【スナフキン ムーミン谷のメロディ】癒しのワイルド破壊活動 – 攻略とレビュー
スナフキンとなり癒しのムーミンの世界を満喫できるパズルアドベンチャー『スナフキン ムーミン谷のメロディ』。
スナフキン ムーミン谷のメロディの特徴
- ストーリー: 妙な公園が作られたムーミン谷をスナフキンが元通りにしていく物語
- 攻略: ステルスと謎解きで探索しながら公園を壊していくパズルアドベンチャーゲーム
- 評価: ゲームプレイで躓くことはなく、ムーミン原作の再現度が高さや雰囲気を堪能しつつ哲学的なセリフにも癒される
- 物語もグラフィックも雰囲気も原作再現度が高い
- サクサクと攻略できる
- 道中も退屈しにくい仕掛けがあり、操作性が良い
- ムーミンを知らない人にとっては、おつかいで終わってしまう
- ステルスの歯ごたえがほぼない
『スナフキン ムーミン谷のメロディ』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
スナフキン ムーミン谷のメロディの攻略
スナフキン ムーミン谷のメロディの概要
タイトル | スナフキン: ムーミン谷のメロディ Snufkin: Melody of Moomin |
---|---|
開発元 | Hyper Games |
販売元 | Raw Fury |
発売日 | 2024年3月7日 |
対応機種 | Switch, PC 2024年12月17日: PS5, Xbox |
ジャンル | パズルアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
2024年12月17日(海外時間)には、追加DLC「恋に落ちたクロットユール」が配信予定。
- 秋になったムーミン谷を舞台となる(本編は春)
- 恋に悩むクロットユールやミムラなど本編にはいなかったキャラも登場する新たな物語が描かれる
- スナフキンはムーミン達と共にキャンプへ出かける
- 新たなパズルややり込み要素が登場する
ストーリー
帰ってきたスナフキン
原作を知らなくても、誰もが絶対に一度は目にしたことがあるだろう北欧の不思議生物ムーミン。決してカバではない。
本作の舞台は、そんなムーミン達が暮らすムーミン谷。ムーミンシリーズの主人公はムーミントロール。親友スナフキンと冒険するのが大好きな男の子だ。
しかし、本作の主人公はムーミンではなくスナフキンの方だ。
ムーミン達は冬が訪れると冬眠し、スナフキンはムーミン谷を離れて南へと旅に出る。それがいつもの冬の過ごし方だ。
本作の物語は、スナフキンが例年通り春を迎えたムーミン谷に戻ってきたところから始まる。しかし、谷の風景は全く変わってしまっていた。
様子がおかしいムーミン谷
ムーミン谷に戻ったスナフキンが見た光景、それは干上がった川や植物、切り倒された木々、極め付けは誰も楽しめそうにないヘンテコな公園だ。
さらに、ムーミン谷に住む住民たちにも様々なトラブルが起こっているようだ。
このムーミン谷異常事態を引き起こした元凶は、公園番という偉そうな奴。谷のあちこちを破壊しながら公園を作って回っているらしい。
しかも、ヘンテコ公園には「あれやったらダメ」「これやったらダメ」ともはや逆に何が出来るのか分からないほど禁止事項が描かれた看板が並び、パトロールする警察までいる。
ムーミントロールの行方
公園番は、面倒な人物を敵に回してしまった。
スナフキンは自由と孤独を愛する孤高の旅人であり、とにかくルールが大嫌い。原作でも過激な方法でルールを破壊してきた自由の番人のような人物だ。
というわけで、スナフキンは元通りの居心地の良いムーミン谷の姿を取り戻すため、公園を破壊し始めた。
しかし、目につく看板を引き抜いて公園をぶっ壊しても、スナフキンの胸はざわついたままだ。
親友ムーミントロールの姿が見当たらないのだ。春に再会しようと約束したはずの親友は、一体どこに行ってしまったのだろうか。
攻略のポイント
ムーミン谷を探検
本作ではムーミン谷を自由に探索し、各所で謎解き攻略しながら物語を進めていくパズルアドベンチャーゲーム。
各地でトラブルを抱えたNPCに出会うことができ、アイテムを集めてくるなどのサブクエストを依頼されることがある。
道中で拾ったアイテムはリュックに入れ、謎解きに使用したり、必要としているNPCに渡すことができる。リュックに入れられない大きな石は持ち運んだり、大きな丸太を押して足場を作って先へと進んでいく場面もある。
楽器を使って謎解き
謎解きでは、スナフキンの演奏する音楽が必要になる場面がある。
動物の助けを借りて道を切り開かなければならない場所では、そ楽器で音楽を演奏すると協力してもらうことが出来る。
スナフキンは3種類の楽器を使い分け、演奏するメロディにはレベルがある。登場する動物ごとに、反応する楽器とメロディレベルが決まっている。
楽器はゲーム進行によって手に入るけれど、メロディレベルを上げるには探索が不可欠だ。道中の茂みを揺らしたりクエストを攻略すると「ひらめき」が手に入り、これが一定量溜まるとメロディレベルが上がる。
単にメインクエストを追うだけではなく、サブクエストも攻略しつつ「ひらめき」を集めながら探索しなければならない。
公園を破壊
各所には公園番が作ったヘンテコ公園があり、先に進めなくなっている。このヘンテコ公園を壊すことで新たなエリアへと進むことができる。
公園には禁止ルールが描かれた看板とパトロールする警察がいる。警察に捕まらずに全ての看板を引き抜くこと、これが公園を壊す方法だ。
公園内を巡回する警察の視界から隠れて進み、時にはギミックを利用して警察の目を逸らしつつ看板を引き抜いていく。ステルスプレイだ。
全ての看板を引き抜くと、ルールがなくなったので見張る必要がなくなったという謎理論によって警察達がいなくなり、スナフキンが豪快に公園を破壊し先に進むことができるようになる。
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スナフキン ムーミン谷のメロディのレビュー
物語: ムーミンの原作小説そのもので、大人に刺さる
本作はムーミンの原作小説が元になっており、その雰囲気がしっかり再現されている。
ムーミンは元祖ゆるキャラといえる可愛さでアニメやキャラグッズの印象が強いけれど、原作小説は意外と哲学的で、偏屈なキャラが多い。その原作小説の良さが、本作ではしっかり味わえる。
子供向けな調子ではなく、むしろ大人の方がより楽しめると思う。シンプルだけど真を突くセリフが胸に刺さり、「う、ぐ、仰る通りです!」と癒されつつも身につまされる。心温まり、人生の教訓も教えてもらえる。素敵な物語だ。
メインストーリーは原作の様々なエピソードも盛り込みつつ、ちゃんと先が気になる構成になっており、ムーミンの小説を読んでいるかのように楽しめる。たくさんのキャラが登場するので特にムーミンファンは必見!
操作性: 思っていたより素早い快適スナフキン
操作性は予想していたより快適で驚いた。
ほのぼのしたパズルアドベンチャーといえば、移動速度含め全体的にゆったりしたゲームが多い。
しかし、本作のスナフキンはサササッと歩いて、スッとジャンプして、サクッとアイテムを拾って使う。プレイして最初に感じたのは、「スナフキンって足が速い!」だった。
マップ画面やクエストリストも確認でき、操作するボタンも逐次表示されるのでスムーズに攻略できる。
難易度: 警察が心配になる簡単ステルス
本作では謎解きとステルスを攻略することになるけれど、どちらも難しくない。
寄り道しながら進めば、どんどんひらめきが溜まっていくので、特に行き来したりする必要もなくどんどん攻略することができる。
各動物が反応する楽器は最初から表示されているので、「うーん、ここではどの楽器を使えばいいかな?」と悩む瞬間もない。
公園でのステルスプレイでは、警察に見つかっても物陰に隠れればすぐに警戒を解くので失敗することはなく、試行錯誤する必要もない。大丈夫か、警察。
万が一、失敗したとしても公園攻略のスタート地点からやり直しになるだけで、難しさはほぼないといってもいい。ムーミンの世界を堪能しながら楽しく物語を辿るゲームだ。
システム: ムーミンが好きかどうかで楽しさが変わる
上述してきた通り、ゲームとしての難しさや斬新な要素はほぼない。
しかし、各キャラにちなんだエピソードが入れ替わり立ち替わりテンポ良く出現するので、終始物語を味わえるのが楽しい。セリフも胸に刺さる深いものばかり。
とはいっても、これは私がムーミンの原作小説やキャラを知っているからだと思う。「あ!このキャラも出てきた!このエピソードが再現されてる!」とずっと楽しい。再現度やそのクオリティがかなり高い。原作ファンとして大満足だ。
ひらめきを集めるシステムによって移動中は退屈せず、隅まで探索したくなるのも嬉しい。
スナフキンが一息つくスポットがあり、釣りをしたり、野原に寝転がったり、そこだけでの景色を見ることができる。癒しの時間でありファンサービスだ。
一方で、「ムーミンって白いカバのあいつでしょ?」くらいだと、おつかいクエストばかりで単調に感じると思う。
芸術性
水彩画のようなグラフィックで、ムーミンの絵本を動かしている気分になるクオリティの高さ。癒しの雰囲気に包まれる。
一歩歩くごとに「写真撮って良いですか?」となるくらい、原作ファンとしては目が輝く再現度の高さだ。もしムーミンファンじゃなかったとしても、きっとムーミンの世界が大好きになるはず。
個人的には、スナフキンが公園を破壊する演出がお気に入り。柵も岩もぶん投げる姿に「え、本気の破壊活動だし、ワイルドだな」とムーミン谷の穏やかな可愛さとのギャップがツボに入った。
サウンド面でも癒される。穏やかで綺麗めのBGMが流れており、聴いていると眠ってしまいそうだ。
また、シガー・ロスの楽曲が使われおり、そのドリーミーな作風が本作にぴったり!配信者さん向けに著作権に引っかからないBGMモードも用意されているけれど、シガー・ロスの曲を背にムーミン谷を眺めるのは格別なので、ぜひ一度は聴いてみてほしい。
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スナフキン ムーミン谷のメロディの総合評価
スナフキン: ムーミン谷のメロディ
総合評価
ムーミン原作の再現度が高く、癒される雰囲気や胸に刺さるセリフを堪能できるパズルアドベンチャーゲーム。ゲームプレイよりも多彩なエピソードや世界を堪能するムーミンファン必見のゲーム。
おすすめな人 | ムーミンシリーズが好き 物語やセリフを味わうのが好き 可愛い世界で癒されたい |
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おすすめではない人 | 歯ごたえのある謎解きに挑みたい 長時間遊べるゲームを探している ムーミンのことを全く知らない |
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