『ゼルダの伝説 夢をみる島』レビュー: 新鮮すぎるリメイク

『ゼルダの伝説 夢をみる島』とは、任天堂が開発したアクションアドベンチャーゲーム。
本作は、1993年にゲームボーイで発売されていた『ゼルダの伝説』シリーズ第4作目のリメイク作。
もともとは初代ゲームボーイ向けの白黒グラフィックだったけれど、1998年にゲームボーイカラー向けにカラー化され『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』として発売された。
そして、約20年ぶりにグラフィックから挙動まで丸ごとフルリメイクされたのが本作。
本作は、Nintendo Switchのみでプレイ可能。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。
あらすじStory
遭難から始まる
オープニングから、いきなりピンチなリンク。
大嵐の中、小さな船の上で一人悪戦苦闘している。
でも、あえなく遭難。
そして、無事に見知らぬ島に漂着。さすが勇者。強運だ。

島からの脱出方法
『ゼルダの伝説』といえば、ゼルダ姫からの脳内直接メッセージ「リンク、起きて、目を覚まして」から始まるのがお馴染み。
しかし、本作では、漂着していたリンクを助けてくれたマリンという女の子の家で目覚める。
どこだここは。服と盾はあるけれど。大切な剣がない。
リンクといえば「剣で草刈りでしょ!」というわけで、漂着した海辺に戻って無事に剣を見つける。
「やはり手に馴染む」と剣を掲げてドヤ顔していると、なにやら物知り顔のフクロウが登場。
フクロウによると、「かぜのさかな」という正体不明の生物(?)を目覚めさせないと、この島からの脱出は不可能とか言っている。

楽器集め
フクロウに導かれるままに「かぜのさかな」を起こすための楽器集めを開始するリンク。
超豪華な目覚まし時計でも作るんだろうか。
島のあちこちにあるダンジョンから楽器を見つけて、「かぜのさかな」を起こして島からの脱出を目指していく。
しかし、そもそも「かぜのさかな」とは何なのか、起こせば島を脱出出来るってどういうことなのか、そうした島の謎も解き明かすことになる。
ちなみに、本作は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の後日譚だ。

リンクは、勇者としての修行に出た帰りに大嵐に巻き込まれてしまったということらしい。でも、ゲームスタート時には草を引っこ抜くことが出来ないほど非力。勇者の修行とは一体…。

ゲームの特徴Features
コホリント島での冒険

舞台は、流れ着いた島であるコホリント島。島の住民はゼルダ姫やガノンのことさえ知らない。
ゲームは、見下ろし視点の2Dアクションで各地のダンジョンを攻略していく。
ダンジョン内では一部2D横スクロールでプレイする場面もある。
本作には、クリボーやパックンフラワーなど、マリオシリーズの敵キャラが現れる。コホリント島は、もしかしたらキノコ王国の近所なのかもしれない。
勇者たるもの器用であるべし

いつも、いつまでも変わらないリンクの基本装備。右手に剣、左手に盾。
盾を構えれば敵の攻撃を弾き、剣を振れば敵を攻撃し、リンクのお家芸である回転斬りももちろん出来る。
また、宝箱やお店から便利な道具を集めていく。
おなじみのパワーグローブや爆弾、弓だけではなく、本作ならではの便利アイテムも登場する。
ダンジョンでは、入り口から内部にたくさんある各部屋の扉まで鍵が締まりまくっている。誰が戸締まりしているんだろうか。厳重だ。
道具を使い分けながら謎解きして鍵を手に入れて扉を開けて、そしてまた次の締まっている扉を開ける鍵を探すというのを繰り返す。
そして、最終的にボス部屋に到達したらボスに挑むことになる。ボスによっては特定の道具を使わないと倒せないこともある。
謎解き安心システム

「次はここからこう行って、こっちの道を右に曲がって」という道案内をしてくれるNPCはいない。
「どこに行けば…」という時は、フクロウ先生。ことあるごとに、バサバサと飛んできて、次に向かう場所を教えてくれる。
また、ダンジョンの外のフィールドにも謎解きが散りばめられている。
「何をどうすれば…」という時は、うるりらじいさんの出番。各地に電話ボックスならぬ電話小屋がある。
メーベの村のうるりらじいさん直通になっていて、謎解きのヒントをぺらぺらと喋ってくれる。
ダンジョン内では、フクロウの石像に専用のクチバシを付けると、謎解きのヒントを教えてくれる。
ダンペイとダンジョン作り

オリジナル版にはなかった最大の新要素。それがダンジョンを作れる『マリオメーカー』ならぬ「『ゼルダの伝説』メーカー」。
攻略したダンジョンの部屋を元にしたパネルを並べてダンジョンを作ることができる。
作ったダンジョンは、実際に自分で攻略できなければならないので、ダンジョンとして成立するためのルールがいくつかある。
入り口パネルとボス部屋パネルが必須だったり、鍵のかかった部屋と宝箱の数を合わせたり、階段も機能するようにパネルを配置したり。
自由に作ることも出来るけど、特定の条件にあったダンジョンを作るダンペイのお題をクリアすると報酬が貰える。
記事はさらに下に続きます
評価と感想Impressions


可愛い可愛い可愛いのオンパレード。
ほのぼのしつつコミカルさもあって、プレイしている間ずっとニコニコしていた。
でも、可愛いだけではない。『ゼルダの伝説』なアクションの面白さや操作の気持ち良さもしっかり味わえる。
草をザクザク刈るだけでも楽しいほどの操作の気持ち良さだ。


本作は、バトルはそんなに苦労することはなく、謎解きの方がメイン。
『ゼルダの伝説』シリーズをプレイしたことがあるゼルダ脳を持っている人なら、良いくらいの楽しさでパズルが楽しめるはず。謎が解けた時の「チャララララララ」の効果音は、やっぱり嬉しい。
一方で、謎解きや目的地に迷った場合のヒント機能が充実していて、『ゼルダの伝説』っぽい謎解きを知らなくても大丈夫。
簡単すぎず、でも誰もが楽しめる絶妙な難易度の謎解きが楽しめる。


ゲームボーイ向けに作られたゲームなので、ボリュームは少ない。
が、NPCから依頼されるサブクエストや収集要素であり攻略に必要な巻き貝集めを達成しようとすると、かなり隅々まで行ったり来たりすることになるので、体感的にはそんなに少なくは感じない。
また、釣りや急流下りなどミニゲームも楽しめる。


そして、上述したけれど可愛いのはもちろん、ミニチュア作品のように見えるグラフィックや雰囲気も抜群に良すぎて歩いているだけでも楽しい。
クオリティの高いグラフィックで、気持ちいいアクションと様々な謎解きが楽しめて、ストーリーも楽しめる。やはり『ゼルダの伝説』は、安定の高品質ゲームだ。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
可愛いグラフィック
アイデア満載の謎解き
結末が気になるストーリー
個性豊かなキャラ
残念なところ
アクションやバトルの難易度は低め
メインストーリーは短い
オススメな人
『ゼルダの伝説』シリーズが好き
謎解きが好き
可愛いグラフィックが好み
オススメではない人
バトルの歯ごたえを楽しみたい
長編の物語を楽しみたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
過去の『ゼルダの伝説』を楽しみたいなら、こちらのリメイクもおすすめ。『ゼルダの伝説』シリーズの時系列で最古の時代が描かれる。剣を振るアクションなどの操作が独特で本作ならではのプレイ体験ができる。


『ゼルダの伝説』に影響を受けて開発された高評価アクションアドベンチャー。読めないゲーム内攻略本を解読する謎解きは歯ごたえがあり、バトルも高難易度で、『ゼルダの伝説』好きに特におすすめなゲーム。


ゼルダの伝説 夢をみる島
新鮮すぎるリメイク
もはや新作として楽しめる『ゼルダの伝説 夢をみる島』フルリメイク作。
グラフィックや雰囲気が抜群に良く、操作やアクションの挙動も気持ち良い。
ダンジョンを自作できる新要素も加わり、やり込み要素も豊富。
ゼルダの伝説 夢をみる島
www.nintendo.co.jp
©︎ 1993-2019 Nintendo