『Olija オリヤ』レビュー: センス炸裂の銛戦士
『Olija オリヤ』とは、Skeleton Crew StudioとThomas Olssonが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
ピクセルアートグラフィックで、ゲームプレイは2Dサイドスクロールアクションとなっている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
海に出ることにした
本作の主人公はファラデー。とある漁村の領主だ。
しかし、彼が治める地は極貧。
愛する民たちの生活を思い、彼は部下たちを連れて漁に出ることにした。
漁で稼ぐんだ。目指せ!大漁!
最悪の展開
漁に出ると、ラッキーなことに、大きな魚影が見える。
やった!
と思ったのも束の間、ファラデー団は波に飲まれてしまう。
そして、目覚めたのは、テラファージと呼ばれる不思議な土地。
漁が失敗したどころか、大きな門に阻まれて故郷にも帰れなくなってしまった。
もう…終わりだ。
銛戦士の誕生
ところが、大チャンスというか急展開が到来。
ファラデーは不思議な洞窟で銛(もり)を手に入れる。
このテラファージの地に眠る伝説の銛だ。なぜかファラデーは使うことができる。
その銛を携え、ファラデーは朽木族という穢れた一族と戦うことに。
更に、戦いの中で、オリヤという名の姫と出会い、ときめいてしまう。
どうしよう!故郷に帰るのが目標なのに!どうしよう!?
ゲームの特徴Features
銛でワープ
主人公は銛(もり)とサブ武器で攻撃出来る。
サブ武器は、ナイフからボーガンや銃など様々で、いつでも持ち替えることが出来る。
そして、本作のメインとなるのが銛。槍のように魚に突き刺す漁業の道具だ。
銛でそのまま近接攻撃も出来るし、遠くに投げることも出来る。
投げた銛が敵などに刺さると、銛の場所にワープすることが出来る。手元に戻すことも可能。
銛は攻撃手段であり移動方法にもなるわけだ。
門を開ける鍵
本作の大きな目標は、故郷に帰ることができる門を開けること。
それには鍵が必要だ。
いくつかある島のボスを倒して鍵を手に入れるわけだけど、そのボス部屋に入るための鍵も必要。
というわけで、あちこち探索しながら進んでいく。
やる気になる人々
探索の拠点となるのは漂流者たちの集落オークタイド。
ファラデー以外にも、この不思議な海に迷い込んだ人々がいる。
敵を倒したり宝箱から手に入るお金やアイテムを使って、拠点にお店を作ったり、買い物が出来る。
また、各地には、物語冒頭にファラデーと共に漁に出た部下たちが捕まっている。
彼らを助けると拠点に共に住み、拠点がどんどん充実していく。
最初は、この世の終わりみたいだった漂流者たちも身綺麗になり、ファラデーを慕ってくれるようになる。
帽子コレクター
本作には、レベルアップの概念はない。
全身黒ずくめのファラデーは帽子でファッションを楽しむ。
帽子屋さんに材料とお金を渡すと、何種類かの帽子を作製することができて、それぞれ特性が違う。
当たり前だけど、ファラデーの頭は一つだし、帽子を何個も重ねて被るという意味不明なファッションもしない。
自分のプレイスタイルや探索する島に合わせて帽子を一つだけ選んで出発する。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
不思議な土地にぶっ飛んで、美しいお姫様と運命の出会いを果たし、そして悪と戦う。
という、めちゃくちゃ王道な筋書き。
が、プレイ中には全く王道っぽさを感じない。
かなり、かなーり独特な雰囲気だ。伝承っぽい感じで語られる。
不気味さや謎があり、更にオリエンタルさもあり、本作特有の雰囲気。
でも、展開が早すぎたりもするけれど話のテンポが良いので、謎がありつつも興味を持って結末まで見届けられる。
キャラクターの魅力
3.5
サクサクッと話が展開していくので、誰かに感情移入しやすいわけではない。
主人公ファラデーは、なぜか最初から大物扱いされてるし、なぜか銛に選ばれし人だし。
突然現れるオリヤは、「いい女」風がすごくて、気がついたらファラデーが恋してるし。
プレイヤーの私は、完全に傍観者だ。
ポッと出の銛使いにザクザク斬られる朽木族の奴隷たちが、やや可哀想になる。そのくらい全員総出で高速で物語を進めていく。
操作性
4.0
これまた独特。
かなりキビキビ動く。アクションを起こすと、シュピッシュピッと瞬間的に動く。
動いた後は、カンフーか体操競技の演技みたいにピッと止まる。「10.0!」と採点したくなるくらい機敏な動き。
操作性は良好。
ただ、本作の独特なグラフィックのせいで、主人公や投げた銛を見失いがちになってしまうのが気になるところ。
難易度バランス
3.0
いい具合に探索要素があって、ボスはそれぞれ戦い方が違うし、楽しい。
バトル難易度はサクサク攻略できるレベル。
というのも、お金が貯まりやすく、強い追加効果付きの帽子もあり、HP上限アップもしやすい。
ただ、ラスボスあたりで本領発揮する。終盤になるとちゃんと立ち回りを考えてしっかりバトルが楽しめる。
「最後に突然しっかりバトル頑張るぜ!」になるので、ゲーム全体のバランスとして見ると、あまり良いとは言えない。
ゲームシステム
3.5
独特な雰囲気とアクションの挙動。後述する個性的なグラフィックスタイル。
間違いなく本作でしか味わえないプレイ体験だらけ。
一見、雰囲気ゲーに見えるんだけど、ちゃんとアクションゲームとして面白い。謎解き要素もあるし、探索も楽しめる。
逆に、クセが強いので、挙動やグラフィックスタイルが好みじゃないと、あまりハマらないかも。
ゲームボリュームはそんなに大きくなく、数時間のプレイに面白さがギュッと詰まってる。
やりこみ要素
3.5
上述した通り、お金が貯まりやすいので、お金で解決できる要素は攻略しやすい。
本作で1番楽しいやり込み要素は、ファラデー隊の部下の救出。
救出するごとに、目に見えてメキメキと拠点が立派になっていくのでやる気が湧きやすい。
部下1人加わるだけで拠点がガラッと変わるとは、もしかして、ファラデーより部下の方が凄いのでは?
グラフィック
4.0
シンプルなんだけど、本作の雰囲気を作り上げている独特なピクセルアート 。
モダンな感じで、ピクセルサイズは大きめ。
決して緻密で繊細というわけじゃないのに、過不足なく世界が表現されてる。センス良い!
ただ、上述もしたけれど、このグラフィックのせいで見にくくなることがある。
ゲーム全体で美しく仕上がっていて、主人公も銛も敵も敵の攻撃エフェクトも色調がまとまりまくっているからだ。混戦になると見分けがつきにくくなる。
サウンド
3.5
大体は不穏なBGM。穢れが漂う地なので、暗めだ。
グラフィックと同じく、過不足なし。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
独特な挙動
芸術性が高いピクセルアート
個性的な雰囲気
残念なところ
主人公を視認しにくくなることがある
難易度バランスが良くない
オススメな人
アクションゲームが好き
個性的なゲームを探している
ピクセルアートが好き
数時間でクリアできるゲームを探している
オススメではない人
クセが強いゲームが苦手
物語やキャラを堪能したい
歯ごたえのあるアクションを求めている
本作が好きならオススメRecommendation
美しいピクセルアートで謎の多い物語ならコチラもオススメ。高難易度アクションで、歯ごたえのあるバトルや探索が楽しめる高評価作。
とがりまくってるセンスが光るピクセルアートならコチラがオススメ。独特なゲーム性も魅力的。独特なアートスタイルの人気が高いタイトル。
Olija オリヤ
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