『GetsuFumaDen: Undying Moon』レビュー: 浮世絵地獄でめでたしめでたし
『GetsuFumaDen: Undying Moon』は、Konami Digital EntertainmentとGuruGuruが開発したローグライクアクションゲーム。
本作は、ファミコンで発売されたアクションゲーム『月風魔伝』が元になっている。が、世界設定が同じというだけで、ゲームプレイなどは全く異なっている。
本作は、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
月一族
ゲームが始まると崖の上から地獄を見つめる主人公 月風魔と侍女。
封印されたはずの地獄の門が1000年ぶりに解かれてしまったらしい。
しかも、主人公の兄は行方不明だという。
実は、主人公含め月一族は、地獄のヤツらが悪さしないように代々監視している、人類最強の門番ファミリーだ。
地獄に出陣
月一族当主である主人公は、自ら地獄に赴くことにする。
地獄の奴らを再び封じ込め、そして、お兄さんを探すためだ。
そのためには、ファミコン『月風魔伝』時代の最強武器「波動剣」が必要だ。
ところが、主人公は、館に置かれた鈍刀を片手に地獄の門へと走っていく。
もっと準備した方がいいと思うけれど、あとは地獄で現地調達だ!
ゲームの特徴Features
ローグライクでヴァニアでライト
本作は、毎回ランダムマップで、死ぬたびに装備品や所持金を失って自宅に舞い戻るローグライク。
ランダムマップだけど、2Dサイドスクロールで探索要素が高くメトロイドヴァニアっぽさがある。
そして、特定のアイテムを使うと主人公のステータスを永続アップグレードできたり、登場する武器を増やせたりなど、ローグライトでもある。
お土産
本作では、エリアごとに大ボスがいて、討伐すると次のエリアを選んで進むことになる。もしくは、自宅に帰ることができる。
上述した永続アップグレードや登場する武器のアンロックには各種素材が一定数必要なんだけど、死ぬと全て失ってしまう。
でも、大ボス討伐後に自宅に帰れば、お家の倉庫に保管しておくことが出来る。死んでも失わない。
しかし、自宅に帰ると、また最初のエリアから初期装備で挑むことになる。
進むか、自宅に一回帰って主人公の強化を目指すか、プレイヤー次第だ。
ちなみに、永続アップグレードを利用すると、ゲームオーバーになっても一部の素材は持ち帰ることが出来るようになる。
地獄での作法
主人公は、近接武器2つと遠距離武器など特殊武器を2つ装備出来る。
近接武器では通常攻撃と武器特有の攻撃の2種類が発動可能。
例えば、傘なら防御出来るし、刀なら敵の攻撃をパリィ出来る。
弓や銃などの遠距離武器には弾数があり、ゼロになってもクールタイム後に自動で補給される。
同じ敵に攻撃を当て続けていると、「崩」というエフェクトが出て、そこで攻撃すると「殺」という派手な必殺技になる。
またダメージを受けずに攻撃し続けていると、鬼人化する。3段階パワーアップできて、全てのパラメータが上昇する。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
冒頭に「地獄の門が開いたか。ふむ。兄上も探さねば。」と簡潔に目標を呟いた後は、もう黙々と地獄を進むのみ。
大ボスを倒した後も、特にガッツポーズもなく、当然のごとく先に進む。
武士は無駄口などたたかない。
というわけで、物語要素は軽め。
キャラクターの魅力
3.5
上述の通り、物静かな主人公。
館にいる侍女も、「世間話など致しませぬ」みたいな面持ちで、特に会話もない。
人間より記憶な残るのは、巨大な大ボス達だ。
デカすぎるだろ、魑魅魍魎すぎるだろ。記憶に残りすぎるだろ。最高な迫力だ。
操作性
3.5
武器によって、ちゃんと挙動が異なる。
操作は武器ごとに対応するボタンを押すだけなのでシンプル。
基本的にはキビキビサクサクした動きなんだけど、なんだか妙な間や間合いがある。
特に2段ジャンプで上方の足場に登りたい時は、登る判定になる位置やタイミングが独特。
本作の雰囲気に沿って、歌舞伎みたいにアクションの後にピッと静止する間があると考えると、徐々に本作ならではの挙動に慣れてくる。
難易度バランス
4.0
本作は、歯ごたえがしっかりある。
武器やスキルのアンロックに必要な素材を持ち帰る選択をしなければ、いつまでたっても弱いままだ。
次に進むのを我慢して自宅と地獄の間でマラソンをある程度しないと永続アップグレードなどのアンロックは難しい。
ザコ敵も主人公も結構サイズが大きめで、やや当たり判定も大きめ。敵の攻撃からはしっかり離れなければならない。
ガードできる武器がなければ攻撃は回避するしかないので、敵との間合いに気を配ることが必勝ポイント。
ゲームシステム
4.0
流行りのローグヴァニアだ。
本作独自のシステムは特にないので、ローグライクゲームをよくプレイする人なら「知ってる知ってる」なゲーム内容だ。
でも、バランスよく、クオリティも高く作られているので、飽きずに長く楽しめるローグライク。
がっつり和風で後述もする本作独自のグラフィックによって、本作ならではの魅力もしっかりある。
ローグライクが好きで、和風が好きなら、まず間違い無くハマるはず。
やりこみ要素
3.5
武器の解放はなかなか大変なやり込み要素だ。
武器のアンロックだけでなく、武器の追加効果となる特性(これもたくさんある)は、素材を集めて一つずつアンロックしていかなければならない。
また、地獄に出発する前に難易度を変更して、難しいけど報酬が良いなど調整することができる。
あとは、倒した敵の情報が自宅の巻物に掲載されていくようになるなど図鑑系のやり込みはあるけれど、武器のアンロックぐらいが大きなやり込み要素だ。
グラフィック
5.0
浮世絵のようなグラフィック。まさに絵巻物の中を冒険しているような気分だ。
エフェクトも派手で、漢字がドーンと出たり、大ボスがドカーンと攻撃してくるのも大迫力。
色とりどりで見ているだけで飽きない。舞台は地獄なんだけど、豪華絢爛!
サウンド
4.0
BGMももちろん和風。背景で祭りでも開催してるのかと思うくらいにぎやかなBGM。
ところが、大ボス戦になるとエレキギターがギャリギャリ鳴るメタルロック調のBGMに変わる。
どこもかしこも派手で豪快だ。地獄ってにぎやかなんだな。
\\試聴できます//
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ローグヴァニアがしっかり楽しめる
浮世絵なグラフィック
歯ごたえのある難易度
和風の雰囲気満点
残念なところ
独特な挙動が気になる
物語要素は軽め
オススメな人
ローグライクが好き
和風のゲームが好き
芸術性高いゲームが好き
オススメではない人
バトル以外の要素も欲しい
色とりどりすぎると目がチカチカする
本作が好きならオススメRecommendation
ローグヴァニアを確立した高評価人気作。アクションの挙動も気持ち良く、高難易度なボス戦も楽しめる。武器の種類が超大量。
和風ローグライクが好きならコチラもオススメ。武器屋の借金を肩代わりするため、夜はダンジョンで武器を集めて昼売りさばく。侍体験ができる「侍道」シリーズのスピンオフ作。
GetsuFumaDen: Undying Moon
©Konami Digital Entertainment