『ヌヌの唄 リーグオブレジェンドストーリー』レビュー: でっかくてモッフモフな心の防寒具 – Song of Nunu A League of Lgends Story
『ヌヌの唄: リーグ・オブ・レジェンド ストーリー Song of Nunu A League of Legends Story』とは、Tequila Worksが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
Tequila Worksは、高評価アドベンチャゲーム『RiME』手がけたデベロッパーだ。
本作は、人気ゲームLoLことリーグオブレジェンドシリーズのスピンオフ作であるものの、独立したゲームになっているため、LoLを全く知らなくてもプレイに支障はない。
LoLとは、たくさんのチャンピオン同士が対決するオンライン対戦のストラテジーゲームで、各チャンピオンにはそれぞれ異なる境遇が設定されている。
近年、各チャンピオンの物語を描くゲームが多数発売されており、それぞれゲームジャンルが異なっており、それぞれ開発元も異なり、1本のゲームとして楽しめるように成っている。
本作は、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はPC版をプレイ。2024年2月1日にはPS5、PS4版とXbox版も発売予定だ。
『ヌヌの唄 リーグオブレジェンドストーリー』とは、どんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
少年とイエティ
吹雪の中を少年が一人で必死に歩いている。「ウィルンプー!どこにいるのー?」と叫びながら歩いている。ウィルンプという人を探しているらしい。
しばらく歩くと、お!人影だ!ウィルンプという名の人が無事に見つかったようだ。
ウィルンプは防寒着を着込みまくってるようで、毛皮まみれ…いや、ウィルンプって人間じゃなくてイエティじゃん!毛皮じゃなくて体毛だった。
しかし、ウィルンプはなんだか元気がなさそうだ。
少年もウィルンプを心配しているけれど、そこに誰かが近づいてくる。
その「誰か」の方を振り返った少年は、途端に敵意剥き出しの顔になり「氷の魔女!」と言いながら、その魔女を睨みつける。
イエティのお次は魔女か!不思議生物だらけだ。
青氷の心
そんな猛吹雪の場面から、物語は3日前に一気に巻き戻る。
少年の名前はヌヌ。
ヌヌはフレヨルドという極寒の地で暮らすノタイ族の少年だ。しかし、彼が暮らしていたキャラバンが襲撃され、母親も行方不明になってしまった。
一人ぼっちになってしまったヌヌだけど、彷徨ううちにイエティの生き残りであるウィルンプと出会い、なんと友達になったそうだ。
で、冒頭の吹雪に遭う3日前の時点では、ヌヌとウィルンプは、共にヌヌの母を探していたところだった。
ヌヌの夢の中に現れた母が語った「青氷の心を探して、私もそこにいる」というメッセージだけが手掛かりだけど、二人は陽気に旅をしていた。
氷の魔女
ヌヌとウィルンプが遊びつつ冒険していると、ヌヌは翼のように見える島を見つけた。
青氷の心はそこにある!と、思う!
ウィルンプは半信半疑のような様子だけど、ヌヌは自分の勘を信じて疑わない。
というわけで、とりあえず翼島と名付けた不思議な島へと向かい始めた2人だけど、彼らを遠くから見つめる者がいた。
そう、冒頭の猛吹雪の中に現れた氷の魔女だ。
何がどうなって冒頭の吹雪の場面に行き着くのか、氷の魔女は何故ヌヌ達を狙うのか。
全ては3日後までに明らかになる!はず!
ゲームの特徴Features
少年とイエティが協力する
本作では、基本的にヌヌを操作する。そして、各所で謎解きを攻略しながら先へ進んでいくパズルアドベンチャーゲームだ。
一方で、ウィルンプは自動で行動する。
謎解きの際も、ヌヌが特定のギミックを正しく動かすと、ウィルンプはそのギミックを使用するなど自動でやるべきことをやってくれる。
しかし、特定の場所では、ヌヌはウィルンプの頭上に乗る。その状態になったら、プレイヤーが操作するキャラはウィルンプに変わる。
ウィルンプ操作時には大きくジャンプしたり、邪魔な障害物をパンチで壊したり、氷壁を登っていくことが出来る。
ヌヌの笛
本作の謎解きでは、ヌヌの笛が大活躍する。笛では4つの音を吹くことができる。
Xboxコントローラー使用時には、RB、RT、LB、LTに吹ける音が割り振られている。
ギミックなどには笛の音を表すマークが表示されており、その通りにボタンを押して笛を吹くと、対応したギミックが作動する。
また、ヌヌは雪玉を投げることが出来て、スイッチや爆発する植物などに雪玉をぶつけて道を切り開くことができる。
戦うウィルンプ
特定の場所ではバトルが発生する。
バトル担当はウィルンプで、ヌヌを頭上に乗せた状態でバトルに挑むことになる。
ウィルンプは弱攻撃と強攻撃、回避が出来る。
体力が少なくなった敵にはトドメ攻撃が出来て、これが成功するとウィルンプの体力回復が出来る。
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各要素の評価と感想Rating
物語の魅力
物語の面白さ
4.0
少年と怪物が友達。ハートフルストーリーにならないわけがない。
その期待が裏切られることはなく、極寒の地だけど心がぬくぬくとあたたかくなる物語が味わえる。
複雑さはなく展開の予想はつきやすいので、ひたすら安心して「あったけぇ、あったけぇ」と微笑みながら眺めていられる。
プレイする前は、ヌヌに感情移入するだろうと思ってたけれど、意外とウィルンプの事情にグッと来る場面の方が多かった。
展開は読めるものの、案の定、泣いてしまった。
ディズニー映画とかショートアニメが好きなら、きっと気に入るはず。ボリュームもちょうど良い適度な長さで終わる。
キャラクターの魅力
4.0
ヌヌは元気いっぱいで純粋で可愛い。
ウィルンプは笑顔が素敵で陽気。
ウィルンプの言葉は分からないけれど(ヌヌは理解できる)、そこかしこで寝そべったり、蝶々と戯れてたり、謎解きの最中では「あっちあっち」と身振り手振りでヒントを出してくれたり、ボディランゲージが豊富。
プレイを始めてしばらくはずっとウィルンプを眺めていた。それくらい愛くるしい。でっかくて頼もしくてモッフモフだ。
そんなまっすぐな心を持つ2人が活き活きと表情豊かに描かれている。
でも、ヌヌにもウィルンプにも切ない過去があり、元気いっぱいというだけではない面もちゃんと描かれている。
NPCはかなり少ないけれど(他のLoLチャンピオン達が登場する)、2人だけでも十分だ。会話も多いし、2人の仲の良さを見守っているだけで満足してしまえる。
ゲームプレイの快適さ
操作性
3.5
複雑な操作は求められないし、操作性は概ね良好。
しかし、特にヌヌ操作時に、何故か壁の出っ張りに掴まってくれない落下事故が多発する箇所がある。
そして、移動中にも自動で会話が発生するけれど、イベントシーン扱いとなっている場面があり、突然移動以外の操作が出来なくなる。カメラ操作さえ出来なくなる。
そうかと思えば、会話しながら通常通り操作できる時もある。
攻略自体に直接影響するわけではないけれど、気持ちよく歩いていたら突然片足を引っ張られるような感覚で気持ち良くない。
二人の仲良しトーク聞きながら陽気に進んでいくのが本作の魅力なので、操作不能のカットシーンか通常通りの操作可能区間かの2択にして、スムーズに進行させて欲しかった。
難易度バランス
4.0
謎解きもバトルも難しくない。本作は物語を楽しむのがメインだ。
表示されている音のマーク通りに間違えないように笛を吹くこと。大切なのはこれくらい。
謎解きは悩むパズルではなく、ギミックを見つけれれば解決してしまうというものが多い。
ヌヌがギミックを作動させたら、そこからはウィルンプが自動でうまくやってくれる。
ヒント機能はないけれど、もし分からなくなってもウィルンプの動きを見れば絶対に解き方が分かる。
バトルでは、もはやターン制バトルかと思うくらい攻撃と回避の余裕がしっかりあるので苦戦することはない。
敵が攻撃するサイン(敵の目がキラッと光る)が出てから、実際に敵が攻撃を発動するまで時間的な余裕がしっかりあるし、ウィルンプの攻撃一振り一振りがしっかり強力なので数撃で各敵を倒すことができる。
ゲームとしての面白さ
ゲームシステム
4.0
本作は物語に沿ってどんどん進むのみ。物語を楽しみながら、謎解きとバトルをちょっとずつ楽しむ物語主導型のゲームだ。
相棒ウィルンプと旅する体験が本作最大の魅力。
で、その通りに本作で1番記憶に残ったのは、ウィルンプの活きの良さ。
ウィルンプは周囲の環境交えて勝手に遊んでいたり、ヌヌの動作に細かくリアクションしてくれたり、遠くにいる時は手を振ってくれたり、謎解きではスムーズにやるべきことをやってくれる。
「誰かがどこかで遠隔操作しているのでは?」と感じるほど、自由で察しが良い。
様々なシングルプレイのパズルアドベンチャーゲームで同行するNPCが登場するけれど、ウィルンプはかなり優秀で感情まで感じられる魅力的な相棒だ。
本作で一番こだわって欲しいウィルンプの魅力が、ちゃんと丁寧に作り込まれているのが好印象。ゲームプレイ上でも相棒の頼もしさを感じられる。
やりこみ要素
4.0
ゲームのほとんどは一本道だけど、少し寄り道がある。
壁画や唄の一節、はぐれたポロ(小動物)を探すといったやり込み要素が用意されている。
そんなに難しい場所に隠されているわけではないので、達成しやすい。
報酬があるというよりは、本作の物語をより知ることができる仕掛けとして用意されているやり込み要素だ。
芸術性の高さ
グラフィック
4.0
CGアニメーション映画のような3DCGで描かれる。
極寒の地なので白色と青色が多めだけど、不思議で幻想的な風景が多い。
一方で、ヌヌの泣いたり笑ったりする表情はあたたかく、ウィルンプの満面の笑みも全て愛くるしい。
上述もしたけれど、ウィルンプは好き勝手に遊んでいることが多くて、表情もコロコロ変わる。
見ていて飽きない相棒だ。
あのモフモフに抱きついてみたいし、抱きしめられてみたい。
サウンド
4.0
BGMは壮大で気分を高揚させる曲調が多い。良い曲揃いだ。
やり込み要素である各所に隠されている唄の一節をアンロックすると、印象に残るメロディを聴くことができる。
笛を謎解きにも使うことになるし、音楽は本作で重要な要素だ。
しかし、BGMが流れるタイミングが謎な時がある。
例えば氷を滑り降りる時は、「ここは絶対派手な曲を流すタイミングだ!」と思うけれど、意外とBGMなし。
それでいて、特に大きな展開はなく歩いているだけなのにドコドコと壮大なBGMが流れ始める時もある。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
心あたたまる物語
相棒の遊びもある優秀な自動行動
適度なボリューム
残念なところ
操作性はあまり良くない
謎解きは単純
オススメな人
物語を楽しみたい
穏やかなゲームをプレイしたい
短時間でクリアできるゲームを探している
オススメではない人
雑な謎解きに挑みたい
バトルをしっかり味わいたい
自分の操作だけで謎解きしたい
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ヌヌの唄 リーグオブレジェンドストーリー Song of Nunu A League of Legends Story
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