『スーパーマリオブラザーズワンダー』レビュー: マリオがマリオを壊す
お馴染みの2Dマリオがコース途中で大激変するアイデア満載驚きいっぱい『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
スーパーマリオブラザーズワンダー
製品情報Game Info
- タイトル
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スーパーマリオブラザーズ ワンダー
- 開発元
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任天堂
- ジャンル
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2D横スクロールアクション, プラットフォームアクション
- 対応機種
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Nintendo Switch
- シリーズ
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スーパーマリオブラザーズ
任天堂の看板男であるマリオ。3DアクションやRPGなど様々なゲームジャンルに進出しているマリオだけど、スーパーマリオブラザーズはその原点である2D横スクロールアクションゲームのシリーズだ。
スーパーマリオブラザーズワンダーの
内容Features
あらすじ
フラワー王国
キノコ王国から少し離れた地にあるというフラワー王国。
その名の通り喋る花までいるお花だらけの国で、キノピオのお花版みたいに頭が花になっている人(?)もいる王国だ。
そんなフラワー王国からピーチ姫はご招待を受ける。さすがお姫様だ。外交だってお手のものだ。
ピーチ姫はマリオやキノピオといったお付きの者たちだけでなく、デイジーやヨッシーも引き連れてフラワー王国を訪れた。
そんなピーチ姫御一行を歓迎してくれたのは、フラワー王国のフロリアン王子だ。フロリアン王子は頭に花のような王冠を被っているけれど、イモムシっぽい姿だ。
あれ?イモムシって花を食べるんじゃなかったっけ?それでいいのか、フラワー王国。
招かれざる客クッパ
「ようこそ、みなさん」と満面の笑みで、ピーチ姫御一行に挨拶をするフロリアン王子。
しかし、フロリアン王子の頭上では、見覚えのあるホウキに乗ったデカ眼鏡がヒュンヒュン飛び回っている。
あいつ…カメックだよな…。
と思っていたら、やはり。大魔王クッパがブーンと飛んでくる。
大魔王クッパはパーティに参加したいというわけではなく、一目散にフロリアン王子の傍にあるワンダーフラワーと呼ばれる花に手を伸ばす。
何か特別な花なのだろうか?大魔王クッパはピーチ姫のことは諦めて、花集めでも始めたのか?
ところが、そんな質問をする暇はなかった。ワンダーフラワーに大魔王クッパが触れた瞬間、まばゆい光があたり一面を包んだのだ。
カメをやめた大魔王クッパ
まばゆい光から現れたのは、なんと、フラワー王国のお城と合体、というか、お城そのものになってしまった大魔王クッパ。
大魔王クッパは、お城に目と口と角が生えている面白生物になってしまった。
ところが、クッパはこの大変身に大満足なようで、このワンダーフラワーの力を使って世界征服をしようとしているようだ。
突然ホームレス王子になってしまったフロリアン王子を肩に乗せ、マリオは毎度のことながら、大魔王クッパの悪事を止めるため奔走する。
ゲームプレイの特徴
コースクリア型
本作はマリオお馴染みのコースクリア型。
でも、コース選択画面であるワールドマップ上には自由に動けるエリアもあり、必ずしもコースの攻略順は決まっていない。
ただし、ワールドマップ上にはパックンフラワーが巻き付いているコースや障害物があり、そこをアンロックするには一定数のワンダーシードが必要となる。
ワンダーシードは各コースをゴールした際に必ず1つ貰え、コース上で追加でいくつか手に入れることもできる(詳しくは後述する)。
所定の数だけあれば先に進めるので、どのコースでワンダーシードを集めるかはプレイヤーの自由だ。
ワンダーフラワーの効能
各コースでは、キラキラ光っているワンダーフラワーを見つけることがある。
このワンダーフラワーに触れると、コースの風景どころかマップ構造やゲームプレイの方法までもが一変する。
例えば、土管が動いて地形が変わったり、敵が大量に現れたりなど、コースによって何が起こるかは全く異なる。
ワンダーフラワーに触れてコースが一変したワンダー状態になると、コース上のどこかにワンダーシードが出現する。
ワンダーシードを手に入れるとコースは元の状態に戻り、そこからは再びコースのゴールを目指して進んでいくことになる。
バッジとパワーアップ
スーパーキノコを取ってスーパーマリオ、ファイアフラワーでファイアマリオなどなど、本作にもお馴染みのパワーアップが登場する。
更に本作では新たに、ゾウマリオ、ドリルマリオ、泡マリオのパワーアップが登場する。
- ゾウマリオ
- 鼻で敵をぶっ飛ばして倒せる
- 特定のブロックも鼻や頭突きや突進で壊せる
- 水を鼻に溜めて放水して敵を倒したりギミックを動かせる
- ドリルマリオ
- 頭にドリルが付く
- 天井が地面にドリルを突き刺して潜って移動できる(敵を素通りすることも可能)
- ドリル自体が凶器で、敵に上方下方から触れると倒せる
- 泡マリオ
- 複数の浮かぶ泡をフーッと吹き出すことができる
- 敵を泡で包んで無力化できる
- 泡を足場にして高い場所や離れた場所に到達できる
また、バッジという1つだけ装備できるお助けグッズもある。
滑空や大ジャンプが可能などアクションが変わるものから、コーススタート時に必ずスーパーマリオ状態になれるものまで様々な効果のバッジが登場する。
特定のコースをクリアすると新たなバッジが手に入り、コース外でならいつでも付け替えることができる。
記事はさらに下に続きます
スーパーマリオブラザーズワンダーの
評価Review
物語の面白さ
大魔王クッパが悪さをしてるので、マリオ達が懲らしめに行くぞ!
マリオお馴染みの明るい勧善懲悪ストーリー。誰もが安心してプレイできる分かりやすさ。
しかし、冒頭で大魔王クッパが城と合体してしまったのは「え!?身動きとりにくくなるし、失敗では?」と思ったけれど、クッパが「ガハハハ」と終始ご満悦なのが妙にツボに入って笑ってしまった。
クッパのパワーに対するあくなき欲望は、天晴れだ。
物語要素は軽めだけど、そこかしこで笑わせてくるネタも多く、元気で明るくなれる雰囲気の良さは抜群。
キャラクターの魅力
マリオをはじめ操作キャラたちの魅力は、もはや語る必要がない。プレイしていれば自然と笑顔になってしまうスーパースター達だ。
そして、本作で初登場したフロリアン王子やフラワー王国の皆さんも、可愛くて明るい。
フラワー王国のキノピオ的な立ち位置であるポプリン達は、喜ぶと頭の花が咲き、がっかりすると枯れてしまう。
そんなポプリン達はそこかしこに登場し、商魂たくましいヤツもいれば、突然豹変するヤツもいて、話しかけるのが楽しい。
フロリアン王子はというと、マリオの頭に乗っかってピョコピョコ顔を出したり仕草が可愛い。しかし、上述もしたけれど、花の天敵になり得るイモムシが王子でいいのか、フラワー王国。
操作の快適さ
ゾウや泡など新たなパワーアップも登場するけれど、どの状態になってもボタン操作は全て同じで分かりやすい。
ボタン入力反応は正確で、バグもなく、さすが高品質だ。
シリーズ過去作では搭載されていた操作キャラの違いによる性能差がないのはちょっと寂しいけれど、逆にどんなキャラでも同じようにプレイできる良さでもある。
また、ワンダーフラワーを取った瞬間にコース構造やプレイまでも一変するので、「え?今から一体何をすれば?」と思うこともある。
この戸惑いが本作の面白さを高めていて、いちいちテキストで「こうしろ、ああしろ」と表示されないも良いところ。
プレイしていると自然すぎて当たり前に思ってしまうけれど、ワンダーフラワーによる変化はちゃんと一つずつ違っていて、かなり多彩。
それでいて、どのコースでも攻略法は直感的に分かる。任天堂は、面白くて豊富なアイデアをちゃんとゲームに落とし込むのが本当に上手い会社だ。
難易度バランス
全てのワンダーシードを手に入れなくてもゲーム進行は可能だし、各コースには「むずかしさ」が表示されている。
アクションが苦手なら易しめのコースでワンダーシードを集めれば良いので、幅広い人が攻略できるゲームだ。
また、本作は協力プレイも可能で、オンラインで見知らぬ誰かとほんのり助け合いも出来る。ヨッシーかトッテンを操作キャラに選択すれば、なんとダメージを受けずに進むこともできる。
一方で、全てのワンダーシードを手に入れたり、各バッジの能力のみで進むチャレンジコースやスペシャルコースでは、しっかりアクションの腕が求められる。
アクションが苦手な人から、手練れのゲーマーまで、それぞれが各々に合った歯ごたえでしっかり楽しめる。単に間口が広いだけでなく、それぞれが楽しめる匠の設計だ。
ゲームシステムの面白さ
お馴染みの2Dプラットフォームアクション。マリオブランドの信頼できる高クオリティさ。やはりマリオ、さすがマリオ。
しかし、それで終わりではない。
どこかに隠れているワンダーフラワーを探し出す面白さと、予想のつかない変化が起こる新鮮さと驚き。
2Dプラットフォームアクションの元祖が、率先して「いつもの安心感」を壊しにかかっている。
走ってジャンプしてとにかく進め進め!と、マリオ慣れしている人ほどさっさとゴールを目指しがちだろう。しかし、本作ではコースをよく見渡すことになるし、同じコースでも二度三度と味が変わる面白いシステムだ。
突然見下ろし視点での移動に変わるコースでは、「マリオのアイデアは無尽蔵か!」と目からウロコがこぼれ落ちた。
確かにいつものマリオの安心感があるけれど、それを面白く壊す。マリオの向上心に脱帽しっぱなしだ。
やりこみ要素の楽しさ
一番分かりやすいやり込み要素は、ワンダーシード集め。
一定時間内に敵を全滅させたり、特定のアクションだけで攻略するなど、画面右に進むだけではないコースもあり、そうしたコースではアクションの上手さも必要だ。
一方で、各コースでワンダーシードを全て見つけ出すのもなかなか大変。まず、ワンダーフラワーの場所が分からないこともあるし、一回通り過ぎてしまったら戻れないことも多い。
隠しコース含め全制覇するのは、なかなかの一大事業だ。
またバッジを集めたり、オンライン要素で使うパネルを集めるなど収集要素も楽しめる。
グラフィックの芸術性
2D横スクロールなので、キャラがあまりアップになることはないけれど、全て高精細でリアクションも豊かに描かれている。
土管に入る時にマリオが帽子を掴んだり、ゴールした際の演出もその時のパワーアップ状態によって変わる。
ワールドごとに景色は全く違っており、どこを眺めてもいちいち楽しくて可愛くて、プレイしているだけで笑顔が止まらない。
そして、本作の大きな目玉であるゾウマリオ。
過去作でタヌキやネコなど様々なパワーアップが登場してきたけれど、ゾウマリオはもはやゾウ。耳や尻尾とか着ぐるみといったレベルではなく、完全にゾウ(二足歩行だけど)。
この潔さと意外性の詰まった姿が記憶から絶対に消えることはないだろう。
サウンドの魅力
視覚だけでなく、聴覚も楽しい。
キャラの声はにぎやかだし、本作のコース上には喋るフラワーがたくさんいる。そのセリフは一つずつ違っていて、ヒントを喋ってくれることもある。
設定でお喋りフラワーの声をオフにも出来るけれど、ソロプレイ派にとっては沿道に応援団がいるような感覚が味わえて嬉しい。
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スーパーマリオブラザーズワンダーが
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スーパーマリオブラザーズシリーズ
元祖2D横スクロールアクションゲームであるスーパーマリオブラザーズシリーズ。
往年の名作は、Nintendo Switch Onlineでプレイすることができる。
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崩壊した地球を舞台に、とある子どもがパルクールで廃墟や大自然を進むプラットフォームアクションが楽しめる。
切ない物語も魅力。
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スーパーマリオブラザーズワンダー
レビューのまとめSummary
おすすめな人
- プラットフォームアクションが好き
- マリオシリーズが大好き
- 幅広い人と遊べるゲームを探している
おすすめではない人
- 明るく元気な雰囲気が眩しすぎて無理
- 複雑な物語を楽しみたい
- ゴールに向かうのみのマリオを求めている
総合評価
- 同じコースが途中で変化し新鮮さが絶えない
- 魅力的なキャラたち
- プレイヤーごとに満足できる難易度で遊べる
- 過去作にあったキャラごとの性能差がなくなってしまった
スーパーマリオブラザーズ ワンダー
© Nintendo
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