『Dead Cells』レビュー: 全く飽きないんですけど、このゲーム!
『Dead Cells』とは、Motion Twinが開発したメトロイドヴァニア要素のあるローグライクアクションゲーム。
開発元は小規模なゲームスタジオだったそうだけど、本作は大ヒット!様々なゲーム賞に選ばれている。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、iOS、Android、Apple Arcadeでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
アメーバーくん降臨
どこかにある名前も分からない島。
そんな島の底の方にある、とても人が長生きできそうにない雰囲気の牢獄。
ゲームが始まると、その牢獄の天井から緑色のアメーバーがペチョーンと降ってくる。
実は、このアメーバが主人公だ。
突然アメーバーは一念発起する。牢獄に横たわる死体に取り憑いて人間の姿を借り、牢獄からの脱出を図る。
アメーバーくん転生
意気揚々と脱獄してみたけれど、この島はヤバすぎる。得体の知れない凶悪モンスターだらけ。
ほらほら、モンスターにすぐ殺されちゃう。
が、次の瞬間、また牢獄の底にアメーバー状態で戻ってくる。
仕方なく、また死体に取り憑く。今度こそ牢獄から、この島からの脱出を目指す!
という繰り返し。無限ループだ。
アメーバーくん脱出計画
そもそも、この島は王国だったらしい。
しかし、ある時から瘴気が蔓延。
人々は感染して異形となってしまうか、引きこもるか、絶望して自死するか。そんな滅亡していく島になってしまった。
この島にいても良いことは絶対起こらない。アメーバーにだってそのくらい分かる。
というわけで、何度死んでも諦めず、島から脱出するために島の上へ上へと進んでいく。
ゲームの特徴Features
ローグヴァニアって何?
ゲームジャンルの中の一つ、メトロイドヴァニアというのは「メトロイド」と「キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)」から生まれた造語だ。探索がメインの2D横スクロールアクションゲームのことを指す。
しかし、本作は「ローグヴァニア」と表現されている。造語が更に造語になっているという事態。
主人公が死んでしまうとマップは全て一新され、新たなマップがランダム生成される。そして、スタート地点からやり直し。
死ぬと、装備品もアイテムも所持金(本作では「セル」と呼ばれる)もステータスのアップグレードも全てを失ってしまう。
ローグライクの特徴そのものだ。
しかし、死んでも失わない永続スキルであるルーンがある。
この永続スキルによって、探索できる隠し部屋が増えたり、進めるエリアが増えていく。
これは、メトロイドヴァニアの特徴そのものだ。
というわけで、ローグライクとメトロイドヴァニアという2つのゲームジャンルが混ぜ込まれている。
ラスボスまでの道のり
ゲームは、バイオーム(エリアのようなもので景色や登場するギミックなどが全く違う)を2つか3つ越えると、ボス戦に挑むことになる。
各バイオームからの出口は複数あって、どの出口を通っていくかによって次のバイオームが異なり、ルートが分岐していく。
で、ボスを倒したら、また新たなバイオームに進んでいく。
「バイオーム探索+ボス戦」のセットを何回かクリアすれば、遂にラスボスのお目見えだ。
サクサクシュピシュピ
主人公は2つの武器と2つのスキルを装備することが出来る。
PS版だと、武器が□ボタンと△ボタン、スキルがR2ボタンとL2ボタンにそれぞれ割り振られる。
使いたいものが割り振られているボタンを押せば、そのまま発動する。
武器には、近接武器、遠距離武器、盾などがある。
スキルには、爆弾、罠、バフなど特定の効果を生み出すアイテムがある。
武器もスキルも、かなりの種類が登場する。
敵がドロップしたり宝箱から手に入ったり。どんな武器やスキルが手に入るかは、毎回、運次第。
そして、見つけた武器に付与されている追加効果もランダムだ。
もちろん、武器やスキルごとにアクションの挙動も変わる。使いやすい武器もあれば、クセの強い武器もある。
アメーバーなりに成長する
先述の永続スキル「ルーン」以外にも、死んでも引き継がれる要素が実はもう一つある。
バイオームとバイオームの間に登場する安全空間にいる不思議な商人たち。
彼らに、敵を倒すと手に入る通貨の「セル」を支払うと様々な永続要素を解放していくことができる。
回復薬の使用回数が増えたり、ドロップする武器の品質が向上したり、バイオームを進むごとに付けられる「変異」(ステータスボーナス)の種類が増えたり。
こうして少しずつ長生きできるアメーバーになっていく。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ローグライクゲームでのストーリーは世界設定を把握するためのものだと思ってる。物語性がどうだとかっていうのは、そんなに重要じゃない。
でも、本作で各地で読める読み物からは、相当悲惨な島だということがよく分かってくる。
ストーリーを理解したい派にも嬉しいテキスト情報があちこちに散らばっている。
キャラクターの魅力
4.0
たまに自死した人の亡骸に遭遇することがあり、主人公と一緒にしんみりしてしまう。
だけど、次の瞬間に、主人公は「俺には関係ないけどさっ」と亡骸を蹴飛ばしてアイテムを奪う。人でなし!(人じゃないけど)
でも、この軽すぎるテキトーなキャラのおかげで、ひたすら敵を倒し続ける過酷なアメーバー脱獄劇でも、気軽に笑いながら(笑っちゃいけない不謹慎な態度も多いけど)プレイできる。
深刻さと軽いノリを混ぜているバランスが良い。
操作性
5.0
とんでもなくサクサクでヌッルヌル。
ゲームで挙動が気持ち良い時によくサクサクとかヌルヌルとか言うんだけど、本作は圧倒的。そんじょそこらの追随を許さないサクサクヌルヌル。
思った通りに、いや思った以上の反応の良さで動く。
さすがアメーバー。ヌルヌルっぷりがすごい。
敵はたくさんいるし動きも速いけど、「今受けたダメージについては、ビデオ判定をお願いします!」という怪しい当たり判定もなく、ロードも速くて、ゲーム自体もサクサク動く。
難易度バランス
5.0
敵は大量に攻めてくるし、ボスはかなり速くて強い。
初見だと攻撃パターンを見切れないまま殺されてたっていうボスもいる。
間違いなく死にゲー。だけど、徐々に変わってくる。
永続スキルを習得したり、ボスに何回も挨拶しに行ったり、お気に入りの武器とその上手い使い方が分かってくると、うまく立ち回れるようになってくる。
プレイヤー自身のスキルが上がるとクリアできるっていう死にゲーの特徴と、永続スキルというローグライト要素のおかげで長生きできるようになってくる。
ゲームシステム
5.0
ローグライクは、まあ、まず飽きる(個人の意見です)。
最初は「絶対エンディング見るぞ!」と思ってても、そのうちマンネリ化してくる。
でも、本作は、マンネリ化させない要素が揃っている。
生成されるランダムマップが複雑で、毎回毎回、探索が面白い。
バトルが面白くて挙動が気持ち良すぎて、もうやめられない。
やりこみ要素
5.0
登場する武器が豊富で、次はどんな武器が手に入るのかと楽しみ。
武器収集だけでも、ものすごいボリュームのやり込み要素だ。
そして、バイオームが多種類あって、永続スキルで更に行けるエリアが増える。ランダムマップであり、更にバイオームを選択して進めるので毎回旅路が変わる。飽きない。本当に無限。
アプデや追加DLCがどんどん配信されている手厚いアフターサービスも魅力で、発売当初より更に多種多様なバイオームや武器が登場するようになっている。
グラフィック
4.5
程よく気持ち悪くて、程よく幻想的。
可愛く愛嬌のあるキャラなんて一切登場しない。主人公からして正体不明だし。
でも、色彩とか雰囲気にまとまりがあって、全体的に見ると美しい。化け物ばっかりだけど、美しい。
サウンド
4.0
音楽は主張しすぎないけど、ハイペースなバトルを盛り上げてくれるアップテンポでかっこいい曲が多い。
また、本作の魅力であるサクサクなバトルは効果音の気持ち良さによるところもある。聴覚的にもバトルが最高に気持ち良い。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
気持ち良い挙動
ハイペースなバトル
飽きないマップ構造
歯ごたえのある難易度
残念なところ
チュートリアルは親切ではない
オススメな人
気持ち良い操作感が大好物
ハクスラが好き
ローグライクゲームが好き
オススメではない人
ハイスピードなアクションが苦手
ストーリーをじっくり楽しみたい
武器の収集などに興味がない
Sundered
本作と同じくぬるぬるの気持ち良い挙動でローグライク要素のあるメトロイドヴァニア。こちらはメトロイドヴァニア要素の方が強め。クトゥルフ神話がベースになった高評価タイトル。
Hades ハデス
高評価なローグライクならこちらもおすすめ。本作と同じくハクスラなバトルが楽しめて、更に物語もしっかり楽しめるのも魅力。
Dead Cells
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