『ITTA』レビュー: ボスを撃ちまくる少女
『ITTA』とは、Glass Revolverが開発したアクションゲーム。見下ろし視点でプレイするシューティングアクションだ。
本作は、Nintendo Switch 、 PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
悲劇から始まる
主人公はITTA(イッタ)という名の少女。
青い頭巾付きマントを頭からすっぽり被っていて、もはや顔しか見えないという可愛らしい格好をしている。
ゲームが始まると、ITTAは不思議な部屋で眠りから目覚める。
そして、そこで血まみれで横たわる家族を見つける。
何がなんだかさっぱりだ。家族は何故死んでしまったのか。そもそも、ここはどこなのか。
そして、姿が見当たらないお母さんはどこに?
お母さん!
部屋から外に出ると、見知らぬ不思議な庭園が広がっている。
その庭園を進んでいくと、何かに禍々しい黒い何かに捕まって身動きがとれなくなっている母親を見つける。
お母さんを助けたいところけど、母はITTAに「家に帰るのよ」と伝え、消えてしまう。
しかし、ITTAは1人ではなってしまったわけではない。家族とともに死んでいた飼い猫の死骸に謎の霊体が憑き、ITTAと行動を共にしてくれる。
その霊体猫の助言に従い、ITTAは不思議な庭園を探索していく。
庭園での戦い
庭園には、なぜか問答無用で攻撃してくる霊が何体も待ち構えている。
ITTAは、不本意ながら身の丈以上もある銃をぶっ放しまくって霊を倒していくこととなる。
なぜなら、モンスターを倒すと家族の遺体がある部屋に不思議な白い光が灯るから。
この白い光を集めれば、何かが起きるかもしれない。お母さんを救うことが出来るかもしれない。そして、家に帰れるかもしれない。
ゲームの特徴Features
ボスボス弾幕弾幕
本作は、ボスラッシュのアクションゲーム。つまり、探索中の雑魚的相手のバトルは一切なく、各所でボス戦のみを行う。
ボスの攻撃は、うじゃうじゃと画面を覆い尽くすほどの弾。数の暴力!と叫びたくなる、弾幕シューティングゲームだ。
ITTAは、銃で戦う。
道中では様々な種類の銃を手に入れることが出来て、散弾銃もあれば大砲もあり、戦況やボスのタイプを見極めて切り替えて使用する。
弾数の概念はなく、リロードの必要もない。ただし、銃によっては、撃つごとにクールタイムが必要なものもある。
また、ITTAは回避もできる。
良いタイミングで回避するとゲージが溜まっていき、一定時間無敵になり与ダメージ量も増えるスピリットオーバーロードを発動することができる。
庭園の人々
モンスターが待ち構える危険な庭園だけど、友好的なNPCに出会うこともある。
庭園の設計者というおじいさん、地図を集める女性、武器を授けてくれる霊媒師、羊飼いなど。
彼らと会話すると、この庭園や世界のことを教えてくれたり、ITTAのサポートをしてくれたりする。なかには、ITTAが何者なのかを知ってるような口ぶりの人もいる。
また、スピリットコレクターという不思議な白い猫からは体力上限を増やすハートをもらうことも出来る。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
とにかく謎だらけのストーリー。
抽象的なセリフも多く、頭の中に「?」が浮かび続ける。
しかし、ITTA自身も訳が分かっておらず、プレイヤーと同じ目線で会話をする。
そのおかげで、プレイヤーが置いてきぼりという事態にはならない。
ボスバトルに特化したゲームだけどストーリー性はあるので、ボスを倒そうという気が湧いてくる。
キャラクターの魅力
4.0
NPCは個性的なキャラばかり。
深い意味がありそうな台詞が多く煙に巻かれることもあるけれど、NPCの物語も展開していくので、彼らの行く末も気になってくる。
操作性
3.0
操作性は、クセあり。
弾幕が流れるように弾が飛び交うけれど、ITTA自身の挙動はあまり滑らかではない。
そして、当たり判定やローリング回避による無敵時間が分かりにくい。
理不尽にダメージを受けてしまうことあまりないけれど、「あれ?今のダメージ受けたと思うんだけど大丈夫みたい?」と奇跡的に助かることが多い。
で、この奇跡が起きすぎるので、どのタイミングで動くべきなのかよく分からなくなってくる。
そして、ギリギリで攻撃をかわすジャスト回避で溜まっていくスピリットオーバーロードゲージが分かりにくい。
ゲージはほんの少しずつしか溜まらないし、ジャスト回避が成功したエフェクトも見えず、いつの間にかゲージが満タンになって突然闇落ちITTAに変身するのでびっくりする。
また、弾が大量になった時に画面が重たくなる処理落ちや、ごく稀にだけどエラーが起きてゲームが強制終了になったこともある。
難易度バランス
4.0
ボスバトルは一つずつ登場するわけではなく、挑戦可能なボスは同時に何体かいる。
どのボスから訪ねてもいいし、「何回も死んでしまって、もう嫌だ!」となったら気分転換に他のボスに挑むことも出来る。
ボスラッシュで弾幕なので、もちろん何度もゲームオーバーになる。
ITTAの体力は少ないので、数回しかミスは許されない。一方でボスの体力は大量で、やみくもに動き回ったり、ゴリ押しでは勝てない歯ごたえがしっかりある難易度になっている。
ゲームオーバーになってもボス部屋の前で目覚めるので、すぐにリトライが可能。ロードも重たくはないので、同じボスに再挑戦しやすい。
ゲームシステム
3.5
ボスバトルしかないけれど、ボスはそれぞれ攻撃パターンが違うのでバトルは毎回新鮮。
更に、ボスの体力が減ってくるとボスの攻撃パターンが変わるので、同じバトルのなかでも立ち回りを変化させる必要がある。
様々な銃が登場するので、ボスに合わせてどの武器を使うかも併せて立ち回りを考えるのが面白い。
ただ、上述した操作性や当たり判定の荒さ、ゲームを攻略していく自然な誘導の仕方の不親切さなど気になるところも多く、全体的に荒削りな印象だ。
やりこみ要素
3.5
庭園には少し探索要素もあり、NPCとの会話も細かく用意されている。
NPCを見つけるのが一番のやり込み要素であり、彼らのセリフから本作の世界設定や物語を考察していくことができる。
グラフィック
4.0
本作に興味を持ったきっかけはグラフィック。
ちょこちょこと動く可愛らしいITTAから幻想的で美しい庭園の風景まで、美しいドット絵が魅力的。
配色もセンスが良くて、ピクセルアート好きとしてはたまらない。
サウンド
3.0
庭園で流れる音楽も幻想的な曲調のものが多くて、癒される雰囲気。
ただ、バトル時の音楽は、うーん。
バトルが始まった瞬間にBGMだけ浮いてしまう、そんな感覚。幻想的な雰囲気が突然ポップなノリになってしまうのが残念。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
幻想的なピクセルアート
立ち回りを考えるのが面白い
残念なところ
挙動や操作性が荒い
物語が分かりにくい
オススメな人
弾幕シューティングが好き
バトルばかり楽しみたい
物語を考察するのが好き
オススメではない人
物語や探索を楽しみたい
成長要素を楽しみたい
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ITTA
ボスを撃ちまくる少女
幻想的なピクセルアートグラフィックが魅力のボスラッシュを攻略する弾幕シューティングアクションゲーム。
様々な武器を使い分けながら、多彩なボスと歯ごたえのあるバトルが楽しめる。
ITTA
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© 2020 Jacob Williams