『Creaks』レビュー: のぞきたい、のぞき込みたい

『Creaks』とは、Amanita Designが開発したパズルアドベンチャーゲーム。。
高評価のポイント&クリックゲームを多数手がけているデベロッパーだ。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。私はApple Arcade版をプレイ。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることができます。
あらすじStory
イライラする
部屋で熱心に読書をしている男性。
すると、部屋の照明がチカチカチカ。
…気になる。電球をひねって直す。
で、机に戻って読書を続けていると、また、チカチカチカチカ。
うーん!集中したいのに!
と、イライラしてると、壁紙がペラリと剥がれる。
ん?壁紙の後ろの壁がひび割れてる?
そのヒビの奥を覗いてみると、先に道が続いているようだ。

壁の向こう側
完全に怖いもの見たさで、男性は壁のひび割れから壁の中へと入っていく。
おいおい、壁の奥にはハシゴまであるぞ。どういうことだ?下が気になるぞ。
ちょっとハシゴに足を掛けてみる。
と、次の瞬間!ハシゴが壁から外れてしまった。
ああ!部屋に戻れなくなってしまった!

広がる世界
仕方ない、下へ降りるしかない。
で、ハシゴを降りていくと…、なんだ、これーー!
ハシゴの下には、謎の巨大な建築物(異世界?)が広がっている。
その建築物には、どうやら生物も住んでいるようだ。
家具が化けたモンスターや、謎世界で暮らしているらしい鳥人間、そして、地響きを鳴らしながら暴れる謎の巨大怪物。
一体ここはどこなのか、どこに行き着くのか。
あとには戻れない。進むしかない。
ところどころにあるヒビ割れから先を覗きながら、男は恐る恐る進んでいく。

ゲームの特徴Features
すり抜けながら、逃げながら

基本的には、1部屋が1ステージのような感じで、1部屋ごと攻略して先へと進んでいく。
各部屋では主人公が次の部屋につながる道まで到達できれば良い。
その道中には、主人公を襲う犬やらクラゲやらといったモンスターが現れる。
が、主人公に攻撃手段はないので、モンスターをかいくぐりながら進むしかない。
モンスターに捕まったら一発アウト。その部屋の最初からやり直しとなる。
モンスターをよく見る
登場するモンスターは、それぞれ行動パターンが決まっている。
例えば、犬は、一定の距離に主人公が近づくと走って襲ってくる。でも、その習性を利用して、光がある方へおびき寄せることができる。
照明の下にうまく犬が来たら、照明のスイッチをオン!はい、無力化。
モンスターは光に照らされると家具に変わり、乗り越えたり足場として利用もできる。
モンスターをスイッチ上に誘導してギミックを起動してもらったりも出来る。
モンスターはただの敵ではなく、パズルの一部になっているわけだ。
モンスターやギミックは行動パターンに沿って常に動いているので、タイミング見計らって移動するのも大切。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
部屋の壁の奥には不思議な世界が広がっているかも。
多くの人が、夜中にふと妄想したことがあるんじゃないだろうか。
で、本作では本当に壁に穴があって、入って行ったら、予想の斜め上を行く世界が広がってる。ワクワクしないわけがない。
ところどころで見かける鳥人間は味方なのか、時々、襲撃してくる巨大生物は何なのか。
というか、そもそもこの世界は一体何なんだ!?
先が気になって気になって仕方ない物語が楽しめる。
キャラクターの魅力

4.0
モンスター達に光を当てると、パッと家具に変わる。
その発想力に目からウロコ。
不気味に漂うクラゲが、地球儀に変わる。確かに!クラゲって地球儀に似てる!といった感じで、敵の変身ぶりが見ていて楽しい。
モンスターも鳥人間たちも訳分からない奴らばかりだけど、かなり魅力的。
本作にはセリフはないけれど、一度見たら忘れられないくらい印象的なキャラばかりだ。
操作性

4.0
操作は簡単。主人公を動かすか、スイッチを押すかぐらい。
パズルの正解が分かっても、主人公は一切走ってくれないので、モンスターの動きと主人公の歩くスピードを計算して操作しなければならない。
思考錯誤することにはなるけれど、操作性のせいで失敗するということはない。それくらいシンプルな操作。
難易度バランス

4.5
パズルは解きごたえ抜群。
ヒントもルール説明もないけど(チュートリアルさえない)、どうやったら先に進めるか、こうでもない、ああでもないと試行錯誤する。
モンスターの動きを見て、スイッチの位置や、スイッチで起動するギミックの挙動。それぞれを把握して、そこから「うーんうーん」と考える。
力技で上手くいくことはなく、ちゃんと正解を見つけないといけない。
ボリュームもしっかりあって、様々なギミックが登場し、悩みがいのある謎解きがたっぷり楽しめる。
ゲームシステム

4.5
主人公の移動とスイッチのオンオフ、あとは家具を押したり引いたり。
それぐらいしか出来ることはないのに、パズルの種類は多い。
登場するモンスター家具もそんなに多いわけではないけど、全てが上手く噛み合っていて、悩みごたえ抜群。
セリフやテキストが一切ないのに、物語もパズルが意味しているところもちゃんと分かる。巧い!の一言。
やりこみ要素

4.0
やり込み要素は、各所で見つかる絵画。
これまたぶっ飛んだテイストの絵画のばかりで、調べるとミニゲームが始まる。
グラフィック

4.5
絵画のような絵本のような、手描きであたたかみのあるグラフィックが最高。
Amanita Designの他ゲームと同じく、見惚れちゃうほど芸術的。
独特な雰囲気が漂っていて最高。最後まで期待は裏切らない。
背景までも細かく描き込まれているし、洗濯物とか本棚とかやたらと生活感感じる物が置かれていたりして、見ているだけでも楽しい。
サウンド

4.0
全体的に怪しい空気が流れてるんだけど、決して怖いわけではない。
奇妙で面白い。そんな雰囲気のBGM。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
芸術性が高いグラフィック
解きごたえのあるパズル
先が気になるストーリー
残念なところ
キビキビとは動けない
オススメな人
芸術性の高いゲームが好き
謎解きが好き
摩訶不思議な雰囲気が好き
オススメではない人
じっくり考える気分じゃない
謎解きのヒントが欲しい
セリフなどで物語を理解できないと気が済まない
本作の開発元Amanita Designの代表作。ポイント&クリックのパズルアドベンチャーで、しっかり謎解きが楽しめる、ちょっと笑える可愛らしい物語。

本作や上記『サモロスト3』以外にもAmanita Designのゲームはどれも高クオリティで、どれもオススメ。
Creaks
https://amanita-design.net/games/creaks.html
© Amanita Design