『Bloodstained: Ritual of the Night』とは

メトロイドヴァニアの語源になった『悪魔城ドラキュラ(Castlevania)』シリーズ。
その開発に関わっていた五十嵐孝司さんが新たに作る『Bloodstained』シリーズ。
本作は、『Bloodstained』シリーズのメインとなる作品。
ジャンルは、もちろんメトロイドヴァニア。
シリーズ作には、本作の10年前が描かれる『Bloodstained: Curse of the Moon』とその続編『Bloodstained: Curse of the Moon 2』がある。
この2作はスピンオフ作であり、ステージクリア型のアクションゲームとなっている。
本作は、PS4、Nintendo Switch、Xbox One、PCでプレイ可能。
私はPS4版をプレイ。
あらすじ
産業革命時代のイングランドが舞台。
みんな機械やら科学やらに夢中。
逆に、軽んじられるようになってしまったのが錬金術。
錬金術師たちは、「そんな社会は許せない、ちくしょう!」と歯ぎしりギリギリ。
そこで「我らに再注目せよ!」と錬金術師集団とった手段は、まさかの悪魔召喚。
しかも、人間の若者を生贄にして悪魔を呼び起こすという、錬金術どころか、もはや黒魔術。

そんなの上手くいくはずもなく、錬金術師集団は崩壊。
残されたのは、生贄となった2人の若者。
悪魔召喚の儀式を生き延びたジーベルと、儀式前に原因不明の昏睡状態となったミリアム。

ゲームスタートは、その10年後。
悪魔召喚儀式は成功せずに終わっていたはずなのに悪魔がウジャウジャと現れ、禍々しい城まで登場。
更には、昏睡していたはずのミリアムも目を覚ます。
で、主人公は、このミリアム。

悪魔召喚儀式のために、錬金術師たちによって身体には結晶が埋め込まれている。
悪魔を力と共鳴すると結晶化していき、人間クリスタル化してしまうという過酷な運命を負っている。
ミリアムは、突然の悪魔出現にはジーベルが関わっていると聞き、同じ運命を背負う者として、悪魔の救う城へとジーベルを追っていくことになる。

ちなみに、各地にある本棚で「誰か」の日記を読むことができる。
これにより、前日譚にあたるスピンオフ作をプレイしていなくても、ストーリーは十分理解することができる。

ゲームの特徴
正真正銘メトロイドヴァニア
あっちへこっちへ、とにかく探索。
行けない場所、取れない宝箱がたくさん目に入ってくる。
うらめしそうに指くわえて見ながら、行ける方へと進む。
で、ボスに遭遇。倒す。

2段ジャンプとか新たなスキルを覚える。
さっきまで行けなかった場所に行けるようになる。
進む。

また行けない場所がある。
ボス倒す。
という、メトロイドヴァニアの王道スタイル。
スキルには、2段ジャンプとか水中移動とか「あるある」なものから、血を吸い取ったり、ワープといった独特なものまで登場する。

成長と悪魔結晶
主人公ミリアムは成長する。
敵を倒して経験値を溜めてレベルアップ。
レベルが上がると各ステータスが上昇していく。
また、敵を倒すと、シャード(結晶)を手に入れることがある。
これを装備すると悪魔が使っていた技が使えるようになる。

ちなみに、探索に役立つスキルもシャードとなっているものがある。
装備した状態じゃないとスキルが使えないので、頻繁に装備替えが必要となる。
クッキングと討伐と錬金術
基本的には、探索する場所が広がるごとにメインストーリーが進んでいく。
メインストーリーとは別に、拠点ではボリューミーなやり込み要素が展開する。
拠点にいるのは、敵から手に入る素材からアイテム錬成とクッキングが出来るヨハネス、ショップを営むドミニク。
彼らはミリアムをサポートしてくれるし、メインストーリーにもがっつり関わってくるNPC。

また、村人もいる。
亡くなった村人の復讐のために「悪魔を殺せぇええ!」と熱く悪魔退治を依頼してくる女性。
何度も何度も「特定の料理を食べなきゃ元気が出ないねえ」と言う無限の胃袋を持つおばあちゃん。
などなど。

こうしたサブクエストや錬成、更にはシャード強化など、やり込み要素もしっかり用意されている。
斬月モード
メインストーリーでミリアムに関わってくる、お札まみれの男、その名は斬月。

彼もNPCなんだけど、最初から最後まで斬月でプレイ出来るというモードもある。
ストーリー要素はなく、錬成や装備替えなども全くなく、ただただ敵を倒して進んでいくシンプルなアクションゲームのようになっている。
斬月は強い。
色んな技が最初から使える。

しかし、斬月は過酷な環境で戦う寡黙な戦士。
アイテム使用もシャード装備もできないので、セープポイントのみでしか回復できないという厳しいシステム。
また、登場したボスを操作して、ミリアム達と戦うボスリベンジモードなどもある。
評価
ストーリーは、ありがちな感じ。
「私、悪魔に蝕まれながらでも戦うわ!」
「この人は実は良い人で、あの人が悪者だったのね!」

めちゃくちゃ予想しやすい展開で、先が気になるわけでもない。
とは言っても、キャラやストーリー重視なゲーム性ではないので、特に気にはならない。
アクションは、武器ごとに挙動や射程も変わるので、色んな武器を試してみたくなる。
敵の技が使えるようになるシャードも多種多様。
スタミナの概念がないのでガンガン攻めまくれるし、アクションが気持ちいい。

探索しているうちに自然とレベルアップしていくので、ボス含めバトルの難易度はきつくない。
そのおかげでテンポ良く、中だるみすることもない。
最初から最後まで熱中して探索出来る。
ストーリーやキャラは好みではないと書いたけれど、ゲームプレイはしっかり面白い!
さすが、メトロイドヴァニアの元祖!
最初から行けない場所やら取れない宝箱が続出。
行けない場所がチラチラと視界に入ってくるバランスが絶妙。
進んでいくエリアの順番は決まっているものの、ヒントはざっくりとしかない。
新たなスキルを手に入れたら、地図を見て、行けそうな場所を探すのが楽しすぎる。

やり込み要素は、作業の難易度が上がっていく。
サブストーリーが展開するようなものでもなく、ただ単に報酬が貰えるだけで、やりがいを感じにくい。
実は、本作は面白いと評判は聞いていたけど、プレイするのには抵抗感があった。
キャラクターデザインが、好みから外れまくっているのが原因。
アニメすぎるというか、昔ながらのJRPGすぎるというか。
私にとっては、苦手な雰囲気。
スピンオフ作のドット絵の方が好き。

BGMはドラキュラ伯爵登場!みたいなゴシック調で、レトロゲームっぽい曲調。
シリーズお馴染みの雰囲気なのかな。
全体的に80年代なセンスを感じる。