『Baldo The Guardian Owl』レビュー: 描き込みが激しい大冒険 – バルド: 守護フクロウ
『Baldo The Guardian Owl バルド 守護フクロウ』とは、Naps Teamが開発したアドベンチャーゲーム。
ジブリ映画を彷彿とさせるアニメ調のグラフィックが特徴だけど、日本ではなくイタリアのデベロッパーが開発している。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、Apple Arcadeでプレイ可能。私はApple Arcade版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
突然始まる
主人公はタイトルにもなっているバルド。
友達のルナに「見せたいものがある」とか、おじいちゃんに「ずっと探していた守護フクロウ伝説にまつわるものが見つかった」とか色々言われる。
なんだか、めちゃくちゃ唐突だけど。まあ、物語の始まりはこんなもんだろう。
バルドは、彼らに促されるままに村の周りを探索し始める。
フクロウとの出会い
で、村を探索中に見つけた地下遺跡でちょっとした謎解きを解くと、ババーン!バッサバッサバサバサ。
フクロウが登場。
エノールという名のそのフクロウが言うには、なにやら悪い奴が出現して、世界が大変なことになるらしい。
で、「突然のお知らせですが、その危機を救うのはバルドでーす!」と言われて勝手に世界の運命を背負わされることに。
バルドは、清らかな心の持ち主として世界を救うと予言されていた子らしい。
人助けと世界救済の旅路
というわけで、世界を救う鍵を握るフクロウ伝説を追って村から出ることにしたバルド。
道中で出会う人々からのお願い事を解決しながら、世界を救う大冒険が始まる。
ゲームの特徴Features
自由に冒険
本作は、完全ではないけれどオープンワールドなシステムになっており、好きな場所へ進んでいけばいい。
ただし、メインストーリーが進行したり特定のスキルや道具を手に入れないと進めない場所もある。
で、探索していると、出会った人たちからどんどんクエストを依頼される。
気が向いたクエストから好きな順番で攻略していけばいい。
またエリアごとにいる地図屋さんからマップを購入すると、そのエリアのマップが開示される。
斬って守って考える
バルドは様々な道具を使うことができるようになるけれど、基本のアクションは剣による近接攻撃とローリング回避。
また、バトルだけではなく、そこかしこに謎解きがあって、道具や時には剣をも使ってギミックを利用する。
ブロックを押したり、ツボを置いたり、突然ステルスプレイが始まったりもする。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
2.5
全てが唐突すぎる。「何がどうなってこうなる」みたいな経緯やキャラの感情描写がすっ飛ばされてる。
NPCのセリフは「あそこにアレがあるから、探してきて」というクエスト内容そのまま。
しかも、日本語翻訳が怪しい。よく分からない文章になってることも多くて、メニュー画面でクエスト内容を確認してやっと理解できることもある。
さらに、そのメニュー画面で読めるクエスト内容には、セリフでは言われてなかった新事実(もはやネタバレなことも)が書かれている。プレイしていて「おいおい」と思ったことが多い。
残念ながら、物語への没入感はほとんど味わえない。
キャラクターの魅力
3.5
町の人とか、かなり個性的っぽい人たちはいる。
しかし、めちゃくちゃあっさり過ぎていく。翻訳のせいなのかな。
キャラごとの面白そうな場面はスルーンと音速で過ぎていく。うーん、もったいない。
操作性
2.5
私はゲームパッドを使ってプレイしていたけど、バルドの動きはもっさり。
剣を振ると、「え!今?この場所から攻撃出来た!?」と、大雑把なタイミングや間合いでも敵に攻撃出来てしまう。
かと思うと、めちゃくちゃ細い棒の上を時間制限ありの状況で歩かされることもあって、ほんの少しのズレただけでも落下死する。
謎解きしてる時間の方が長いけど、バトルもちゃんとあるし、操作性の悪さはかなり気になってくる。
プレイしていて挙動や精度の甘さが、かなりストレスになってくるほど操作性は良くない。
難易度バランス
3.0
上述したもっさり挙動のせいで、やたらとミスしやすい。そのせいで進みにくくなっている場面があるのは残念。
謎解きは、あっちへこっちへと探索して手がかりを見つけて解かなければならない。一筋縄では解けないやりごたえのあるパズルが多くて面白い。
が、見づらい!
フィールドがぎっしり描き込まれてるのはいいんだけど。「え、そこに動かせる物あったの?」という見落としが発生しやすくて、グルグル迷走することもある。
単に見づらいせいで迷うパズルもあって「ちょっと意地悪だなあ」と感じることも。
ゲームシステム
3.5
たくさんクエストが発生して、行ける場所がたくさん広がっていて、自由に道を見つけていくのが楽しい。
見た目は可愛らしいけど、謎解きはしっかり考えさせるものが多くてやりごたえを感じる。
ただ、ゲームとしては荒削り。作り込みも甘い。
ワールドマップが見にくいなどの不親切さも所々で感じる。オープンワールドなゲームシステムでマップが見にくいのは致命的だと思う。
「お!次はあっちに行ってみよう」と楽しくなってきてワクワクしていたら、操作性などでイライラッとすることにぶつかる。そんな繰り返しが多い。
手放しで「楽しいー!」となれないのが残念。面白くなる可能性があるとは思うんだけど、ゲームとしては中途半端。
やりこみ要素
4.0
クエストがたくさん発生する。1箇所では解決しないものも多いし、すぐ解決できないものも多い。
パズルや宝箱もたくさん隠されてる。
どこまで見つけるか、どこまでクエストを攻略するか、しっかり大ボリューム。
グラフィック
3.5
本作の第一印象は、「ジブリ映画みたい!」。確かにグラフィックは魅力的だし、雰囲気も良い。
が、なんだか頭身が変?バルドの顔は横に伸びたりするし、なんだか顔の印象が安定しない。
でも、背景や風景はあたたかみがあって良い。
描き込みぎっしりなので眺めていたくなるけれど、見づらくなっておりゲームプレイに支障が出てしまうところは残念。
サウンド
3.0
ジブリ映画っぽさを感じるBGM。あたたかい雰囲気。
しかし、気になるのが効果音。特にバルドのボイス。
本作のセリフにはボイスはない(バルド自身にはセリフもない)けれど、何かする時に「エイッ」「ヤァッ」みたいな掛け声は出る。
で、走ってる時とか重たいものを持ち上げる時のバルドのかけ声が、気合入れてるというより「もう疲れたよおお」みたいな調子のボイスになっている。
これによって余計にアクションのもっさり感が強くなっている。
総合評価Summary
2.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
謎解きが楽しめる
自由度が高い
あたたかい雰囲気
残念なところ
挙動や操作性が良くない
マップが見づらい
物語の展開が唐突
日本語翻訳があやしい
オススメな人
謎解きが好き
ジブリ映画の雰囲気が好き
オススメではない人
操作性が良くないとイライラしやすい
謎解きにはヒントが欲しい
物語を堪能したい
こちらはジブリっぽいじゃなくて、本当にスタジオジブリが開発に携わっているゲーム。「映画動かしてるみたい!」なグラフィックの美しさはもちろん、王道ストーリーと爽快なアクションが楽しめる。
可愛い雰囲気で謎解きもバトルも楽しめるといったら、2Dの『ゼルダの伝説』もおすすめ。
Baldo The Guardian Owl バルド: 守護フクロウ
© Naps Team
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