『The Gunk』レビュー: ベトベト汚れとハンディ掃除機の戦い
『The Gunk』とは、Image & Form Gamesが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
Image & Form Gamesは、『SteamWorld スチームワールド』シリーズの開発元。
でも、本作は新規IPであり、『スチームワールド』シリーズとは異なり3Dアクションゲームとなっている。
本作は、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
発売時は日本語版がなかったので本校のゲーム画像は英語版のものになっているけれど、現在は日本語版が配信されている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
掘り出し物の予感
宇宙を旅するラニとベックス。
2人は、売れる物や資源を求めて旅している。トレジャーハンターというより、ジャンク品とか鉱石掘りとかそういった感じだ。
で、事業はあまり上手くいっていないようで、資金はカツカツで、借金まである。
ところが、ある日、利用可能なエネルギーが存在する惑星を発見。
これは、一攫千金のチャンス!
ベトベト
意気揚々と目的の惑星に着陸した2人。
ところが、惑星には黒い塊が大量に広がっている!
ベトベトしてて、イクラみたいなプチプチも見えるし、とても良いものとは思えない。
そんな時はラニにお任せ!ラニは自慢のパワーグローブでベトベトを吸い取る。
すると、ベトベトがなくなった場所には突然植物がブワァアアと群生して景色は一変。
どうやらベトベトのせいで植物が育たなくなってしまっているようだ。
ベトベトがなくなった途端に植物が生えるどころか一瞬で育ってしまうのは、おかしな話ではあるけれど。まあ、そういう、不思議系惑星なんだろう。
惑星の謎
ラニは、惑星を探索し、Gunkと呼ぶことにしたベトベトを吸い取っていく(英語でgunkはベトベトした汚れのこと)。お掃除、お掃除。
探索していると、不思議な動物、そして、明らかに文明があったと思われる遺跡も発見する。
ラニは、惑星のエネルギーを吸い取っているGunkを退治し、惑星の謎を解き明かそうと、惑星奥深くへと進んで行く。
ゲームの特徴Features
パワーグローブ
ゲームは、ラニのパワーグローブで行手を邪魔するベトベトのGunkを吸い取り、その土地を浄化して道を切り開いて進む。
Gunkが広がっている地帯は色がなく炭のような状態になっているけれど、その地帯のGunkを全て吸い取りきると、一気に植物が生えてくる。
足場となる巨大キノコやツタも生えて、先に進むことができるようになるわけだ。
生態調査
惑星には、素材だけではなく、遺跡に残る機械やただ鑑賞するだけの不思議な植物もある。
それらの多くはスキャン可能。
スキャンすると詳しい情報が見れて、パワーグローブに経験値のようなものが溜まっていく。
一定のパワーグローブ経験値が溜まると、新たなスキルがアンロックされる。
パワーグローブの更なるパワー
パワーグローブはGunk以外にも吸い取ることが出来る。
植物や結晶などは、金属や繊維などの素材として吸い取り採集が可能。
特定の素材を一定数集めると、上述したアンロックされたパワーグローブの新スキルを有効化することができる。
惑星をスキャンして新たなスキルを開示し、素材を集めてスキル解放。この流れで、主人公を強化していくわけだ。
吸って吹き飛ばす
敵意のあるモンスターも登場する。
パワーグローブから発射するプラズマ弾などで痺れさせることは出来るけれど、直接攻撃するわけではない。
基本は、爆発する実や小型のモンスターをパワーグローブで吸い取り、それを敵に投げつけて倒すといった感じ。
探索中には謎解きも登場し、この何かを吸い取って投げる動作を活用することになる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.5
知らない土地を冒険するワクワクが止まらない!
不思議な植物に見惚れて、それでも不思議さに見慣れて来たら遺跡が出現。
それにも慣れて来たら、新たなキャラ登場。
と、惑星の新たな謎がテンポ良く登場してきて、グイグイ物語に惹き込まれる。
未知の惑星に隠された文明。これが予想していたのとは違った展開に進んでいき、驚きつつ先が気になって、どんどん物語を進めたくなる。
話がまとまっていて、ひたすらテンポが良い。
キャラクターの魅力
4.0
搭乗キャラは少ない。基本はラニとベックス。でも、全然寂しくない。
無線越しだけど2人の会話は多く、その会話を通して、2人の境遇や過去などが分かってくる。
でも、「よく2人でコンビ組んでるなあ」と思うほど2人は性格が全く違う。
案の定、意見が対立することも多い。
2人が活き活きと描かれていて、口喧嘩っぽくなるとプレイヤーの私の方がいたたまれなくなり「2人だけなんだから仲良くしなよー」と仲裁に入りたくなるほど。
それだけ愛着が湧いてくるってことだ。
操作性
4.0
ジャンプもベトベト吸い取り作業も軽快。
ベトベトを吸い取ってるとコントローラーが振動し、スポスポと気持ち良くベトベトが消えていく。
素材などはエイムすれば一気に吸い込めるし、敵との戦いでも爆弾などの着弾点が明示されるので分かりやすい。
ただ、洞窟など狭いエリアを進むことが多く、そこであたりをぐるぐる見渡して素材を探すことになるので、人によっては画面酔いしやすくなるかも。
難易度バランス
3.5
徐々にマップが複雑になり、徐々に面倒な敵が出てくる。
でも、デスペナルティもなく、チェックポイントも小刻みで、失敗してもやり直しやすい。
アクションの難しさはそこまで厳しくなくて、ズンズンと攻略していける。
バトルや謎解きよりは物語と探索をメインに楽しむゲームだ。
ゲームシステム
4.0
マップ構造や地形がものすごく上手く組まれていて、知らない土地を探検している感じが抜群。
先が見そうで見えない。狭い通路を進んだ直後にドーンと絶景が広がる。そんな感じでひたすら先が気になるように作られている。
探索が楽しすぎ。
もちろん本作のメインであるベトベト吸い込みは気持ち良く楽しい。
謎解きやバトルはそんなに複雑ではないものの、ちゃんと面白い。
やりこみ要素
3.5
本作は、物語主導型で、自由度はそんなにない。
「パワーグローブのスキルをどれからアップグレードしようかな?」くらい。
でも、ちょこちょこと寄り道はあるし、スキャンできる動植物も多い。
スキャンすることが経験値なので、ゲームでおまけ要素になりがちな図鑑系の情報収集でもやる気は続きやすい。
グラフィック
5.0
惑星の風景が素晴らしい。
ピンクや緑に黄色など独特な色づかいで、しかもヘンテコな植物ばかり。どこを見ても絵になる。
「未知の惑星だ!」度が最大値以上に振り切れてて、かなり見惚れてしまう。
キャラクターのデザインも素敵だし、夢中になってしまう世界。
サウンド
4.0
不思議だよー、不思議だよー、未知だよー。っていう気分を盛り上げてくれるBGMが多い。
決して不気味でも怖くもなく、ひたすら「不思議だよー」だ。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ベトベト吸い取りが気持ち良い
魅力的なグラフィックやデザイン
ゲーム進行のテンポが良い
探索が楽しいマップ構造
残念なところ
謎解きやバトルはシンプル
画面酔いしやすい場面がある
オススメな人
探検が好き
物語を楽しみたい
サクサク攻略できるゲームを探している
掃除機が好き
オススメではない人
歯応えのある謎解きやバトルを求めている
極度の閉所恐怖症
極度の集合体恐怖症
吸い取りアクションが気持ち良いと言ったらルイージのオバキューム!謎解きもバトルも味わえる全く怖くないホラーなパズルアクションアドベンチャーゲーム。
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The Gunk
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