『Immortals Fenyx Rising』とは

UBISOFTが開発した新規IPのオープンワールドゲーム。
本作のテーマはギリシャ神話。UBIでギリシャといえば『アサシンクリード オデッセイ』。しかし、本作は神話そのものがテーマになっている(アサクリは史実に基づいたストーリー)。
PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS4版をプレイ。
あらすじ
主人公はフィニクス。ギリシャの若い戦士だ。
戦いから帰る航海中に嵐に巻き込まれ、本作の舞台となる黄金の島に漂着する。そして、フィニクスは、この島でなんやかんやして…。

と、回想録のようにプロメテウスが語る。という形式でストーリーは展開していく。
プロメテウスは壁に磔になっている罪人だ。でも、本当は神だ。ギリシャ神話のなかでは、異色の神とされている。
で、プロメテウスの元には、ゼウスが訪ねてきている(ゼウスはプロメテウスを磔にしている張本人なんだけど)。

ゼウスは、戦いに加勢するようプロメテウスを誘いに来たところだ。テュポンという恨みや支配欲にまみれた怪物が大暴れしていて、ゼウスは負けそうなので助太刀するよう言いくるめに来た。
で、プロメテウスは、テュポンに勝てる可能性を秘めたフィニクスの話をゼウスに聞かせる。もし、人の子がテュポンを倒す助けとなるなら免罪しろ、という賭けをゼウスにもちかける。

そう、本作は、戦いの前置きに過ぎない話であり、神々の間での「こんな話があってさ」という会話がストーリーになっている。人間なんてちっぽけなもんだ。

フィニクスが黄金の島を飛びまわり、テュポンによって封じられてしまった神や洗脳されている神を解放し、神の力を身につけていく過程が、プロメテウスによって語られていく。

黄金の島で戦うことを決意する
この壮大な前置きはどこへ行き着くのか。本編は一体いつ始まるのか。
ゲームの特徴
『ゼルダの伝説 BotW』なオープンワールド
本作は、発売前から『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』と似ていると言われていた。出来ることは、確かにほぼ似ている。

馬などに乗って移動、どこでもよじ登れて、高い場所からは滑空(本作では翼)、ダンジョンで謎解き。
そして、オープンワールドあるあるのシステム。
エリアごとにメインクエストがあって、サイドクエストもある。各地にある迷宮をクリアしたり、謎解きをすることで、主人公のステータスをアップグレードしていくことが出来る。

しかし、本作ならではの要素もある。
フィニクスはめちゃくちゃ視力が良い。千里眼を使うと、たとえ建物に隠れていても、水中にあっても、宝箱やダンジョンの場所を特定することが出来る。

何かある場所を探知出来る
同じエリアでずっと行動していると、テュポンに見つかってしまい、隕石が雨のように降ってきて亡霊に追いかけられる事態に陥る。

そのエリアでは見つからなくなる
などなど、ギリシャ神話を元にした要素やアクションも満載だ。
神の力で戦う
フィニクスは、色んな神の力を身につける。もはや1人でギリシャ神話オールスターパック状態だ。
重い石などを持ち上げて敵にぶつけるのはヘラクレスの力だし、射た矢の視点になってコントロール出来るのはアポロンの力だ。

基本の攻撃は、剣で弱攻撃、斧で強攻撃。ジャスト回避でスローモーションになったり、パリィも出来る。
敵にはスタンゲージがあって、強攻撃やスタミナ消費技などを当てていくとスタンさせることができる。

敵は一定時間無防備に
また、謎解きクリアで手に入るカロンのコインを消費して、スタミナを消費して発動する強力なアビリティも覚えていくことが出来る。


特殊攻撃を発動するとスタミナが減る
メインストーリーである神の解放をクリアしていくと、さまざまな神から授かった恩恵が発動するようにもなる。

また、フィールドを移動しながら集めることが出来る植物からは回復薬などを作ることが出来る。回復薬の効果は、各地で手に入る黄金の琥珀というアイテムでアップグレードも出来る。
というわけで、本作ではスキルポイントや経験値などではなく、謎解きや探索によってフィニクスを成長させていくことができる。
評価
ギリシャ神話がベースとなっていて、星座の名前とかどこかで聞いたとこがある名前の神がわんさか登場する。私は神話に全然詳しくないので、正直誰が誰やら。神同士の関係性も全然知らないし。
でも、ストーリーは分かりやすくて神話を知らなくても楽しい。

プロメテウスが「神がどうしたこうしたとか」とか真面目に語っているのを聞いてると「うわ、眠くなりそう」と思うんだけど、本作のノリは軽い。
プレイヤーの気持ちの代弁というか、ツッコミのゼウスがいる。ゼウスは、神の王なのに「真面目に聞け」と注意されながらも、終始プロメテウスを茶化しつつ分かりやすい話にしてくれるので、理解しやすい。

で、私にとっては予備知識ほぼない神様たちだけど、それぞれ分かりやすいキャラで登場する。
名前だけ聞いたことあったけど、こういう神様だったのかあ(本来より誇張されてるけど)て興味が湧いてくる。めちゃくちゃ人間臭いし、かなり偏った性格の神ばかり。神ってこんなのでいいの?て心配になるくらい生き生きとしてる。
ほとんど思った通りに操作できる。フィニクスはきびきび動くし、バトルも爽快。技も派手だしプレイしていて楽しい。

ダメージ量が上がっていく
ただ、ボタンの割り振りが複雑なのが気になる。
ジャンプして、滑空して、加速、これが全部別のボタン。岩を選んで、持ち上げて、敵を狙って投げる、これも全部別のボタン。
よく行う一連の動作にいくつもボタンを押さなきゃいけないのは、アクションしてる気分になるとはいえ、あまりスマートじゃないと思う。

そして、崖を登っている時に、見えない何かに引っかかったり、頂上の端にいるのによじ登る動作をしてくれなかったり、細かい部分が気になることも。
挙動は一般的なゲームの平均以上のクオリティ。だけど、『ゼルダの伝説 ブレワイ』とどうしても比較しちゃうので、細かい精度の差が余計に気になってしまう。

挙動がブレるせいで無駄に難しくなることも
バトルは、主人公を強化しながら進めていれば楽しくクリアしていけるレベル(ノーマル難易度でプレイ)。オープンワールドなので、めちゃくちゃ強い敵にケンカ売りにいく楽しみもちゃんとある。
謎解きは、種類が多くて楽しい。本作ならではのアクション要素もあるパズルが種類もたくさん用意されてて、飽きずにたっぷり楽しめる。

敵を倒しまくるダンジョンもある
でも、単純にギミック等が見にくいことで難易度が上がっている謎解きは残念。
ドーン!とレバーが目の前にあって、何するかは一目瞭然。単に「レバーを操作可能にするスイッチはどこだ」と迷うみたいなのは、うーん。
これは謎解きと言えるのかと思うこともあるけど、でも、謎解き好きにとっては十分満足できる面白さ。
UBISOFTのお馴染みなオープンワールド。ブレワイリスペクトなゲーム。まあ、そう言ってしまうと、それでおしまいなんだけど。
普通に楽しい。フィールドは高低差も激しくて、密度も濃くて、所狭しと謎解きスポットも配置されてるし。

やり込み要素は豊富
装備品で見た目を変えるのも楽しいし、成長要素もやり込みたくなるし、ストーリーもギリシャ神話という濃厚なベースがあるので面白いし。

高品質でたっぷりしっかり楽しいオープンワールド。
ブレワイと比較されてる本作だけど、プレイすると感覚は意外と違う。

アクション性が高くてガンガン攻めてくスピーディーなバトルだし、「頭を捻って解こう」というより「探索が大切で、あとはタイミングが重要」なアクション要素強めの謎解きだし。
舞台となる黄金の島は、美しい。自然たっぷりで、エリアによって景色も違う。至る所に何かがあって、景色に飽きない。
ギリシャ神話を熟知した製作陣なだけあって、彫刻とか絵画とかにもこだわりを感じられて、ファンタジーな雰囲気バツグン。
みんな筋肉隆々で(特に主人公はムッキムキ)、ギリシャならではの顔の濃さ。キャラの表情も豊か。

音楽は、神話っぽく壮大な音楽が多いけど、通常時には環境音のみ。でも静かとか癒しとかとは違って、全体的に明るくて楽しい雰囲気。
まとめ
- 良いところ
-
- ボリュームたんまり
- アクション性高いバトル
- ストーリーやキャラが魅力的
- 世界が美しい
- 謎解きが多種多様で豊富
- 残念なところ
-
- 挙動がブレる時がある
- 単に探索してるだけの謎解きがある
総合評価
4.0
- オススメな人
-
- オープンワールドが好き
- ボリュームたっぷりのゲームを探している
- ギリシャ神話が好き、興味がある
- アクションが好き
- オススメではない人
-
- 知恵を絞るような謎解きをしたい
- 敵を倒すことで強くなりたい
- 色んな戦術で戦いたい