『Skul The Hero Slayer』レビュー: ザコ敵の復讐
爽快な骸骨さばきで雑魚敵が勇者を倒す痛快ローグライク『Skul: The Hero Slayer』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Skul The Hero Slayer製品情報Game Info
タイトル | Skul: The Hero Slayer |
---|---|
開発元 | SouthPAW Games |
対応機種 | PS5, PS4, Nintendo Switch, Xbox, PC iOS, Android |
ジャンル | ローグライク, アクション, 2D横スクロール, ハクスラ |
本稿では、Xbox版をレビューしている。
Skul The Hero Slayerの内容Features
あらすじ
雑魚敵のリトルボーン
主人公はリトルボーンと呼ばれる小さめのガイコツくん。マントだけ付けているシンプルなスケルトンだ。
スケルトンなので、他のゲームと同じく魔王の配下だ。
しかし、物語の冒頭で魔王軍はすでに圧倒的に劣勢な状況だ。魔王は人間の勇者たちに捕らえられ、魔王城は壊滅状態にある。なんということだ。
いやいや、勇者が勝ってるのであれば、本来は良い状況であるはずだ。
勇者との戦い
魔王軍の幹部たちは倒れてしまったので、役不足感は否めないけれど、とりあえずリトルボーンが魔王様救出チャレンジに挑戦することになる。
リトルボーンは、まず人間たちに捕まっていた魔女を助け出し、共に魔王様を助けに向かった。
しかし、そこで魔王軍にとっては物騒な事態を目の当たりにすることになる。
魔王様の臣下であったはずのモンスターたちが、勇者に黒い石を埋め込まれて操られているのだ。
しかも、初代勇者と名乗る騎士は、魔族よりも悪役度高めな口調で魔族を煽っている。
あれ、そういう邪悪な感じは魔族の専売特許のはずなんだけど。
倒れても組み立て直せばいい
案の定、リトルボーンは初代勇者にあっけなく蹴散らされてしまった。
しかし、さすがスケルトンだ。骨が無事なら、また身体を組み立てればいいだけだ。
無事に復活を果たしたリトルボーンは、廃墟と化した魔王城を拠点にして、魔女たちの力も借りつつ、勇者討伐を胸に誓う。倒されても骨が無事なら大丈夫だ。
とりあえず、本作の大魔王クッパは勇者で、ピーチ姫が魔王様ということでいいだろう。
ちょっと変な構図だけど、頑張ろう。魔王軍は雑魚敵が救ってみせる!
ゲームプレイの特徴
魔王様への道のり
本作はローグライクアクションゲームだ。
ランダム生成されるいくつかのステージを攻略して中ボスに挑み、更にいくつかステージを攻略して大ボスに辿り着く。大ボスを倒したら新たなエリアへ進めるようになる。これを繰り返してゲームが進行していく。
各ステージでは、現れる全ての敵を倒すとアップグレードなど報酬を獲得することができて、次のステージに進むことが出来る。後戻りは不可能。
次に進むゲートは複数用意されている場合があり、そのゲートの見た目で次のステージで得られる報酬の種類が分かる。
スカルでクラス変化
本作の大きな特徴であり、ステージ攻略時の報酬として得られるのがスカル(頭蓋骨)。
主人公は拾ったスカルを付け替えることでクラスが変わり、使えるスキルも見た目も変わる。
例えば、コソ泥スケルトンなら移動スピードが速くなり、武器は攻撃速度の速い両手ダガーとなる。
ガーゴイルスケルトンになれば、もはやリトルボーンの面影もない姿となり、空中を滑空できるようになって、竜巻を起こすスキルも使える。
主人公は、常時2種類のスカルを保有することができて、好きに付け替えることが出来る。
様々なスカルを取捨選択して強化しながらボスを目指すことになる。しかし、ローグライクなので、ゲームオーバーになってしまうと手に入れたスカルなどアップグレードは失ってしまう。
永続要素があるローグライト
ステージで敵を倒すとお金と魔石がドロップする。
お金は道中に登場するショップでの買い物に使えるけれど、ゲームオーバーになると全て失ってしまう。
一方で、魔石は死んでも失わず、拠点にいる魔女に一定数渡すと主人公のステータスを永続アップグレード出来る。
また、道中で人間に捕まっているモンスターを助けると拠点に現れるようになり、スタート時に様々なモノをくれるようになる。
Skul The Hero Slayerの評価Review
物語の面白さ
勇者が悪者という面白い設定。たまに見かける設定ではあるので斬新というほどではないけれど、新鮮ではある。
大ボスを倒すごとに魔女の回想シーンが流れ、そこで魔王と人間の物語が明らかになってくる。
魔王様と人間がなぜ戦うようになったのかという真実が描かれており、軽めではあるけれど物語要素も楽しめる。
日本語訳が怪しいところが多々あるのが残念。
キャラクターの魅力
主人公は喋らないけど、スカルを変えた瞬間に姿形が一変するのが面白い。
頭部を付け替えても主人公に変わりはない。でも、そこら辺に落ちている誰かの頭蓋骨で変身してしまう。
あれ?スケルトンの本体って、頭と身体のどっち?そんな疑問が渦巻き始める(骸骨の本質を真剣に考えるようなゲームではないけれど)。
また、本作では多くのゲームで敵となるモンスターが味方となって現れる。彼らは意外とまともでびっくりする。
一方で、勇者たちは自信過剰だし、やたらと回復するし、バトル中にいちいち必殺技の名前を叫ぶし、ひたすら騒がしい。
ドラクエとかRPGでは、敵にとっては勇者がこんな風に見えていたのか。笑えるネタが豊富で、勇者のイタい姿が面白おかしく描かれている。
操作の快適さ
主人公はサクサク動き、爽快で気持ちいい。敵をバッサバサ薙ぎ倒すハクスラが味わえる。
スキル発動やスカルの付け替えもボタン1つ押すだけなので、分かりやすくて操作しやすい。
スカルを変えてクラスが変われば挙動もちゃんと変わる。重たい攻撃になったり回避ダッシュの距離が長くなったり素早くなったり。
クラスによってしっかり挙動が作り分けられているので、お気に入りのクラスが出来るはず。
難易度バランス
永続アップグレードがあるので、プレイすればするほど着実に長生きできるようになる。
マップはもちろんランダム生成だけど、そんなに種類は多くない。敵の種類もそんなに多くはなく、プレイするほど立ち回りが分かりやすくなるので、ローグライクとしての厳しさは低め。
敵は攻撃すると怯んでくれるし、射程内にいる敵全員に攻撃が当たる。
ただ、敵が大量に攻めてくるので、油断せずに敵を的確に捌いていくことが大事。
ゲームシステムの面白さ
スカルが変わると挙動やスタイルも武器も全てが一気に変わるのが面白いところ。
ゲーム進行の仕方はローグライクゲームによくあるシステムだけど、プレイごとにクラスやキャラを選択できるゲームが多いなかクラス選択自体がランダムで自由というのが本作ならではの魅力。
スカルが変わると、ほんのりアクションが変わるレベルではなくがっつり一変し、道中でプレイ感覚がどんどん変化するのが楽しい。
また、同じスカルでも、大ボスを倒した後に会える蜘蛛さんに一定数の骨(いらなくなったスカルを破壊すると得られる)を渡すと、スタイルがアップグレードする。
「ウェアウルフ」タイプが「年をとったウェアウルフ」タイプになったりなど、強さもスキルもアップグレードするので主人公だけでなくスカルの成長要素まで楽しめる。
やりこみ要素の楽しさ
スカルだけでなく、様々な追加効果やバフが発生するアイテム、精髄と呼ばれる必殺技など、道中で手に入るものは多い。そうした装備の組み合わせによって様々なプレイスタイルを試すことが出来る。
また、人間に捕まっている魔族たちを助けると拠点が賑やかになっていくやり込み要素もある。
時には、単に敵を一掃するのではないステージもある。ちょっとしたステルスや防衛戦のようなものが楽しめるステージが突然登場する。
発売後のアプデで新たな戦いが追加され、追加DLC「The Mythology Pack」では追加スカルも手に入れることができる。
グラフィックの芸術性
ポップな印象のピクセルアートで描かれる。
魔族キャラがたくさん登場するけれど、全体的に可愛らしい雰囲気で、魔族の怖さはほぼ無し。
また、スカルの付け替えで主人公の見た目もしっかり変わるのが楽しい。可愛いものから、魔族の幹部に一気に成り上がれそうな凶悪な見た目にもなれる。
サウンドの魅力
音楽は魔族っぽい不気味な曲調というわけではなく、勇敢な曲調が多い。
実際には、大量の敵を相手にしていることばかりなので、ザクザクとかバシバシといった派手な効果音の方が目立っており、BGMに聴き入ってる暇はない。
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Skul The Hero Slyaerが
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Dead Cells
2D横スクロールでハクスラなローグライクゲームなら、こちらもおすすめ。
探索要素もあるローグヴァニアと呼ばれる大人気作。
大量の武器種が登場し、やり込み要素も豊富で歯ごたえもしっかり味わえる。
Have a Nice Death
こちらもアンデッドが主人公の2D横スクロールアクションのローグライクゲーム。
主人公は死神で、部下を懲らしめて回るという笑えるネタも豊富な設定が魅力。
サクサクしつつも武器種によって異なる挙動が味わえる。
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Skul The Hero Slyaer
レビューのまとめSummary
おすすめな人
- ローグライクゲームが好き
- ハクスラの爽快感が好き
- 魔王軍に入ってみたい
おすすめではない人
- 同じ武器やスキルを極めたい
- 勇者側として戦いたい
- たっぷりのやり込み要素が欲しい
総合評価
- スカルを変えると操作性も挙動も一変する
- 魔王軍側の雑魚敵が主人公という設定
- 爽快な操作感
- マップや敵の種類の種類が少なくランダム性は低め
- 日本語訳が怪しいところがある
SKUL: The Hero Slayer
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