違いが楽しい。
主人公は、はじめは「小さいのに大丈夫か?」とか言われまくるけど、徐々に「お前、立派だな」って認められていく王道ストーリー。
しかし、そうは言っても本作の主人公は本気で小さすぎるけど。ブドウ一粒って。
キャラクターの魅力

4.0
全員可愛さパラメータが最大値。というくらい、可愛さに振り切ってる世界。
敵でさえ可愛い。
と、思いきや、ダンジョン奥にいるボスは意外と凶悪な見た目をしてるんだけど。
主人公にセリフはないけれど、ところどころで選択肢が選べる(分岐ではない)。
その選択肢まで可愛い。
操作してるのは私自身だけど、「ブドウちゃん、頑張れー!」と応援したくなる健気さ。
操作性

4.0
挙動も操作性も問題なし。
本作では武器や道具がたくさん登場する。しかも、結構使い分けなければならない。
いちいちメニュー開いて装備し直さなくてはならず、正直面倒くさい(ショートカットは設定できるけど、種類が少ない)。
なのに操作性が問題ないと上述したのはなぜか。
それは、本作はチマチマした操作が楽しいゲームだから。チマチマをゆったり楽しむゲームだ。
もし、主人公が目にも止まらぬ速さで動いて、武器をチャキチャキ切り替えたらどうか。
それはもちろん便利だけど、本作の雰囲気やテンポがぶち壊れる。
牧場系シムのような感覚のゲームだ。
難易度バランス

4.0
難易度は高くない。穏やかな雰囲気と同じく、難易度も穏やか。
ところが、ぬるくて簡単ってわけでもない。
バトルでは、ちゃんと立ち回りに気をつけなきゃいけない。
特にスタミナ管理が大事で、スタミナ激貧の序盤はバシバシ攻撃できないので結構大変。
町を発展させるのも一筋縄ではいかない。毎日しっかりクエストをこなさなければならない。
武器強化などに使う素材も、レアな物は集めるのも一苦労だし。
可愛い顔して、がっつりやりがいがある。
ゲームシステム

4.0
パッと見るとカジュアルなゲームに見えるかもしれないけれど、しっかり作り込まれたゲーム。
建築や栽培なども含め楽しくなる要素がギュッと詰め込まれていて、「楽しい!」が止まらない。
しかも、その建築や栽培が道すがら出来るっていうのは面白い。
大体のゲームでは拠点をカスタマイズできることが多いけれど、完全なる道端に手を加えることが出来るとは。
しかも、誰かが耕した畑で勝手に栽培始めちゃえるし。
それぞれの要素がうまくかみ合っててテンポが良く、気づいたら時間が経ってた。
やりこみ要素

4.5
それぞれの街には図書館がある。
そこに特定の素材を納めていくと、本や建築できる設備の種類が増えていく。収集要素だ。
レアな素材もあるので、全制覇するのはそれなりに大変。
でも、ちゃんと報酬があるのでやる気が出る。
町をどこまで発展させるかというのもやり込み要素。
また、特定の行動を行うと様々な記憶がアンロックされ、それをセットするとステータスボーナスなどが得られる。
建築要素はただのお飾りじゃなくて、各地には壊れた橋や道があり、修理するとショートカットや隠されたエリアに到達できる。
結構やり込み甲斐があって、最初に予想してたよりボリュームたっぷり。
グラフィック

4.0
素朴で可愛いドット絵。
画面中、所狭しとぎっしり描き込まれてて、見てるだけでも楽しい気分になる。
主人公もNPCも可愛いけれど、やはり主人公の可愛さは格別。ただの紫の球体なのに!
そんな丸い奴が、帽子被ったり、もはや本体よりデカいバックパックを背負うので可愛すぎる。
武器を振る時は目をギュッとつぶっちゃってて「敵が見えてるか!?」と心配になるけど、マップ画面を開く時はムッと目を細めた表情になってて「え、老眼?」と色んな意味で心配になる。
サウンド

4.0
癒し。
ひたすら癒し。
BGMは全て癒し。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
可愛く癒される雰囲気
バトルや建築、栽培など様々な要素が楽しめる
テンポ良く攻略できる
残念なところ
操作はやや面倒くさい(ゲーム性とは合ってるけど)
日本語版がない
オススメな人
穏やかなゲームをプレイしたい
可愛いもの好き
作業が好き
オススメではない人
ゆったりしたテンポや挙動が苦手
過酷で厳しい旅に出たい
可愛いすぎるものが眩しくて直視できない
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作とよく似た見た目のアドベンチャーゲーム。こちらの主人公はカブ坊や。しかし、ストーリーは穏やかというわけではなく、かなりジョークまみれ。

チマチマした作業が好きなら、やはりライフシムがおすすめ。とんでもないボリュームのやり込み要素が詰まってる人気の牧場系ライフシム。


Garden Story
ぶどうの実は潰れない
最初から最後まで、隅から隅までひらすら可愛い。
それでいて、しっかりやり込めるし、栽培や建築など面白い要素がギュッと詰まっている。
穏やかに楽しい癒しのゲーム。
Garden Story
© 2021 Picogram
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