『Sundered』とは

カナダのThunder Lotusによるメトロイドヴァニアゲーム。
Thunder Lotusは、高評価アクションアドベンチャー『Jotun』を手掛けたデベロッパー。
また、全く異なるゲーム性の『Spritfarer』も製作した。
『Sundered』『Jotun』『Spritfarer』と3作品ともゲーム性は違うが、共通しているのは美しい滑らかに動く手描きイラスト調グラフィック。

本作は、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。
私はNintendo Switch版『Sundered: Eldrich Edition』をプレイ。
発売当初の内容から、新たなボスとエリアが追加されている。
あらすじ
主人公はエシという女性の放浪者。
砂漠を彷徨っていたら、全然雰囲気の違う遺跡に入り込んでしまう。


そこで、脳内に直接呼びかけてくるタイプの何か「トラペゾヘドロン」からアドバイスのような嘲りのようなメッセージを得る。
遺跡から脱出できなくなったエシは、トラペゾヘドロンに促されるまま、エスカトンと呼ばれる遺跡を巡っていくこととなる。

遺跡内では、トラペゾヘドロンから遺跡についての脳内講義を受けたり、大量の敵と対峙することになる。
そして、そのうち、彼女は、人間離れした能力を得るようになるが、それと引き換えに人間性を失っていく。

何のこっちゃ、という感じだが。
本作は様々なゲームに登場する、みんな大好き(?)ラブクラフト神話がモチーフになっている。

かなり色濃くラブクラフトしちゃってるので、話は分かりにくい
が、とにかく、不思議な遺跡を旅する女性の物語だ
ちなみに、マルチエンディング!
ゲームの特徴
ほんのりローグライクなメトロイドヴァニア
エシが駆けずり回る遺跡は大きく分けて3つのエリアに分かれている。
それぞれのエリアには、新たに得られるスキル、ミニボス、大ボスの部屋がある。

上述の3つの部屋の位置は決まっているが、その間を繋ぐ道はランダムマップ。
道中のマップ構造が死ぬ度に変化する。

何部屋に分かれるかもランダム
3つのエリアどこから攻めていってもいいけれど、それぞれのエリアで手に入るスキルによって、他のエリアでも進める場所が増えるというメトロイドヴァニアにもなっている。
マップは広大。
もちろん、ショートカットもある。
強くなるエシ
ローグライクと上述したが、死んでもペナルティは特にない。
ただ、拠点であるサンクチュアリに戻されるだけ。

敵を倒したり、ツボなどのオブジェクトを壊すとシャードが手に入る。
死んでもシャードが失われることはない。

死んでサンクチュアリで目覚めると、シャードを使ってスキルツリーを解放することができる。
攻撃力や防御力、体力といったステータスアップが出来る。
これは永続的だ。

また、能力の付け替えも出来て、体力回復アイテム効果上昇やアーマーの回復速度を高めるといった能力を装備することが出来る。
能力にはそれぞれ「防御力ダウン」や「シャード入手率低下」など代償もあるので注意。

滑らかなエシ
エシの基本アクションは、近接攻撃とローリング回避とジャンプ。
壁ジャンプも出来る。

スキルを獲得すると、遠距離攻撃のキャノンや、フックジャンプや空中ダッシュなども出来るようになる。

また、一定回数攻撃を当てていると紫ゲージが溜まり、溜まりきると「絶技」という強力な範囲攻撃を発動できる。

本作では、ジャンプがかなり重要アクションになっている。
ただのジャンプじゃたどり着けなくても、敵を空中で攻撃することで、滞空時間が延び、更に上方へジャンプも出来る。

人間やめる?
ボスを倒すとエルダーシャードが手に入る。
ミニボスの場合はエルダーシャードの欠片で、3つ集めるとエルダーシャード完全体になる。
このエルダーシャードと引き換えにスキルをアップグレード出来る。
その時、本作のストーリーの肝となるエシの人間性を失うことになる。

瞬間移動のようにジャンプ出来たり、滑空出来るようになったり、かなり強力なアップグレードとなっている。


アップグレードされたスキルも多彩なので、人間性失っても使いたくなる!
評価
ストーリー
キャラクター
私は、ラブクラフト神話について全然詳しくない。
ゲームに登場するキャラの名前で見聞きする程度だ。
というわけで、ストーリーは、しっかり理解できない。
全て日本語翻訳されているけど、断片的位しか語られず全体像を把握しにくい。
物語をしっかり描写するシーンは、ほぼない。

とは言っても、ストーリーが分からないと面白くないというゲームではないので問題はない。
脳内に直接ストーリーの講義をされても、「そんな大きい声で話さなくても聞こえるって」くらいに聞き流していた。
でも、1人で黙々と闘うエシのことは応援したくなる。

メトロイドヴァニアゲームにはつきものの「1人で頑張ってて大変そう。がんばれ!がんばれ!」と思う気持ちは、ちゃんと湧いてきた。
グラフィック
音楽・効果音
気味の悪い敵が多いし、絶景と呼べる風景もほぼ無いけれど、始終グラフィックが美しい。
手描きイラスト調が、文字通りヌルヌルに動く。
ゲームスタートして1番最初に感動したのが、このイラストの動く滑らかさ。

そして、ボスは大体巨大なんだけど、そのデザインもキモカッコいい。

ただ、敵を斬った時のザクザク音はややボケていて残念。
もっとズバッズバッとした効果音が良かった。
操作性
UI
エシは、ヌルヌル滑らかに動く。
また、どのスキルもシンプルな操作で発動しやすい。
ジャンプ中に攻撃してフワッと滞空するテクニックを多用するけれど、結構長く浮かんでいてくれる。
全体的に操作は快適でプレイしやすい。

進行のテンポ
難易度バランス
バグの少なさ
ただ歩いているだけでも、ゴングが鳴ると敵の大群が攻めてくる。
そうなると、かなりしっちゃかめっちゃか。
主人公のがいる場所も見えなくなってしまうほど、敵が密集してくる。

一方で敵が来ない時は静寂そのもの。
エシの息遣いのみが聞こえてくる。
この緩急が、緊張感を保ってくれる。
いつゴングが鳴るんだろうとヒヤヒヤする気持ちは消えない。

ただ、エシの成長度は目覚ましい。
スキルツリーによって攻撃力も防御も上がりまくるので、ついさっき苦戦してた敵があっさり一撃で蹴散らせるようになる。
もはや敵の大群はゴリ押しに次ぐゴリ押しで撃破出来るようになってしまう。
呆気ないと言えば、呆気ない。
自由度・戦略性
やり込み要素
やみつき度
どのエリアから、どのくらいずつクリアしていくかは、完全に自由。
ミニボスは必ずしも倒さなくていい。
全部の能力を集めなくてもいい。

スキルのアップグレードも自由。
人間性を大切にするならアクションは難しくなる。
逆に人間性失ってスキルを習得していくと、豊富なアクションが楽しめる。

また、スキルツリーをどんどん解放していけば脳筋プレイし放題。
脳筋プレイ好きとしては、これが本当に気持ち良くて、かなり病みつきになる。
総合評価
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Sundered: Eldritch Edition
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