『ピクミン4』とは任天堂が開発した、リアルタイムストラテジーゲームでありアドベンチャーゲーム。
ピクミンという不思議で可愛い生物が活躍するシリーズで、2001年に発売されてから長く続いている任天堂を代表するゲームシリーズの1つ。
本作はNintendo Switchでプレイ可能。

本作がどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
オリマーの消息
丸い鼻がトレードマークのオリマー。
シリーズお馴染みのキャラ(初代と第2作目では主人公)で、宇宙を飛ぶ運送会社の社員。
未知の惑星に不時着しがちなおじさんだ。
そんなオリマーは、本作でもやはりどこかに不時着してしまっており、助けを求めて救難信号を発信する。
その信号を受け取り、宇宙で活躍するレスキュー隊がオリマー捜索に向かった。

早々に起こった二次災害
画面には頼もしそうなレスキュー隊のシルエットが映ったものの、数秒後には彼らも遭難してしまったというズッコケたくなる顛末が告げられる。
どうやらレスキュー隊もオリマーがいる惑星に不時着したようだ。
というわけで、助けに行った人たちを助けに行くという任務が緊急発生してしまい、その任務が託されたのは、なんと新人レスキュー隊員。
本作の主人公はプレイヤーの分身であるということで、名前含めキャラクリエイトしたら、主人公である新人隊員は未知の惑星に単身乗り込むことになる。
突然の1人での実戦。大丈夫か!?
そういえば、先輩隊員達の名前さえ知らないんだけど。

使いパシリ新人隊員
未知の惑星に不時着したレスキュー隊の宇宙船近くに辿り着いた主人公は、早速、先輩隊員を発見する。
先輩はお腹が空かないように地面に倒れて寝ていたらしい。この職場、先輩の癖が強そうだな。
その後、超ビビリだけど威勢は人一倍な隊長も助けることが出来た。
そして、そこから主人公は宇宙船を動かすためのキラキラエネルギー集めや遭難者の救助などの任務を任されることになる。
先輩たちはというと、やることがあると言って、なぜか宇宙船のそばから離れない。
新人隊員は、遭難したオリマーからの情報を頼りに、不思議生物のピクミンや頼もしい救助犬オッチンと共に、あっちへこっちへと救助任務に出動することになる。

ゲームの特徴Features
毎日任務へ

主人公は基本的に朝から日没まで救出任務に出る(ゲームが進行すると、拠点防衛を行う夜の任務も登場する)。
主人公がやるべきことは大きく分けて2つ。
遭難者を見つけて救助することと、オタカラを見つけること。
オタカラを回収すると宇宙船にキラキラエネルギーが溜まり、宇宙船の機能を修復することが出来る。
主人公は、毎朝、拠点である宇宙船から各地へと出発する。
探索できるエリアは、キラキラエネルギーが一定量溜まるごとに増えていく。
そして、任務地に到着すると、自動で時間が流れ始める。日暮れになったら任務は強制的に終了となる。
限られた時間内にどれだけダンドリ良く多くの任務をこなせるか。これがピクミンシリーズの面白さだ。
ピクミンとオッチンを操れ

それぞれ一定数のピクミンが必要
探索のお供はピクミンとオッチン。
ピクミンは地面から生えていて、引っこ抜くと指示通りに働いてくれる。
ピクミンにやってもらうことは、原生生物と呼ばれる敵を攻撃して倒す、物を運ぶ、障害物を壊すなどなど。
基本的に敵や物にピクミンをぶん投げれば自動的にやるべきことを判断して仕事をしてくれる。
ピクミンは色によって特性が異なる。赤ピクミンは火に強く、青ピクミンは水場を動けるといった感じ。
各ピクミンの長所を活かして適材適所に向かってピクミンを投げつけて、遭難者やオタカラを任務中の拠点であるビーグルに運び込んでいく。
宇宙犬オッチンはピクミン数匹分の力でピクミンと同じことが出来る。トッシンして物を壊すオッチン固有のアクションもある。
更に、オッチンは主人公やピクミンを乗せてジャンプしたり泳ぐことが出来るので、探索の範囲を広げていくことが出来る。
ダンドリバトル

遭難者を見つけると、ピクミンと人間のハーフみたいな謎の人物とのバトルが始まることがある。
これはダンドリバトルと呼ばれる対戦で、制限時間内に自陣に運んだ物の総重量が重い方が勝ちというものだ。
ダンドリバトルには手持ちのピクミンは持ち込めず、バトルステージ上でピクミンを引っこ抜いて増やすところから始まる。
まさに最初から最後までダンドリ能力が試されるわけだ。
ちなみにストーリー攻略とは別にダンドリバトルだけを楽しむゲームモードも用意されている。
ベテランへの道

探索中にはオタカラとは違ったキラキラ光る石を見つけることがある。
これらはシザイという本作の通貨みたいなもの。
これを集めると各エリアに新たな道を作る素材として使えたり、拠点のショップでは便利なツールを買うことが出来る。
また、遭難者を助けるごとにオッチンはやる気ポイントを獲得する。
このやる気ポイントを消費すると、オッチンの新たなスキルをアンロックすることが出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
本作は探索を繰り返すゲームであり、物語要素はそこまで濃くはない。
でも、オリマーの行方やレスキュー隊の事情が少しずつ明らかになっていく物語構成になっていて、ゲームを進めたい欲をしっかり湧かせてくれる。
主人公たちは危険な惑星に来てしまったという調子だけど、終始明るくて楽しい雰囲気。
主人公にセリフはないものの、会話中に二択から返答を選べることがある(分岐要素というわけではない)。
マヌケな選択肢もあって、ついつい先輩隊員達に失礼な返答をしてしまいたくなる。
笑えるエピソードも多いし、敵はいるけれど全体的に穏やかな雰囲気で、プレイしていると自然と微笑んでいる自分がいる。
キャラクターの魅力

4.5
ピクミンの可愛さは言わずもがな、オッチンもかなり可愛い。細かな仕草が可愛すぎる。
しかも、オッチンはどんどん成長していくし、かなり頼もしいパワフルな相棒で、本作をプレイしたら絶対に大好きになるはず。
また、レスキュー隊だけではなく、他にもこの未知の惑星を訪れて遭難してしまっている無謀な一般人たちとも出会うことがある。
全員キャラがハッキリしていて、彼らの事情を聞く度に毎回クスッと笑ってしまう。
また、適時アンロックされていくオリマーの航海日誌は真面目に書かれているけれど、時々オリマーの超個人的な感想が含まれていて、こちらも読みながらフフッと笑ってしまう。
操作性

4.0
ピクミンの種類は多いけれど、基本的に主人公の前方にピクミンを投げる操作をすればいいだけ(投げる種類はLRボタンで選択できる)。
エイムアシストが効いていて、目標となる物や敵に自動で狙いが定まる。
もし狙いが合っていないまま投げても、ピクミンたちは近くにある目標に自動で走って行って仕事を始めてくれる。
ピクミンたちは、主人公がピッと笛を吹けば瞬時に集合するし、地面の中に静かに埋まっていたのが信じられないほど素早く無駄のない動きを見せてくれる。
また、操作するキャラは主人公とオッチンを切り替えることができる。
捜索エリアは結構広いので、二手に分かれることが出来るのは嬉しい。
ただ、この操作キャラ切り替えやアイテム使用は、ちょっと操作が面倒。
でも、ショートカットキー設定が出来るし、不便だなと感じることは、オッチンのスキルや購入できるツールでちゃんと改善されていく。
ピクミンの数が多くなるので、画面がわちゃわちゃしてしまいそうな感じがするけれど、プレイしていると意外とスッキリと操作きる。
難易度バランス

4.0
時間は自動で流れていくけれど、時間制限は厳しくないし(本作では過去作のような探索日数制限はない)、ピクミンもほぼ無限に補充できる。
無理せずコツコツと自分のペースでプレイできるので、リアルタイムストラテジーに不慣れな人にも安心だ。
もちろん、効率性の鬼となって、ピクミンたちにビシバシ指示を飛ばして多方面を一気に攻略するしっかりストラテジープレイも楽しめる。
プレイする人の好きなように攻略できる良い難易度バランスだ。
難易度選択は出来ないけれど、プレイ中の好きな時に一定時間前に巻き戻してやり直すことができる。
また、フィールド上には地下への入り口があり、地下はダンジョンになっている。
ダンジョンではピクミンの補充が出来ないしバトルも多い(途中で脱出することは可能)。またダンドリバトルは結構焦るし、評価もされる。
ダンジョンとダンドリバトルでは、地上フィールドよりが計画性などダンドリ能力が試される。
ダンドリバトルと夜の任務は、ストラテジーゲーム好きな人に特におすすめな要素だ。
ゲームシステム

4.5
長く続いてきたピクミンシリーズの根本的な部分は、本作でも変わっていない。
妙に現代化されたり超進化していることはなく、ド直球のピクミンが味わえる。
で、このピクミンというゲームは、やっぱり優しさ(易しさではない)が素晴らしい。
適材適所や複数の仕事を同時に行うなどリアルタイムストラテジーの楽しさを分かりやすく噛み砕いてくれている。そして、それをきっちり味わえるようにゲームが組み立てられている
更に、オッチンというピクミンより頑丈な味方が1匹用意されたことで安心感を与えてくれつつ、水場や段差にも富んだ立体的なマップが楽しめるようになっている。
ピクミンシリーズファンなら面白さの幅が広がり、ピクミンどころかリアルタイムストラテジーに馴染みにない人にとってはとっつきやすい。良いゲームだ。
やりこみ要素

4.0
どれだけオタカラを探して原生動物に挑むか、これがまず分かりやすいやり込み要素。
オタカラはシリーズになっているものがあって、同じシリーズに属するオタカラを全て揃えると追加報酬が貰える。
各エリアには探索がどのくらい出来ているか表示されるので、やる気が続きやすい。
またレスキュー隊員以外の遭難者からはサブミッションとして課題が出される。
達成すると報酬も貰えるので、寄り道したくなる気持ちも湧きやすい。
グラフィック

4.5
全て丸ごとどこからどう見ても可愛い。
ピクミンはよく見ているとそれぞれ好き放題していて可愛い。
地球によく似たフィールドを、めちゃくちゃ小さいサイズの主人公の視点から見るのは、それだけでも楽しい。
何気ないベンチや段差でも、主人公たちにとっては大冒険だ。
オタカラは、大体誰かが置き忘れたオモチャや道具が多くて「こんな物まで!」と見つけるのが楽しみになる。人間から見ると小さなものを見上げる感覚は楽しいし、鑑定家の説明を読むのも面白い。
刻一刻と時間が経つので先を急ぎがちだけど、ゆったり散歩したくなるような美しい景色ばかりだ。
サウンド

集まるピクミンたち
4.5
BGMは穏やかで癒し。
サウンド面でも、上述した通り散歩していたくなる。
しかし、本作の1番魅力的で1番耳に残る音は、ピクミンの鳴き声。
正確に文字では表せないような可愛らしい鳴き声が聞こえてくる。
投げればなぜか嬉しそうに「ワッフーーイ」、重たい物を運んでいる時は「フンッフンッフンッフンッ」と全員で掛け声を合わせている。
原生生物に投げれば、集合の笛を鳴らさない限り、ぶっ飛ばされても立ち上がって「ワーッ」と敵に向かっていく。
攻略上は、ピクミン達に仕事を任せて、プレーヤーはどんどん他の場所へ進むのが効率が良いんだけど、ピクミンの姿が可愛くて、思わずずっと見守ってしまう。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
とっつきやすいストラテジー
探索が楽しい
全てが可愛く癒し
残念なところ
ハラハラさはあまり感じれない
目新しさはない
(ピクミンらしさを失っていない良いところでもある)
オススメな人
ストラテジーゲームが好き、もしくは興味がある
穏やかにゲームを楽しみたい
ピクミンシリーズのファン
オススメではない人
厳しいリアルタイムストラテジーを求めている
複雑なバトルを楽しみたい
ピクミンが死ぬことに耐えられない


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とっつきやすさや分かりやすさなどピクミンの良さはそのままに、ダンドリバトルや犬のオッチンによって探索の面白さやダンドリを考える楽しさがしっかり味わえる。
幅広い人が楽しめる難易度バランスも魅力。
Pikmin 4 ピクミン4
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