『Spiritfarer』とは

Thunder Lotus Gamesが製作したシミュレーション要素のあるアドベンチャーゲーム。
ヌルヌル動くメトロイドヴァニア『Sundered』を製作したデベロッパーだ。

『Sundered』はクトゥルフ神話がベースでアクションが気持ちいいゲーム
本作とはかなり違っていて、最初、同じ会社だと気づかなかった
Nintendo Switch、Xbox、PS4、PCでプレイ可能。
私はNintendo Switch版をプレイ。
あらすじ
小舟で目覚めたステラが主人公。
隣には相棒の猫ダフォディル。

え、うっわ!
めちゃくちゃ怪しいローブを被った魔術師がいる。

うわー、目が合ったら、呪いかけられそう。
というわけじゃなくて、その魔術師っぽい人カロンは、スピリットフェアラーという職業らしい。
で、唐突に、「ステラ、君が次のスピリットフェアラーだ。魂を導けー。さらばだー。」と告げて消えてしまう。

ステラとダフォディルに、エバーライトという光る水晶を遺して。

突然、後継者に任命されてしまった。
そして、お次は、元々知り合いだったらしいグウェンと出会う。
グウェンは「ステラが次のスピリットフェアラーね!知ってることを教えてあげるわ」と、ステラ以上に飲み込みが早すぎる。

そして、そこには使われなくなった大きな船も。
何がなんだか分からないけど小舟よりは絶対良いし、勝手に乗り込んで船旅に出ちゃう。

ステラのいる大海原には、グウェンのような迷子の魂がたくさんいるらしい。
その魂を導いてあげるのがスピリットフェアラーのお仕事。

とびきりの笑顔で全てを受け容れるステラ
適応能力の塊で、全然質問したり拒否しない
いい子だ(いいのか?)
ステラは、大海原を航海し、迷える魂たちを船に招いていく。

各々に用意されているイベントをクリアすると
乗客として同行することになる
もちろん、乗船した皆さんをおもてなしするのもステラの仕事。
居心地のいい船に改築して、お食事もお部屋も用意して、あたたかい愛溢れるハグも忘れてはいけない。
この海一番の豪華客船にするぞ!
じゃなくて、迷子の魂たちの願いを叶えて、旅立ちへと導いてあげるのが目的だ。


なんでステラがスピリットフェアラーになのか?
ステラ自身の物語も描かれていく
ゲームの特徴
船の上はシミュレーション
船の上には、畑や製材所など、牧場ゲームでよく見かけるクラフト施設を建設できる。
もちろん建設には資材が必要。

そして建設した施設は、編集モードでいくらでも好きに動かせる。
横だけではなく縦にも積み重ねられて、好きなレイアウトに出来る。

とは言っても、船上のスペースは限られている。
パズルのように上手く空間を使わなくてはならない。
サメのアルバートが運営する造船所に行けば、船の大きさや設備をアップグレードできる。

ここらへんは、牧場ゲームやサンドボックスゲームの感覚と同じ。
大海原を巡る
舵取りもステラのお仕事。
海図から目的の島へ針路を決めたら自動航行。

が、流氷や霧で進めない場所もある
船をアップグレードすると突破可能になる
目的地に着くまでは、好きなことをしていればいい。
畑に水やり、織物や鋳造など色んなクラフトをしたり、釣りもできる。

ギター弾いて音楽を聴かせると早く育つ
島に着いたら、買い物や住人たちと会話したり。
もちろん、資源の採集も忘れては行けない。


タイミングよくボタンを押すと
より効率的に資源を手に入れることが出来る
島以外でも、海に浮かぶ木箱からアイテムを入手したり、嵐のなかで雷を瓶詰めしたりなど。

アイテムと通過であるグリムが手に入る
資源のやりくりも牧場系ゲームやサンドボックスゲームと同じ感覚。

祠にお供えすると
2段ジャンプや滑空といったスキルが手に入る
乗船客のご機嫌と別れの時
乗船客たちは、部屋の内装や食べ物の好みがある。

彼ら専用の部屋を作って、更に内装も好みのものにしたり、好物の料理を作ってあげたり。
彼らからの依頼も叶えてあげる。

乗客たちの気分は変動するけれど、おもてなしが上手くいってゴキゲン状態だと、ステラのお手伝いをしてくれる。
それぞれがお買い物したり資源を採集してクラフトしたものをプレゼントしてくれる。
そして、それぞれの思いが遂げられた時、彼らは旅立ちを決意する。
エバードアと呼ばれる場所を共に訪れ、「あちら側」へ旅立つのを見守る。

彼らが旅立つと不思議空間に飛び、ステラは何かを思い出す。
乗客を見送るとメインストーリーが進んでいくというわけだ。

一体何者なのか
評価
迷える魂の想いを叶えて、旅立つ決意をするお手伝い。
もう、コンセプトだけで最高。
とんでもなく優しくて、とびきり切ない物語。
それぞれの思い、お別れの時、とにかく感動続きでずっと泣いてる。

そんな感動の物語だけど、ステラは笑顔いっぱいで、元気いっぱい飛び跳ねたり表情も豊か。
見ているだけで笑顔になってしまう。
乗客たちは、それぞれ個性が強いものの「あー、こういう人いるよな」って思う。
で、お別れしたくなくなるくらい大好きになる
何をするのも挙動が滑らかで操作していて気持ちいい。
クラフトや資材採取時にちょっとしたアクション要素があるけど、ただタイミング良くボタンを押すくらいで、シンプル。
大海原を漂っていれば、普通に資源が集まってアップグレード出来るし、普通にお金も貯まる。
あくまでも、アドベンチャーゲームの難易度になっていて、クラフトに時間や手間がかかりすぎることがない。

ただ、NPCに話しかけるつもりだったのに、すぐそばの部屋に入ってしまうなど、対象が分かりにくくなる時がある。
プレイ中に、ごくたまにだけど、エラーが起きることがある。
全体的には安定してるけど、感動シーンの途中でのクラッシュは心臓に悪い。
シミュレーションの部分は特に目新しいわけではないんだけど、クラフトや資源採集にアクション要素が入ってて退屈しない。
乗客は、気分が刻々と変動したり、同じ料理は続けて受け取らない。
おもてなしが作業となってこないのも良いポイント。
あと、ハグがやっぱり最高。
ハグも続けては出来ないので、ハグタイミングを見計らうのも楽しい。
ハグしたい、ハグしたい。
サブクエストもあってボリュームたっぷり。

本作に興味持ったきっかけはグラフィック。
で、やっぱり最高。
手描きイラスト調(バンドデシネっぽい)のあたたかみのあるグラフィックが滑らかに動く。
キャラクターのデザインが最高で、背景も美しくて、どこもかしこも良い!
特にステラが乗客たちをハグした時のそれぞれのリアクションが素敵すぎ。
プレイしてるこっちまで愛が溢れてくる。
