『ディスコエリジウム ザ ファイナルカット』レビュー: 何よりもまずは医者に行くべき

『ディスコエリジウム ザ ファイナルカット Disco Elysium The Final Cut』とは、ZA/UMが開発したRPG

俯瞰視点でプレイするテーブルトークRPGのような感覚のゲームだ。

本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。

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あらすじStory

最悪な二日酔い

暗闇の中、何かゴニョゴニョとよく分からない問いかけに返答するところからゲームは始まる。

質問してるのは誰なのか。一体何が言いたいのか、訳分からない。

完全に混乱してきたところで、ぐっちゃぐちゃに散らかったホテルの一室で目覚める男性。彼が主人公だ。

頭痛い。光が眩しい。服着てないし。ううう、何をするのも辛い。

絵に描いたような二日酔いだ。

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略

刑事

ところが、二日酔いにしては酷い。なんと記憶がさっぱりない

昨晩酔っ払ってからの記憶どころか、その前の人生も、自分の名前さえ分からない

深酒は危険だけど、ここまでとは。

ぼんやりした頭を抱えながらホテルのロビーに向かうと、そこで、自分を待っていたらしいキツラギ刑事に出会う。

どうやら、主人公は刑事らしい。

ここレヴァショールという街のマルティネーズ地区で、とある殺人事件の捜査をしていたはず、だそうだ。

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トラブルを抱える街

さーて、殺人事件の捜査をしつつ、記憶を取り戻しますか。

といきたいとこなんだけど、街では大規模なストライキが起こっているし、ストに反対する集団もいるし。

更には、言動が危ない市民も多く、聞き込み捜査でさえスムーズにはいかない。

しかも、主人公自身もかなりトラブルメーカーな奴だということが明らかになってくる。

殺人事件の犯人は誰なのか、そして主人公は記憶を失うまで何をしていたのか。

少しずつ謎が明らかになってくる、はず。

主人公に主人公補正がかかってなさそうなんだけど、大丈夫か。一抹の不安を抱えながら物語が進んでいく。

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略

ゲームの特徴Features

読むRPG

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本作はRPG。しかし、『ドラゴンクエスト』などパッと思い浮かぶRPGとは全く違う。

本作にはバトルパートやアクションパートはない

操作は、主人公の移動と、NPCに話しかけたり物を調べるといったものだけ。

画面右側に表示されるセリフや状況説明を読み、選択肢を選んでゲームが進行していく。

本作は分岐要素がもりもりで、取り返しがつかない選択もあり、その結果によって主人公の状況も変わる。

また、主人公には体力と気力があり、どちらが0になってもゲームオーバーになってしまう。

下手な選択肢を選んで誰かに物理的に殴られるだけでなく、気分が悪くなったなどでもダメージを受けてしまう。

24の人格で作られた人物

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本作では、主人公のステータスは攻撃力や防御力といったものではなく、24の人格で構成されている。

他人を論破する「修辞学」や、運動能力が高まる「才覚」といった感じで、やや分かりにくい名前が付けられている。

会話中や調べ物をしている最中には、24の人格がそれぞれキャラクターとなって主人公の脳内に登場することがある。

そして、会話中の選択肢やクエスト達成によって主人公は経験値を獲得する。

で、経験値が溜まるとスキルポイントを獲得し、好きな人格をレベルアップすることが出来る。

より他人に共感できるようになったり、威圧的な人になったりなど、主人公は記憶を失ってしまったおかげ(?)で性格がまだまだ変わるってことだ。

スキルチェック

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会話中や何かを調べている時には、上述した24の人格が登場してアドバイスしてくれたり、選択肢を追加してくれる。

単純に選択すればいいわけではない場合も多く、スキルチェックという運試しが発生する。

例えば、腐敗臭漂う死体に近づくと吐き気を感じ捜査出来ない。

それでも近づくという選択肢を選ぶとスキルチェックが発生し、成功すれば我慢して調査を進められる。失敗してしまうと…お察しの通りだ。

ここで、特定の人格のレベルが高いと成功する確率が上がる。また事前に周囲の調査NPCと特定の会話をしていると確率が上がることもある。

スキルチェックには2種類あり、赤スキルチェックは一回のみ挑戦可能。白スキルチェックは失敗したとしても、レベルアップ後に再挑戦可能。

夜には夜の捜査方法

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ゲーム内では時間が流れている

刻々と過ぎるわけではなく、会話を進めるごとに時間が経過する。本作はテキストが多いけれど、ゆっくり読んでても大丈夫。

時間帯によって街の様子は変わる。住民達の居場所が変わるし、夜じゃないと発生しないイベントもある。

特に夜は相棒のキツラギ刑事と別行動になるので、ちょっと他人に見られたくないことをするなら夜は絶好のチャンス。

また、ベッドで寝ると気力と体力が全回復する。

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

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4.0

読むRPGと上述した通り、本作はもはや小説だ。

舞台となるレヴァショールの歴史から各NPCの人生観まで、かなり綿密に膨大に練られた土台の上で本作の物語が展開する。

セリフも文章も濃厚で、小説を読んでいるようにどんどん文字の渦に溺れていく。

謎が謎を呼び、最初は名前さえ分からない主人公の素性含め気になることばかりで、先が気になるミステリー

ただ、主人公はアルコールとドラッグに溺れており、NPCは伏字だらけの悪態をつくし、思いっきり差別的なセリフを吐かれることも。

歴史的背景は複雑で把握しにくいし、政治思想の議論が多くて難しい。言い回しは小難しく、皮肉もたっぷり。

決して「すんなり物語に入り込めて楽しい!ワクワクする!」という万人受けする物語ではない

が、この調子が好みならグングンのめり込んでいくはず。


キャラクターの魅力

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4.5

上述したとおり、綿密に物語の背景まで作り込まれているので、NPCの会話ひとつとっても分厚い裏打ちがある。

少しの会話くらいでは、その人のことを理解できない。

人間臭くて、意外な一面もあるし、隠している秘密もある。厚みのあるキャラばかり。

特に主人公はかなりぶっ飛んでて、オープンニングから「現実なら関わりたくない人」臭が漂いまくってる。

もはや相棒のキツラギ刑事が可哀想になるポンコツぶりなんだけど、徐々に主人公の事情が分かってくると印象が変わる。

選択肢も人格もかなり大量なので自分の選択によって主人公の見え方が変わってきて、いつのまにか「関わりたくなかった人」だった主人公にめちゃくちゃ愛着が湧いてる自分に気づく。


操作性

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4.0

操作はシンプルなので、問題なし

ただ、選択肢を選ぶ時に、カーソルなどはなく文字が白色になるだけで、パッと今どの選択肢を選んでいるのか分かりにくい。

選択が重要なゲームなので、視覚的に選択間違いしないような工夫があるとよかったな。


難易度バランス

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略
ステータスが補正される装備品もある

3.5

上述した通り、本作の物語は難解だし、小難しい言い回しも多いテキストだらけ。

単純にどれを選択するか迷う前に、書いてある内容を読み解く必要がある。

ゲームの難しさというより読解力の難しさの方が高い。

とはいっても、意外なところで突然ダメージを受けたり、レベル上げてもスキルチェックに失敗することはある。

チュートリアルは親切ってわけでもないし、ヒントも少なめなので、ゲームとしても簡単というわけではない


ゲームシステム

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略

4.0

私はテーブルトークゲームに馴染みがないので、本作のシステムはかなり新鮮。

演出は少なめなのに、テキストと選択肢だけで、これだけ物語が膨らんで惹き込まれていくのか、と。

そして、自分で選択した通りに話が進んでいると自然に感じるのもすごいところ。

それだけ本作の物語や分岐が作り込まれてるってことだ。

正直なところ、プレイしてすぐに「うわ!おもしろ!」とはならなかったんだけど、じわじわ忍び寄ってくる面白さ

プレイを一旦中断した後に「あそこのアレってもしかして…」とふと考えてしまい、また続きをプレイしたくなる。


やりこみ要素

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略
思考キャビネットをアンロックすると
ステータスボーナスが発動する

4.5

無限と思えるほど選択肢やテキストが多く、どう選んでも、そこからまた濃厚なドラマが続く。

「その選択肢は失敗ルートです、おしまい」みたいなことはない。

どんだけ用意されているんだ。

そして、本作はある意味オープンワールドで、どこからどう進めてもいい。

サブクエストも大量で、一筋縄では攻略できないものも多い。

どの人格を伸ばして、どの選択肢を選んで、どう歩んでいくか。圧倒的な自由度だ。そしてそれを支える狂気の作り込み。


グラフィック

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット disco elysium the final cut 評価 攻略

4.5

本作の魅力は物語や自由度だけではない。

絵画調のグラフィックはクオリティ高くて、各人格のデザインもセンス抜群。

雑多で汚い場面も多いんだけど、それさえ良い味出してる。


サウンド

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3.5

BGMはかなり控えめ。というか、ほぼない。

ナレーションの渋く低い声が印象的。

どんなアホな選択を選んでも、渋く仕上げてくれる。

そして、本作はセリフ量が大量なんだけど、なんとボイス付き(主人公のボイスはないけど)。

テキスト読みまくっててうっかり眠たくなりそうなので、ボイス付きは助かる。


総合評価Summary

4.0

物語の魅力

ゲームプレイの快適さ

ゲームとしての面白さ

芸術性

 

 

 

 

良いところ

自由度が高く分岐が豊富

世界設定や物語背景が作り込まれている

先が気になる物語

芸術性が高い

残念なところ

最初はシステムを理解しにくい

難解なテーマや文章が多い
(良いところでもある)

オススメな人

濃厚な物語を楽しみたい

テーブルトークRPGが好き

自由度が高いゲームをプレイしたい

オススメではない人

分岐要素が好きじゃない

テキストを読み続けるのが嫌い

偏った政治思想や差別、倫理観を欠いた描写が苦手

おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ

オススメ
サイバーパンク2077

サイバーパンクな街の住人となり、好きに生活できる超大作。とある謎を追うメインストーリーも楽しめて分岐要素もある。原作はテーブルトークゲーム。

スパイク・チュンソフト
オススメ
Backbone

分岐要素はないけれど、とある事件を追ううちに社会の闇に近づき意外な展開に転がっていく、物語を楽しむアドベンチャーゲーム。

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット
4

何よりもまずは医者に行くべき

脳内の24の人格と対話しながら事件解決するという独創的なRPG。 選択肢が豊富で自由度がかなり高く、物語の背景や世界設定の作り込みに驚きっぱなし。

ディスコエリジウム ザ ファイナルカット Disco Elysium The Finla Cut
©2022 ZA/UM. Disco Elysium: The Final Cut and ZA/UM logos are trademarks of ZA/UM. All Rights Reserved.
https://www.spike-chunsoft.co.jp/discoelysium/

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