『Carto』レビュー: 地図が変わっても迷子にはならない
『Carto』とは、Sunhead Gamesが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
可愛らしいイラスト調のグラフィックが魅力的なゲーム。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。また、本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
地図職人おばあちゃん
飛行船で旅しているおばあちゃんとその孫。孫のCarto カートが主人公だ。
おばあちゃんは、何やらせっせと地図を描いている。そして、カートに不思議なものを見せてくれる。
おばあちゃんが地図の一部分を切り離すと、地上の地形が同じように変わる。
え、おばあちゃんって神?
なんて面白いパワーなんだ!
興味津々の孫
こんな面白いもの放ってはおけない。
カートは、おばあちゃんがうたた寝している隙に、こっそりと見よう見まねで地図の切れ端をスイッ。しかも、何を思ったか飛行船と嵐の描かれた切れ端をくっつけてしまう。
案の定、マズイことになる。
飛行船は嵐に巻き込まれ、カートは地図の切れ端と共に地上に吹き飛ばされてしまう。
地図拾いの旅
地上で目覚めたカートは、辺りに散らばる地図の切れ端をとりあえず集めてみる。
で、おばあちゃんが見せてくれたように切れ端を並び替えると、本当に地形が変わっちゃう。
この力を使って、カートは道を切り拓いて、おばあちゃんとの再会を目指すことに。
ゲームの特徴Features
カートグラファー
まずは、地図の切れ端を集める。そして、その切れ端をうまく並び替える。基本はそれだけ。
正しく並び替えると地図に変化が起きる。正しい並べ方のヒントは、地上で出会うNPC達が教えてくれる。
例えば「この家の西の海岸にアノ人がいるよ」という話を聞いたら、その家が載ってる地図の左側に海岸線が描かれている切れ端を配置する。
そうすると「パララーン」と効果音が鳴って探していた人が現れる。
ちなみに、ちゃんと配置出来ていない場合は、同じ地図の切れ端でも特定の人は現れないし何も起こらない。
地図の切れ端は回転も可能。
ただ、隣り合う地図の地形がつながっていないと隣接して配置することは出来ない。
森が描かれている切れ端のすぐ隣に、海が描かれている切れ端は置けないというわけだ。ちゃんと地図に見えなきゃいけない。
一度配置した地図の切れ端でも、また次の謎解きで再び使うことも多い。同じ切れ端でも配置によって様々に変化する。
ポケットにミミズだって詰める
カートは旅の途中で色々なアイテムを見つける。それをギュッとポケットに詰め込む。
それが、他の場所にいる誰かの役に立つ。
とは言っても、「この人には、これを渡せばいいのかな」と選ぶ必要はない。必要な場合は、ちゃんとカートが自動で渡してくれる。
いわゆるフラグ立てが必要な場合もある。
アイテムも渡す相手も分かっていても、他の誰かの話を聞いてフラグを立てないとアイテムを渡せない等、話が進まない場合も多い。人の話を聞く、これがかなり大切だ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
カートは、森や火山など色々な場所を巡っていく。
森で儀式に参加したり、過激なおもてなしをしてくるホテルなどなど、それぞれの土地でユニークなエピソードが展開する。
日本語訳は所々「おや?」と思うところもあるけれど、NPCとの会話がとにかく楽しい。
穏やかで平和な雰囲気が続く癒しのゲーム。
キャラクターの魅力
4.0
各地でたくさんの人々と会う。
彼らは何か問題を抱えているし、しかも、カートは完全にヨソ者なわけなんだけど、本当にみんな優しい。
1人残らず全員が、「ようこそ!」な感じであたたかい。優しい世界でひたすら癒される。
操作性
3.5
地図を並べ替えるのと移動するくらいなので特に複雑な操作はない。簡単。
ただ、ガラッと地図の並び方を変えようとする時でも1枚ずつ動かさないといけない。
しかも、隣と地形が繋がっていないと,とりあえず置いておくってことも出来ないので、ちょっと面倒くさい。
難易度バランス
3.5
そんなに頭を抱えてしまうような謎解きはない。テンポよくクリアしていける難易度。
地図の置き方を間違えたからと言って、特にペナルティがあるわけでもないし、「こう置いてみたらどうなるかな?」と何度も試行錯誤出来る。
ただ、謎解きのヒントになるNPCのセリフにも日本語訳が怪しい部分が所々にある。
まず正しい日本語訳を推測して…というひと手間が必要な時もある。
ゲームシステム
4.5
地図を並べ替えると世界が変わる、この発想だけで面白い。で、その発想がちゃんとゲームになってる。
地図の切れ端だけを使って、並べて移動して、回転させてまた並べてを繰り返して、それで目的地が突然現れたり。
思わず「はあー、なるほど!」と感心してしまうアイデアばかり。
やりこみ要素
3.5
ひたすら一本道なので、やり込み要素はほぼ無いに等しいんだけど、無駄に地図を並べ替えてウロウロしたくなる。
それくらい雰囲気が良くて、地図を並べて地形が変わるのを眺めるだけでも楽しい。
グラフィック
4.0
手描きイラスト調で絵本のようなグラフィック。
物語の雰囲気に合っていて、あたたかみを感じる。
よっぽどチグハグに並べなければ、切れ端をどう並べても元々地続きだったかのように見えるのも不思議で凄い。
グラフィックがシンプルだからこそ成せる技だけど、でも、だからといって寂しさは全く感じない。
サウンド
4.0
音楽も、全編通してあたたかい。
なごむ。このゲームは、本当になごむ。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
地図を作り替えるという独特なパズル
個性的で穏やかなNPCとエピソード
あたたかみを感じる雰囲気とグラフィック
ボリュームがしっかりある
残念なところ
日本語訳が怪しい部分がある
オススメな人
謎解きが好き
一風変わったゲームを探している
穏やかな気分になりたい
オススメではない人
ゆっくりしたテンポが苦手
セリフを読むのが面倒くさい
謎解きが嫌い
絵が描かれたタイルをスライドさせて繋げると絵柄が変わって物語が進む新感覚パズル。本作のように並び替えることで謎解きするゲームだけど、こちらは絵画を動かす。
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Carto
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