『ルイージマンション3』とは

豪華ホテルに招待されたルイージ御一行。しかしそれは「キングテレサ」の大ファンであるオーナーの罠だったのです!
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ホテルでルイージがうたた寝をしている間に、マリオ、ピーチ、キノピオたちがさらわれて、絵の中に閉じ込められてしまいます。
仲間を助けるため、ちょっぴり臆病なルイージは、「オヤ・マー博士」の発明した新型「オバキューム」を片手に、奇妙なフロアが続く「オバケホテル」での新たな冒険に旅立ちます。
「永遠の2番手」だとか「マリオの類似」だとか軽んじられがちなルイージ。
そんなルイージが主役を張る『ルイージマンション』シリーズの最新作。
『ルイージマンション』シリーズは、これまで2作品発売されている。
超臆病者のルイージだけど、気の毒なことに毎回冒険するのは不気味な館。
オバケ退治しながら、世界的ヒーローである兄のマリオを救い出す。
愛するピーチを救うためクッパと派手に戦うマリオとは違い、暗くて不気味な館を怯えながら兄のために進む。

何ともルイージらしいルイージのためのルイージによるアクションアドベンチャーシリーズ。
Nintendo Switchのみでプレイ可能。
ストーリー
かなり危ういキノピオ運転でどこかに向かうバス。
乗っているのは、おなじみのマリオ、ピーチ、キノピオ3匹、そして主役のルイージ。

その傍らには、ルイージのペット(?)のオバ犬。
どうやら超豪華ホテルからご招待を受けたらしい一向。
超豪華ホテルに到着して、ワクワクのキノコ王国ご一行。

明らかに顔色が悪いオーナーに迎えられ、各自の部屋へ案内される。

ルイージは気持ちよく、即座にうたた寝。
が、「物語の始まりといえば」のピーチ姫の悲鳴で飛び起きる。

ホテルは完全に不気味な雰囲気に様変わり。
めちゃくちゃ震えて怯えながら、ルイージは皆んなを探そうとする。

そんなところに、宿敵キングテレサがご登場。
キングテレサは、シリーズ過去作で叩きのめされてきた復讐を晴らそうと、ホテルオーナーと結託して、キノコ王国一向、特にルイージをおびき出したというわけだ。

既に捕まってしまっている仲間を助けるために、掃除機片手にへっぴり腰ルイージのお化け退治が始まる。

ゲームの特徴
趣向凝りすぎホテル
ホテル内を捜索しようにも、移動に必要不可欠なエレベーターのボタンがなくなってしまっている。

各フロアを探索して、オバケからエレベーターボタンを取り返し、また新たなフロアへ進むというのが大きな流れ。
もちろん、エレベーターボタンは、各フロアのボスが持っている。

ホテル内は、レストラン、植物園、博物館など、フロアによってガラリと風景が変わる。

超高性能掃除機
『ルイージマンション』といえば、「オバキューム」。

マリオシリーズでは、あれだけジャンプしまくってダッシュしまくって敵をやっつけているルイージだけど、実体のないオバケにはもちろん効かない。
というわけで、ルイージの武器となるのは、「オバキューム」と呼ばれる掃除機。
これが特殊な武器で、というわけでも何でもなく、本当に掃除機。

とは言っても、普通の掃除機ではない。
落ちてるものもお金もオバケも、なんでもかんでも吸い込みまくる超強力掃除機。
お皿だって花瓶だってバリーンと割りながら、カーテンでも丸ごと全て吸い取ってしまう。
オバキュームは、吸い込み、噴き出しどちらも可能。

更に大切なのがオバキュームに付いているライト。
ピカッと光らせてオバケをびっくりさせたり、マジカルな波長の光「ダークライト」を光らせて、呪いによって消えていたものを実体化させてしまうこともできる。

バトルシステム
オバケが現れたら、オバキュームで吸い取り開始。
オバケのシッポをスポッと吸い込むと、オバケの体力が減り始める。

更にシッポを吸い込んだままの状態で、オバケが逃げようとする方向とは逆方向に左スティックを倒す。

逆方向へ吸い込み続けるとゲージが溜まり、溜まりきったらAボタン。
すると、掃除機のホースごとオバケをバシーンバシーンと地面に叩きつける「スラム」という荒技が発動する。

スラムを決めると、大幅にオバケの体力が減る。
他のオバケに向かって叩きつけると、巻き込まれたオバケにもダメージを与えることが出来る。
めちゃくちゃ怯えながらも、なかなかに乱暴な技で大暴れするルイージ。
オバケの体力が減りきったら完全に吸い込んで退治完了。

オバケは種類によって行動パターンが違う。
オバケの正面からピカッとオバキュームライトを光らせると、オバケがビックリして硬直する。
吸い込みやすくなるチャンスだ。

しかし、サングラスを掛けてたり、工夫してライトを避ける賢いオバケもいる。
ボスになると、更に手の込んだ戦い方が必要になる。


オバケによって戦い方を考えるのは、謎解きっぽくもある
謎解き
不気味なホテル内は、ギミックを使った謎解きが満載。
一筋縄では先に進ませてくれない。

謎解きでもオバキュームは大活躍。
色んなものを吸い込みまくって道を見つけたり、ギミックを作動させたり。
そして、飛び道具もある。
「キューバンショット」という、トイレの詰まりを直すアレそっくりなキューバンを発射できる。

家具などにくっついたキューバンからはロープが垂れていて、それをオバキュームで吸い込みまくって引っ張って「スラム」を決めると、家具などがぶっ壊れる。

更に、オバキュームから空気を大噴射させる「バースト」という技もある。
これまで培ってきたジャンプ技術はどこへやら、一見ルイージが巨大オナラをしたかのように、その場で少し浮き上がる。

周りに衝撃を与えることが出来るので、ギミックが発動したり、時にはバトルでも役に立つ。
助っ人グーイージ
ルイージの持つオバキュームというハイパーパワー掃除機を作ったのは、「オヤ・マー」というオバケ大好き博士。
『ルイージマンション』おなじみのキャラだ。

博士とは、とある事情を経てホテル内で再会することになり、ルイージのことを助けてくれる、というか、人使いが荒い。
オヤ・マーの発明品は他にもある。
博士の新技術により、オバキュームからゼリー状の「グーイージ」というルイージクローンを作り出せるようになる。

グーイージを出現させると、ルイージかグーイージのどちらかを操作することになる。
ボタン一つで操作するキャラの切り替えが可能。
グーイージはゼリーボディを活かして、鉄格子などの隙間をすり抜けられる。
その他は、ルイージ本体と同じオバキュームアクションが可能。

しかし、水に弱く、水に触れると消滅してしまう。
バトルでも活躍できるグーイージだけど、ルイージ本体に比べて体力が少ないので、攻撃されると結構すぐ消滅してしまう。
グーイージとルイージそれぞれを上手く動かして謎解きをする場面も多く、2人が協力しないと倒せない敵もいる。


グーイージは「グー」と呼ばれる素材で出来ているからグーイージという名前らしい
やり込み要素
お掃除バイト
とにかくオバキュームがすごい。
そんじょそこらのサイクロン掃除機の常識を覆す圧倒的な吸引力。
ホテル内のあらゆるものを壊しながらもグイグイ吸い込める。
吸い込んでいるとコインが現れることが多く、かなりお金が貯まっていく。

誰に頼まれてるわけでもないけど(ホテルの備品壊しまくってるので迷惑だろうけど)、徹底的にお掃除していると、様々なギミックが見つかる。
メインストーリーに関係ないものでも、仕掛けを作動させたり、特定の条件を満たすと、実績解除される。

ゲームクリアとは関係なく掃除しながら探索するだけでも十分やりごたえ(掃除しがい)がある。

テレサ
マリオシリーズのオバケと言えば、テレサ。
ホテル内には何匹かテレサが隠れていて、テレサ退治するのもやり込み要素になっている。

歩いていると、コントローラーがブブブッと振動することがある。
その振動の強さを頼りに進んでいき、ありえないほどコントローラーが振動する地点に来たら「ダークライト」で照らすとテレサが出現。

そこからは、通常のバトルと同じだけど、テレサはスラムで床に叩きつけても一気に大幅にはHPを削れない。
掃除で一攫千金
ホテル内のギミックを作動すると、宝石が手に入ることがある。
ちょっと解きにくい謎解きの場合は、大体、宝石が待っている。

各フロアに6つずつ宝石があり、全て集めると実績解除になる。
メインストーリー以外でも謎解きがたっぷり楽しめる。

オバケコレクション
オヤ・マー博士はオバケが大好きで、オバケ収集家。
過去作でも、ルイージを使ってオバケ集めをしていた。
今作でも、オバキュームで吸い取ったオバケは、オヤ・マー博士の基地でコレクションされる。

クリアしたフロアでも、戻ると新たにオバケが発生していることがあるので、オバケ収集は尽きない。

お金の使い道
ホテル中を掃除しまくって集めるお金。
どこで使うかというと、なんと、まあ、オヤ・マー博士に支払うことになる。

バトルで負けてしまった時に復活できる黄金のホネを買う以外に、上記のテレサや宝石の場所が分かるアイテムを売ってくれる。
オヤ・マー博士、一体どんだけ頭がいいのか。

評価
好きなところ
- 気持ち良くて楽しい操作感
- 意外と悩む謎解き
- フロアごとにかなり変わる雰囲気
- 細かいところまで何かが起きる密度の濃さ
- やり込み要素が豊富
残念なところ
- ほぼなし
- (遠近感が分かりにくいところがある)
感想
ふとした瞬間に忘れられがちなルイージ。
でも、あまり注目されないからこそ、謎めいた魅力があるルイージ。
そんなルイージがめいいっぱい味わえる。

プレイし始めてからずっと、遊園地のお化け屋敷にいる気分。
ドキドキして、時々ビックリするけど、楽しくて先が気になる。
もちろん同じゲーム内容でも、これが『バイオハザード』なグラフィックだったら、そりゃ果てしなく大絶叫だろう。
しかし、ヘッピリ腰でちょっと内股ルイージがワナワナしながら進む姿と、個性豊かなでコミカルなオバケたちで、とびっきり楽しいホラーになっている。

どこを掃除機で吸い取っても何かしらのリアクションが起きるし、メインストーリーだけでなくやり込み要素の謎解きがギッシリ詰まっている。
「ここには、きっと何かある!」とブイーンと吸い取りながら歩くのが癖になる。

というか、実は、謎解きとは関係なくブイーンと吸いまくっている。
あらゆるものが、ボゴォオオオオ、ズボォオオオオオオと勢い良くオバキュームに吸い込まれていくのが、本当に気持ちいい。
お掃除好き、潔癖症の人にとってはたまらないゲームなんじゃないか。

ゲーム内容は、謎解き80%、アクション20%くらいな感じ。
バトルでも倒し方を見つけることが大部分を占めていて、アクションのテクニックはそこまで必要ではない。
とは言っても、ボス戦では結構走り回るので、ちゃんとアクション要素も楽しめる。

で、ゲームの大部分を占める謎解き、これに意外と悩むことになる。
見た目の可愛さとカジュアルなアクション操作なので、全体的なゲーム難易度は低めかと思いきや、突然、頭を抱えてしまう謎解きもある。

しかし、「うーん、なんだろうなあ」と思いながらブイブイブイーンと掃除機をかけまくったり、オバキュームライトを付けたり消したりしていると、解決の糸口が見つかってくる。
カジュアル過ぎないし、難しすぎない、良いゲームバランス。

そして、プレイしていて1番気に入ってることは。
ルイージは、めちゃくちゃ怯えまくっているくせに、ホテル内の物を豪快にぶっ壊しながら掃除機で吸い取りまくり、更には豪快にオバケを掃除機で叩きつける。
このシュールさが、かなりツボ。
ルイージは怯えているようで、意外と神経図太くてワイルド。

どのフロアも独特でアイデアいっぱいで、楽しくて、面白くて、探索も謎解きも趣向が凝らされていて、ホラーなのに笑顔になってしまう魅力的なゲーム。

たまに遠近感が分かりにくいところもあるけど、プレイしていて不満に思うところが特に見当たらない良作。
こんなプレイヤーにおすすめ
世間はマリオだピーチ姫だとか言ってるけど、「私はルイージファンだ!」という人には絶対おすすめ。
ルイージが中心であり、ルイージが全て。
ルイージを余すことなく堪能できる。

謎解き、探索といったアドベンチャーゲームが好きな人にもオススメ。
どれも趣向が凝らされていて、やり込み要素含めるとしっかりボリュームもあって、がっつり楽しめるはず。

ホラー好きな人にもおすすめ。
もちろん「ぎぃやぁぁあああ」みたいな大絶叫だとか、「心臓破裂しそう」みたいな恐怖とは違う。
しかし、不気味な雰囲気は満点。
『ナイトメア ビフォア クリスマス』のティム・バートン監督作品みたいな世界観が好きな人なら、絶対気に入る。

よっぽどビックリするのが嫌いでなければ、子供から大人までみんなが楽しめる。
CERO A (全年齢対象)のホラーなんて、なかなかあるもんじゃない。

ルイージマンション3
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