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『JETT: The Far Shore 彼方の岸』は、SuperbrothersとPine Scentedが開発したアドベンチャーゲーム。
Superbrothersは独創的な人気作『スキタイのムスメ』を手がけたデベロッパーだ。

本作は、PS5、PS4、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
私はメイ
どこかの星。主人公はメイ。
物語はメイが旅立つところから始まる。
メイはスカウト隊の一員であり、未知の惑星に出発することになっている。
両親と姉に別れを告げ、ハミングのような謎の歌を歌う大勢の人に見守られて。
ロケット、発射!

ここは理想郷?
冷凍睡眠で長い長ーい銀河の旅を終えて目的の惑星に到着。
メイの仕事はJETTと呼ばれる空飛ぶ乗り物に乗って惑星の調査を行うこと。
実は残してきた故郷の星は死にゆく運命にある。
とある偉い人の予言に沿って、新たに住める豊かな土地を探すため、広大な海のある惑星にやってきた。

平和ではない惑星
さて、いよいよ生態調査と環境調査だ。
周りは見知らぬ動植物ばかり。そして、予言に出てきていた謎のピラミッドもちゃんとある。
しかし、そんな上手くいく話があるわけもなく。
敵意剥き出しの不思議な生物に襲われ、夜には全てをダメにする紅波吹き荒れるなか、任務を遂行していく。
予言の先には何があるのか。というか、予言を信じていても大丈夫なんだろうか。

ゲームの特徴Features
JETTの操縦

本作では、ほぼJETTに乗って移動することになる。
地面や海面から少し浮かんだくらいの高度で飛ぶことになる。
特定の植物の上でタイミング良く「ポップ(機体ごと少しジャンプ)」出来れば、高い場所に到達する事もできる。
JETTには燃料システムはないけれど、シールドと体力の概念はある。
何かにぶつかったり、敵対生物に攻撃されたり、夜になって強力な紅波などを浴びるとシールドが破壊される。
シールドは時間経過で自動回復するけれど、シールドが破壊された状態でダメージを受けるとJETTの体力が減っていってしまう。
調査と任務

JETTで飛んでいる最中には、周りの動植物をスキャンしてデータ解析ができる。
同種のものをたくさんスキャンするほど情報がどんどん開示されていく。
また、同じスカウト隊の人たちから様々な指令が入る。これがメインクエストだ。
本作は物語に合わせて各地へ進んでいくけれど、どのくらい動植物を見つけてスキャンするとか、指定された目的地までどんな道のりで飛んで行くかなどは自由だ。
環境を利用

特定の動植物は利用することができる。
JETTのグラップ機能で植物の実を掴んで投げると爆発したり、各所で出ている蒸気をタンクに溜めると高速スピードで飛ぶことができる。
道を切り開いたり、敵意のある動物から逃げる際にも、こうした動植物を利用すると攻略することができる。
上述した動植物のスキャンによって、それぞれの使い方が開示されるので、それがヒントになる。
また、JETTにダメージを与える紅波には太刀打ちできないので、物影や地形の影に隠れてシールドを回復しながら進んだり、開けた場所にシェルターが設置して避難しなければならない。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

3.5
最初から大きなハテナマークが頭に浮かぶ。
で、そのハテナマークは、なかなか消えない。何が何だか。詩的なセリフから理解しろ、と。
もちろん、誰に何が起きてて、目の前で何が起きてるかってことは分かる。
でも、この世界の仕組み、物語の全体像を理解するのは難しい。
誰か!説明を!誰か!
しかし、共に旅する同僚も明確に説明してくれない。
自分なりに考察しないと「は?で、結局どういうこと?」で終わる可能性も。
この世界に興味を持てるかどうか。その気持ちが途切れなければ、驚きの展開が楽しめる。
キャラクターの魅力

3.0
同じスカウト隊の人達は性格も立場も違う面々だ。
みんなあまり感情の描写はなく、それでいてセリフがまどろっこしい。
気持ちよく飛んでるのに、やたらとセリフが表示されて邪魔される。
そのせいで、ちょっと皆んな黙ってて欲しいと思い始める始末。物語主導型のゲームなのに。
主人公メイは、というとセリフはない。
プレイヤーが感じる「何が何なの?」状態を代弁する人がいないので感情移入はしにくい。
正直キャラの魅力はあまり感じない。
操作性

3.0
JETTを操作して飛ぶのは気持ちいい。
それが本作の魅力。そのはずだ。
視点遠めでスイーーッと飛んでトップスピードに。爽快だー!
と思ったら、木にガスッ、そり立つ崖にドカッ。
はい、自分のせい。だけど、そこからの立て直しがかなり煩雑になることが多い。
視点遠めだしJETTの機首の方向も分かりにくい。
もちろん視点はズームも出来る。でも、画面上では問題なさそうなのに、何かに引っ掛かっているかのように動けなくなることも。
何かにぶつかってしまった時の操作はかなりストレスフル。
難易度バランス

3.5
ゲームとしては、ストーリーに沿って任務をこなしていく。
謎解きもあるけど、特に難しいわけではない。仲間がヒントを出してくれる事もある。
が、上述の操作性のせいで無駄に難しくなる時があるのが残念。
特定の植物がある場所でジャンプしたり物を掴んだりすることが多いけれど、判定が異常に厳しい時もあれば、大雑把な時もある。
時間制限内に任務を終えなければいけない時もあるし、紅波を避けながら飛ぶ時は結構焦るので、操作性の悪さで余計にハラハラする。
ゲームシステム

4.0
世界の仕組みも分からないし、何が最終目的なのかも分からない。
快適とは言えない操作性だけど、上手く飛べると気持ち良いJETTで探索しまくる。
本作は、人を選ぶゲームだと思う。雰囲気ゲーが好きなら独特な不思議体験が楽しめる。
癒やされる雰囲気ゲーではなく、不気味さ強めの摩訶不思議系。
考察したり、「どういうことだろう?」と疑問を持ちながらプレイするのがオススメ。
しかし、探索とか飛行がメインのゲームだと思ってプレイすると「何だこれ」状態になってしまう。
やりこみ要素

3.5
色々と命令されるけど、航路は自由。
ただ、時間制限がある時も多くて、そんなにずっと自由に飛べるわけではない。
そのなかで、どれだけ動植物をスキャンするか。これが最大のやり込み要素。
また、各地にあるゴーグブルームという場所でポップ(ジャンプ)等すると周りに花が咲く。
これを一定数行うとJETTのスピードアップができる蒸気タンクの容量が増えていく。これもやり込みだ。
グラフィック

4.0
彩度が抑えられた独特なアートスタイル 。特にキャラデザインは独特。
高解像度というわけではないけれど、不思議な宗教っぽいマークなどもあり、かなり個性的な世界。
JETTでウィイイーーーーーンと飛んでる時の水面は綺麗。
彩度が低いせいか、全体的に画面が暗めなので、少し明るめに画面設定した方がプレイしやすい。
サウンド

4.0
荘厳なBGM。でも敵意のある生物に見つかるとハラハラする曲調に変わる。
宗教っぽい雰囲気もあるせいか、瞑想出来そうな曲が多い。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
個性的な世界
上手く飛行できると気持ち良い
残念なところ
操作性に難あり
物語が分かりにくい
オススメな人
不思議体験をしたい
個性的なゲームを探している
乗り物の操作が好き
オススメではない人
世界や物語をちゃんと理解したい
乗り物の操縦がかなり苦手もしくは嫌い
敵と直接戦いたい
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本作開発元の代表作。独特なピクセルアートが魅力で、ゲームプレイも独特。本作とは全く違うゲームプレイになっている。

不思議な世界設定が楽しめるアドベンチャーゲームなら、こちらもおすすめ。芸術性高いグラフィックも魅力で、謎解きを楽しみつつ不思議な物語が楽しめる。

JETT The Far Shore
肝心なことを教えてもらえない新人
JETTと呼ばれる高速飛行が気持ち良い乗り物で道の惑星で生態調査するアドベンチャーゲーム。
かなり独特で不思議な物語やゲームプレイが体験できる。
操作性の煩雑さや物語の分かりにくさによって、やや癖が強め。
JETT: The Far Shore
Copyright 2021 Superbrothers A/V Inc., Pine Scented Software Ltd., Scntfc
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