『Asterigos: Curse of the Stars』とは、Acme Gamestudioが開発したアクションRPG。
三人称視点の3Dアクションでプレイする。
本作は、PS5、PS4、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
アフェスに到着
本作の主人公はヒルダという若い戦士。
とある国から派遣された北風部隊を追って、呪われた国アフェスに到着したところから物語は始まる。
実は北風部隊の司令官はヒルダの父親ハロルドであり、父親含め消息不明になっている。
でも、ヒルダは、単に父親が心配で無謀に飛び出したわけではない。彼女は戦士として北風部隊の状況を確認する任務を負ってアフェスにやって来ている。

アフェスの民
呪われた国という評判通り、アフェスの街は強い魔力に満ちており、怪物もいる。
それでもヒルダは「今こそ私の腕の見せどころ!」といった感じで、意気揚々とズンズン進んでいく。
プレイヤーとしては「派遣されたのが彼女一人だけって大丈夫か?」と不安になるけれど、ヒルダは廃墟のような街を進んで幻影を目にしたり、戦士風の筋肉ムキムキマンに遭遇したりする。
ん?ムキムキマンは実体のある人間のようだぞ。
しかし、なぜか唐突にそいつに喧嘩を売られ、なんだかんだで彼の仲間の拠点に連れて行かれてしまう。
そこでは、アフェスの住民達が遺民団という組織を結成し、この国の呪いを解こうと奮闘していた。

アフェスという国の秘密
いやいやいやいや、待て待て待て。
アフェスって1000年くらい前に滅んだはずの呪われた国なんだが!?
混乱するヒルダは、遺民団のリーダーであるミネルヴァからアフェスの真実を聞かされる。
アフェスにはアステリゴスの呪いがかかっており、人々は不老不死となったものの星石という魔力を食べなければ全身が激痛に苦しむ厄介なボディになってしまっている。
そして、ヒルダの父親含め北風部隊は、呪いを引き起こした張本人エウメニデスにそそのかされて、アフェスのどこかで何らかの作戦実行中らしい。
ミネルヴァは、ヒルダに北風部隊の情報と引き換えに「遺民団の任務を手伝って信頼を勝ち取れ!」と偉そうに提案してくる。
仕方ない。なんだかこの国はヤバすぎるので事情通と手を組んだ方が良さそうだ。
しかし、予想はつくと思うけれど、ヒルダはアフェス全土に渡る戦いに巻き込まれていく。

ゲームの特徴Features
遺民団から派遣される

本作の舞台となるアフェスは地続きではあるけれど、拠点である庇護の砦から各地へと出発していくことになる。
ミネルヴァからストーリー進行のためのメインミッションを受け、各地で依頼をこなして拠点に戻ってくるという流れを繰り返す。
各地ではNPCに依頼されるサブクエストも発生する。
2種類の武器で戦う

ヒルダは2種類の武器を装備出来る。武器種によって挙動が変わり、使えるスキルも異なる。
装備している2種類の武器は持ち替えて使用するわけではなく、常にどちらも使用可能。
PS版では、□ボタンで第1武器で、△ボタンで第2武器で通常攻撃を行う。
それぞれの武器固有のスキルは、L1ボタン、L2ボタンで、これまた常にどちらも発動可能。
スキル使用やローリング回避ではスタミナのようなSPゲージを消費する(通常攻撃では消費しない)けれど、APゲージを消費する強力なスキルもある。
SPゲージは時間経過で回復して、APゲージは攻撃を敵に当てる度に回復していく。
また、魔法石によって武器に属性を付けることもできる。敵の弱点属性なら、もちろんより多くのダメージを与えることが出来る。
レベルアップ

本作では、コンジットと呼ばれるセーブポイントで休息すると体力などが全回復し雑魚敵が全復活する。
また、ゲームーオーバーになると本作の通貨である星屑をいくらか失ってしまう。取り戻すことは不可能。
しかし、ソウルライクというわけではなく、敵を倒すごとに経験値が溜まり自動でレベルアップしていく(ゲームオーバーになっても経験値は失わない)し、回復は消費アイテムで行う。
レベルアップ時には属性ポイントとスキルポイントを獲得する。
レベルアップによりHPと攻撃力が少し上がるけれど、属性ポイントを割り振ると好きなパラメーターを更に伸ばすことが出来る。
スキルポイントでは、武器種ごとに分かれているスキルツリーをアンロックしていくことが出来る。
鍛冶屋と品揃え

各武器と魔法石(属性攻撃の強さ)は、拠点の鍛冶屋で素材と星屑を支払うとアップグレード出来る。
また、装飾具と呼ばれる防御力を高めるアクセサリーは設計図を拾ってくるとアンロックされ、素材と星屑を渡せば作製出来る。
消費アイテムは、拠点にあるクィントゥスが営むショップで購入可能。
収集要素でもある各地にあるクィントゥスのバッグを集めると品揃えが増えていく。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
本作は、ギリシャ神話っぽい雰囲気だ。
でも、ギリシャ神話ではなく、本作独自の世界設定がしっかり練られていて、NPCから世界の成り立ちや人間関係などを詳しく聞くことも出来る。
演出が乏しいので「セリフだけで理解させようとしてるな」と感じてはしまうけれど、日本語翻訳は自然だし(句読点の位置が妙なのは気になるけれど)、設定が面白いので興味深く聞くことが出来る。
物語は、不思議な国に来て戦っているうちに「私って特別な力を秘めてるっぽいので、悪いヤツを倒します!」となる王道なファンタジーが楽しめる。
登場人物も多く、物語が展開していくテンポもよく、物語に惹き込まれていく。
ヒルダの悪役退治物語だけではなく、アフェス内の政治的な対立やNPCそれぞれの思惑を、主人公と共に第三者的な立場から見るのも楽しい。
キャラクターの魅力

4.0
主人公は、王道ストーリーが似合う王道な主人公。
「くじけない!負けない!」と勇敢で元気だ。安心して物語が楽しめる。
一方で、NPCは曲者揃い。
アフェスの貴族達が多く登場し、良い感じにムカつく鼻持ちならないヤツらばかりだ。
分岐要素もあって受け答えを選択出来る時も多いんだけど、アブない思想のヤツも多くて、あえてヤバそうな選択肢を選ぶのが面白い。
派手な演出があるというわけではないけれど、NPCはそれぞれ個性豊かに描かれている。
操作性

3.5
バトルはほんのりハイペース。
押すボタンによって武器が瞬時に切り替わって攻撃できるし、装備しているスキルも画面に表示されているし、操作は分かりやすい。
武器種によってしっかり挙動が変わるので、色んな武器を試すのが面白い。
全体的にアクションはややゆったりめで、敵も主人公も動きが分かりやすく見やすい。
敵の攻撃に反応する余裕もしっかりある(避けれるかは別問題として)。
でも、同時に、モタモタしている感じも受けるので、気持ち良くて爽快なバトルというわけではない。
そして、当たり判定は高精度ではない。
主人公の攻撃も敵の攻撃も、意外と当たるし意外と当たらない。ゆるい。
でも、そこらへんの甘さはお互い様なので、「理不尽だ!」とプンプン怒ることにはならない。
難易度バランス

4.0
難易度は3段階から選択可能。私はノーマル難易度でプレイ。
本作は一部ソウルライクっぽいシステムが登場するけれど、死にゲーな高難易度ではない。
上述したゆったりめの挙動のおかげで敵の攻撃は見極めやすい。雑魚敵は主人公に気づかないことも多いし。
そして、最初から武器種がズラッと勢揃いするので、お気に入りを決めてアップグレードを集中させることが出来る。
特に杖がかなり強くて、かなり遠くから一方的に敵を殴れる。
回復薬はお金さえあればショップで無限に買えるし、ペナルティなく瞬時に拠点へ戻れるアイテムもある。
ちゃんと警戒して丁寧に進まなければならないけれど、楽しく攻略できる難易度だ。
ゲームシステム

4.0
本作の魅力はアフェスの街そのものも。
上下にマップが広がっていて、意外なところで道が繋がっていたり、探索が楽しい。
拠点から各エリアに行っている形になるけれど、エリア同士は実は複雑に繋がっていて、マップ構造が面白い。
また、報酬が変わることもある分岐要素も楽しめる。
武器の持ち替えなどガチャガチャした操作はなく、バトルは分かりやすく、探索しているうちにレベルが上がっていく。
というわけで、非常にとっつきやすい。
挙動や精度や演出など作り込みが甘いところもあるけれど、ファンタジーが味わえる楽しいゲーム。
やりこみ要素

4.0
サブクエストが1番のやり込み要素。
分岐要素も楽しめるし、クリアすると報酬も貰えるので、隅々まで歩いてサブクエストを見つけるのがおすすめ。
また、アフェスに関する文書を各地で見つけるのもやり込み要素の1つ。
そして、本作には回音と呼ばれる、そこで起こった事件をホログラムのように見ることが出来る魔法ポイントがある。
それを全て見つけ出すのもやり込み要素だ。
グラフィック

4.0
綺麗な3DCGグラフィック。
キャラはCGアニメーション映画のように表情が活き活きとしている。
ギリシャや古代ローマのような建物や内装が多くて、アフェスの街は魅力的だ。
攻撃時のエフェクトも綺麗で派手だし、グラフィックのクオリティは高め。
サウンド

3.5
BGMもクオリティが高く、旅を盛り上げてくれる。
ただ、敵の声が聞こえてくる方向が変。
戦っていると、ヒルダと敵の視覚的な位置関係とは別の方向から敵の声が聞こえる。
他の敵がいるのかと思ってしまったり、遠くから狙ってくる敵だと方向が分かりにくくなるので困る。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
魅力的な世界設定
物語に惹き込まれる
分かりやすいバトル
楽しめる難易度バランス
残念なところ
操作性が気持ち良くはない
挙動や当たり判定の調整が甘め
効果音が変な方向から聞こえる
オススメな人
アクションRPGが好き
分かりやすいゲームを求めている
探索が好き
物語を楽しみたい
オススメではない人
高精度なハイペースバトルを求めている
死にゲーな難易度を求めている
セリフを読むより演出で物語を味わいたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作と雰囲気やグラフィックのスタイルも近いオープンワールドゲーム。ギリシャ神話がベースとなっており、謎解きやアクションの腕を試すチャレンジなどやり込み要素も豊富。



本作のようにややゆったりめで適度な歯ごたえも楽しめるバトルを求めているなら、こちらもおすすめ。ソウルライクなシステムで、オートマン同士のバトルが楽しめる。架空のフランス革命の物語。


Asterigos Curse of the Stars
呪いよりも厄介な貴族のプライド
呪われたアフェスという国の世界設定や物語に惹き込まれるアクションRPG。 意外なところでエリア同士が繋がっているなど探索が面白い。 精度の甘さはあるものの、操作が分かりやすく適度に歯ごたえを感じつつ楽しく攻略できる難易度になっている。
Asterigos: Curse of the Stars
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