『Happy Game ハッピーゲーム』レビュー: 狂気のニコちゃんマーク
『Happy Game』とは、Amanita Designが開発したポイント&クリック型のパズルアドベンチャーゲーム。
Amanita Designは芸術性が高く謎解きも高品質なポイント&クリックゲームを多数手がけているデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、PC、iOS、Androidでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
『Happy Game』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
あるところに少年がいました
1人の少年が部屋で遊んでいる。時間は夜。
さてさて、今日もたくさん遊んだし、寝るとしよう。
ベッドに潜り込む。就寝。ぐうぐう。すやぁ。
悪夢のお時間です
ハッと気づくと、そこは少年の夢の中。
わーい、夢の中でも遊ぼう!と、少年は笑顔で走り出す。
が、おやおや。この夢は、どうやら悪夢のようだ。
少年の思い出が混じりつつ、訳の分からない狂気に満ち溢れた悪夢が始まる。
少年は安眠することが出来るのか?いや、無事に目覚めることは出来るのか?
ちなみに、本作にはセリフやテキスト情報は一切ない。
ゲームの特徴Features
ひたすら進む
本作はいくつかのチャプターに分かれているけれど、とにかくどんどん進むのみ。
特にヒントや指示もないので、その場にある物を触ったり調べたりして試行錯誤して進むしかない。
触って押して引っ張って
本作はポイント&クリックゲームなので、怪しそうなところを触って謎解きしていく。
Nintendo Switch版では左スティックで手の形のカーソルを動かし、何かありそうな場所でAボタンを押す。
少年自身は右スティック操作で左右に移動出来る。
時には、特定のものにカーソルを合わせたまま、左スティックを回転させたり上下に動かして、モノを引っ張ったり回転させる必要もある。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
悪夢って訳が分からないもんだ。まあ、そもそも夢って不思議な内容が多いけど。
で、本作はまさに悪夢。やや血みどろすぎな悪夢。
得体の知れない怪物が出てきたり、恐ろしい状況なのに少年は無邪気だったり、時には主人公自身が残酷にもなる。
可愛さと奇妙さと狂気が混じった独特の雰囲気。最高だ。
物語を具体的に理解しようとしてはいけない。悪夢なんて、そういうもんだ。
が、最後までプレイすると「あ!」となるので、単に不思議なだけじゃなくて、ちゃんと物語も楽しめる。
キャラクターの魅力
4.5
主人公は常に純真無垢でのんきな顔。
そんな表情のまま怪物に追いかけられて「ふわぁーー」と全くピンチな状況を感じさせない叫び声を上げる。
このシュールさがクセになる。
そして、登場する不気味な怪物たちにはセリフがあるわけではないけれど、かなり記憶に残る。笑顔が怖いという奴らばかりだ。
自分の夢にも出てきそうなほど強烈な見た目のキャラばかりが登場する。
操作性
4.0
ポイント&クリックゲームなので、本来はマウス+キーボード操作が1番楽だと思う。
でも、複雑な操作はないので、ゲームパッドでもストレスなく操作できる。
画面上にある物のうちどこを引っ張ったり移動させたり出来るのかは、ひたすら触りまくらなければ分からない。画面上をぽちぽちぽち押しまくって探すしかない。
難易度バランス
3.5
ヒントは一切なし。何をすればいいのか探るところから始まる。
だけど、詰まることは全くなく、謎解きというより動かせる絵本といった感じ。
逆に言うと謎解きに悩む面白さはあまりなくて残念。
ゲームシステム
4.0
Amanita Designが開発したゲームはいくつもプレイしてきたけれど、本作は全く初めての感覚。不気味さに全振りしているゲーム。
しかし、相変わらず芸術性が高くて、世界に惹き込むのが上手すぎる。
不気味で驚く展開も多いけれど、ホラーゲームというわけでもない。本当に悪夢を見た感覚になった。怖いというより奇妙さの方が勝る。
ゲームプレイ自体はシンプルだけど、同じギミックは2度と登場しないしアイデア満載。
夢中になって一気にプレイしてしまえるくらいのボリュームもちょうど良い。
やりこみ要素
3.0
一本道で特にゲームオーバーという概念もなく、収集要素もない。
でも、常に何かに追われている状態なので、自由に探索しまくるというのもあまり出来ない。
やり込み要素は楽しめないけれど、その分「うわぁあー、なんだこれー!!」というジェットコースター感が失われないので、寄り道がない方がちょうど良い。
グラフィック
4.5
めちゃくちゃな配色だ。真っ黄色に真っ赤とビビッドな紫色とか、目がチカチカする!
視覚から人を不安にさせる方法を熟知してる。
スマイルマークに血しぶき飛んでたりとか、表情のない化け物とか、不気味なテイストが好きな人なら絶対気に入るはず。
サウンド
3.5
音楽ももちろん不気味な曲ばかり。
でも、ホラーゲームだと怪物のギャァアアとかグォオオオオとか恐ろしい鳴き声が定番だけど、本作ではうるさい声は一切なし。
主人公の少年含め囁くような効果音ばっかり。それが逆に不気味さを増している。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
不気味な雰囲気が抜群
驚く展開が続く
過不足なくコンパクトなボリューム
残念なところ
光明滅や色に敏感な人にとってはきつい演出が多い
考える謎解きではない
オススメな人
不気味な雰囲気が好き
芸術性が高いゲームが好き
短時間で攻略できるゲームを探している
オススメではない人
ホラーや残虐な演出が苦手
考える謎解きを求めている
Creaks
良作揃いのAmanita Designが開発したゲームのなかでも特におすすめのゲーム。不気味さも少しありつつ、しっかり悩む謎解きがたくさん楽しめるゲーム。
Samorost 3 サモロスト3
こちらもAmanita Designが開発したおすすめゲーム。不気味さは一切なく、癒される雰囲気と可愛らしさが満載。ボリュームがしっかりあって、謎解きでもがっつり悩む楽しさが味わえる。
Happy Game ハッピーゲーム
© Amanita Design
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