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『仁王2』は、コーエーテクモゲームスが開発した「和風死にゲー」と呼ばれ大人気となったアクションゲーム『仁王』の続編。
続編とは言っても、前作をプレイしていなくても問題なくプレイできる。
本作は、PS5、PS4、PCでプレイ可能。私はPS4版をプレイ。
また、追加DLC全部入りの『仁王2 Remastered Complete Edition』、前作とセットになった『仁王 Collection』も発売されている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
戦国時代
本作の舞台は、戦国時代の日本。
前作(徳川家康が天下をとる時代)の物語より前の時代であり、織田信長と豊臣秀吉が天下統一を目指している時代が描かれる。
主人公は、半分妖怪の血が流れる半妖。
キャラクタークリエイト可能で、性別も年齢も見た目は自由に作れるけれど、いずれにせよ「秀(ひで)」と名乗る。

妖怪だけど妖怪退治
秀は、人里離れて暮らし、妖怪退治を生業としている。
ある日、そんな秀の評判を聞きつけた藤吉郎から相棒としてスカウトされる。織田信長に仕え、乱世をチャンスに変えて、手柄を立てて成り上がってやろう!と誘われる。
妖怪や強力な武将たち相手の戦いに身を置くなかで、秀は自身の出生の秘密、そして、幼い頃に母を殺した怪しい男の正体を探っていくことになる。

妖怪の戦国時代
本作には、敵味方に歴史上の戦国武将達が登場して、史実を基に物語が展開する。
「もし戦国時代に妖怪が暗躍していたら?」というフィクションを交えた戦乱の世を見ることができる。
前作をプレイしていなくても問題はないけれど、前作の内容を知っていると「お!」と思うシーンもあるので、前作をプレイした人はより楽しめる。

ゲームの特徴Features
ミッションを選んで、よく読む

物語は、いくつかのチャプターに分かれていて、チャプターごとに舞台となる地方も時代設定も変わる。
それぞれの地方には何ヶ所かステージがあり、メインミッションかサブミッションを日本地図上で選択してプレイしていく。
その時に選択できるミッションなら、どれからクリアしていっても良い。
同じステージが舞台であってもミッションが違う場合には敵の種類や配置、宝箱、探索できる場所も変わる。
また、ミッションの前後には関係するキャラからのお話が表示される。
カットシーンもあるけれど、ストーリーはテキストだけで進むことも多いので、読んでおかないと「何してるんだっけ?」という事態になるので注意。
多才な妖怪人間

主人公の通常攻撃は、上段・中段・下段の構えの3種の構えで繰り出す近接攻撃。構えによって、挙動も射程もダメージ量も変わる。
刀、大太刀、斧、鎖鎌、槍など武器の種類が豊富。もちろん各武器ごとに特性が違うし、挙動も変わる。
また、遠距離武器もあり、弓や大砲まで登場するし、かなりたくさんの攻撃方法がある。
さらに、妖怪技もある。セットしている妖怪技で攻撃が出来るという半妖ならではの技だ。
妖怪技は、敵の妖怪を倒した際やボス戦の報酬で手に入る魂を装備することで使うことが出来るようになる。
残心

主人公はゲージだらけ。体力ゲージ、スタミナゲージ、そして妖力ゲージと後述するアムリタゲージがある。
体力とスタミナは、文字通りの意味。
妖力ゲージとは、主人公が妖怪技を発動する時に必要なMPのようなもの。攻撃をヒットさせていると溜まっていく。
本作では、スタミナ管理がかなり大切で、スタミナを制すものが勝つ。
『仁王』には、そのスタミナ管理の肝となる「残心」という斬新なシステムがある。敵を斬った直後のタイミングで武器を構え直すボタンを押す。
そうすると、気合が入り直すためか、スタミナがググッと回復する。
この残心を攻撃に織り交ぜて成功させることで、攻撃し続けることが出来るし、敵の攻撃を回避するスタミナを確保しておくことも出来る。
特に、「常世」と呼ばれるスタミナ回復が異常に遅くなる妖怪ワールドに入ってしまった時には、残心がかなり重要。
変身

画面左上の丸いアムリタゲージは、敵を倒した際などに手に入るアムリタによって溜まっていく。
アムリタゲージが最大まで溜まると、一定時間妖怪に変身する「妖怪化」が出来る。全てがパワーアップする大爽快妖怪バトルが出来るフィーバータイムだ。
物量も情報量もぎっしり

敵を倒したり宝箱を開けると、装備品が手に入る。
主人公は背中にたくさん武器を担いでいく。近接武器2種類、遠距離武器2種、防具に至っては頭から足までいくつも装備できる部位がある。
同じ名前の装備品でも特性や威力が異なるものがいくつも手に入る。装備品のパラメータは、これまた項目ぎっしり。
また、本作は、ソウルライク死にゲーでもある。
セーブポイントである「社」に触れると、体力や回復アイテムは復活するけれど、敵も復活する。
そして、死ぬと通貨であり経験値であるアムリタを失ってしまう。しかし、前回死んだ場所に戻れば、失ったアムリタを回収することが出来るけれど、回収前に死んでしまうと永久に失ってしまう。
レベルアップでは、主人公の好きなステータスをアップグレードしていくことができる。
また、武技、武器スキルという成長要素もある。同じ種類の武器を使い続けて溜まるスキルポイントを使って、スキルツリーを解放することができる。
スキルツリーでは、武技という新たなコンボ技やステータスボーナスをアンロックすることができる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
実在した戦国武将がたくさん出てきて、歴史上の大事件の裏には主人公が関わっていたという、おもしろ「もしかしたら」物語が楽しめる。
日本史に全然詳しくない私でさえ知ってる有名人とか有名エピソードもたくさん出てくる。歴史の大事件を左右した重要人物になれてしまう物語が楽しい。
ただ、物語は、かなりポンポンと矢継ぎ早に展開していく。テキスト情報だけでサラサラーっと流れていくところも多くて、「そんなあっさり?」とツッコミたくなるところも多かった。
キャラクターの魅力

4.0
戦国時代の有名人が入れ替わり立ち替わり登場する。
NPCが唐突に現れては、サッと退場ということも多い。正直、感情移入している暇はない。
有名武将からは妖怪の魂をもらうことができることも多いんだけど、史実上の人物像を知っていると「ああ、この人の守護妖怪はこういうタイプかあ」と納得できる組み合わせになっている。
本作は、史実を知っているほど楽しめる。逆に、本作がきっかけで史実を知りたくなることも。
実際、私も戦った武将が強かった時は、「本当に強い人だったのかな」と気になってググることが多々あった。
操作性

4.5
私は前作は未プレイ。動画でストーリーを予習したくらい。
で、本作をプレイして最初に思ったのは、意外と軽快!ということ。
装備品の重さ、スタミナ管理、死にゲーの3点セットが揃っているので、重厚なアクションか(重い装備になると動きはやや鈍くはなるけれど)と思っていた。
しかし、実際には、残心でスタミナを回復しながら、かなりサクサク動き回れる。気持ち良いハイペースなバトル。
難易度バランス

4.0
しっかり死にゲー。雑魚敵でも死ぬし、ボス戦では相性の悪い相手だと何回も挑戦することに。
敵の攻撃パターンを覚えて、自分なりの立ち回りを考えると言う死にゲーならではの「死んで覚える」がしっかり通用する。
ただ、所々で、異常に狭いバトルエリアや「落ち着けー!」とツッコミたくなるくらい大きく動き回ってカメラがブレッブレになる巨大ボスもいる。
「理不尽だってば!」と思わず叫んでしまう時も。
ちなみに、本作では、オンラインで他プレイヤーに助太刀を頼むことが出来る。
でも、バトルを重ねればレベルアップできるし、助っ人を呼ばなくてもクリア出来るレベルデザインになっている。
助っ人がいると死にゲーとしての楽しさが減ってしまうので、歯応えを楽しみたいならシングルプレイ推奨!
ゲームシステム

4.5
上述したけれど、バトルは気持ち良くて死にゲーで、敵を倒した時の演出もカッコ良くて脳汁ブシャァア体験ができる。
そして、武器の種類やら術やら妖怪技やら、バトルアクションの種類がかなり多い。ステータスや武器パラメータなど見るところも多い。最初は、情報量に圧倒される。
だけど、徐々に大量にあるパラメータを見て「これがいいか、いや、あっちも」と考えるのが楽しくなってくる。
気づいたら、仁王ハクスラにどハマりしている。敵を倒するよりドロップした装備品確認する方が楽しみになってたりする。
やりこみ要素

4.5
やり込みは途方もないくらい大ボリューム。そもそもメインストーリーだけでも大長編なんだけど。
たくさんあるサイドミッション(難易度も変化する)だけでなく、成長要素も多種類あるし、木霊探しや名声、茶器集めなど、遊び尽くせない。
しかも、平安時代にぶっ飛ぶ追加DLCもあるので、どーっぷり妖怪世界に浸ることができる。
グラフィック

4.5
ボスの妖怪は、初めて見たときに「なんてこった、こんな強そうなの倒せないだろ」と思わせてくれる良いデザイン。それでいて「よっしゃ、叩きのめしてやる!」となる凶悪さ。
あと、大量にある装備品は身に付けると主人公のグラフィックが変わる(甲冑のデザインもカッコいい)し、キャラクタークリエイトもかなり質が高くて、見た目のカスタマイズだけで数時間遊べてしまう。
サウンド

4.0
物語の設定通り和を感じさせるBGMが満載。壮大な曲も多くて、バトル中の気持ちを盛り上げてくれる。
しかし、BGMより耳に残るのは鳴き声。
敵の妖怪たちは、呻き声がうるさくて探索中にはビクビクしてしまう瞬間もある。断末魔ももちろんうるさくて、倒しがいがあるボスたちが勢揃いしている。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
大ボリューム
アクションの種類が豊富
死にゲー
ハクスラ要素にハマる
成長要素にもこだわれる
残念なところ
物語がテキストだけで急展開
視点がぶれやすい
一部理不尽なボスがいる
オススメな人
死にゲーが好き
長時間遊べるゲームを探している
戦国時代が好き
ハクスラで装備品を比較するのが好き
オススメではない人
アクションが苦手
細かいパラメータを見るのが面倒くさい
気持ち悪い敵が苦手
物語に感情移入したい
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本作を開発したコエテクのTeam NINJAとスクエニがコラボして開発する新しい『ファイナルファンタジー』。初代FFが高難易度アクションになり、バトルシステムは本作にかなり近い。



コエテクと任天堂がコラボした無双ゲーム。名作『ゼルダの伝説ブレワイ』の100年前が描かれる。高難易度アクションというわけではないけれど、本作に似たコンボ技の発動や装備品を吟味する楽しさが味わえる。

仁王2
命がけで武器をかき集める
高難易度アクションと夢中になるハクスラ要素どちらも楽しめる大ボリュームなアクションRPG。
もし戦国時代で妖怪が活躍していたら?という物語も面白い。
仁王2
©コーエーテクモゲームス