『Death’s Door』レビュー: 命懸けの死神サラリーマン(カラスだけど)
『Death’s Door』とは、Acid Nerveが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
Acid Nerveはボスラッシュのみの高難易度アクションゲーム『Titan Souls』の開発元として知られている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、iOS、Android(スマホではNetflixアプリで配信)でプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
サラリーマン(カラス)
主人公はカラス。ただのカラスではなく、死者の魂を集めるリーパーという仕事をしている。
完全にファンタジーな話だけど、実際のところものすごく現実世界に近い会社員だ。
職場に出勤して、会社にある特殊な扉を通って任務地に赴き、対象者のソウル(魂)を狩る。帰社。ソウルを上司に渡して給料をもらう。この繰り返しだ。
ある日のミス
とある日、いつものように出勤した主人公は、業務命令を受けて、狩場があるドアの向こう側へと赴く。
で、チュートリアルがてら無事にソウルを手に入れ、今日の仕事は終わり!帰ろ!帰ろ!
と油断していたら、後ろに大きなカラスが!
あ!
時既に遅し。
なんてこった、手に入れたばかりのソウルを奪われてしまった。ヤバいぞ。絶対ヤバいぞー!
危険な労働契約
会社に戻って正直にミスを報告すると、始末書でも減給でもクビでもなく、余命宣告みたいなことを言われる。怖すぎだろ、この会社。
実は、リーパーは不死身。だけど、任務地である扉の向こう側にいる間は寿命が縮んでいく。
しかも、ソウルを持ち帰らない限り、その扉は閉められない。つまり、担当のソウルを持ち帰らない限り寿命が縮み続けるのだ。
つまり、先ほど強奪されたソウルを取り返さない限り、主人公の寿命は縮んでいくというわけだ。
当たり前だけど、死にたくない!
厄介な事態に
急いでミス挽回だ!と主人公が強奪犯を捜索しに行くと、意外とあっさりソウルを奪った犯人であるハイイロカラスに再会できた。
しかし、犯人曰く、主人公から奪ったソウルは「怪しい死神の扉を開くために捧げてしまって手元にない」と言われる。
なんてことしてくれてんだー!
しかし、その犯人の更なる供述によると、死神の扉を開くには奪ったソウルでは不十分だったそうだ。で、「手を貸せ」と言われる。
「その扉が開けば担当ソウルも取り戻せる寸法だが?」と。
主人公カラスは、死神の扉についてとか色々とツッコミたい気持ちを抑えて、扉を開くために各地の巨大なソウルを狩りに行くハメになる。
ゲームの特徴Features
剣とか魔法とか
主人公はカラスだけど、剣で近接攻撃が出来る。翼で剣を握っているらしい。
また、遠距離攻撃できる弓や魔法もある。
ローリング回避もあるし、強攻撃、溜め攻撃なども出来る。なかなか器用なカラスだ。
探索と謎解きと扉
本作は、探索して見つけたダンジョンに入り、ダンジョン内で謎解きしながら進み、最奥にいるボス撃破していくという流れでゲームが進行していく。
フィールドやダンジョン内の各所には扉が設置されており、そこからいつでも会社に戻ることできる。会社が拠点だ。
ちなみに、扉がチェックポイントになっていて、ゲームオーバーになった時は最後に触れた扉からやり直しになる。
探索中には、ギミックや地形罠などもたくさん登場する。それらを上手く利用して敵を倒したり謎解きをして進んでいく。
ベテラン社員
敵を倒すとソウルを手に入れる。これが本作の経験値にあたる。
このソウルと引き換えに、攻撃力や移動速度などのアップグレードすることが出来る。
また、各地には体力や遠距離攻撃回数の上限値を上げることができるクリスタルのカケラが隠されている。
ちなみに、ソウルという呼び方だけど本作はソウルライクというわけではない。ゲームオーバーになっても獲得していたソウルを失うわけではない。
また、遠距離攻撃の弾数は攻撃を当てることで回復出来るシステムだ。
体力の回復は、フィールド上で手に入る種を各地にある植木鉢に植えることで出来る。つまり回復は決まったポイントでしか出来ないということだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.5
世界設定もキャラのエピソードもしっかり作り込まれてて、物語を追うだけでも楽しい。
主人公が働く会社は一体何なのか、あのドアの向こうには何があるのか。
先が気になるしテンポもいいので、夢中になってやめ時を見失ってしまう。
死後の世界って聞くと陰鬱そうだけど、会社勤めの皮肉や個性豊かなNPCのジョークが満載で、かなり笑える。全然暗くない雰囲気で、日本語訳も良い!
キャラクターの魅力
5.0
そんなに多いわけではないけれど、ボス含めてNPC全員がかなり魅力的。しかも名前だけでも笑える。
特にボスはクセもの揃いで、ツッコミどころ満載。
頭がツボとか鍋のヤツとか、ナルシストの極みみたいなカエルとか。憎めない敵ばかり。
とにかくセリフが面白いし、出会ったNPC全員気に入ってしまう。
操作性
4.5
カラスってピョコッピョコッて歩くイメージだけど、本作のカラスはめちゃくちゃキビキビ動く。
アクションの精度も高くて、クォータービューなので見回しやすく、プレイしていてストレスはほぼ無し。
キビキビ動けまくるので、ついつい先へ先へと進みたくなる。操作性の気持ち良さからも、やめ時見失ってしまう。
ただ、主人公は黒くて小さなカラスだ。敵が密集してくると見失いやすくなる。主人公が1番地味な見た目なので仕方ない。
難易度バランス
4.5
エリア内の敵(ウェーブで出現することも多い)を全て倒さないと次に進めないという場所が多い。
数の暴力になる時もあるので、敵を上手くさばいていくことが大切。欲張って攻撃しすぎてしまうと、すぐ死ぬ。
体力をグングン上げられるわけじゃないので、ヒット&アウェイを丁寧に丁寧に。
というわけで、決して簡単ではない難易度だ。ちゃんと集中して挑まなければならない良いくらいの歯ごたえが味わえる。
ゲームシステム
4.5
本作は、往年の『ゼルダの伝説』に近いゲームだ。いわゆるゼルダライクだ。まずダンジョンを見つけるために探索しまくり、ダンジョン内でも探索と謎解きが待ち構えている。
でも、どちらかと言うとバトル要素の方が多め。謎解きは考えるよりアクションのテクニックが試される内容だ。
フィールドは、ショートカットが開通できる場所が多い。「おお!ここが繋がって近道になるのか!」と感心しっぱなし。よく練られたマップ構造だ。探索もしっかり楽しい。
やりこみ要素
4.5
ひたすらダンジョン攻略ではあるけれど、寄り道もちゃんとある。
よーく画面を見て隠し通路を見つける。寄り道をしなければ主人公を強化するアイテムは手に入らない。
新たな魔法を覚えると、クリア済みのエリアでも行ける場所が増える。脇道寄り道隠れ道と探索が楽しい。
また、主人公はカラスらしく光り物が大好きで、そうしたアイテムを集める収集要素もある。
グラフィック
4.0
クォータービューなので、あまり近くで見る機会はないけれど、主人公は可愛らしい。カラスを可愛く感じるゲームって珍しいかも。
NPCや敵キャラのデザインも摩訶不思議で奇妙で不気味さもあって、素敵だ。
奇妙な童話みたいな、そんな雰囲気。
サウンド
4.5
平常時は、死の世界らしく物悲しいBGMが流れている。
でも、バトルが始まると、カッコよくて勇敢な曲に変わる。このバトル曲がどれも良い。
奇妙で可愛い本作の雰囲気を盛り上げてくれる良いBGMばかり。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
きびきびアクション
探索が楽しいマップ
世界設定やキャラが魅力的
残念なところ
バトル時に主人公を見失いやすい
オススメな人
アクション性高いゲームが好き
謎解きが好き
ブラックジョークや奇妙な世界が好き
オススメではない人
探索が面倒くさい
ゴリ押しプレイをしたい
ゼルダライクのゲームが好きなら、こちらがおすすめ。本家である『ゼルダの伝説』シリーズのうち、本作のように見下ろし視点でアクションと謎解きが楽しむなら、こちらがおすすめ。
探索と謎解き、そして歯応えのあるアクションも楽しむなら、こちらもおすすめ。ゲーム内攻略本しかヒントがないというゲーム丸ごと謎解きなシステムが魅力。歯ごたえがあり、本作と同じく見下ろし視点でゼルダライクなプレイが楽しめる高評価作。
Death’s Door
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