レビュー【to a T】なぜTなのか、どうしてTなのか | ちょっぴり不思議な毎日を過ごすアドベンチャーゲーム

Tポーズのまま不思議なティーンエイジャー生活をおくる『to a T』のネタバレなしレビューと攻略情報を掲載。
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- ストーリー
- 両腕を広げたTポーズのままな13歳の若者の日々に不思議なことが少しずつ起こる物語
- 攻略
- Tポーズをうまく操りつつ、愛犬の手を借りて日常生活やイベントを攻略するアドベンチャーゲーム
- 評価
- 連続ドラマのようにエピソードに分かれている物語と世界をのんびり楽しむゲーム

- 魅力的な世界設定
- オシャレで可愛いグラフィックや音楽
- 気軽にプレイできる
- テンポも動きもゆったりしていて、中弛みしやすい
- ゲーム性は低め
to a Tの攻略情報
to a Tの概要
タイトル | to a T |
---|---|
開発元 | uvula LLC |
販売元 | Annapurna Interactive |
発売日 | 2025年5月28日 |
対応機種 | PS5, Xbox, PC |
ジャンル | アドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | Xbox |
ストーリー
Tポーズのティーンエイジャー

本作の主人公は13歳になったばかりのティーンエイジャー(名前や見た目はプレイヤーが選択できる)。
日本なら中学生にあたる主人公には大きな特徴がある。
なぜか両腕をまっすぐに広げたTポーズのままなのだ。
肩と肘の関節に何か起こったのかと心配になるけれど痛みがあるわけではなく、Tポーズで元気に暮らす若者だ。
主人公と街に起こる不思議なトラブル

物語は、主人公が13歳になった誕生日の朝から始まる。
お母さんもご近所さんも主人公のTぶりは見慣れており、特に「Tだ!Tだ!」と騒がれることはない。
主人公のTを「Tだ」と騒ぐのは、学校のいじめっ子達くらいだ。
ところが、Tをからかわれる学校に行くのが憂鬱な毎日だったけれど、Tの身と町に少しずつ不思議なことが起こり始める。
主人公のTは一体どうなってしまうのか。そもそも、Tとは何なんだ。
攻略のポイント
エピソードで進む物語

本作は物語主導型アドベンチャーゲームであり、複数のエピソードに分かれている。
連続ドラマのように新たなエピソードが始まる度にテーマソングが流れ、前のエピソードのおさらいなども描かれる。
ちなみに各エピソードの終わりにはエンディングテーマソングまで流れる。
やるべきことが物語に沿って提示され、寄り道はできるものの基本的にはメインストーリーをどんどん進めていくことになる。
後戻りはできないないけれど、プレイ済みのエピソードは選択してリプレイすることができる。
Tを操り生活する

プレイヤーは、主人公の移動と日常生活での手足や頭など身体の動作を操作する。
例えば、歯ブラシをする際には歯ブラシ(T仕様の柄が超長いブラシ)を掴む、歯磨き粉を付ける、ブラシを動かす、うがいをする、頭を屈めてうがいして水を吐き出すなど細かな動作一つ一つを対応したボタンを押して操作する。
動作によって押すボタンは異なるものの、常に画面上に操作方法が表示されるのでボタン操作を覚える必要はない。
お金を集めてゲームとお買い物

Tポーズと好相性
メインストーリーの合間には町を自由に探索できるパートがある。
町のあちこちにホスパ(コイン)が落ちており、それを集めると服や靴など主人公が身につけるアイテムを買うことができる。
本作では主人公がその日に身につける服を毎朝プレイヤーが選べるので、買い物すればファッションの選択肢を増やせるというわけだ。
また、街の各所にはホスパを払うと参加できるミニゲームも用意されており、めでたく1位を獲れれば新しい髪型をアンロックできるなど報酬も用意されている。
こうしたファッション要素はゲーム攻略や進行に影響があるわけではなく、やり込み要素となっている。
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to a Tのレビュー
物語: 笑えて奇妙で可愛い

子供だけど、ちょっと色々気になってくるお年頃。
それがティーンエイジャーの始まり。
学校で嬉しいことも嫌なことも経験し、朝食用シリアルのキャラクターが毎朝の楽しみだったり、住み慣れた町でも大冒険に変わる少年少女ならではの視点など、本作にはティーンエイジャーの瑞々しさが溢れている。
主人公がTという圧倒的に珍しい現象は起こっているけれど(キリンがサンドウィッチ屋さんを営んでいるなど他にも不思議なところは諸々ある)、全体的に爽やかで可愛い雰囲気が本作の魅力。
ユーモア交えて軽い調子で描かれており、際どい冗談やブラックジョークなどではなく誰もがニコニコ笑顔で楽しめる平和な物語だ。
しかし、ちゃんと「え!」と驚く展開がそこかしこに盛り込まれていて決して単調というわけではなく、そのままカートゥーンにして放映できそうなくらい面白いネタが挟み込まれている。
操作性: 分かりやすい

全ての動作はボタンが画面上に表示され、見た通りに動かすだけ。
チュートリアルも必要ないくらい分かりやすいゲームだ。
歯ブラシをする時には本当にブラシを動かすようにスティックを動かしまくり、牛乳を注ぐ時には手を傾けるようにスティックを倒す。
画面の中の主人公になったつもりで、カジュアルでありつつリアルな操作ができる。
ちょっとしたシミュレーターのようだ。
進行不能になるような困ったバグに遭遇することはなかったけれど、主人公が動くごとに画面がチラつくことがあり、細かな部分の修正は今後のアプデに期待したいところ。
難易度: 体験しながら見るゲーム

本作には戸惑う場面や難しく感じる場面は一切ない。
ミニゲームで1位を獲るのはそれなりに大変ではあるけれど、ゲームオーバーはなく気楽にプレイできるゲームだ。
いや、プレイというよりT体験するという表現の方が合っているかも。
とある13歳の日常(不思議なことも起こるけれど)を過ごす、体験しながら見る物語だ。
ゲーム性は高くなく、ゆったりのんびりプレイできる。
逆に気負ってプレイしてはいけないゲームだ。
難しく考えなくていい。うまくやってやろうと気負う必要も全くない。
「通りの向こうには何があるかな」「今日は何色の靴下履こうかな」など素朴な気持ちだけでプレイするのがおすすめ。
システム: 体験型連続ミニドラマ

上述してきたように、本作は短時間のミニドラマシリーズを見るようなゲームだ。
実際にエピソードごとにテーマソングまで流れるので、本当にそんな気分になる。
腰を据えてプレイするよりも、食後や休日の朝などちょっとひと息つきたい時にプレイするのがおすすめなゲームだ。
ププッと笑えて気持ちが軽くなるはず。
逆に謎解きやらアクションやら自由な探索を求めていると「物足りない」と思うだろうし、一気にプレイしようとすると動きやテンポがゆっくりめなので中弛みしてしまうと思う。
世界や雰囲気が抜群に魅力的なので、それをのんびり楽しむ癒しゲームだ。
芸術性: オシャレな可愛さと、テーマソングが耳に残る

キャラはスヌーピーのようなシンプルで可愛いデザインで描かれ、色づかいは爽やかで可愛く本作の世界そのものなグラフィックで描かれている。
緻密というわけではないけれど、配色やデザインのセンスが抜群でまとまり良く、どの場面もオシャレな絵に見える。
そして、本作プレイ後に1番記憶に残るのは間違いなくテーマソング。
各エピソードのオープニングとエンディングにそれぞれ別の曲が流れ、これが良い曲というだけでなく妙に耳に残る。
本作をプレイしたら、しばらく口ずさみたくなるメロディが耳の奥で流れ続けることになる。
個人的にはエンディング曲がお気に入り。
常にあたたかく楽しい雰囲気に包まれており、プレイしていると自然と笑顔になる素敵な世界だ。
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to a Tの総合評価
to a T

総合評価
Tポーズのまま不思議なことが起こる毎日を過ごす、笑えて元気になるアドベンチャーゲーム。世界や芸術面が魅力的で、ゲーム性は低めで、のんびり世界や物語を楽しむことができる。
おすすめな人 | ゆったりプレイできるゲームを探している 可愛くカラフルな世界が好き 平和な物語を求めている |
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おすすめではない人 | 高いゲーム性を求めている 間が長いと退屈さを感じやすい 挙動がサクサクしていないとストレスが溜まる |
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