『Dreamscaper』レビュー: 危険な昼寝
『Dreamscaper』は、Afterburner Studiosが開発したローグライクアクションゲーム。
斜め上からの見下ろし視点でプレイする。
本作は、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
子供の頃の悪夢
ゲームが始まると、そこは主人公キャシディの夢の中。
足元から怪物の手が伸びてきて…、「は!」と目覚める少女キャシディ。
そこで、場面は途切れる。
そして10年の年月が経ち、大人になったキャシディがレッドヘイブンという街に引っ越してくる日に場面がうつる。
冒頭の意味ありげな悪夢は何だったんだろう。
昼寝からの悪夢
新居に着いたキャシディは、荷解きもほどほどにお昼寝。
そして、夢の世界へ。昔見た悪夢と雰囲気が似ている。
更に襲ってくるモンスター達までいる。
なぜか当然のように武器を持ってモンスター達を倒していくキャシディ。
こんな疲れる夢だと熟睡した気になれなさそうだけど。
新しい街での生活
夢の中でモンスターにバチーンッと倒されてしまったキャシディ。
そして、ハッ!と目覚める。夢でよかった。
さて、現実世界にも問題は山積みだ。新しい街に馴染めるかな。友達は出来るかな。
夢の中で戦った記憶が、ほんの少しキャシディに勇気を与えてくれる。今日は、カフェで見かけたあの人に声をかけてみよう。
そう、睡眠は心を強くしてくれる。らしい。
ゲームの特徴Features
ローグライクと現実世界
本作では、自宅で眠るとランダムマップでバトルを繰り広げるローグライクアクションの夢の世界に。
ゲームオーバーになると、目覚めて現実生活の物語パートに。
この2つを交互にプレイしていく。
夢の中はローグライクなので、毎回スタートからやり直し。ゲームオーバーになれば所持アイテムなども失う。
現実生活の方は、ランダムマップ…なわけはない。こちらはプレイした状況がそのまま引き継がれて続いていく。
夢の中で大暴れ
夢の中のキャシディは、様々な武器を使って、近接攻撃、遠距離攻撃が出来る。
発動後のクールタイムはあるけれど、魔法のような技も使える。
マップはひと部屋ごと分かれていて、部屋内の全敵を倒すと次に進める。
部屋によっては、宝箱やショップがある部屋やパズルを解く(解ければ報酬をもらえる)ところもある。
そして、大ボスを倒すと、更に次のフロア(より深い夢の中)へと進んでいける。
起きている間に準備
夢の中でゲームオーバーになって目覚めたら、レッドヘイブンの街にあるカフェや本屋さんなどのスポットを訪れることができる。
そこでは、キャシディの永続的な効果をアンロックしていくことができる。
夢の中で手に入るスパークやグラスはゲームオーバーになっても失わない。例えば、バーでグラスを消費すると夢の中での体力最大値が上がるなどといった感じ。
友達パワー
起きている時は、レッドヘイブンにいる人々と仲良くなっていくことができる。
更に、自宅で様々なアイテムをクラフトして(夢の中で手に入るリゾルブという資源を消費)、それを気に入りそうな人にプレゼントすれば、赤の他人から友達へと好感度が上がっていく。
で、この好感度が上がると、夢の中に入る時にパッシブ効果が付与されるようになる。
どの人からの影響を受けるか1種類選んで眠りにつく。
友達度が上がるほど、この効果はより強力になっていく。
友達からの影響って絶大だ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
心に問題を抱えた主人公が、過去と向き合い精神的に成長していく物語。
物語を辿る感動のアドベンチャーゲームが始まりそう。
ところが、本作はローグライクアクションゲーム。
ややありがちな話ではあるものの、それがローグライクゲームになってるのが驚き。しかも、こじつけじゃなくて自然にゲープレイと融合しててビックリした。
ローグライクアクションって、お気楽で笑えるノリとか悪を倒す勇敢な物語とか、にぎやかなストーリーが多いけれど。
こういう物語でもローグライクアクションになるんだなあ。
キャラクターの魅力
3.5
夢の中は敵ばっかりなので置いておいて、街で出会う人たちはそれぞれ全然違う。
会社の同僚とか関係性が分かりやすい人から、行きつけのバーの店員さん、更には年齢も全く違うおじいさんまで。
転居先でこんなに色んな人と友達になれたら楽しすぎる。みんな話題も興味も性格も違ってるから、会話しているうちにキャシディの色んな面が引き出されてくる。
キャシディ自身は問題を抱えてるけど必死に頑張ってて応援したくなるし、物語性はアドベンチャーゲーム並にちゃんと描かれてる。
操作性
4.0
操作性は特に問題なし。
夢の中はアクションバトルにだけど、夢から目覚めたら、ゆったりまったりとしたゲームプレイに変わる。
緩急ついてていい感じ。
近接攻撃では、一撃目の攻撃後にキャシディの全身が白く点滅した瞬間に二撃目を発動すると、より多くのコンボダメージを与えられるようになる。
これが、武器の種類によってタイミングが違うし、パリィもあるし、バトルは結構忙し楽しい。
難易度バランス
3.5
プレイするたびに永続効果をアンロック出来る素材が着実に手に入るので、プレイするほど確実に強くなる。
一度倒したことがあるボスはスキップすることが出来るので、ゲーム自体も進めやすい。
また、NPCには話しかけることで好みを探ることが出来て、気に入ってくれるプレゼントを予想しやすくなる。
物語性がある分、何回も同じ苦戦をするというより、ゆっくり着実に攻略して物語を辿っていくローグライク。
ゲームシステム
4.0
上述もしたけれど、内省的な物語が、がっつりバトルを繰り返すローグライクに上手く落とし込まれてることに1番感動した。
切なさや悲しさもある雰囲気を壊さずに、ガンガン攻めるバトルが共存してる。
バトルで活躍する主人公って、どうしても勇ましく見えがちなんだけど、本作では弱くて脆いキャシディのイメージが崩れない。雰囲気作りと物語をゲームプレイに組み込むが上手い。
バトルやローグライクのシステム自体はあるあるな内容。ローグライクゲームをプレイしたことがあるなら、理解しやすいと思う。
チュートリアルや日本語訳も丁寧だし、難易度的にもローグライクに馴染みがなくてもとっつきやすく楽しめると思う。
やりこみ要素
4.0
装備品の種類は多いし(使い込むとアンロックされる効果もあり)、永続効果の種類も多い。
更に、夢の中ではたまに光っている場所があって、調べるとキャシディが思い出を語る。
というわけで、やり込み要素はたっぷり用意されている。
グラフィック
3.5
キャラクターの顔はのっぺらぼう。表情を想像して楽しむ。
夢の中は、キャシディの思い出の中の風景がモチーフになっていて、色々と想像をかきたててくれる。
本当にアドベンチャーゲーム始まりそうな雰囲気。
ちなみに、ボスは「孤独」など精神的な問題が具現化した怪物になっている。
サウンド
4.0
BGMもローグライクアクションとしては珍しく、切ない曲が多い。
バトルが始まると、アップテンポにはなるけれど、派手にジャカジャカ鳴る曲ではない。
音楽だけ聴くと、ローグライクアクションのBGMとはまず思わない。美しくて癒される。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
物語が楽しめるローグライク
NPCとの交流が楽しめる
やり込み要素がたっぷり
永続する要素がしっかりある
攻略していきやすい
残念なところ
爽快感は控えめ
ローグライクアクション部分の目新しさは特にない
オススメな人
ローグライクが好き
物語を楽しみたい
NPCの好感度などシミュレーション要素が好き
よくあるローグライクの雰囲気に飽きた
オススメではない人
内省的な物語が苦手
バトルだけプレイしたい
派手さや爽快感が重要
本作が好きならオススメRecommendation
こちらも物語がしっかり楽しめるローグライクゲーム。ボスを倒せず帰ってきてもイベントが起きる。家族愛を感じる物語が展開する高評価作。
お店経営とローグライクなダンジョン探索が楽しめる人気作。主人公を強化しやすくエンディングを目指しやすい高評価作。お店経営にハマる。
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