ヘルブレイド2【Senua’s Saga Hellblade 2】セヌアと哀しい巨人たち – 攻略とレビュー
胸が苦しくなる厳しい戦いに、主人公と共に立ち向かうアクションアドベンチャー『Senua’s Saga: Hellblade II』。
- ストーリー
- 過酷な戦いに身を投じる戦士セヌアの心情がメインに描かれる物語
- 攻略
- 物語の見て体験する物語主導型アクションアドベンチャー
- 評価
- 圧巻の映像美と演出に見惚れる、触れる映像作品のようなゲーム

- 臨場感たっぷりの演出と映像美
- 人間そのものな操作感
- 幻聴や幻覚を疑似体験するような仕掛け
- ゲーム性は低め
ヘルブレイド2『Senua’s Saga: Hellblade II』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
ヘルブレイド2の攻略情報
ヘルブレイド2の概要
タイトル | Senua’s Saga: Hellblade II |
---|---|
開発元 | Ninja Theory |
販売元 | Xbox Game Studios |
発売日 | 2024年5月21日 |
対応機種 | Xbox, PC 2025年夏: PS5 |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
シリーズ | Hellblade ヘルブレイド |
プレイ機種 | Xbox |
本作は、『Hellblade: Senua’s Sacrifice』の続編であり、物語は前作から続いている。前作未プレイでも、ゲーム内で前作のおさらいを見ることができる。
ストーリー
奴隷商人を追うセヌア

本作の舞台は9世紀のアイスランド。主人公は戦士セヌア。
彼女は、故郷や愛する恋人の命を奪ったノース人の奴隷商人たちを討つために、わざと奴隷となって奴隷船に乗っていた。
ここから本作が始まる。
もちろん奴隷商人がセヌアの敵ではあるけれど、彼女には他にも敵がいる。
「目的を完遂できるのか、そんな強さがセヌアにあるのか」とセヌアを不安にさせる「声たち」だ。
これは、NPCに話しかけられているわけではない。
セヌアは昔から幻聴や幻覚といった精神的な問題を抱えており、常に頭の中で声がこだましている。
ちなみに、セヌアはこの体質のせいで父親に「呪われた子だ」と虐待された悲しい過去を持っている。
奴隷商人と共に

セヌアは嵐で船ごと転覆したのをチャンスにして奴隷商人の1人を制圧して道案内にし、元凶を叩こうと奴隷商人のボスの元へと旅することになる。
しかし、道中には奴隷商人も縮み上がる残虐の限りを尽くすドラウグたちが大暴れしている。
そして、そんなドラウグたちが崇める人を食べるという巨人の気配もする。
それでも目標を成し遂げるため諦めるわけにはいかない。
セヌアの内なる声たちさえ「怖い、死ぬかもしれない」と怯える危険な旅路が始まる。

攻略のポイント
物語主導型

本作は物語に沿ってどんどん先へと進んでいく物語主導型のアクションアドベンチャーゲーム。
道中では、少しだけ寄り道もあるけれど、ひたすらに先へ進み、特定の場所ではバトルに挑むことになる。
後戻りは不可能で、いわゆる一本道ゲームだ。
しかし、ゲームクリア後には好きなチャプターを選択してリプレイすることができる。
フォーカス

道中では、ちょっとした謎解きに挑むことになる。
特定の場所には紋様が浮かぶ障壁が出現し、先に進めなくなる。
そうしたら、浮かんでいる紋様と同じ「形」を画面上で探し出す。
木の枝や旗などを特定の位置から見ると、紋様と同じように見えるので、そこでフォーカス(XboxではLTボタン長押し)すればいいだけだ。
紋様はいくつか提示されていることがあり、全ての「形」を探し当てれば先に進むことができる。
バトルでもフォーカス

道中ではバトルも発生する。セヌアは剣で戦う。
セヌアは弱攻撃と強攻撃、パリィと回避ができる。
画面が赤くなる敵の攻撃は回避し、画面が青白く光る敵の攻撃はパリィに成功すると敵が大きく怯む(赤くなる攻撃もパリィは可能だけど、セヌアが大きく怯むので回避がおすすめ)。
こうして防御しつつ敵に攻撃を当てていると、セヌアが腰に付けている鏡にパワーが溜まる。
パワーが溜まりきって鏡が輝いた時にフォーカス(LTボタン長押し)すると敵が一時停止するので連続攻撃からフィニッシュへ繋げることができる。
本作には体力ゲージやスタミナゲージ、また経験値やレベルなど成長要素もなく、発生するバトルは全て強制バトルだ。
バトル中に敵の攻撃を連続して受けてしまうとセヌアは倒れ込んでしまうけれど、敵からのトドメを避ければプレイ続行出来る。
寄り道して伝承を聞くやり込み要素

本作の進行はほぼ一本道ではあるけっれど、紋様が浮かぶ柱と顔のような岩を探すやり込み要素が用意されている。
- ロアストゥンク
- 紋様が浮かぶ柱を見つけてフォーカスすると起動する
- とある人物の物語を聞くことが出来る
- 顔のような岩
- 人の顔(巨大)のように見える岩の前でフォーカスすると隠し道が開く
- その先の木をフォーカスすると伝承を聞くことができる
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ヘルブレイド2のレビュー
物語: 重め濃いめのどっしり心理描写で、ド級の臨場感

本作は、物語主導型ゲームに違わぬ重厚ストーリーが展開する。
物語だけで満足できる程セヌアの危うい精神状態がつぶさに描かれている。
演出がかなり凝っており、あちこちから声が聞こえてくると思ったら、瞬間的に何かが見えたり、幻覚や幻聴を擬似体験している感覚になる。
巨人に挑むなど各地で熾烈な戦いが続くけれど、そうした出来事は巨大な舞台装置に過ぎず、あくまでもセヌアの私的な問題に集中して描かれている。
そのため、魅力的なNPCも登場するけれど、彼らの物語があまり語られないのは少し残念。
でも、セヌアの物語だけでお腹いっぱいになるので、物足りないわけではない。
心理的に重い物語が展開するけれど、感情移入するのとは少し違う。
観ている感覚になるゲームプレイなので、セヌア劇を最前列、いや、もはや舞台上に乱入して観ているような最強の臨場感を味わえる。
操作性: 全てがリアル、不親切さも含めてリアル

セヌアは本当の人間のように動く。
段差をよじ登る時には身体の重さを感じるし、剣を振る時には剣の重さを感じる。
軽やかなジャンプも超速ローリング回避も出来ない。
そのため、爽快さはなく、生々しい操作感だ。不便さ含めた人間ぽい動きをゲームで再現するのは難しいと思うけれど、本作はそれをやってのけている。
操作方法は、オープニングのカットシーンが終わった後にドーンとキー操作が表示されるだけで、その後に丁寧なチュートリアルはない。
しかし、セヌアの内なる声たちがアドバイスをめちゃくちゃ囁いてくれるので、謎解きでも操作でも迷うことはない。
そうはいっても、インタラクトできるアイテムに近づいてもマークは表示されないし、マップ画面もない。
バトルでは自分が上手くプレイできているのか明確には分からない(強制的に殴られたりすることもあるので、防御を成功できなかったせいなのかも分からない)。
ゲームとしては不親切だけど、でもそのおかげで臨場感が増し増しだ。
難易度: ゲームオーバーはない

難易度は4段階から選択できる。イージー、ミディアム、ハード、そしてダイナミックの4段階だ。
筆者はデフォルトの「ダイナミック」でプレイ。
え、いや、ダ、ダイナミック?初めて訊く難易度だし、実際にどういった調整になっているのかは明記されていない。
恐らく本作の臨場感を体感しやすい調整なのだろう。
バトルではパリィは成功しやすく、鏡パワーは溜まりやすく、苦戦するような場面はない。
もし、うっかり敵の攻撃を受けまくっても、セヌアは立ち上がるので負けることはない。
特定のイベントではタイミング良く猛ダッシュしなければならないけれど、例えミスしてもチェックポイントは小刻みに設定されており、走り出す直前からやり直しになるだけだ。
そして、ほんのり謎解きはあるけれど、悩むパズルではない。
もし立ち往生してもセヌアの「声たち」がヒントを囁きまくってくれる。
基本的にゲームオーバーになったり詰まることはなく、澱みなく物語を観ることができる。
話の腰を全く折らない難易度バランスになっている。
システム: 体験できる映像作品、ゲームとしてはシンプル

上述してきた通り、本作は観て体験する映像作品だ。
ゲームではあるけれど、アート作品寄り。
ゲームプレイ部分だけ見ると、正直なところ「うーん」。
敵は数種類だけで悩むパズルでもない。考える楽しみや攻略する面白さは、ほぼない。かなりシンプルだ。
本作は、物語と演出の迫力に特化しており、それを楽しむゲームだ。
ゲームボリュームはコンパクトで、最初から最後まで一気にセヌアと共に全力疾走した。
そして、最後には自然と涙がこぼれ落ちていた。
セヌアの世界に引き込まれるというより、引き摺り込まれる。
ゲーム性が低いとはいっても、本作の演出や体験は他のゲームで味わえないものばかりだ。
芸術性: 圧巻の映像美と怒涛の演出

もはや実写だと錯覚するほど高精細でフォトリアルなグラフィックで描かれる。
単にグラフィックが高品質というだけではなく、演出も素晴らしい。
これが本作一番の魅力だ。
本当に四方八方から囁かれているように感じる幻聴や、「あれ?今のは見間違いかな?」と思わず目をゴシゴシ擦ってしまう幻覚など、現実と非現実の境界が曖昧になる演出は見ごたえたっぷり。
そんなリアル品質で凄惨な場面や残虐なシーンも描かれるので、暴力的な表現が苦手な人は気をつけた方がいい。
また、常に迫力たっぷりに映されるので、画面揺れで酔いやすい人も気をつけた方がいい(ゲームプレイ中の揺れ調整は出来るけれど、カットシーン中の画面揺れは調整できない)。
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ヘルブレイド2の総合評価
Senua’s Saga: Hellblade II

総合評価
怒涛の展開と演出、そして実写並みの映像美で臨場感たっぷりの物語を体験できるアクションアドベンチャーゲーム。ゲーム性は低く、触れる映像作品のようなゲーム。
おすすめな人 | 人間の心理を描く物語が好き 映像美を堪能したい 芸術性が高いゲームが好き |
---|---|
おすすめではない人 | バトルや探索などゲームとして楽しみたい 残虐な描写が苦手 長時間遊べるゲームを探している |
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