『Little Witch in the Woods』レビュー: ポーションを投げ飛ばす魔女
『Little Witch in the Woods』とは、Sunny Side Upが開発したライフシム要素のあるアドベンチャーゲーム。
可愛いピクセルアートグラフィックが魅力のタイトルだ。
本作は、XboxとPCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。ちなみに現在はゲームプレビューとして配信されている。
配信時は日本版がなかったため、私は英語版でプレイした。そのため以下のゲーム画像は英語版のものになっているけれど、現在は日本語版も配信されている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることができます。
あらすじStory
魔女っ子
どこかへ向かう列車に乗っている退屈なそうな表情の少女Ellie エリー。魔女っ子だ。
エリーは魔女見習いとして、Highlionという街へ向かっている。そこで修行を終えれば、晴れて一人前の魔女になれる。
が、当の本人は、猛烈にやる気がなさそう。
エリーは危険なことが大好きな性分で、列車の旅に飽きたどころか、これからの修行も「どうせつまんない」とボヤいている。
ちなみに話し相手は、彼女が被っている喋る帽子のVirgilだ。
寝坊で置き去りに
退屈な旅が続くと思いきや、突然列車が止まる。
巨大なツルがあって進めないらしい。
すると、エリーの目は輝く。早速列車を飛び降りて冒険だ!
そして、森の中にうち捨てられた様子の魔女の家を発見。で、勝手にその家のベッドで眠り始める。
ところが、起きた時には時すでに遅し。木のツル問題は解決したらしく、列車は出発してしまっていた。
置き去りにされてしまったー!
修行の地とする
なんとかして修行予定の街に行かなくては!
という展開になりそうだけど、エリーはのらりくらり。
この不思議な森が気に入ってしまった。
更に、近くには、列車を止めた原因にもなったトゲトゲのツルによって崩壊しかけているWhisteriaという村まである。
そこで、エリーは勝手にこの森を修行の地とし、村を助けようと決める。
そう、勝手に。
しかし、この木のツルは一体なぜ発生したのか。
そして、エリーが毎晩見るようになる不思議な夢に隠された真実とは?
ゲームの特徴Features
刻一刻と
本作では、森で素材を集め、エリーの拠点である魔女の家で様々なポーションなどクエストアイテムを作ることで物語を進行する。
ゲーム内では常に時間が流れていて、エリーは朝8時から夜12時まで活動する。
エリーは、素材採集など何かアクションを行うたびにスタミナを消費する。スタミナが尽きると移動はできるけどアクションはできなくなる。
でも、昼寝するか食事をすれば回復可能だ。
そして、夜12時になると、どこにいたとしても1日が終了する。
拠点で12時までに自主的に寝なかった場合は、次の日は朝10時から始まる。寝坊しちゃうってわけだ。
各地にあるショップには営業時間があるし、村の住人たちも時間帯によっている場所が変わる。
魔女の手作業
拠点の地下には、クラフト設備が置いてある。
本作の魔法は、火や氷をバシッと放つわけではなく、魔法のポーションやキャンディをクラフトするというもの。
まずは森で見かける動物や植物を図鑑に描きとめる。
そうすると扱い方が分かるので、網を使うなど各種に対応した方法で素材を採集する。
次にレシピに沿って、素材を精製し、魔法の鍋に入れ、火加減調整、かき混ぜ方を決めて、ハイ、出来上がり。
全て手作業だ。
村の復興
本作には、メインクエストとサブクエストがある。
メインクエストは、村の復興に関わるものが多い。村の問題を片付けて住人たちを呼び戻していく。
これによって利用できるショップなど施設も増える。
サブクエストは、各キャラにちなんだエピソードから、お金稼ぎのクエストもある。
お金稼ぎのクエストは、依頼されたポーションなどを期限内にクラフトして届けるというものだ。そのまま売るより多くの報酬が貰える。
こうして手に入れたお金を元手にして、クエスト攻略に必要なポーションのレシピやアイテムを購入することができる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
ほのぼの。可愛い。ほのぼの。穏やか。ほのぼの。
というわけで、プレイすると猛烈にほのぼのするゲームだ。
ゆったりしたゲーム性なので、物語もゆっくり進む。物語の雰囲気も基本的にほのぼのしている。
こういうゲームにありがちな「やること出来ることがいっぱいで、何から手をつけていいか分からない!」とはならず、メインストーリーがガイドとなってしっかり物語が進んでいく。
奇妙な夢や怪しい魔法使いとか、チラチラ気になる出来事が起こるので、クラフトという作業の繰り返しでも飽きずに楽しめる。
キャラクターの魅力
4.0
ほのぼの物語なので、キャラクターも穏やかで可愛い。
面倒な出来事が起きた時こそ目をキラキラ輝かせるエリーは可愛いし、1人ずつ戻ってくる村の住人達も個性豊かでありつつ、やっぱり可愛い。
全方位全面的に完全無欠に可愛い。
操作性
3.5
クラフトを楽しむゲームなので、ちまちまとした作業の連続だ。
それぞれの操作は分かりやすい。チュートリアルも丁寧。
だけど、何でも手取り足取り教えてくれると思ってると、意外と「え、これってチュートリアルあったっけ?」と自力で把握しなければいけないこともある。
気になるのは、ボタン入力からエリーが実際に動作を行うまでにラグがあること。
本作のゆったりした雰囲気に合っているとは言えるけど、特に素材を集める時にモタモタした感覚になる。
あと、インベントリでアイテム整理がしにくいのも気になるところ。
難易度バランス
4.0
本作のようにクラフトで攻略していくゲームは、やはりどのくらい面倒くさいかが鍵を握る。
ゲーム進行と共に徐々に手間がかかるクラフトが増えてくるけれど、飽きずに続けられる良いくらいの面倒くささ。
各ショップから依頼されるお金稼ぎのためのクエストは、そこまで厳しくなく、それでいてしっかり稼げる。
ちまちました作業が苦にならなければ難しさを感じることはない。
ゲームシステム
4.0
ほのぼの可愛い。この雰囲気が最大の魅力。
クラフトする際に火加減やかき混ぜる方向などの指定があるけれど、特に真新しいシステムがあるわけではない。
でも、だるまさんがころんだ方式で鳥に近づいて素材を手に入れたり、夢を思い出せるポーションなど、本作ならでは設定が多くて面白い。
また、魔女にしては珍しく(?)、出来上がったポーションを植物などに投げつけるというアクションがある。
呪文を唱えて火がつくとか雷が落ちるといった「魔女からイメージする魔法」とは一風違う。個性もあって魅力たっぷりな世界だ。
やりこみ要素
3.5
森は少しずつ行ける範囲が広がっていく。ポーションや魔女のチョーク(貴重品)を使ってショートカットの解放も可能。
ちょっと見つけにくいレア素材もある。
クラフト設備のアップグレードなど、種類は少ないけれど、やり込み要素はある。
また、住人との会話もやり込み要素の1つ。
各キャラの過去を聞けたり、ストーリー進行に伴って喋る内容も変わる。セリフのバリエーションが豊富。
グラフィック
4.0
可愛いピクセルアート。
キャラも素材となる動物達も可愛い。
ゲーム内容も見た目通りの可愛さと穏やかさなので、グラフィックを見て「良い感じ!」と思ったなら、その通りの体験が出来る。
サウンド
3.5
BGMも穏やかだ。癒される。
作業がメインとなるゲーム性のためか、控えめな印象の曲調。
曲の種類は少ないけれど、今後のアプデに期待。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ほのぼの可愛い雰囲気
作業が楽しい
先が気になる物語
残念なところ
動作がややもったりしている
アイテム整理など洗練されていない部分がある
オススメな人
作業が好き
可愛い雰囲気が好き
ゆったり穏やかなゲームをプレイしたい
オススメではない人
まったりしたペースが苦手
作業が面倒くさい
バトルをしたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
Wytchwood
こちらも主人公が魔女で、クラフトによってクエスト攻略していくアドベンチャーゲーム。本作とは違い、ちょっと偏屈な魔女。鮮やかで奇妙なおとぎ話の雰囲気が魅力的。
Moonglow Bay
魚釣りとクラフトがメインのアドベンチャーゲーム。釣った魚を料理したり、それによって住人の問題を解決して漁村を復興していく穏やかなゲーム。
Little Witch in the Woods
ポーションを投げ飛ばす魔女
素材を集めてポーションを作る作業にハマるクラフト要素が楽しいアドベンチャーゲーム。
可愛いドット絵グラフィックや物語も魅力的。癒されるゲーム。
Little Witch in the Woods
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