『Figment 2 Creed Valley』とは、Bedtime Digital Gamesが開発したパズルアクションアドベンチャーゲーム。
本作は『Figment フィグメント』の続編。主人公や世界設定は前作と同じではあるものの、物語含め本作からプレイしても問題ない。

本作は、PS5、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作がどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
ダスティーは勇気
本作の舞台は、とある男性の精神。
本作の主人公であり、この男性の勇気であるダスティー(青緑の全身タイツを着ているような姿)は、いつものように相棒のパイパーという鳥と共に男性の精神世界をパトロールしていた。
恐怖などを打ち倒し、男性の精神世界の安全を守っている。それが勇気であるダスティーの役目だ。

心に起きている異変
ダスティーがパトロールを終えて帰ってくると、レリック市長が訪ねてくる。
なんとモラルのコンパスが壊れてしまったという。さらに、悪夢が野放しになっているという。
このままでは心に異常が起こってしまう。一大事だ!
ダスティーとパイパーは、モラルのコンパスがある心の世界にあるクリードの谷へ向かう。
ちなみに、前作では脳内の世界が舞台だったけれど、本作では心が見ている世界が舞台となる。
クリードの谷 Creed ValleyのCreedとは、日本語で信条や信念という意味だ。

悪夢を追いかけろ
ダスティー達がクリードの谷を進んでいくと、顔が2つあるピエロのような格好をしたジェスターという奴が暴れているのを見つける。
どうやら、あいつがレリック村長の言っていた悪夢に違いない。
ダスティーとパイパーは、意見を司る毛の生えた卵生物たちと交流しながら、ジェスターを追いかけていく。
一方で、この精神世界の主である男性は、モラルのコンパスが狂ってしまったからか、家族と口論を繰り返している。
ダスティーたちの旅路によって、男性の人生はどう変わっていくのだろうか。

ゲームの特徴Features
謎解きしながら進む

本作は、謎解きとバトルを攻略しながら進んでいく。
物語の進行と共に探索する場所が変わっていき、後戻りすることは出来ない。
謎解きは、特定のアイテムを探して来てギミックを動かしたり、パズルを解くといった感じだ。
剣で戦う

特定の場所ではバトルが発生し、全ての敵を倒さなければ先に進めなくなる。
バトルは、ダスティーが持つ木でできた剣で近接攻撃するのが基本。
ローリング回避もできる。
また、ボス戦はミュージカル仕立てというのが本作の大きな特徴。
ガンガン攻めることは出来ず、ボスの熱唱に合わせてボスの攻撃を避け、こちらからの攻撃チャンスを待つ必要がある。
記憶のかけら

探索しながら進んでいると、渦巻き柄が描かれている石を見つけることがある。
叩くと紫色のシャードが出現する。
各エリアごとに50%以上のシャードを集めると、記憶がアンロックされる。
それによって、この精神世界の主である男性の事情がより分かってくる記憶を知ることが出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.5
心の中の悪夢を倒そう。そして心を元気にするんだ。
一見、分かりやすい物語で、「ほのぼの物語だな」と穏やかに楽しめるかと思っていた。
ところが、単なる勧善懲悪物語ではなくて、良い意味で裏切られた。もちろん、ほのぼの雰囲気は満点だけど。
道中では、様々な意見の卵生物たちが登場する。そこから「人の考え方」が成り立っていく描写が素晴らしくて感心しまくってしまった。
信念という抽象的な事象が、面白く具現化して描かれており、それだけでも本作をプレイする価値があると思う。
可愛らしい世界ではあるけれど、物語は社会で戦う大人の心にグサッと刺さる内容だ。
悪夢に対峙する終盤では感動して目頭が熱くなった。全身タイツに泣かされることになるとは。
キャラクターの魅力

4.0
ダスティーは勇気を司っているけれど、全身タイツを着たちょっと面倒くさがりなおじさんといった感じ。お腹もプヨッとしている。
勇気に対するイメージが変わりそうだけど、ここぞという時は勇気を見せてくれる魅力的な主人公だ。
そして、本作で1番印象に残ったのは、様々な意見を司る卵生物。
可愛くて面白い見た目だけど、言ってることはかなり深い。たまにくだらないけど。
本作には、心の状態を変えるギミックがあり、開いた心と閉じた心の2つの状態を切り替えることが出来る。
謎解きに使うものではあるけれど、心の状態が変わると、卵生物達の意見も180度変わる。ちなみにヘアースタイルも変わる。
心の持ちようによって考え方が変わる様がコミカルに描かれていて、いちいち卵生物に話しかけるのが面白い。
操作性

4.0
ダスティーの動きは全体的にもっさりしている。
操作性が悪いわけではないけれど、なんだがワンテンポゆったりしている。
特にボス戦では、敵の怒涛の攻撃を避け続けなければならない場面が多く、動きのもっさり感にヒヤヒヤすることも多い。
ただ、ちゃんと避けられるタイミングになっているので、ゲーム攻略上に支障はない。プレイ感覚や操作感覚の問題だ。
難易度バランス

4.0
様々な謎解きが登場する。
共通しているギミックもあるけれど、エリアによって謎解きの種類が変わる。
パズルをやっていたかと思えば、次のエリアでは捜査と推理が始まったり。
ヒント機能などはないけれど、頭を抱えてしまうような難しさではない。
アイデア豊富な謎解きをテンポよく楽しめる。
バトルはというと、上述した通り、動きがもっさりしているので、攻撃より回避タイミングに気を配って戦う必要がある。
でも、そこかしこに回復玉が落ちているで、バトルで詰まることもない。
謎解きもバトルも簡単すぎず、でも詰まることもなく楽しめる難易度だ。
ゲームシステム

4.0
謎解きもバトルも楽しめる物語主導型のアドベンチャーゲーム。
まさにその通りのゲームだ。
謎解きはアイデア豊富で、難しすぎないけれど、ちゃんと捻りがあり、応用編も登場する。
バトルは、回避が重要で、ちゃんとアクションバトルとして楽しめる。
そして、物語主導型ゲームで1番肝心なメインストーリーも良い。
ドラマティックさとか派手さは控えめではあるけれど、「プレイして良かった、良い思い出が出来た」そんな気分になれるゲームだ。
特に忙しい大人にこそおすすめ。
やりこみ要素

3.5
やり込み要素は、記憶をアンロックするためのシャード集め。
見つけにくい所にそっと隠されていることが多いので、各エリアの収集率50%超えは難なく出来ても、100%はなかなか難しい。
しかし、本作では後戻りや特定の時点からの再プレイが出来ないので、見逃した分を取りに戻ろうとした時のハードルが高いのが残念。
グラフィック

4.0
絵本のような絵画調のグラフィック。
心の機能を具現化した光景は見ているだけでも面白くて、特に意見を篩にかける迷宮のアイデアは脱帽するほど素晴らしい。
基本的には遠めからの見下ろし視点だけど、たまにダスティーがアップになると、絵の具や筆の動きが残るあたたかみのあるアナログっぽさも見てとれる。
クオリティ高いグラフィックだ。
サウンド

4.0
BGMは、穏やか。終始癒し。
ただ、ボス戦になるとボスが大熱唱を始めるので、音量調整にはご注意を。
ボスの歌唱もテーマ曲もメロディが良くて、ゲームクリア後にはサントラを聴きたくなるはず。
ボス戦であろうとも陽気な音楽ばかりなので、サントラを聞いているだけでも元気になれる。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
心を具現化した世界
心温まる物語
絵本のようなアートスタイル
残念なところ
動きがもっさり
特定の場所からリプレイ出来ない
オススメな人
物語を楽しみたい
精神世界に興味がある
謎解きが好き
オススメではない人
挙動が気持ち良くないとイライラしてくる
高精度なバトルを楽しみたい
歯ごたえのあるゲームを求めている
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Figment フィグメント
前作。こちらでは脳が舞台であり、脳の各部位の機能を具現化した世界が面白い。主人公は同じくダスティーで、本作冒頭でパトロールを行なっているほど責任感を持つようになった彼自身の成長も描かれている。

Sea of Slolitude
本作とゲームプレイは異なるものの、精神世界をテーマにしたゲームが好きなら、こちらもおすすめ。心情を波で表した世界が哀しく美しい。

Figment 2 Creed Valley
あなたの勇気は全身タイツ
心の世界を謎解きとバトルで攻略していくパズルアクションアドベンチャーゲーム。 抽象的な信念を表した世界設定や大人に刺さる物語が魅力。 アイデア豊富の謎解きやクオリティの高いグラフィックや音楽で終始楽しい良作。
Figment 2 Creed Valley
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