【大神 絶景版】史上最高に軽いノリの日本昔話 – 攻略とレビュー
絵巻物のような雅の世界で、笑いも涙もたっぷりの壮大な旅に出る名作が美しく蘇った『大神 絶景版』。
大神 絶景版の特徴
- ストーリー: 冗談たっぷりの日本昔ばなしエピソード満載の笑って泣ける物語
- 攻略: 画面に直接図を描くような筆しらべが特徴で、謎解きもバトルも攻略するアクションアドベンチャーゲーム
- 評価: 随所で筆しらべを上手く活用するゲームプレイにも、物語とグラフィックにも惹き込まれる高評価作
- 日本画のまま動くグラフィック
- 筆しらべシステムの面白さ
- 笑いたっぷり感動ストーリー
- 視界に死角が生じることがある
- メッセージ表示のテンポがゆっくり
『大神 絶景版』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
大神 絶景版の攻略
大神 絶景版の概要
タイトル | 大神 絶景版 |
---|---|
開発元 | クローバースタジオ, ヘキサドライブ, CAPCOM |
販売元 | CAPCOM |
発売日 | 2012年11月1日 |
対応機種 | PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PS4 |
本作は、2006年にPS2で発売された名実ともに神ゲーと呼ばれている『大神』のリマスター版。
ストーリー
白ワンコの正体は天照大神
本作の主人公は犬。いや、厳密には狼。いや、本当の正体は、神木村という村に伝わる「凶悪妖怪ヤマタノオロチ討伐伝説」で活躍した神であるアマテラス(天照大神)。
しかし、物語の冒頭に、何者かがそのヤマタノオロチを封印していた剣を引き抜いてしまった。
案の定、ヤマタノオロチが復活してしまい、それととも石像として祀られていたアマテラスも蘇り、本作の主人公として走り始めた。
しかし、アマテラスは人から見るとただの白いワンコだ。
目覚めたはいいものの全盛期の力も記憶も失ってしまっている白ワンコは、相棒の昆虫サイズの絵師イッスンと共に、力を取り戻しながら妖怪退治の旅を始めた。
日本昔ばなし
本作で白ワンコが旅の道中で出会う様々な人(人じゃない者もいるけれど)は、日本昔ばなしでお馴染みの人物が元になっている。かぐや姫や浦島太郎など、有名人ばかりだ。
しかし、昔ばなしのイメージからかけ離れ、現代的な人間味溢れるキャラクターになっている。
例えば、相棒のイッスンは、「一寸法師」から連想する「勇気いっぱいひたむき少年」というイメージはほぼなく、美人好きで巨乳好きの家出少年といった感じで、イメージ崩壊している。
ストーリー上でも昔ばなしが元になっているエピソードが多数登場するけれど、物語は意外な方向へと向かっていくことになる。
攻略のポイント
筆しらべ
本作では、物語に沿って探索できるエリアが広がっていき、各地にあるダンジョンを攻略してゲームが進行する。
本作の大きな特徴は、筆しらべ。
PS4版では、R1ボタンを押すと筆しらべモードに切り替わり、画面内の全ての時が止まり、モノクログラフィックに変わる。筆しらべモードでは左スティックで筆を動かして画面上に墨で図形を描くことが出来る。ちなみに、Nintendo Switch版では、タッチスクリーン上に直接指で描くことができる。
好きに落書きできるというわけではなく、ゲームの進行によって習得した特定の描き方を適切な場所に描くと世界に変化が起こる。
例えば、横線一本を木に描けば切れるし、丸を描いて上にチョンと線を足せば爆弾が現れる。
また、同じ図形でも各場所によって効果は異なる。空に丸を描くと太陽が現れて昼になり、枯れ木に丸を描くと桜が咲き、水面に丸を描けば蓮が現れて足場になる。
芸術派アクションバトル
フィールドやダンジョンでは、敵に遭遇するとシンボルエンカウントで一定範囲内がバトルフィールドに区切られて、アクションバトルが始まる。
主人公のアマテラスは、鏡、剣、勾玉の三種の神器を近接武器として使える。挙動や射程は異なっており、好みや敵に合わせて使い分ける。
そして、バトルでも上述の筆しらべが活躍する。
妖怪ごとに「弱点筆しらべ」が決まっている。敵の特定の部位を筆しらべで切ったり、強風で吹き飛ばしたりして弱点筆しらべで隙を作ることで近接攻撃が効く敵もいる。
バトルはハイペースで、更に筆しらべも行うという忙しいバトルとなっている。
昼も夜も謎解きとお悩み解決
フィールド、ダンジョン、村と様々な場所を冒険することになるけれど、バトルだけでなく謎解き要素も溢れている。
ダンジョンでは、筆しらべで作動するギミックを使った謎解きが登場する。より多くの筆しらべを習得するほど探索できる場所も広がる。時にはメインストーリー上では攻略済みのエリアに戻るのもおすすめだ。
また、NPCの悩みを「神の奇跡」のように解決するサブクエストが豊富に登場する。単にモンスター討伐だけでなく、NPC間でおつかいをしたり何段階か作業が必要なこともある。
ゲーム内では常に時間が流れており、NPCたちは昼夜で行動が変わる。その変化を利用して攻略するサブクエストも多いのでNPCの様子はよく観察しておいた方がいい。
神の強さ
本作では、バトルで勝利するとお金やアイテムを獲得するけれど、経験値は得られない。
アマテラスは、人々の幸せと信仰心で強くなっていく。
サイドクエストで人々のお悩み解決してあげたり、フィールド上の羅城門と呼ばれる祟られた場所を浄化したり、野生動物に餌をあげると、幸玉という幸せの塊が集まってくる。
この幸玉が本作の経験値にあたり、集めるほどアマテラスが強くなる。
散らばった珠
各所ではぐれ珠という宝物を手に入れることが出来る。「全部集まるとすごいことになるかもよ」と説明されている通り、後々すごいことが起きる。
世界中隅々まで探索して宝箱を開けまくり、全サイドクエストを攻略しないと全て揃えることができないので、はぐれ珠を収集した数が、そのまま『大神』のやり込み度になっている。
ミニゲームの報酬だったり、特定の筆しらべを習得していないと手に入れられない場所にも隠されている。
大神 絶景版のレビュー
噂通りの名作っぷり
私はオリジナル版をプレイしたことがなく、リマスター版である本作で初めてプレイした。全くの初見だ。
神ゲーだという評判は聞いたことはあったけれど、プレイしてみて噂通りだった。いや、実のところ、期待以上だった。
リマスターというと、グラフィックは綺麗になってるけど、システムや挙動には古さを感じてしまうことが多い。
しかし、本作では「昔のゲームだなあ」と感じる瞬間が全くなかった。世界観もシステムも独創的だし、操作性も良くて滑らかに動く。現代で全くの新作として発売されてもバリバリ通用すると思う。
和の美しさと色褪せない技術
本作でまず目を惹くのがグラフィック。
オリジナル版の発売当時も個性的だっただろうけど、今でも日本画をベースにしたグラフィックは珍しい。
背景の水墨画な筆致とプレイヤーが描く筆しらべが同じ墨の質感なので、本当に自分がゲーム画面に落書きしている感覚になる。
しかも、思いっきり平面な日本画に見えるけれど、ゲームは3Dで動く。
しかし、筆しらべモードに切り替えると2Dの概念になり、遠くのものも近くのものも同じ平面として線を描いて結べたりする。
この独特な感覚に、目からウロコをぼろぼろ落としながら夢中になってしまった。
そして、「絶景版」と謳ってるだけあって、本気で絶景。特にお気に入りなのが、アマテラスが動くと足下から植物がわさわさ生えてくるエフェクト。歩きスピードだと草が生えるくらいだけど、爆走スピードになると花が咲き乱れる。
まさか2006年に発売されたゲームのリメイク作でスクショを撮りまくりたくなるとは、正直予想してなかった。それくらいグラフィックも素晴らしい。
ほっこりストーリーに涙と笑いが止まらない
グラフィックやゲームシステムだけでなく、ストーリーも最高だ。
まず、キャラクターが見た目も性格も超個性的で魅力たっぷり。見た目のインパクトから凄く個性的。米俵や桜の木などそのキャラを表すアイテムをものすごいバランスで頭上に乗っけているキャラが多い。
性格も濃いキャラが多く、ノリツッコミ的な珍エピソードを繰り広げていたり、笑いどころたっぷりなセリフがたくさん登場する。主人公は崇められるはずの神様だけど、シロとかポチとか呼ばれて、完全に犬扱いされている。
といった感じで、厳かな神の物語のはずなのに、だいぶ軽いノリで終始楽しい。
しかし、全体通してみると、おとぎ話のような心温まるストーリーで、特に終盤は壮大な展開に。ラストバトルでは、泣きながら戦った。軽いノリだったはずが、いつのまにかどっぷり感情移入して大感動のラストを迎えていた。
筆しらべで謎解きを満喫
グラフィックと共に本作ならではの特色は、筆しらべという独特なシステムだ。
作中、このシステムがうまく活用される謎解きが豊富に用意されており、たっぷり謎解きを楽しめる。
習得した筆しらべが増えるごとに、謎の解き方が豊富になっていって、全ての筆しらべを駆使するように作られているアイデアに感心しっぱなしだった。
多くのゲームで、終盤に強力な技を覚えると、「それで何でもまかなえるじゃん」状態になることが多い。しかし、本作では序盤に習得した筆しらべが、ちゃんと最後まで第一線で大活躍するように全て活かされているのも良かった。
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大神 絶景版の総合評価
大神 絶景版
総合評価
筆しらべという独創的で謎解きにもバトルにも活かされたシステムが面白く、和風の雰囲気や魅力的な物語にも夢中になる高評価アクションアドベンチャーゲーム。リマスター版でもゲーム内容に古さは感じない普遍的な面白さ。
おすすめな人 | 芸術性高いゲームが好き 個性的なゲームをプレイしてみたい 長時間遊べるゲームを探している |
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おすすめではない人 | ノリツッコミ的な笑いが苦手 行ったり来たりするのが面倒くさい バトルに勝つことで強くなりたい |
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