『オクトパストラベラー 大陸の覇者』とは

Nintendo Switchで発売された大人気RPG『OCTOPATH TRAVELER オクトパストラベラー』。懐かしさと新しさが上手く同居していて、新規IPながら発売当初から爆発的に人気となった。
本作は、『オクトパストラベラー』と同じ世界で紡がれる新たな物語。完全な新作だ。
スマホ向けのアプリとなっていて、基本プレイ無料。課金要素は後述する。
iOS、Androidでプレイ可能。
私はiPhoneでプレイ。
あらすじ
さまざまな国や街があり、たくさんの人々が暮らすオルステラ大陸が舞台。
オルステラ大陸の各地から、それぞれ異なる目的を持って旅に出た「トラベラー」たちが本作の主人公。

というわけで、主人公は1人ではない。なんと64人いる。全員、外見も生い立ちも性格も全く違う。
ゲームが始まると、1人目の主人公が不思議な空間で目覚める。主人公は、神々の力が宿る指輪に選ばれし者らしい。

そして、ローブを着た操作方法伝授係りの怪しげな人から「何を望むか?」と訊かれる。さらに、「何かを望むなら、このオルステラ大陸にいる「大陸の覇者」が立ち塞がることになるだろう」と告げられる。

どういうこと?と思ったら、バーで目覚める主人公。酔っ払って見た夢?まぼろし?
よく分からないけど、他のトラベラーと合流して街を歩いていると、街を支配する大物の良くない噂を耳にする。そして、その噂を追いかけるうち、トラベラーたちは「大陸の覇者」との戦いに身を投じていくことになる。

ゲームの特徴
主人公が課金要素
本作では、ただ物語を進めているだけでは仲間は増えない。
「導き」といって指輪に触れることで、新たなトラベラーと出会い仲間が増える。誰が仲間になるかはランダムだ。

「導き」を行うためには、ルビー(有償と無償の区別あり)が必要で、ルビーを購入する際に課金が必要になる。

総勢64人いるトラベラーたち。同じキャラでもクラスがあり、どこまで成長できるか(上限レベル)が変わる。

クラスアップする
ストーリーや実績解除などで無償ルビーを手に入れることは可能なので、物語を進めるだけも仲間は増やせるシステムになっている。
クラスが高いキャラを手に入れても、レベルはゲーム内のバトルでしか上がらない(「経験値のナッツ」という経験値獲得できるアイテムも課金では直接変えない)。ちゃんと育成しなければ意味がないので、ただ課金しただけでは最強パーティーは作れない。

8人で戦う
バトルの基本は『オクトパストラベラー』と同じ。ターン制のコマンドバトル。
ターンごとにBPが1ずつ溜まっていく。コマンド入力の際に溜まっているBPを消費する「ブースト」を行うと、通常攻撃が連撃になったり、アビリティの威力が上がる。

また、敵の弱点(攻撃する武器の種類や属性)で攻撃すると、敵のシールドポイントが減り、ゼロになると「ブレイク」。大ダメージが与えられるようになり、敵は次のターン行動不能になる。

バトルの基本
本作では、8人が一斉にバトルに参加する。とは言っても、行動できるのは前衛の4人のみ。後衛のキャラは、ターンごとにHPとSP(アビリティ発動に消費するMPみたいなもの)が回復するし、敵から攻撃も受けない。
ターンごとに、同じポジションにいる前衛と後衛を入れ替えることが可能。入れ替わったキャラは、もちろんそのターンに行動も可能。

本作では、キャラごとにジョブや習得できるアビリティが固定されているけれど、バトルでは8人分の選択肢があるというわけだ。
ストーリーぎっしり
本作では、メインストーリー、各トラベラーごとのエピソード、サイドストーリー、とたくさんのクエストが用意されている。
メインストーリーは、タイトル通り「大陸の覇者」と対峙していく物語。
富に魅入られたヘルミニア、権力に溺れるタイタス、名声に取り憑かれたアーギュスト。3人の大陸の覇者にまつまるストーリーがエピソード仕立てで展開する。



神の力を持つ指輪の保有者
また、主人公であるトラベラーたちのストーリーも展開する。特定のエリアで、各キャラのクエストが発生し、それぞれのトラベラーストーリーを体験することが出来る。
仲間になっていないキャラのクエストも発生するけど、序章の部分だけしか見ることが出来ない。「導き」で仲間になったら、続きをプレイすることが出来る。

メインスクエストは、クエストクリアまで突っ走ることになるけど、トラベラーストーリーは同時に複数進めることが出来る。

街の人に迷惑なほど絡む
街にいるNPCには「フィールドコマンド」で交流が出来る。と言っても、仲良く談笑というわけではない。
NPCの持ち物を、「ねだって貰う」「値切りつつ買い取る」「戦って勝ち取る(強奪とも言える)」ことができる。
また、各NPC特有の技でバトルに参加してもらうよう「お願いして来てもらう」「お金を払って雇う」「戦って従わせる」こともできる。

NPCによって、どのフィールドコマンドを発動できるか異なるが、全てリスクが伴う。「ねだる」場合でも失敗する確率があるのだ。「これ、欲しーい!ちょうだーい」ってねだっても、「は?何言ってんのコイツ」と断られれば、関係性が悪くなる。

影響力が上がっていくと
フィールドコマンドのリスクも低減される
街の中では、フィールドコマンドで失敗できる回数が決まっていて、上限値まで失敗すると、街の人に煙たがれてフィールドコマンドが発動出来なくなる(酒場のマスターにお金を払えばリセット可能)。
評価
本作では、「悪」がすごい。悪役たちが、マジでゲスい、酷い、怖い。彼らの言動は見ていて「うっわ…、こいつ本気でヤバい」と思うことの連続。
特にメインストーリーでは濃厚なドラマを味わうことが出来る。イベントシーンではフルボイスだし、主要人物たちの生い立ちも壮絶だし、かなり見応えがある。間違いなく、物語が最大の魅力の一つ。

主人公が多すぎて、最初に仲間を揃えようと一気に「導き」をしたら、名前を覚えるだけでもひと苦労で、誰が誰やら。でも、トラベラーストーリーを辿っていくと、ちゃんとそれぞれに愛着が湧くようになる。正直、「え、それだけ?」みたいな、あっさりエピソードも多いけど。
スマホでもプレイしやすい。バトルでは、タップでチョイチョイチョイと簡単に操作できる。UIも複雑ではなくて、操作に不満を持つことはほぼない。
移動は、自動で走ってくれるし、踏破した場所ならミニマップ上でタップした地点まで勝手に走って行ってくれる。

本作は『オクトパストラベラー』と同じくバトルが楽しい。雑魚敵とモリモリ戦って、レベル上げや装備品揃えたりして、普通にRPGの難易度で楽しめる。
ついつい熱中して長時間プレイしてしまうので、スマホの充電は減りがちだけど、異様に減ったり本体が燃えるような熱さになることもない。平気で連続して1、2時間プレイしてしまう。
発表された時は「8人でバトル?何それ。『オクトパストラベラー』の劣化版?」と不安にもなったけど、ちゃんとしっかり、めちゃくちゃ面白い。
ジョブやアビリティの自由さは少なくなってしまったけど、パーティーを64人から選ぶ、バトル中には8人分の行動パターンと選択肢は多い。頭を使って戦略を考える面白いバトルは健在。

課金要素がキャラの増員のみで分かりやすいし、ソーシャル要素もないので、何かに邪魔されたり物語が途切れることもなく、純粋に自分のペースでプレイできるRPGとして楽しめる。キャラのガチャがなければ、そのまま一本のゲームとして発売できそう。
今後もストーリーが追加されていくみたいだけど、既にストーリーいっぱいあるし、やりごたえは抜群。どのキャラ育てようか、全員の装備品買ってたらお金足りない、とか、良い感じに悩める。

ドット絵と3DCGを組み合わせた独特なグラフィックの美しさも健在。Nintendo Switchの『オクトパストラベラー』と比べて遜色感じない。

BGMは、Nintendo Switch『オクトパストラベラー』と同じ楽曲が使われている部分が多い。だけど、元々神BGM揃いなので、それで全然良い!もちろん、新曲も良い!