【疲弊した人】重力さえ重い夜 – Exhausted Man攻略とレビュー
立ち上がれないほど疲れた人がウネウネ這いずり回って仕事を終えようと奮闘する『疲弊した人 Exhausted Man』。
疲弊した人の特徴
- ストーリー: 疲れきった主人公が、なんとかやるべきことをこなそうと奮闘する一晩の物語
- 攻略: ぐにゃぐにゃ動く主人公の手足を操作して、目標を達成しながら朝までプレイする
- 評価: 疲れた時の感覚が面白くゲームになっており、笑いを誘う予想のつかなさも魅力
- 誰もが共感できるテーマ
- ウネウネした挙動
- 予想外の状態になり笑える
- ボリュームは少ない
『疲弊した人 Exhausted Man』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
疲弊した人の攻略情報
疲弊した人の概要
タイトル | 疲弊した人 Exhausted Man |
---|---|
開発元 | Candleman Games |
販売元 | Candleman Games |
発売日 | 2024年7月25日 |
対応機種 | PS5, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | パズル, カジュアル |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
絶対に寝落ちできない夜
和也はゲーム開発者さんだ。小さな頃からゲームが大好きで、今は個人でゲーム開発をしているようだ。
そんな和也は、自作のゲームをとあるゲームフェスでお披露目する予定だ。フェスの開催日は、明日。
その前の晩、和也は眠れなかった。遂に迫ったイベントを前にドキドキワクワクが止まらない!…というわけではなかった。
実は、なんと、明日お披露目予定のゲームのデモ版がまだ出来上がっていないのだ。
ところが、和也は既に猛烈に疲れていた。立ち上がる体力は残っていない。気を抜けば、瞬時に瞼が落ちてくる。
それでも、なんとか仕上げなければ!
どんなに辛くても絶対目を閉じられない和也の夜が始まる。
攻略のポイント
エンディングを目指して進む夜
本作のステージは、一晩。舞台は主人公の自宅だ。
プレイヤーは以下の要領で、何をするか選択しながら締切時間を迎えることになる。
- 何をするかをカードから選ぶ
- カードによって経過時間、消費する元気、プロジェクトの進捗度、家具の追加数(後述)が異なる
- 青いカードは、元気が回復する
- 赤いカードは、元気を消費するけれどプロジェクトが進む
- ショー開始
- 特定の家具が目標達成アイテムに変わる(候補が複数ある場合は、どの家具を変えるか選択可能)
- 提示された目標を攻略する
- ショー完了後、家具の追加と配置を行う
- 行った行動カードに記載されている数だけ家具を部屋内に追加する
- 追加した家具によって新たなカードが登場することがある
- 既存の家具の再配置も可能
- 行った行動カードに記載されている数だけ家具を部屋内に追加する
この流れを繰り返して、締め切り時刻まで過ごすことになる。
締切時間になった時点でのプロジェクト達成度によってエンディングの内容が変わる。
増えていく家具の中で奮闘する
ショーが始まると主人公を操作することになるけれど、本作の主人公は決して立ち上がらない。頭を持ち上げる力さえ残っていないのだ。
左スティックを倒すと、主人公は床や壁を芋虫のように這いずりながら移動し、XボタンとYボタンで片腕ずつ、AボタンとBボタンで片足ずつを操作する(Xboxコントローラーの場合)。
各ボタンを押したまま左スティックを倒すと手足それぞれ動かすこともできる。更に、手は近くの物を掴み、足は蹴ることができる。
ところが、主人公の元気がマイナス状態だと眠気の泡が部屋中に出現し、触れると脱力して掴んでいた物を全て落としてしまう。
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疲弊した人のレビュー
物語: 誰もが共感できる、超感情移入できる物語
とにかく眠たい!でも、どうしても目を閉じるわけにはいかない!
本作は、多くの人が一度は経験したことがある苦しいシチュエーションで、設定だけでもかなり共感しやすい。ファンタジー世界で魔王を倒すのとは違った絶対に負けられない戦いだ。
行動カードには、「絵を眺める」「部屋を片付ける」といったものもあり、締切直前なのに何故かやってしまう「現実逃避あるある」が笑える。
設定を読むと、仕事としての義務で眠気と戦っているというより、主人公自身がやりたいことではあるけれど締め切りが迫っているという状況も分かり、なんとか攻略したい(してあげたい)と感情移入しやすくなる。
作業が家具に乗り移るって、実は主人公は既に寝落ちしてしまってて夢見てるんじゃないか説も頭によぎるけれど。
セリフもないし、物語の描写は軽めではあるけれど、とてつもなく共感しやすいテーマなので、誰にとっても親しみが湧くゲームだ。
操作性: 操作は大変、それが仕様であり面白さ
本作は操作しにくい。そういうゲームだ。それが1番の面白さでもある。
手を伸ばしてもサッと物を掴めないし、家具にぶつかると手足がとんでもない方向に曲がって思った通りに動けない。
左スティックを倒して主人公が動く方向は、その時の画面の上下左右方向に一致しており、主人公自身の頭の向きなどと一致しているわけではない。カメラを上手く扱うことが大切だ。
しかし、手足の動きもカメラスピードもゆっくりめなので(設定変更もできない)、さくさく攻略したい人はイライラすると思う。
でも、この仕様が本作ならではの「眠たくてキビキビ動けない」プレイ感覚をなので、本作に快適な操作を求めるのは野暮だ。
なぜか空中に浮かんでいってしまうことが一度あったけれど、特に攻略上困るバグには遭遇せずプレイできた。
難易度: プレイヤーの忍耐強さが試される
上述の通り、本作は操作しにくい。
それでいて、家具と家具を上下に置き直したり、特定のアイテムを他のアイテムに一定回数ぶつけるといった、細かくて面倒くさい目標ばかり提示される。
そしてその判定は意外と厳しく、達成するのはひと苦労だ。
更に家具の数が増え、なかには自動で動く家具まで登場する。しかも、プロジェクト進行のためには元気を犠牲にしなければならず眠気の泡が大量発生する。
というわけで、操作のしにくさに慣れても、確実に妨害を受ける。邪魔されようとも根気よく丁寧にプレイすることが大事だ。
しかし、どれだけプロジェクトを進行させて朝を迎えるかはプレイヤー次第なので、お休みカードばかりを選択しても一応のエンディングは迎えることはできる。
システム: 疲れている時の感覚がそのままゲームになっている
決して立ち上がれない人が這いずり回りながら家具を動かす。それだけで笑える。
しかも、届きそうでなかなか届かない家具に手を伸ばす挙動が「あともうちょっと、もうちょっとなんだけどな」という超絶眠い状態で何かをやろうと奮闘する感覚にかなり近い。ある意味、超リアルなゲームだ。
実際のゲーム開発の作業ではなく、作業を家具に見立ててゲームにしているアイデアも面白い。
それと同時に関節の概念が消えたグニャグニャぶりや、部屋も主人公もとんでもない状態になってなんとかクリアできるなど、予想がつかない状態になっていくカオスぶりに笑いが止まらなくなる。
めちゃくちゃコンパクトなゲームながら、面白アイデアが詰まっている良いゲームだ。
もっと他のシチュエーションもプレイしてみたい!
芸術性: ポップで可愛い3DCG
本作は丸みのあるポップなデザインの3DCGで描かれている。
デザインがおしゃれで、疲れ切っている主人公の表情もコミカルで、本作の動画を眺めるだけでも笑えるはず。
サウンド面では、BGMより主人公のうめき声が良い。
身体を動かさずとも家具にギリギリ届かないかと手を伸ばす時の「ふ…うう…うう!」とか、ウトウトしかけた状態から「いかんいかん」と目を覚ます「…は!?」とか。
もちろん本人はめちゃくちゃ頑張ってるわけだけど、このボイスがめちゃくちゃリアルで余計に笑えるし、「その気持ち分かる、うんうん」とさらに共感が増していく。
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疲弊した人の総合評価
Exhausted Man
総合評価
疲れきっても何とかやるべきことをこなそうと奮闘する感覚をリアルに体感できる、操作感とアイデアが面白いゲーム。
おすすめな人 | 笑えるゲームが好き 気持ちに余裕がある時 短時間で攻略できるゲームを探している |
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おすすめではない人 | イライラしている時 現実で本当に疲れている人 思い通りに動かせないと諦めてしまう人 |
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