『百英雄伝 Rising』とは、Natsume Atariが開発したアクションRPG。
本作は、名作RPGシリーズ『幻想水滸伝』を手がけた開発者さん達の多くが携わるRPG『百英雄伝』(2023年発売予定)の前日譚でありスピンオフ作でもある。

本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。



本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
ゴミ漁り屋さん
ゲームが始まった途端、やる気みなぎる少女がババーンと登場。
彼女は、CJと名乗る16歳の少女。訳ありのようで、フルネームは隠している。
CJは、お宝発掘が出来ると聞きつけて、ニューネヴァーという町にやって来た。
実は、彼女はスカベンジャー(遺跡漁り屋、他人にはゴミ漁り屋と言われる)と称して代々トレジャーハントを生業にしている一族の新人さん。
すんごい宝を発掘しなければ、一族に認められないらしい。で、遺跡が発見されたニューネヴァーにやってきたわけだ。

ガメツイ町
やる気満々のCJだったけど、お金にガメツイ町長代理イーシャから発掘許可証と引き換えに法外な値段を請求されたり、その代わりに町の手伝いをしろと言われたり、早くも壁にぶち当たってしまう。
イーシャはCJと同じ16歳の少女だけど、さびれて破産寸前のこの町を立て直すため、がつがつガメツイ施策を練っているやり手だ。
というわけで、宝探しは最初から前途多難だ。
ちなみにCJが狙っているのは、最強最大のレンズ。
レンズとは、この世界で魔力を扱えるようになる貴重品だそうだ。

仲間と共に
すんごい宝はなかなか見つからないけれど、お人好しのCJは宝探しの傍ら、町の復興にも手を貸すことに。
そのうちに、獣人の屈強な元傭兵ガルー、そしてガメツイはずの町長代理イーシャまでも、CJの仲間になっていく。
それぞれに事情があるようだけど。
そして、単なる宝探しだったはずが、レンズや遺跡を巡って、単なる宝探しだけではない騒動に巻き込まれていくことになる。

ゲームの特徴Features
なんでもやります

本作は、クエストクリアでストーリーが進行していく。
メインだけではなく、サブクエストもあり、同時進行も可能。
2Dサイドスクロールでのプレイになるけれど、町やダンジョン入り口などのスポットはワールドマップ上から好きにファストトラベルが可能。
ダンジョン内では、セーブポイントである「道しるべ」間でのファストトラベルも可能だ。
3人でコンボ

Xbox版では、Xボタンを押すとCJ、Yボタンはガルー、Bボタンはイーシャといった感じで、対応したボタンを押すと操作キャラがサッと変わり、攻撃する。
もちろん、CJだけでもコンボ攻撃が出来るんだけど、それよりもリンクアタックが強い。
例えば、CJが攻撃した後にタイミング良く他2人どちらかの攻撃ボタンを押すと強力な攻撃を繰り出す。
その攻撃が終わる時に、またタイミング良く別の2人の攻撃ボタンを押すと、更に強力な攻撃を繰り出す。
3人で交代しながら攻撃を仕掛けて強力なコンボ技を繰り出すというシステムだ。
町おこし

サブクエストは、ほとんどが町の復興に関わる内容になっている。
素材を集めてきて依頼人に渡すと新しいお店が出来たり、更にお店がアップグレードしたり、町の景観もにぎやかに綺麗に変わっていく。
クエストの報酬は、バッカという通貨や経験値だけでなく、スタンプがもらえる。
このスタンプを一定数集めると町全体が大きく発展し復興も進んでいく。
町の復興が進むごとに、上述のリンクアタックでつなげられる攻撃回数が増えていく。バトルで有利に攻めるためにも町おこしは欠かせない。
成長

本作では、クエスト報酬や敵討伐で経験値を獲得し、各キャラはレベルアップしていく。
また、武器や防具を強化することも可能。
装備品の強化には、ダンジョンで採れる素材とお金だけでなく、お店自体のレベルも必要。
つまり、町おこしを進めて武器屋レベルが上がっていないと、より強い強化は出来ないというわけだ。
レンズとルーン

物語の鍵を握るレンズ。ゲームプレイ上でも活躍することになる。
各キャラが持っているレンズには、様々な属性のルーンを付けられる。ルーンも町おこしによって様々な種類のものが作製可能になる。
各キャラごとにルーンを装備することが出来て、これによって攻撃属性や耐性が変化する。
また、ダンジョンには特定の属性攻撃じゃないと壊せない障害物もある。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
楽しく、程よく先が気になる。本作の物語は、そんな感じ。
深刻だったり、急展開続きってわけではないんだけど、レンズを巡る話は徐々に壮大な話になっていく。
でも、舞台は、ニューネヴァーの町とその周辺なので、規模が大きいというわけではないんだけど。
ところが、本作は『百英雄伝』本編へと続く前日譚であることが明かされているので、「これは何かの伏線になっていそう」とか「これは何だか大きな話に繋がりそう」な気配を探して勝手にワクワクしてしまう。
JRPGならではのノリもあり、最初はちょっとモタモタした感じはあるけど、仲間が揃ってからはテンポ良く物語が進む。
キャラクターの魅力

4.0
CJは、JRPGに最低1人は登場するタイプの元気っ娘。
ヒロインの次に仲間になりそうな、にぎやか担当。
ちょっとクールで斜に構えつつも善い人なガルーとの口喧嘩(よく勃発する)は、「はいはい、もういいから」とあきれちゃうんだけど、でも笑ってしまう。
というわけで、彼女のおかげで、本作全体が明るく楽しい雰囲気に包まれている。
意外だったのはイーシャ。儚いヒロインって感じかと思いきや、そのガメツさに驚いてしまう。
NPC達も「JRPGあるある」なキャラが多く、みんな魅力的。
操作性

4.0
サックサク。爽快。
キビキビと動くし、一振りで複数の敵を攻撃出来る。
リンクアタックもタイミングは難しくなく、バンバン敵を薙ぎ倒せるので、気持ち良い。
各キャラに対応したボタンを押せば、本当に瞬時にキャラが変わるので、交代によるラグは一切ない。
3人それぞれの攻撃方法や挙動はしっかり違っていて、使い分けも楽しめる。
バサバサと倒していくというゲームなので、当たり判定は緩め。ガンガン攻撃がヒットする。
難易度バランス

3.5
苦戦することは、ない。
レベルは上がりやすいし、装備品の強化もしやすい。
リンク攻撃を決めるとボスでさえ瞬殺出来ちゃうことも。
じゃあ、歯ごたえなくてつまらないのか?というと、そういうわけじゃない。物足りなさはあるけど。
本作は、コンボ決めて、バサバサ敵をぶっ倒していくのが魅力のゲームなので、それで良い。
ただ、調子に乗って防御を疎かにしているとピンチに陥るので、「ボタン押してたら勝てる」ほどヌルいわけではない。
ゲームシステム

4.0
バトルを繰り返し、素材を集めて、町を復興する。
それぞれはシンプルな作りだけど、サブクエストがポンポン出てくるし、装備の強化や物語の進行でテンポ良く行ける場所が増えていくし、飽きない。
バトルで苦戦することがないので立ち止まる瞬間がなく、気づいたら数時間没頭してプレイしてしまってる。
そんなスムーズさが、本作の1番の魅力。
いつでもファストトラベル出来て、しかも、ファストトラベル地点も結構小刻みに設定されてて、行きたい場所に今すぐに行ける。
プレイしていて、「面倒臭さを排除してくれてる!」と感じる親切丁寧な作りだ。
やりこみ要素

4.0
サブクエストは、いわゆる「おつかいクエスト」に過ぎず、行ったり来たりを繰り返す。
正直、サブクエスト自体は魅力的ではないんだけど、町おこしが進むと町の景観が目で見て変わるので、なんだかんだやる気が湧いてくる。
ちょっと嬉しくなっちゃうオマケ、みたいな感じ。
ただ、このサブクエスト、ボコボコとたくさん発生する。おつかいクエスト嫌いな人だと、辟易しちゃうかも。
グラフィック

3.5
自然豊かな森から怪しげな遺跡まで、背景がしっかり描かれていて、キャラたちに負けず劣らずにぎやかな画面。
高解像度だったり最先端グラフィックというわけではなく、いわゆるモブキャラは使い回し感が結構強い。
キャラデザインなどは、JRPG色強め。
サウンド

4.0
ゲーム全体の楽しい雰囲気を盛り上げてくれるBGM。
暗いダンジョンでも、楽しい雰囲気は変わらない。
そして、敵に攻撃ヒットした時のザシュッて音とか、リンク攻撃が成功した時の「カァーンッ」ていう音とか、効果音の耳触りが良くて、バトルの爽快感が増してる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
サクサク攻略できる
バトルが気持ち良い
町の見た目が変わっていくのが面白い
楽しい雰囲気
残念なところ
バトルの歯ごたえが物足りない
おつかいクエストが多い
オススメな人
気軽にプレイできるゲームを探している
JRPGが好き
『百英雄伝』をプレイしようと思っている
オススメではない人
歯ごたえのあるバトルをしたい
おつかいクエストが嫌い



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本作の本編にあたるRPG。『幻想水滸伝』開発者さんたちが多く携わっていて、大勢の仲間が登場するなど似た要素もある。本作の物語の続きを見届けることが出来る。

本作のように2Dサイドスクロールでサクサク爽快バトルと本格的な稲作が楽しめるアクションRPG。こちらもJRPG色が強いので、JRPG好きならオススメ。


百英雄伝 Rising
さっくりサクサク
2Dサイドスクロールの爽快で気持ち良いアクションと壮大な展開につながっていく物語が楽しめるアクションRPG。
豊富なサイドクエストで町おこしも楽しめて、飽きずに楽しめる工夫が凝らされていて丁寧に作られたゲーム。
百英雄伝 Rising Eiyuden Chronicle Rising
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