【South of Midnight】酸いも甘いも大ナマズ | 攻略とレビュー
全方向見惚れるアメリカ南部なゴシックファンタジー世界に迷い込むアクションアドベンチャーゲーム『South of Midnight』。
South of Midnightの特徴
- ストーリー: ハリケーン襲来後の街で、魔力が目覚めたヘーゼルが不思議な体験をしながら母を探す物語
- 攻略: ウィーバーの魔法で戦いながら進む物語主導型のアクションアドベンチャーゲーム
- 評価: 細部までファンタジーが満載で、メインストーリーと芸術性の高さに没頭する世界を味わって楽しむゲーム

- 不思議生物や編む魔法などファンタジー要素満載
- 厳しさもある先が気になる物語に惹き込まれる
- 細部まで芸術性が高い
- 自由度は低い
『South of Midnight』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
South of Midnightの攻略情報
South of Midnightの概要
タイトル | South of Midnight |
---|---|
開発元 | Compulsion Games |
販売元 | Xbox Game Studios |
発売日 | 2025年4月9日 |
対応機種 | Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | Xbox |
ストーリー
家ごと流された母

本作の舞台はアメリカ南部の街プロスペロ。
そして主人公は高校卒業したてのヘーゼル。
彼女がゴシックファンタジーな世界と化したプロスペロの地で母親を探す物語が描かれる。
一体何がどうしてそんな話になるのかというと、プロスペロは巨大なハリケーンに襲われ、ヘーゼルが自宅から離れていた隙に母親がお家丸ごと増水した川に流されてしまったのだ。
母を乗せたお家はどんぶらこっこレベルではないスピードで流れ、ヘーゼルは母を見失ってしまった。
これが、ヘーゼルの不思議な物語の始まりだ。
ファンタジーになったプロスペロ

ハリケーン襲来から一夜明けるとプロスペロはあちこち水没し、めちゃくちゃになってしまった。
が、壊滅した街で極限サバイバルアドベンチャーが始まるわけではない。
陽気な大ナマズが喋ったりヌイグルミに命が宿っていたりと、プロスペロは現実とファンタジーが入り混じる世界に変わってしまった。少なくともヘーゼルから見える世界は。
というのも、ヘーゼルは突如大地や魂の糸を紡ぐ魔法を操る紡ぎ手(ウィーバー)の力に目覚め、もはや彼女自身もファンタジーになったのだ。
しかし、不思議がっている場合ではなく、ヘーゼルは母親を探さなければならない。
プロスペロに残る傷ついた者の想いやヘーゼル自身の複雑な家庭事情を紐解きながら、ヘーゼルは母を目指して川を下っていく。
攻略のポイント
物語主導型アクションアドベンチャーゲーム

本作はいくつかの章に分かれており、各章で舞台となる場所は変わる。それぞれの舞台となるエリア間は自由に行き来できない。
ざっくり言うと脇道のある一本道であり、物語主導型のゲームだ。
同じ章内でも大きな崖などによって後戻りできなくなる地点もあり、物語と共にどんどん進んでいくことになる。
また特定の場所ではバトルが発生し、全敵を倒さなければ先に進むことはできない。
魔法で戦い探索する

本作ではウィーバーの魔法が要となる。
バトルが始まると一定エリアがバトルフィールドとして区切られ、近接攻撃と各ボタンに割り振られたウィーバーの各種魔法を駆使して戦う。
- 近接攻撃
- コンボ攻撃も可能
- ウィーバーの魔法
- 魔法が割り振られたボタンを押すと発動
- 敵を一定時間スタンさせたり、引き寄せたり投げたりといった魔法が登場する
- 各魔法は、発動後クールタイムを経ると再使用できる
- 敵を倒すとクールタイムを短縮できる
- 魔法が割り振られたボタンを押すと発動
- ジャスト回避
- 成功すると敵にダメージを与えることができる
- 体力回復
- 倒した敵を「紐解く」(倒れた敵のそばでボタンを押すだけ)と一定量体力回復ができる
- バトルフィールド内に体力回復できる植物も生えている
ウィーバーの魔法は探索時にも役に立ち(探索中はクールタイムなく使用できる)、遠くの足場へ飛び移ったり、ぬいぐるみのクルトンを操って狭い場所を探索したりギミックを動かすこともできる。
ヘーゼルの成長

ウィーバーの魔法などヘーゼルの新たなスキルは、物語の進行と共にアンロックされる。
さらに脇道やバトル勝利時に獲得できるウィーブを溜めると、ヘーゼルのアクションや各魔法を強化することができる。
また、各地に隠されている緑色のウィーブを3つ集めるとヘーゼルの体力を増やすことができる。
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South of Midnightのレビュー
物語: 誰もが「めでたしめでたし」では終わらない過去を抱えている

本作では、章ごとに誰かの訳ありなエピソードを辿る。
これがなかなかに苦虫を噛み潰した気持ちになるエピソードばかり。
本作は、メルヘンなファンタジーではなくゴシックファンタジーだ。
気のいいNPCに見えても、ウィーバーの力で過去を紐解くと「そんな辛い思い出が…」と切なくなる。
そしてヘーゼル自身の複雑な家庭事情も描かれる。
ヘーゼルは高校卒業したて。守られるだけの子供ではなくなり、親が「親」という生き物ではないと分かり始める年齢だ。
親には親の祖母には祖母の、そしてご近所さんにはご近所さんの、他人に見せない顔や美談だけではない人生を歩んでいる。
他人は決して自分の人生のNPCではない。それぞれが複雑な事情を抱える主人公だ。
本作はそんな人生の教訓が押し付けがましくなく練り込まれたピリッと辛いおとぎ話。
悲劇的に描けそうな物語ではあるけれど、ノリは軽快で重たくも湿っぽくもない。
物語主導型のゲームとしてしっかり満足できる魅力的な物語で、カリッと爽やか風味で適度なボリュームの旅を楽しめる。
操作性: 分かりやすく流れるように動ける

バトルはややハイペースで、道中ではプラットフォームアクションを攻略しながら進む。
バトルでも探索でも操作性は良好。
当たり判定は少し甘めではあるけれど、ギリギリ攻防バトルというゲームではないので問題なし。
各魔法は操作ボタンが常に表示されているので分かりやすく、何かが隠されている場所では囁き声や効果音が聞こえるので脇道に気付きやすいのが良い。
その他、感度や画面設定などアクセシビリティの設定項目が豊富で、チュートリアル含めて全体的に親切なゲームだ。
数回ヘーゼルが亜空間に引っかかって動けなくなることがあったけれど、チェックポイントは小刻みに設定されているのでやり直しになっても苦にならなかった。
難易度: 物語を楽しむのがメイン

本作は3段階から難易度設定ができる。私はデフォルトのノーマル難易度でプレイ。
バトルはハイペースめで回復できる回数は限られており、敵は複数で攻めてくる。ぼんやりしているとちゃんとボコボコにされる。
しかし、本作はバトルよりも物語を味わう方がメインであり、バトルで苦戦するようなことはない。ボス戦はイベント仕立てになっている部分も多い。
よっぽど「正規ルートに猪突猛進だぜ!」なプレイをしなければウィーブは溜まりやすく、魔法を強化すると攻撃力だけでなく追加効果まで付与されて強くなる。
甘いわけではないけれど苦戦もしない。テンポ良く物語を味わえる難易度バランスだ。
システム: 世界と物語に見惚れるゲーム

ゲームプレイ部分だけ見るとオーソドックスな物語主導型アクションアドベンチャーだ。
あれこれできるわけではなく、寄り道は少なめ。装備変更とかキャラビルドを考える必要もなく、がんがんメインストーリーが進む。
物語の流れが途切れずプレイできるので、どんどん物語に没頭していく。とにかく世界が圧倒的に魅力的で、物語主導型ゲームとしてすっきりまとまっている。
ただ、もし本作の世界や物語にいまいち乗り切れなかったら、自由度の低さや同じようなバトルが続くことが気になってきてしまうかもしれない。
芸術性: どこもかしこも眼福

本作最大ともいえる大きな魅力は芸術性の高さ。
巨大ハリケーンによって壊滅したプロスペロだけど、物語の語り手でもある大ナマズや地下でティーパーティーを開くうさぎなどファンタジーが溢れている。
プレイ中に何度も足を止めて周囲を見渡すことが多かった。それくらい背景まで楽しい。
高解像度なのはもちろんのこと、バトル終了時には一面花畑になったり足場ごと豪快に動いたり、視覚的な演出も作り込まれている。
家のインテリアや章の合間に流れる絵本のようなページなど細部までデザインも美しい。
また、本作はストップモーションで描かれるのも特徴。
しかし、もし苦手な人はゲームプレイ部分ではストップモーション効果をオフにすることもできるので安心だ。
BGMはアメリカ南部ならではのブルースやソウルな曲調が多い。
特に章ごとにそのエピソードにちなんだ歌詞の曲が流れるのが盛り上がるところ。セリフを補完するような内容になっており、音楽も物語の一部になっている。
曲調は力強くて歌詞は切なく、走って逃げなければならない場面でもついつい聞き入ってしまう。
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South of Midnightの総合評価
South of Midnight

総合評価
キャラデザインや演出含めゴシックファンタジーの世界がとびきり魅力的な物語主導型アクションアドベンチャーゲーム。魔法を使ったバトルと探索も織り交ぜながら、不思議ありつつ考えさせられる物語を楽しむことができる。
おすすめな人 | 物語を楽しみたい 芸術性高いゲームが好き ゴシックファンタジーの雰囲気が好き |
---|---|
おすすめではない人 | 自由度の高いゲームをプレイしたい バトルをメインに楽しみたい 後戻りできなくなるのが嫌い |
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