『Kena Bridge of Spirits』レビュー: 山奥の村で大号泣

『Kena: Bridge of Spirits』とは、Ember Labが開発したアクションアドベンチャーゲーム。

Ember Labは、もともと兄弟で設立したCGアニメーションなどを製作していたスタジオだ。

本作は、PS5、PS4、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。

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あらすじStory

この先に行きたい

主人公はケーナ。スピリットガイドという死者の魂が旅立つのを手助けする力の持ち主だ。

彼女は神山神社という、めちゃくちゃ高い山の上にある神社を目指して旅している。

登山が趣味とか修行というわけではなく、彼女にはどうしても神社に行かなければならない理由がある。

ところが、その道中で、ケーナはただならぬ雰囲気が漂う村に入り込んでいく。

悲劇に見舞われた村

「失礼しまーす」と村を通り抜けたいところだけど、村の各所に結界のようなものが張られていて先に進めない。村人もいないようだ。

実は、この村では大惨事が起き、村人たちの魂が怨念のようになって各地に囚われているらしい。

で、その怨念やら後悔の念が結界の源となっているようだ。

村突破大作戦

「うーん、この村を通り抜けないと神社に行けないんだけどなあ」と困っていたケーナだけど、力を貸してくれる村人の魂たちがいるようだ。

更にRotという黒いモフモフの小さい精霊たちもケーナのお手伝いをしてくれる。

彼らの助けを借りて、ケーナはこの地に囚われた魂たちに対峙し、この村で何が起こったのかを知ることになる。

そして、プレイヤーとして気になるところはもう一つ。そもそもケーナの旅の目的って、何？

ゲームの特徴Features

ケーナの強さ

ケーナは杖を持っている。これで近接攻撃ができるし、弓に変形させて遠距離攻撃も出来る。

また、スピリットガイドの力で、ガードできるバリアを張ることも出来るし（ジャストガードもあり）、爆弾を投げることも出来る。ローリング回避も可能。

スタミナのシステムはなく、バトルはハイペースだ。

探索中には、ジャンプしたり崖を登ったり、謎解きもする。

また、ケーナの持っている仮面を被ると視界が変わり、調べるべき場所がハイライトされて見つけやすくなる便利システムもある。

Rotの心強さ

本作では、ストーリーの進行に沿って探索できるエリアが増えていく。

探索していると、Rotという精霊を見つけることがある。彼らは仲間となり、ゾロゾロとケーナについてくる。

Rotは、指示出しすると岩を運んだり、精霊パワーを発揮して行く手を阻む腐敗を祓ってくれたり、探索の手助けをしてくれる。

バトルになるとRotたちはビビり倒して隠れてしまうけれど、ケーナが敵を攻撃したり倒していると勇気ゲージが溜まっていく。

溜まった勇気ゲージを消費すると、勇気いっぱいになったRotが指示した敵に集団で襲いかかる。一定時間敵を羽交い締めにしたり攻撃してくれる強力な味方だ。

Rotがケーナの強さ

Rotたちを見つけ出して一匹ずつ仲間にしていき、一定数従えるとケーナのレベルが上がる。

レベルが上がると、Rotができるアクションが増えたり、バトル中に溜められる勇気ゲージ数が増える。

上述したRotによる集団攻撃以外にも、ケーナ自身の特殊攻撃スキルには勇気ゲージを消費する。勇気ゲージが多いほどバトルで有利になるわけだ。

一方、敵を倒したり謎解きを攻略するとカルマが手に入る。このカルマを消費するとスキルツリーのアンロックが可能。

配達もします

村には腐敗が広がっている。単にRotの力を使うだけでは祓えない。

各地に隠されているお手紙を拾って、宛先である住人の家のポストに配達するとその一帯の腐敗が祓われる。

家の中には貴重アイテムなどが隠されていて、これはやり込み要素となっている。

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

4.5

突然スピリットガイドだとか言ってるし、突然村が現れるし、「え？Rotって何ですか？ピクミンですか？」と訳が分からなかった物語の冒頭。

ところが、ゲーム開始10分後、もう完全にスピリットガイドになっていた。

もちろん、すぐには解けない謎は多い。だけど、ものすごい勢いで物語に惹き込まれる。物語の見せ方とかテンポとか上手すぎて、もはや映画。

出てくる人たちは、魂が実体化した状態だ。そう、みんな死んでしまっているのだ。となると、お分かりだと思うけれど、泣ける。

出会う人たちが辿った悲劇を知って涙し、その魂を解放できると切ないやら嬉しいやらで涙で笑顔。心に響く素敵な物語だ。

ほぼ自然な日本語翻訳なんだけど、たまーに不自然なところや翻訳抜けがあるのはアプデに期待。

キャラクターの魅力

5.0

主人公ケーナは魅力的。NPCモみんな表情も活き活きとしていて、さすが開発元が元々CGアニメーションスタジオというクオリティの高さ。

心に響きまくる物語なだけあって、キャラクターの魅力が強烈。

物語冒頭に遭遇するサイヤとベニという頬っぺたタプタプ子供とRotの可愛さコンボで、一瞬で心がトロケ落ちた。

Rotと無駄に触れ合うだけのコマンドもあるんだけど、もうめちゃくちゃ可愛い。

Rot達は、背泳ぎしたり、岩の上に座り込んだり、かなり好き放題してて、いちいち眺めたい。プレイしてると自然とニコッと笑顔になる。

号泣したり、思い切りの笑顔になったり、感情が大忙しになる素敵な物語だ。

操作性

4.5

バトルはかなりハイペース。探索中には、がっつりアクションテクニックが試されるところもある。

でも、それをスムーズに問題なくプレイできるくらい操作性が良い。なめらか。実になめらか。

ただ、ケーナはハイペースでガンガン動き回れるので、敵を見失ってしまうことが多い。

もちろん敵のロックオンはできるんだけど、敵も大きく動くのでロックオンが勝手に外れてしまうことがある。

難易度バランス

5.0

ボスは強い。理不尽さはなく、ちゃんと攻撃パターンを見て立ち回らなければならない。

バトル中は、回復できる回数に限りがあるし、複数の敵が攻めてくるし、歯応えがしっかりある。

ケーナ自身の操作に加えてRotへの指示出しもあるし、勇気ゲージを溜めたり、かなり忙しい。

でも、死にゲー難易度というわけではなく、程よく苦戦しながら、良いテンポで攻略していける。

収集要素は、よくよーく見て探さなければコンプリートできない。

的を射たり、Rotを上手く操作して導いたりなどチャンレンジもたくさんあるけれど、制限時間があるので攻略が難しいものある。

ゲームシステム

4.5

小さい奴らを引き連れていくといえば、『ピクミン』を思い出す。

だけど、本作はRot自体が戦うわけではなくて、ケーナの特殊技みたいな扱いだ。全然同じではなくて、本作独自のプレイ感覚だ。

忙しいバトルが面白いけど、体力上限アップやケーナの強さが決まるRotやカルマの数は探索して見つけなければいけないというのも良い。バトル一辺倒というわけではない。

どれかの要素だけが強くなっていなくて、全てが面白くバランス良く上手くまとまってるクオリティがめちゃくちゃ高いゲーム。

やりこみ要素

5.0

上述した住民の手紙配達するやり込み要素はもちろん、攻略に直接関係ないやり込み要素も面白い。

本作の収集要素であるRotの帽子。さまざまな場所で謎解きしたりチャレンジに挑んでRotが被る帽子を見つけていく。

完全にお遊び要素なんだけど、ケーキとか野球帽とかゲームの世界設定とは全然違う帽子が登場するので面白い。

メインストーリーは号泣してしまう場面も多く、重いテーマが描かれているけれど、Rotたちが可愛さやおふざけ要素を一手に引き受けてくれてバランス良くなっている。

Rotは可愛さ爆発してる。愛くるしさの連続爆発。

グラフィック

5.0

自然いっぱいの環境、キャラクターの表情、演出、エフェクト。どこをとっても素晴らしい。

カットシーンは、もうそのまま映画になっちゃう素晴らしさ。

ずっと見惚れてしまうクオリティの高さ。

サウンド

5.0

山奥の村という感じの癒される音楽が多い。

風の音や水の音など、環境音も聞いていて心地いい。プレイ中に思わず「マイナスイオン…」って呟いてしまった。

ケーナの体力上限アップグレードができる場所では瞑想できるんだけど、作業用BGMで流しておきたいくらい。本気の癒し。

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Kena Bridge of Spirits ケーナ 精霊の橋
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