『侍道外伝 KATANAKAMI』レビュー: いつの間にかハマってる借金返済侍
『侍道外伝 KATANAKAMI』とは、アクワイヤが開発したローグライクアクションゲーム。
自由で笑える要素も盛り沢山のアクションアドベンチャーゲーム『侍道』シリーズのスピンオフ作だ。シリーズ過去作とは物語がつながっているわけではない。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見れます。
あらすじStory
鍛冶屋との出会い
物語は唐突に始まる。本当に唐突だ。
『侍道』シリーズお馴染みの六骨峠にふらりと現れた、とある侍。主人公だ。
物語が始まると、主人公は峠にある鍛冶屋での騒動を目撃することになる。
鍛冶屋の主人である堂島の借金のカタに堂島の娘である七海が借金取りに連れ去られてしまう。
婿になりたい
何が何だか状況が分からない。はずなのに!
これまた唐突に主人公は「娘を奪還してやる!」と、娘が連れ去られうなだれている堂島のおっさんに宣言する。
主人公はどうやら七海ちゃんに一目惚れしたのか、「七海ちゃんと結婚したい!」と、とんでもなく勝手に決意したようだ。
なかば強引に鍛冶屋に転がり込んだ主人公は、七海ちゃん奪還を目指して借金返済を手伝うことになる。
侍だからといって、借金取りと一線構えるというわけではないようだ。
地道なお金稼ぎが始まる。
ゲームの特徴Features
24時間営業侍
主人公は、夜はダンジョンに潜り、鍛冶屋の商品となる武器を調達する。
そして、昼間には、夜のダンジョン探索のための身支度を整えつつ、鍛冶屋の商品管理もしなければならない。
昼の間は刻々と時間が過ぎていく。夜は、時間無制限だけど、ダンジョンから帰還したタイミングで翌朝になる。
こうして日が経っていくと、借金返済の期日が迫ってくる。
借金返済日は定期的に設定されていて、それまでに指定の金額を貯めておかなければならない。
不思議なダンジョン侍
夜になると鍛冶屋の前にある一本松から、辞界と呼ばれるダンジョンへ潜る。
ダンジョンは、毎回ランダムマップで、敵を倒しつつ各フロアの井戸から更に下層へと潜っていく。全敵を倒さなくても移動可能。
下に行けば行くほど、敵がドロップする武器やアイテムが上質なものになるけれど、もちろん敵も強くなっていく。
5階層ごとにボス戦や大量の敵が出現する「祟り場」があり、討伐に成功すると地上に帰還するか、更に下に進むことが出来る。
本作はローグライクゲームなので、ダンジョン内で死んでしまうと所持金も獲得した武器も全て失ってしまう。
武器は主人公自身が使用することも可能だし、鍛冶屋の商品にもなるので無事に持ち帰らなければならない。
戦う侍
侍なので、もちろん刀を使って戦う。
強攻撃と弱攻撃があり、回避とガードもある。武器によって、上段、中段、下段と構えが変わり挙動も変わる。
ジャスト回避かジャストガードが成功すると「極見」が発動し、敵に大ダメージを与えることが出来る。
また、「崩し手」と呼ばれる蹴りと投げ技もある。ガードしている敵の体勢を崩すことができる。
主人公には体力と活力のゲージがある。
活力は、自動回復しないスタミナであり、攻撃など何か行動をする度に減る。また、体力回復にも使用できる。
しかし、活力ゲージがゼロになってしまうと、とてつもなく強い死神がダンジョン内に現れ、見つかるとほぼ瞬殺される。
活力の残量に注意しながら進むか期間するか判断することになる。
強くなる侍
ダンジョンで敵を倒すと経験値を獲得し、レベル(段位)アップによって体力と活力の最大値が上がる。
しかし、力尽きた場合でも自ら帰還した場合でも、ダンジョンから出ると段位は1に戻ってしまう。
でも、刀の熟練度を表す刀級はそのまま。
同じ刀を使えば使うほど、その武器の刀級が上がり、使用可能な剣技が増える。
その刀を所持している限りは元に戻ることはない。
画策
刀の需要が高まれば、たくさん売れるし高い値段で買ってもらえる。
六骨峠では、『侍道』おなじみの3大勢力である「宿場町」「黒生家」「赤玉党」が互いにいがみ合っている。
争いになりそうになってくると刀の需要が高まるので、鍛冶屋としては「しめしめ」な展開だ。
特定の勢力の注文にだけ納品したり、夜間に辻斬りすることで、3大勢力の均衡を崩すことができる。
そうずれば、鍛冶屋の千客万来も夢じゃない!
評価と感想Rating
気づいたらハマってた!
感情移入させる胸熱ストーリー展開に派手で爽快なアクション、というわけでは決してない。
しかし、気づいたらハマってた。
不思議なダンジョン系ローグライクゲームはたくさんある。面白いタイトルも多いけれど、それでも正直飽きちゃうことが多い。
でも、本作には、借金返済という明確な目標がある、しかも、借金取りが定期的に取り立てに来る。
期限までにお金を持ち帰らねばという目標でありプレッシャーが、良い緊張感を生み出してくれる。
そして、もう一つ、バトルが軽快で気持ち良いのも病みつきになるポイント。
見下ろし視点なので、豪快とかド派手ってわけじゃない。正直、当たり判定が怪しい時や、バグによって敵が上手く動いていない時もある。
毎回レベル1からやり直しになるわけだけど、バトルをしていたらポンポンと昇段していくし、刀級もポンポンと上がる。テンポ良く強くなる実感が持てて気持ち良い。
また、物語にもゲームプレイにも、ところどころ笑える要素が詰まっている。
ダンジョンから帰還する際には評価が表示されるんだけど、そこには、土下座でスライディングした距離という項目があったり、「命知らず」や「青二才」といった手厳しい称号を押される。
また、サブクエストもあるんだけど、その「ご依頼」の内容も笑えるものばかり。
それぞれ真剣にいがみ合っている3大勢力にちょっかいを出すのも面白いし、堂島のおっさんのストレスケアをしたり、借金取りの元でたくましく新聞にコラムを出してる七海ちゃんも面白い。
気になるのは、ダンジョン内で見にくくなる時があること。
ダンジョンは和風でいかにも妖怪が出そうな雰囲気で良い感じなんだけど、武器やアイテムがたくさんドロップした時などはかなり見づらくなる。
動くたびに落ちている刀のスペックが表示されて、襲ってくる敵が見にくくなるので、パリィを狙いたい時などに結構困る。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
さくさくアクション
ローグライクと鍛冶屋経営が両方楽しめる
笑える要素たっぷり
残念なところ
ダンジョン内が見づらい
繰り返していると単調になってくる
オススメな人
ローグライクが好き
武器を吟味するのが好き
侍道シリーズのファン
オススメではない人
借金取りに急かされたくない
バトルだけに集中したい
物語をしっかり楽しみたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
ローグライクアクションもお店経営も楽しむなら、こちらもオススメ。昼はお店で商売し、夜はローグライクなダンジョン探索。商品の価格調整も行えるのが魅力。永続要素があるのでエンディングを目指しやすい高評価作。
和風ローグライクゲームが好きなら、こちらもおすすめ。浮世絵のようなグラフィックが魅力。ローグライクとメトロイドヴァニアが融合しており、探索も楽しめる。
侍道外伝 KATANAKAMI
いつの間にかハマってる借金返済侍
ローグライクアクションで武器を集めて鍛冶屋の借金返済する忙し楽しいゲーム。
勢力争いをけしかけたり、鍛冶屋の商品管理をするなどシミュレーション要素も楽しめる。
侍道外伝 KATANAKAMI
©Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
https://www.samuraidou.com/katanakami/