『Starfield』レビュー: 自由過ぎる宇宙 スターフィールド
オープンワールドどころか宇宙全てが冒険できる広大すぎてロマン溢れる『Starfield スターフィールド』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Starfield製品情報
タイトル | Starfield スターフィールド |
---|---|
開発元 | Bethesda Game Studios |
対応機種 | Xbox, PC |
ジャンル | オープンワールド, アクションRPG |
開発元のベゼスダソフトワークスは、FalloutやThe Elder Scrollsシリーズなど人気オープンワールドRPGを手がけているけれど、本作は久しぶりの新規IPとなっている。
本稿ではXbox版のレビューを行なっている。
Starfieldの攻略
ストーリー
鉱山で何かが見えた!
ゲームが始まると、いかつい装備に身を包んだ女性と男性に「危険だぞ」とか「でも、あなたなら出来る」などと喋りかけられる。
状況が全く把握できないけれど、主人公はその2人に導かれるままに鉱山のような場所に入って行くことになる。
彼らのセリフから察するに、主人公は鉱山に眠る貴重な素材を採掘する雇われ鉱員だ。
そして、なぜか新人である主人公が貴重素材の反応がある洞窟の奥へ行けと命じられる。
「ちょ、ちょっと、先輩たちが先に行ってくださいよ!」と思いつつも洞窟の奥へと進んでみると、不思議な金属が置かれている。
「これがお目当ての貴重金属なのかな?」と主人公がその金属に手を伸ばした次の瞬間…
ま、まぶしい!!ブワァアアアアッと光溢れる謎のイメージが矢継ぎ早にザザザザッと流れていく。
目、目がぁああああ!
コンステレーションへの突然のスカウト
気を失ってしまった主人公が目覚めたところに、問題の貴重な不思議金属の発掘の依頼主であるバレットが宇宙船に乗ってやって来る。
あれ、そういえば、ここは地球ではないのかな。
そんなことをぼんやり考えているうちに、突然宇宙海賊に襲撃され、初対面のバレットには「コンステレーションに入るべきだ」と言われ、何が何だか全然訳が分からないことが続く。
そして、チンプンカンプン状態のまま、バレットに言われたように宇宙船に乗ってニューアトランティスという街にあるコンステレーション本部へ向かわされることになる。
ちょっと、誰か!説明して下さい!疑問が渋滞してます!
広い宇宙へ旅立つ船長
辿り着いたニューアトランティスは、絵に描いたような未来都市だ。
実は、本作の舞台は2330年の宇宙。地球は既に住めない環境になっており、人類は宇宙の様々な惑星に移住している。
そして、主人公が突然スカウトを受けたコンステレーションという団体は、そんな宇宙の謎を追い求める冒険野郎集団だ。
彼らは、主人公が先ほど謎イメージを見る原因となった不思議金属であるアーティファクトの謎を解こうとしているらしい。
というわけで、半ば強引にコンステレーションに加入させられた主人公だけど、その身は自由だ。好きに宇宙を探検すればいいらしい。
よーし、宇宙船ももらったし、どこに行こう。この旅の先には何が待っているんだろう。
攻略のポイント
自由なオープンギャラクシー
本作はオープンワールドゲームだ。
メインストーリーはあるけれど、サブクエストや討伐依頼などを好きに受注しながら攻略できる。
ただ、本作はオープンワールドとはいっても、地続きの1つの広い世界ではなく、オープンギャラクシー(銀河)だ。
星図と呼ばれる本作のワールドマップ画面からファストトラベルで各惑星へ移動して探索することになる。
星図上にはたくさんの星系があり、各星系は複数の惑星から成っている。もちろん地球が含まれている太陽系もある。
惑星ごとに環境は異なり、惑星上に降り立てば自由に探索出来る。人が住めない過酷な環境の地もあれば、独自の文化を持つ街が栄えている惑星もある。
また、マップから行き先を選んで移動するのではなく、宇宙船で宇宙空間を航行することも出来る。ただし、敵対勢力との宇宙船バトルが発生することもあるので、ゆったり旅できるわけではない。
どの派閥のどの仕事を請け負うか
上述した通り、主人公はコンステレーションの一員として宇宙の謎を解明していく探検家となる。これがメインストーリーだ。
しかし、コンステレーションは会社ではないし、ルールもゆるゆるでコンステレーションの任務に専念しなければならないわけではない。
この宇宙にはいくつかの勢力(派閥)がある。
長らく有人星系を統治してきたコロニー連合、コロニー連合の統治に反旗を翻し戦った歴史を持つ自由恒星連盟、宇宙を股にかける巨大企業のリュウジンカンパニー、海賊行為を繰り返す無法者の紅の艦隊などなど。
各勢力ごとに拠点や支配領域があり、人材募集もしている。それぞれ福利厚生も異なる。
主人公はどこの仕事を受けてもいいし、複数の派閥に属することも出来る。
何でも経験値とお金になる
本作では、主人公は経験値を獲得してレベルアップして強くなっていく。
経験値は、敵を倒した時だけでなく、未知の惑星で動植物をスキャンして生態調査をしたり、何かをクラフトした際などにも獲得できる。
レベルアップ時にはスキルポイントを手に入れ、好きなスキルをアンロックしていくことができる。体力や攻撃力のアップグレードはもちろん、交渉術や宇宙船操作に関するスキルもある。
本作では、会話中に選択肢が登場することが多く、時には相手を説得してバトルを避けて攻略することも出来る。
また、ボールペン一本から高価な武器さえも様々な物を拾うことが出来て売ることもできる。しかし、所有者がいるアイテムを入手してしまえば窃盗となる。さらには罪のない民間人を攻撃もできる。
こうした犯罪がバレてしまうと、懸賞金をかけられたり、投獄されることもあるので注意。
未知の惑星に自宅を構える
探索中やバトルでは資源を拾うことが出来て、それを素材にして武器の強化や消費アイテムのクラフト、料理なども行うことが出来る。もちろんお店での売買も可能だ。
更に宇宙船をカスタマイズしたり、好きな惑星に拠点を建築することも出来る。
また、各地にいる職探しをしているNPCを雇って同行してもらったり、宇宙船や自分で作った拠点で働いてもらうことも出来る。
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Starfieldの評価と感想
物語の面白さ
思いっきりSFな物語だ。
宇宙を旅するぞ、見知らぬ惑星が待ってるぞ、超常現象もあるぞ。といった感じで、お腹いっぱいSFを満喫できる。
超能力ヒーローとか魔法使いではなく、「実際に宇宙で暮らす時代が来たらこんな感じなのかな」と思うような現実寄りのSFだ。
本作では、濃厚な人間ドラマが展開するわけでない。伏線が複雑に絡み合う物語でもない。
物語は旅するためのガイドに過ぎない。自由に冒険する!これが本作最大のテーマだ。
冒険することがメインなので物語を見せる演出は控えめではあるけれど、参加する勢力や会話の選択肢などによって自分の好きな物語を歩むことができる。まさにロールプレイング。
キャラクターの魅力
NPCはたくさん登場する。各キャラには、主人公に対する好感度もある。
ただ、上述した通り、物語の描写自体が軽めだし、NPCの数も多いので、各キャラは印象に残りにくい。
しかし、そのうち喋る機会が多くなるNPCには愛着が湧いて来る。特にコンステレーションのメンバーはそれぞれ個性豊か。
会話中に選んだ選択肢によっては、NPC自身のプライベートなことを教えてくれることもあるので、全選択肢試すぐらい喋りかけてみるのがおすすめ。
個人的には、敵味方全員が、戦闘状態になった途端に全員荒くれたセリフを言い出すのが妙に笑いのツボに入った。バトル前には落ち着いて交渉していたはずなのに、戦うことになった途端みんな殺意もりもりに豹変する。
操作の快適さ
主人公のアクション操作回りはスッキリしている。
また、プレイ中には、主観視点、三人称視点、遠めからの三人称視点の3つの視点を切り替えることが出来る。個人的には主観視点があまり好きじゃないので、視点切り替えが出来るのは嬉しいところ。
でも、おそらく主観視点を基準に作られているので、三人称視点だとキャラの動きがやや大雑把になる。これは仕方ない。
それより気になったのは、チュートリアルの不親切さとメニュー画面の使いづらさ。
色々なことが出来るし便利機能もあるけれど、気づきにくく分かりづらい。
最初にヘルプを見たり、メニュー画面を触りまくったり、宇宙情勢含めて自分で学ぶ姿勢が求められる。
また、移動の基本がファストトラベルというのは宇宙が広大すぎるとはいえ残念。
ミッションリストから目的地にファストトラベルできるのは便利だけど、ステージ選択してプレイしている気分になる。オープンワールドの「移動が楽しい」は味わえない。
移動でも荷物整理でも、スマートとは言えないメニュー画面を頻繁に開かなければならず、プレイしていて「面倒だな」と感じる場面が多い。
難易度バランス
難易度は選択可能。私はノーマルでプレイ。
敵のレベルや各惑星の難易度が画面上に表示されるので、自身のレベルと比較してどこから攻略しやすいか事前に把握できる。
さらに、弾も回復手段もお金も手に入りやすく攻略に詰まることはない。敵は武器をボロボロとドロップするので、強い装備品が手に入るとバトルがかなり楽になる。
といった感じで、無謀な戦いを挑んだり、犯罪に手を染めまくる暴挙に出なければ、楽しく宇宙冒険ができる難易度だ。
一方で、宇宙船同士でのバトル時には操作の慣れが必要で、地上戦より難易度がやや厳しめ。
宇宙船を扱いづらく感じるなら、金に物を言わせて宇宙船のアップグレードを怠らないことが1番の必勝法だ。
ゲームシステムの面白さ
とんでもなくでっかい宇宙で何しよう、どこ行こう、果てしない広さに期待が膨らむ!惑星から離陸する演出を見る度に「宇宙ってロマンだよなぁ」とワクワクが止まらない。
本作では、そんな宇宙に夢を抱く冒険心をがっちり受け止めてくれる壮大な世界に飛び込める。
文字通りオープンギャラクシーで、初めて星図を見た時はその大ボリュームっぷりに「どこまで作られてるんだ!?」と驚いた。
ただ、自動生成の不毛な環境の惑星が多いので、どデカい空間にポツポツと遊べる場所が浮かんでいるといった感じ。濃密なオープンワールドというわけではない。
でも、世界設定が作り込まれており、選択肢もたっぷりある。どの勢力に属するか、どの仕事を受けるか、どう解決するかもプレイヤー次第。
オープンギャラクシーでの冒険が本作の大きな特徴ではあるものの、そこについては広く浅くになってしまっているので、ロールプレイを楽しむゲームと捉える方がおすすめ。
やりこみ要素の楽しさ
やり込み要素は膨大に用意されている。
まずはサブクエスト。大小様々なものが用意されていて、細かな分岐要素もある。
報酬はもちろんのこと、宇宙で好きに生きている感覚が味わえるので、気になったサブクエストは片っ端から受けた方がいい。
悪巧みに加担したり、盗みもできるし、好き勝手するのが本作の一番の醍醐味だ。
また、最初のキャラクリエイトでは主人公の素性を選択することができる。最初から賞金首だったり、自宅のローンを抱えているなどユニークなものが用意されている。
更に、たくさんの惑星がある。惑星は自動生成で何もない惑星が多く飽きてしまうけれど、調査するだけでも経験値が獲得できるので、訪ねていく意味は一応ある。
そして、拠点建築と宇宙船カスタマイズは、ハマってしまったらそれだけで時間が溶けていく。ただ、上述した通り、UIなどの煩雑さが気になるので、快適に建築ができるわけではない。
グラフィックの芸術性
宇宙船や宇宙服、未来感満点な建物など、そこかしこから宇宙とSFが溢れている。
高精細な3DCGで描かれていて、特に宇宙船が飛び交っている風景や惑星の遠景には惚れ惚れしてしまう。
宇宙が好きな人なら、見惚れてしまう瞬間が随所にあるはずだ。
大ボリュームなので、大勢のキャラが動いている場所などではグラフィックのクオリティが下がってしまう時はあるけれど、装備が変われば見た目も変わるし、外見のキャラクリエイトにもこだわることができる。
サウンドの魅力
宇宙の壮大さを表現したBGMがずっと流れている。
とにかく曲が壮大!耳からも冒険心が盛り上がってくる。
レベルアップした時でさえ、もはや全宇宙に平和もたらしたかのような雄大な効果音が流れる。
また、本作のようなNPCの多い大ボリュームの海外産RPGで日本語吹き替え版があるのは嬉しいところ。
サントラはこちら
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
Starfieldレビューのまとめ
おすすめな人
- 分岐要素のあるロールプレイングが好き
- 宇宙やSFが大好き
- 大ボリュームの超大作をプレイしたい
おすすめではない人
- 自由度が高いと目的迷子になる
- 情報量が多いと面倒くさくなる
- 探索の楽しさに期待している
総合評価良いところ&残念なところ
- 圧倒的なボリュームと自由度の高さ
- ワクワクする世界設定とSFな物語
- ロールプレイングが味わえる
- 操作やシステムにとっつきにくさがある
- 何もない惑星が多く、探索の面白さは少ない
- 挙動がやや大味で、UIも煩雑
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こちらはオープンワールドではないけれど、プレイヤーの選択やプレイ内容によって物語が幾重にも分岐していくロールプレイががっつり味わえる高評価作。
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Starfield スターフィールド
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