『Red Rope – 運命の赤い縄』レビュー: 多発する命綱殺人事件
『Red Rope – 運命の赤い縄』はYonderが開発したアクション要素のあるパズルアドベンチャーゲーム。
シングルプレイと2人協力プレイが可能で、ゲーム開始時に選択することが出来る。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をシングルプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。
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あらすじStory
ゲームが始まると、迷宮に佇む2人の男女。
2人の関係性やなぜ迷宮にいるのか、いや、そもそもこの迷宮が何なのか説明は一切ない。
周りの人も特に何も教えてくれないけど、とにかく迷宮からの脱出が目的のようだ。
動き始めるとすぐに気づくけれど、2人は腰に巻いた赤い縄で繋がれている。
2人を結ぶ運命の赤い糸!なんて思えば最高にロマンチックだけど。
この赤い糸というか縄は、2人の足枷というか腰枷になる。2人で協力して動くしかない。
ちなみに、本作の開発はイタリアのデベロッパーによるものだけど、「赤い糸は小指に結ばれている」というのは日本の文化だ。
赤い糸は主にアジア圏の文化らしいけど、腰に巻かれているイメージは珍しい。なんだか命綱みたいだ。
ゲームの特徴Features
主人公2人を結ぶ赤い縄は、自分で切ることは出来ず、常に繋がったまま。
つまり、1人が動くと、もう一方も引きずられてしまうわけだ。
1人が動かないなら、もう一方は縄の長さの範囲内でしか動けない。
シングルプレイでは、左スティックで女性を、右スティックで男性を動かすことになる。基本の操作はこれだけ。
迷宮はいくつかのエリアに分かれていて、ひと部屋ごとに攻略していく。
全ての敵を倒すなど特定の条件をクリアしないと次の部屋に進むことが出来ない。
縄で繋がれた2人がどうやって敵を倒すかというと、敵を縄で輪のようにグルッ囲み、その輪を狭めてブチィッだ。
亡霊のような敵もいるが、そいつらは縄で囲まなくても直線状態の縄で通り過ぎるだけでスパァッと切断できる。
更に、縄は丈夫すぎて墓石さえブチィッが出来る。墓石を破壊できれば亡霊の出現を止めることが出来る。
本作はゲーム開始時に100人残機がある状態で始まる。
2人のうちどちらか一方でも敵に衝突したり、穴に落ちたりして死ぬと残機が減る。
しかし、無害の黒い人をブチィッすると、手持ちの影の数として溜まっていく。これが本作での通貨みたいなもの。
迷宮内には、これを消費して残機を増やしてくれる人がいる。
また、この影カウントによってセーブしてくれたり、縄を延長してくれたりする人もいる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
なんだこれ?
ゲーム開始して最初の感想はこれ。
縄で繋がれてるなんて、とんでもない設定。だけど、当の本人たちも、NPCも何も教えてくれない。
だけど、徐々にこの迷宮に気持ち的にも入り込んでいくことになる。
「不思議の国のアリス」の雰囲気に似てる。不思議で理不尽。意味不明で奇妙。
そのうち、この訳の分からない迷宮のルールを受け入れ始めてしまうんだから更に不思議だ。
キャラクターの魅力
3.5
主人公たちは喋らず、NPCは分かったような分からないセリフばかり。
しかし、本作で1番感情を揺さぶってくるキャラは自分の手だ。
プレイしていると、自分の左手と右手が何故かキャラ化してくる。
両手をそれぞれ上手く動かさなきゃいけないんだけど、失敗すると「ちょっと!右手!しっかりして!」と思ってしまう。
もちろん、動かしてるのは自分。分かってはいるんだけど。
ちなみに、多くのゲームでキャラ移動は左スティック操作だ。なので、左スティックで動かす女性の方がスムーズに動かしやすい。
右スティックマンの歯痒さ!もどかしさ!
操作性
4.0
移動する挙動は特に問題なし。
ドット大きめグラフィックなので、高精度というわけではないけれど、問題なし。
でも、本作で1番苦労することになるのは操作だ。
これは、操作する側の問題だ。上述したけれど、相当もどかしい思いをすることになる。
難易度バランス
4.0
めちゃくちゃ難しい。
謎解きもあるけれど、パズルや攻略方法が難解なわけではない。
右手と左手で別の動きをする難しさだ。
敵の数は多いし、動きが速いやつもいて、どんどんコチラに向かってくる。
ほんのちょっと敵にかすったくらいで死ぬ。しかも残機システムがあるから、慎重にならなきゃいけないし。
そして、目では2人だけではなく敵の動きまで追わなくてはならない。
ものすごい脳トレだ。もう、脳が汗びっしょり。
ゲームシステム
4.0
操作もやることもルールもシンプル。
なんだけど、上手くいかない。
この設定やルールを考えた人はすごいなぁって感心してしまうくらい。単純で激ムズ。
私はシングルプレイだけど、協力プレイならまた違ったプレイ感覚になると思う。
本作は高難易度で黙々と取り組むという協力プレイでは結構珍しい雰囲気。パーティーゲームで和気あいあいとは全然違う。
声の掛け合いでは間に合わないくらい速度が求められることもある。相当息が合っていないと難しいかと。
自分の手でさえ「しっかり動いてくれー!」と思うのだから、協力プレイでは仲が悪くならないようにご注意。
やりこみ要素
3.0
本作では、鍵マンが各地にいて、それを集めて新たな扉を開いていく。
とにかくクリアが難しいので、寄り道してる余裕なんてない。
でも、セーブすると突然音楽の演奏が始まり、ダンスすることができる面白要素もある(協力プレイで険悪ムードになったら、ここで仲直りできる…かも)。
あと、衛兵やお店がある平和な部屋で黒い人をブチィッしてしまうと衛兵に追いかけ回されることになるので注意。
私は何も考えずに最初の部屋でついやってしまい、過酷なスタートを切ることになった。
グラフィック
3.0
荒めのピクセルアートグラフィック。
エリアごとに内装は変わるけれど、全体的に似通った見た目なので、視覚的に単調になりがち。
サウンド
3.0
不安になるBGMばかりなんだけど、セーブした途端に陽気なクラシック調の音楽が流れてきて、思わず吹き出してしまった。
「セーブしたね!わーい!」とみんなが祝ってくれているような気分になる。ダンスも出来るし、高難易度に挑んでいる合間の癒しだ。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
シンプルだけど個性的なルール
難易度が高い
操作方法が独特
残念なところ
チュートリアルが親切ではない
見た感じが単調
オススメな人
パズルが好き
個性的なゲームを探している
高難易度に挑戦したい
よくある協力プレイに飽きた
オススメではない人
イライラしやすい
テンポ良く攻略できるゲームを探している
協力プレイ相手と険悪になる可能性がある
本作が好きならオススメRecommendation
本作とはゲーム性は違うけれど、ヒヤヒヤ感は近い。直接敵を攻撃するわけではないステルスアクションゲーム。パズル要素もあり、考えながら動き回り殺人現場を掃除していく。
こちらも本作とはゲーム性は違うけれど、難易度の高さや上手くいかないもどかしさ体験は近い。名作プラットフォームゲーム。
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