『メイジシーカー リーグオブレジェンドストーリー』レビュー: 肉体派の魔法使い – The Mageseeker: A League of Legends Story
『メイジシーカー リーグ オブ レジェンド ストーリー The Mageseeker: A League of Legends Story』とは、Digital Sunが開発したアクションRPG。
本作は、Riot Forgeが開発する人気MOBAのLoLこと『League of Legends』がベースとなっている。
とはいっても、LoLを全く知らなくても問題ない。
本作は、LoLのチャンピオン(プレイアブルキャラ)の1人であるサイラスの生い立ちが描かれている別のゲームになっている。
また、本作の開発元はRiot ForgeではなくDigital Sun。高評価ローグライトゲーム『Moonlighter』を手がけたデベロッパーだ。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPC版をゲームパッドでプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
才能あふれるサイラス
本作の主人公はサイラス。
デマーシア王国という国で、少年の頃からメイジ狩りとして働いてきた。
デマーシア王国では、国をあげてメイジを弾圧し拘束している。
メイジとは、魔法使いとして何らかの活動している人以外も含まれる。つまり、生まれながらに魔力(魔法を使う才能)を持つ人は、一般人でも子供でも弾圧対象だ。
そんな恐ろしい国なら、魔力を持っている人は全力で隠して暮らすだろう。
そこで、サイラスの出番だ。サイラスは人の魔力を見ることが出来るので、メイジ発見少年として働いていた。
投獄されるサイラス
おいおい、そんな悪役の手下みたいな物語?
と心配になるけれど、サイラスも自身の行いに疑念を持っていた。
そして、遂にある日、捕らえられそうになっている少女を助けようと行動を起こす。
が、まだ未熟だったサイラスは上手く魔力をコントロールできず、魔法が暴発!
そして他のメイジ狩りにバレてしまい、あえなく投獄されてしまう。
復讐に燃える革命家
投獄から15年後。サイラスはメンタルがとてつもなく強かった。
サイラスは処刑される前に、囚人である彼に優しくしてくれていた兵士ラックスを騙して魔力を盗み、なんと脱獄に成功!
そして、街に火を放ち、ちょっとやりすぎなくらいの大混乱を王国中に巻き起こして、森へと逃げ延びた。
その森の奥で、サイラスはレイラニというリーダーのもと隠れて暮らしているメイジたちに出会う。
そこでサイラスは、自身の目的のためにも、他のメイジたちを奮い立たせデマーシア王国に革命を起こしてやろうと導いていく。
サイラスの目的とは、メイジ狩りを指揮するエルドレッド卿への復讐だ。
デマーシア王国の大混乱と王殺しの犯人なら、上手く革命の象徴となって味方を増やし目的を遂げられるはず。
ん?いやいや、王殺しって何!?そっちの犯行は身に覚えがないんですが!サイラスに濡れ衣着せてる黒幕は誰だ!?
ゲームの特徴Features
革命ミッション
本作はミッション攻略でゲームを進行していく。メインミッションとサブミッション、そして後述する仲間を派遣するミッションもある。
ミッションの合間には拠点である隠れ家で、サイラスの強化やNPCとの取引などミッション前の準備が出来る。
本作では、敵を倒したり宝箱を開けると物資(通貨)が手に入り、拠点の施設で取引することで主人公の様々なアップグレードを手に入れることが出来る。
盗んで戦う
サイラスは両手についてる鎖を使って、弱攻撃と強攻撃の近接攻撃が出来る。
そして、もちろん魔法も使う。魔法には大きく分けて2種類ある。
一つ目は、戦っている敵から盗む(コピー)魔法。発動出来るのは一回きりだけど、時間をおけば同じ敵から何度でも魔法を盗むことが出来る。
二つ目は、魔法石を使って発動する魔法。盗んだことがある魔法は、拠点で物資(通貨)を払うことで、いつでも使用可能な魔法として装備できる。
ただし、魔法石の使用にはマナを消費する。マナは、近接攻撃を当てることで回復できる。
また、サイラスはダッシュ回避と遠くに鎖を引っ掛けるアクションが可能。
遠くの敵に鎖を引っ掛ければ、敵の元に急襲して攻撃できるし、探索中にはグラップリングフックとしても使える。
仲間と共に強くなる
探索中には、他のメイジや牢に捕えられているメイジに出会うことがある。彼らをスカウトすると仲間になってくれる。
仲間には2種類いて、無法者と新兵に分けられる。
無法者は、いわゆるネームド(名前付き)のNPC。
ミッション選択時には、連れていく無法者を選ぶことが出来る。誰を連れていくかによって、特定の魔法が強化されたりコンボ技が使えるようになる。
ちなみに、連れていくとはいっても、共闘するわけではない。あくまでもサイラスに力を授けてくれるだけで、姿も表示されない。サイラスとは別の場所で戦っているという設定なのかも。
そして、新兵は、加入時に無法者の誰かの隊に所属する。
何人の兵を抱えているかによって無法者の能力が上がる。つまり、たくさんの兵を抱える無法者をミッションに連れていけば、サイラスが受ける恩恵も大きくなるわけだ。
充実する拠点
上述した無法者と新兵が増えるほど拠点は充実していく。
一定数に到達するごとに新たな施設がアンロックされ、拠点の装飾も豪華になっていく。
新たな施設ができれば更なるアップグレードが習得可能になるので、仲間の数がサイラスの強さに直結するわけだ。
上述した仲間を派遣するミッションでは、無法者が新兵や物資を調達してきてくれる。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
私は『League of Legends』をプレイしたことがないので、本作で初めてサイラスのことを知った。
それでも全く問題なく、本作だけでちゃんと物語がまとまっている。
ここまで読んでくると「メイジ狩りって、なんだかおかしくない?」と思うはず。
そう、メイジがメイジ狩りをしている。魔力禁止のくせにメイジが活躍している矛盾だらけの国だ。
物語を進めると他の陰謀も明らかになってくるし、そんないびつな国を変えようと戦うサイラスたちに感情移入しやすくなっている。
物語はポンポンとテンポよく進む。
カットシーンも会話もそれぞれ短めだけど、サイラスの気持ちの変化やメイジ狩りとして働いていた後悔、仲間たちの想いもちゃんと描かれている。
キャラクターの魅力
4.0
サイラスは復讐に燃えまくっているし、最初は戦う気のない他のメイジたちに飽きれているんだけど、「もう心境の変化が起こったんかい!」とツッコミたくなるほど分かりやすく変わっていく。
太い鎖をジャラつかせている危険人物だけど、ある意味、すごく純粋で可愛く思えてくる。
メイジというと華奢でローブに身を包み落ち着いた頭脳派というイメージがあるけれど、サイラスは半裸で鎖をブンブン振り回してて豪快。
「食事の時や寝る時も鎖外さないのかな」と妙なことも気になってしまう珍しいタイプのメイジだ。
ミッションクリアすると拠点では新たな会話が発生し、NPCたちの事情も知ることができる。
「国に楯突くなんて無理だ」と無気力だった仲間たちが奮い立っていく様子も分かりやすくて、「戦うぞぉおお!」とこちらの気持ちも盛り上がってくる。
操作性
4.0
挙動は軽快でキビキビ動ける。全体的に気持ち良い触り心地。
魔法を盗む相手や遠距離魔法で攻撃する相手は右スティックで照準を合わせてから発動するので、シューティングっぽさも楽しめる。
魔法を盗む、発動する、鎖を引っ掛ける、使う魔法を選ぶ、更に通常攻撃や回避もあって、全て押すボタンが異なるのでバトル中は手もとが忙しい。
でも分かりやすいボタン設定になっているので、すぐ慣れることができる。
気になったのは、カットシーンがスキップできないこと。セリフの自動早送りのみが可能。
ボス戦でゲームオーバーになると、やや長めのカットシーンを再び見守らなければならないので面倒だ。
難易度バランス
4.0
難易度は3段階から選択可能。その3段階から、更に主人公の体力や敵のダメージ比率を細かく変更するカスタム難易度設定も可能。
私はデフォルトの中間の難易度でプレイ。
属性の相性(火を使うメイジには氷が効く等)を考慮して魔法をしっかり活用しなければならない。
近接攻撃でも戦えるけれど、弱点属性じゃないとほとんどダメージを与えられない敵も多い。
雑魚敵は大勢で攻めてくることが多く、ボス戦では回避含め立ち回りをちゃんと変えなければならない。
そういった程よい歯ごたえを感じつつも、攻略しやすい難易度だ。
ゲームシステム
4.0
基本のバトルシステムは、武器攻撃と魔法という分かりやすいもの。
そこに魔法を盗むアクションが加わって、本作ならではのバトルが楽しめる。
特に新しい敵に会えると嬉しい。「次はどんな魔法が盗めるかな、ワクワク」というもはや盗っ人な気分。
また、お金を稼いで強くなるだけではなく、仲間が増えることで主人公を強化できるというのが面白い。
しかも、単に仲間の数が増えればいいだけではなく、どの無法者の兵を増やして(探索中に出会う新兵は連れている無法者に、派遣ミッションの場合は派遣した無法者の隊に新兵が加わる)サイラスのどの強化に繋げるかを考える楽しみもある。
そして、拠点の見た目が変わるのも単純に嬉しい。
やりこみ要素
4.0
各地には、メモ書きなどのテキスト情報が散らばっている。それを集めて物語をよく知るというのがやり込みの一つ。
また、シルバーウィングという鳥のようなドラゴンみたいな生物の赤ちゃんを見つけるのもやり込み要素。
各ステージのちょっと見つけにくい場所に隠れている。
また、メインミッションを終えるごとにNPCの会話が追加されていく。
彼らの生い立ちや境遇が分かるので、こまめに話しかけるのがおすすめ。
必ずしもメイジ狩りに対する復讐のために革命に加わっているわけではない事情が分かってくる。
グラフィック
4.0
クオリティの高いピクセルアートグラフィック。配色も綺麗。
セリフに表示される立ち絵ではサイラスの表情も変わるし、徐々に変わっていく拠点の風景など、視覚的な変化がちゃんとあって嬉しい。
本作開発元の代表作『Moonlighter』と同じく、ここのデベロッパーは爽やかな印象のピクセルアートが本当に上手い。
サウンド
4.0
激しい戦いから拠点の落ち着いた雰囲気まで、耳触りの良いBGMばかり。
攻撃時の効果音も良くて、キビキビした挙動と相まってバトルが気持ち良いものになっている。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
忙しく気持ち良いバトル
拠点の変化が楽しめる
仲間を増やして強くなる成長要素
残念なところ
寄り道要素が少ない
ボリュームは少なめ
オススメな人
忙しいバトルが好き
物語を楽しみたい
キビキビした挙動が好き
オススメではない人
探索など高い自由度を味わいたい
長時間遊べるゲームを探している
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本作開発元の代表作。ローグライクなダンジョン探索でアイテムを集め、昼は自分の店で商売するというシミュレーションとローグライクアクションがどちらも楽しめる高評価作。
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The Mageseeker: A League of Legends Story メイジシーカー リーグオブレジェンドストーリー
肉体派の魔法使い
敵から魔法を盗んだり、仲間を増やすことで主人公を強化できる成長要素など、本作ならではの要素が面白いアクションRPG。 キビキビとした挙動が気持ち良く、クオリティの高いピクセルアートグラフィックも魅力。
The Mageseeker A League of Legends Story メイジシーカー リーグオブレジェンドストーリー
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