『Children of Morta』とは

Dead Mageが開発したローゲライクなアクションRPGゲーム。
でも、ローグライク要素もあるアクションRPGとか、ローグライトって言った方がいいかもしれない。
PS、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。
私はXboxでプレイ。
ちなみに、Xbox版には日本語が収録されていないので、このレビューの画像は英語表記になっている。
でも、PS、Nintendo Switch、PC版には日本語版があるので、ご安心を。
あらすじ
タイトルにもなっているMorta モルタと呼ばれる山近くに住む一家Bergson ベルグソン家。

一家をまとめる1番の能力者である最強婆ちゃんのマーガレット。
マーガレットの息子2人は、子だくさんパパである頼れるジョンと、訳ありな過去をもつ手先が器用なベン。
ジョンの妻のメアリーは妊娠中。
そして、ジョンとメアリーには既に4人の子供がいる。
長男のマークは、自然を愛する落ち着きまくっている青年。
長女のリンダは、アーティスト気質で繊細そうに見えるけれど、勇敢でしっかり者。
次男のケヴィンは、血気盛ん。少年漫画の主人公のようだ。
次女のルーシーは、不思議な能力を持ってるけれど、まだまだ幼くて危なっかしい。
という大家族で楽しく生活している。

更に、優しき怪力マンのジョーイや、北から来たと言う謎の魔法使いエイパン(無料アプデにより追加)たちも一家に加わっていき、どんどん大所帯になっていく。
みんな性格も年齢も違うけれど、かなりの戦闘能力を持っている。
実は、ベルグソン一家は、山の近くに住む田舎の朗らかファミリーというわけではない。代々Mortaの守り手を担っている由緒正しい家系だ。
ある日、山の方から穢れが噴出。死体から気持ち悪いモンスターがニョキニョキッと湧いてくる。

この穢れは、Morta山を囲むReaの大地全土に蔓延していく。
マーガレットお婆ちゃん調べによると、これにはMortaの神が関わっているらしい。

遂にベルグソンファミリーが使命を果たす時が到来。
穢れを止めるために、各地に眠る神々を叩き起こしに行かなければならない。

ベルグソン家の面々はそれぞれの長所を活かしながら、ベルグソン家伝統の世界救済家業を始めることになる。
ゲームの特徴
有能すぎる一家
本作はローグライクゲーム。
家の地下からダンジョンに飛び、奥にいるボスを倒す。

ダンジョンは、訪れるたびに地形や敵の配置全てが変わるランダムマップ。
ダンジョンに出発する時は、ベルグソン一家から操作キャラを1人選ぶ。
小さなルーシーから、がっつりオジサンのジョンまで、ほぼ一家全員から選ぶことができる。

それぞれ武器も能力もアクションの挙動も違う。
例えば、ケヴィンは、タガーが武器で、素早く敵を倒すことが出来るし、ナイフを投げ飛ばす技も覚える。
一方、リンダは、弓矢で遠距離攻撃をする。範囲攻撃が出来る弓を射る技も覚える。

また、それぞれステータスも違うし、長所と短所も違う。
がっしりしたジョンは、攻撃力も防御力も高いけど移動速度や攻撃スピードはゆっくりめ。
小さなルーシーは、魔法の炎を撃って攻撃スピードは速くなる。けれど、移動しながら攻撃は出来ない。

魔法を広範囲に撃てる
それぞれの特性を把握して、どのダンジョンに誰で挑むのか。
ちなみに、途中で力尽きてしまった場合は、お家に強制送還される。
寄り道する一家
世界の危機が訪れているので、一目散にダンジョン最奥に向かわなくてはならない。はずなんだけど。
ダンジョン内には色んな部屋がある。
ダンジョンでは、ボス部屋にたどり着くまでに、いくつかの階層を越えていかなくてはいけない。
道中では、チャームやレリック、グレースなど、ダンジョンにいる間だけ有利な効果が現れるアイテムがランダムで拾える。

これらは力尽きたら失ってしまう。ローグライクならではの要素だ。
また、サイドクエストも発生する。
ダンジョンはモンスターだらけだけど、逃げ遅れた人や、モンスターに囚われている人などがいる。

こうしたサイドクエストをクリアすると報酬がもらえたり、ダンジョン内にお店が出現するようになったり、ベルグソン一家にとって良いことしか起きない。

また、ダンジョンをクリアしたりゲームオーバーになって拠点である家に強制送還されると、特定のタイミングでイベントが発生する。

単に心温まる家族団らんを見守ることが多いけれど、トラブルが勃発することもある。
そして、それを解決するアイテムをダンジョンで拾って来ようというメインとは別の目的が発生することもある。
極める一家
本作はローグライトでありRPGでもある。
ダンジョン内で敵を倒すと経験値が溜まっていき、一定量溜まるとスキルポイントを獲得する。
スキルポイントによって、各キャラ固有のスキルを習得していくことが出来る。

一定のスキルポイントに達すると、家族全員に効果が及ぶスキルも解放される。
また、敵を倒したりダンジョンにある宝箱などからはMorvと呼ばれる輝く金属を手に入れることが出来る。
お家でお留守番をしているマーガレットおばあちゃんやベンおじさんに一定量渡すと、攻撃力アップや体力上昇、取得経験値量アップなど、さまざまなステータス強化も出来る。

経験値やスキルはキャラごと別になっているけれど、マーガレットとベンによる強化は家族全員に共通なものとなっている。
みんなで一斉に強くなっていく。これぞ家族の力。
評価
ローグライクゲームだけど、ストーリーがちゃんとあるし、しかも物語が面白い。
プレイしていて、これに1番ビックリした。

ボスを倒した時だけ「こんなことが起きて、こんなことになりました」っていうだけじゃなくて、道中で力尽きて帰ってきた時もイベントが起きる。
予想以上に小刻みにイベントが起きるので楽しいし飽きない。
力尽きて家に帰るのも楽しみっていう、ローグライクゲームにはあるまじき事態だ。

イベントが起きない時も、家の中を見回すと家族の会話が見れて、「この子って、こんな感じの子なんだなあ」っていうのがよく分かる。
最初は、大家族すぎて誰が誰やらなんだけど、気づけば各キャラに愛着ががっつり湧いてる。
何なら、「この子はこんな子でね」なんて紹介したくなるくらい。
世界を救うのは、もちろん胸熱ストーリーではあるんだけど、家族のドラマ部分は見てるだけでも面白い。

単に「みんなで力合わせて頑張ろうぜー!」ていうわけじゃなくて、「ええ!おお!?なんてことだ!」という展開もあって。
ベルグソン一家は、めちゃくちゃ良い家族。そんな家族が全員で全力で世界を救う。良い物語だ。
基本はツインスティックシューターに準じたアクション。
左スティックで移動、そして近接攻撃がメインのキャラでも右スティックを倒せばその向きに近接攻撃してくれる。
あと、それぞれのスキルは各ボタンに配置されていて、特にストレスを感じることなくプレイできる。

動きはかなり滑らか。
フラフラーッと歩いていたら、敵がわんさかと出てきてスーパー集団鬼ごっこ(追われるのは1人で鬼大量)状態になる。
でも、安全地帯に逃げ込んだり、範囲攻撃したりオトリを置きながら、逃げ惑っていると見せつつ挽回できる。これが面白い。

途中で力尽きても所持金や経験値は失わないので、ステータスは確実にアップグレードしていける。
しかも、攻撃力や体力などは家族一斉にアップグレードされるので、テンポよく成長できる。
成長の方向性は自由だけど、結構ぐんぐん強くなるので、同じところに何回も何回も挑むローグライクの難しさとか厳しさは控えめ。
確実にクリアできるローグライク。やっぱりRPGって言う方がしっくりくるかも。
よくあるローグライトのシステム。RPGとして見たら、まあ、そこそこ壮大な物語。
というハズなんだけど!とにかく面白い。病みつき。
ローグライクになりすぎず、完全なRPGでもなく、それぞれの面白さをいいとこ取り出来る絶妙なバランス。
魅力的なキャラ達の性格が反映された戦い方になっていて、それぞれの弱点を補うような、これまた絶妙なスキルばかり登場する。

操作できるキャラが多いと、どうしても使うキャラが偏ってくるんだけど、珍しく全員まんべんなく使った。
新しいスキルを覚える度に、うまく練られてるなあって感心してしまう。誰が最強でも最弱でもない。みんな活かし方がある。

立ち回りを考えるのがすごく楽しい
サイドクエストでも意外な展開が起きたり、今は亡きおじいちゃんの日記を見つけて、この世界のことがよく分かったり。
ボス部屋に一直線に向かうのが勿体ないくらい、やり込みも楽しい。
物語やキャラの魅力がたっぷりなのは、緻密で丁寧なピクセルアートのグラフィックがかなり大きく影響している。
モダンなピクセルアート好きにはたまらない高クオリティのグラフィック。
本当に美しくて、大量の敵に取り囲まれてなければ、いちいちゆっくり見て回りたいほどダンジョンのデザインも素晴らしい。
拠点となるベルグソン一家の家は、本当にあったらぜひお招きしてもらいたいくらい素敵なお家だ。

BGMは、ダンジョン内は不気味な曲調だけど、全体的にあたたかい雰囲気が漂っていて、ベルグソン一家にぴったり。
ダンジョンによって見た目も音楽もガラッと変わるので、新しいダンジョンに入っていくのが楽しみで仕方なかった。
まとめ
- 良いところ
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- ストーリーもローグライクアクションも楽しめる
- キャラごとに違ったアクション
- 捨てキャラがいない
- 美しいピクセルアート
- 残念なところ
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- 純粋なローグライクを期待してプレイすると歯応えが足りない
総合評価
4.0
- こんな人にオススメ!
-
- ストーリーを楽しみたい
- 確実にクリアできるローグライクを探している
- 2Dアクションが好き
- ピクセルアートが好き
- オススメではない人
-
- 歯応えのあるローグライクが好き
- アクションだけに専念したい