レビュー【Super Fantasy Kingdom】国破れて山河と道あり | 国を作り防衛するローグライトストラテジーゲーム

国を作って守る都市運営とリアルタイムストラテジーの面白さも世界の探索も楽しめる、永続要素が魅力的なローグライクストラテジーゲーム『Super Fantasy Kingdom』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 目覚めては国が滅び、滅んでは目覚める王様が世界の謎を解明していく物語
- 攻略
- 国を拡充しつつ防衛し、遠征して開示された場所はそのまま残るローグライトゲーム
- 評価
- 管理の面白さだけでなく、世界が明らかになっていくワクワクと戦略が広がっていくのが楽しくて繰り返しプレイしたくなる
Super Fantasy Kingdomの概要
| タイトル | Super Fantasy Kingdom |
|---|---|
| 開発元 | Super Fantasy Games |
| 販売元 | Hooded Horse |
| 発売日 | 2025年10月24日早期アクセス開始 |
| 対応機種 | PC |
| ジャンル | ローグライク, ストラテジー, シミュレーション |
| シリーズ | 新規IP |
| プレイ機種 | PC早期アクセス版(キーボード+マウス使用) |
Super Fantasy Kingdomのストーリー
無限ループ王様

本作の主人公は王様。
立派な王冠を頭に乗せているが、肝心の王国は滅んでいる。
どうやら王様が外出している合間に国が滅んだという設定らしいけれど、この国の滅亡は何度も繰り返されることになる。
「国が滅んでる!」「復興しよう」となるわけだけど、建て直していると魔物が国を襲ってきて再び国は滅んでしまうのだ。
「滅亡してしまった」と嘆き目の前が真っ暗になるけれど、王様は再び目覚め、また滅んだ国を建て直し始めるのだ。
しかし王様の記憶はリセットされるわけではなく、「また滅んだ」「またまた滅んだ」という無限ループを不思議に思いながら建国を繰り返す。
そんな王様が本作の主人公だ。
雲の先に何があるのか

一方で王国の外はというと、雲がかかっており何があるのか何が起こっているのかも分からない。
時折、訳知り顔な魔術師や剣士が王国を訪ねて来るけれど、王様の身にそして世界に何が起こっているか教えてくれはしない。
分厚い雲を払ってみると、頼もしい戦士たちや事件が起こっている町も姿を現す。
しかし、魔物たちは雲のさらに奥からやってくる。
この雲の果てには滅亡ループを断ち切る手立てがあるのだろうか。
王国が何度滅ぼうとも、王様は真実と王国の平和を追い求め、雲をかき分け進んでいく。
Super Fantasy Kingdomの攻略情報
国が滅んでも世界はそのまま

本作は王国を再建しながら毎日攻めてくるモンスターを撃退して無事に1日を終えるというサイクルを繰り返すローグライクなリアルタイムストラテジーゲーム。
敵が城壁を超えて王国に流れ込んでくるとゲームオーバーとなり、新たなランではまたイチから国作りを始めなければならない。
しかし、王国再建と拠点防衛に勤しみつつも、雲に隠されてる王国の周辺地域から更に遠くへと道を伸ばしていくことができる。
道を伸ばすと一定範囲の雲が消え、町や味方になってくれる戦士の拠点が見つかる。
そして、本作の世界はランダムマップではなく、ゲームオーバーになったとしても伸ばした道は残り、明らかにした町や施設は開示されたままとなる。
つまり、プレイすればするほど見える世界が広がり、利用できる施設や戦士も増えていくというわけだ。
道が本作の永続要素となるわけだけど、場所ごとに一定数の「栄光」を持っている状態でないと道の延伸はできない。
栄光は1日を終えた際に獲得でき、ラン中は加算されていく。
しかし、ゲームオーバーになるとまた栄光が0の状態から始めなければならないので、より長く生き延びなければ先へ先へと道の延伸はできないということだ。
王国作り

王国では、伐採場や小麦畑など様々な生産施設を建てることができる。
さらに国民の住宅を建てて労働者を増やし各施設に割り当てないと、木材や岩など資源は生産されない。
街づくりシミュレーションゲームの要領だ。
住民は割り当てられた仕事を一定時間ごとに自動で行い、出来上がった資源が城に運ばれることではじめて使用可能となる。
また、住民からは一定時間ごとに税金を得ることもできる。
ただし、新たな施設を建築する際には板など特定の資源が必要となるのはもちろん、国内の建設可能なスペースにしか建てられない。
スペースは上述もした栄光によって増やしていくことができる。
また、城を修理すると資源の保管可能量や税金の徴収間隔のアップグレード、城壁の建設などが可能となる。
あっちでもこっちでも資源も加工品も必要になるためやりくりが大事だ。
食事で強くなる戦士

王国を再建するのと同時に、毎日外から大量のモンスターが攻めてくる。
ゲーム内時間は自動的に進むけれど、夜になろうとも全敵を倒さないと1日を終えることはできない(国民の方は夜になると仕事を終える)。
城門の前には戦士(ユニット)を配置することができ、彼らは各々の特性や武器を活かして城に近づいてくる魔物を自動的に攻撃してくれる。
ここはタワーディフェンスなリアルタイムストラテジーだ。
戦士はたまに城を訪ねてくる魔術師などから購入したり、周辺地域にある各戦士が住む拠点へ資源を提供することで仲間になってもらうことができる。
戦士は全敵を倒し終わると王国の酒場で食事をする。
ここで提供した食事によって戦士ごとに経験値を獲得して強くなる。
高度な生産設備で作れる料理ほど獲得経験値は大きくなる。
また、戦士ごとに特定の資源を渡すことで新たなスキルをアンロックすることもできる。
王国の資源や生産設備は、戦士を強くするためにも必須となるわけだ。
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Super Fantasy Kingdomのレビュー
物語: 世界を探索するとRPG的なことが起こる

本作の物語描写は軽めだ。
王様は毎回「また滅んでしまった」と言いつつも、国を訪れてくる者には意外と強気でなかなか楽観的な受け答えをする。
そうした二言三言くらいの会話でしか物語は描かれない。
それでも世界を探索すると様々なクエストやイベントが発生し、「町を助けて欲しい」とか「金を払え」と言われたり、思わせぶりなセリフばかり吐く戦士や人間以外の種族も多く、ファンタジーRPGをプレイしている気分を味わえる。
仲間になる戦士たちとの会話がないのは少し寂しいけれど、酒場では質素な食事に不満顔を見せたりする。
また、ボスを倒した夜は花火が打ち上がり酒場がパーティー状態なクラブと化すのが面白い。
レトロなRPGをプレイしたことがある人ほどクスッと笑ってしまうネタもちょこちょこと仕込まれており、陽気な雰囲気のゲームだ。
操作性: マウスだけで簡単操作

キーボード+マウスでもゲームパッドでもプレイできるけれど、実際のところほとんどマウスのみでプレイしていた。
それで十分な操作くらいしか登場しない。
建築のための必要物資や各施設がどんな機能を持っているかなどの説明をパッと参照できるのが便利で、建築物やユニットの種類は豊富だけどそれぞれ理解しやすい。
実際に何人がどの仕事に稼働しているかなど王国内の状況を一覧で確認したいなどUIへの細かな希望はあるけれど、概ねストレスなく分かりやすくプレイできる。
ちなみに一時停止も早送りもできるけれど、通常スピードでも早すぎとも遅すぎとも感じないちょうどいいゲーム内時間の進み具合となっている。
難易度: 確実にできることが増えていく

本作はローグライクゲームではあるけれど、世界の開示した内容はそのままだったり、イベントやサブクエストを完了した進行度も引き継がれる。
さらにバトルやクエストの報酬で手に入るクリスタルによってラン開始時の保有資源数や利用できるお店などが増える。
というわけでプレイするほどゲームが進行し、国も拡充しやすくゲームオーバーしにくくなっていく。
しかし、ぬるいわけではない。
戦士は毎回仲間にするところから始めなければならないし、各資源の生産にかかる時間はゆっくりめ。
その一方で労働者を増やすコストはどんどん増えていくので、生産設備を作ってもガツガツ稼働はできない。
さらに資源にも土地にも限りがあるため無計画に使いまくることもできない。
プレイするごとにゲームは進行していくけれど、日を追うごとに敵の数はもりもり増え、戦士を増やせても高級料理をドカドカ作れるわけではなく、簡単にクリアできてしまうようなことにはならない。
確実に毎回やりくりと効率的な管理能力がちゃんと求められるよう良い難易度が保たれている。
システム: 建築寄りな永続強化が面白い

戦士や初期装備の種類が増えていく
拠点建築と防衛の合わせ技、この部分はよくあるタイプであり馴染みやすく楽しい。
そこに、世界の探索状況が引き継がれるRPGのような要素や、資源を持った状態で開始できるなど拠点建築寄りの永続要素が本作の面白いところ。
ありそうで意外とない組み合わせとなっており、各ジャンルの面白いところが上手くブレンドされている。
探索が進めば仲間にできるユニットの選択肢が広がり、最初から資源があれば異なる国作り計画もできるので、永続要素が増えるほど戦略を変えられるのも楽しい。
「雲を晴らすと次は何があるんだろう」というワクワク感も、またプレイしたいというやる気を刺激してくれる。
また、戦士がバトルではなく食事で強くなるのも新鮮で面白い。
良い食事を用意するにも国を拡充しなければならない。
要素が多いからといってゲームプレイがあちこちに散っておらず、国作りを中心に据えたゲームとしてまとまっている好感度が高いゲームだ。
芸術性: レトロなピクセルアート

本作は、パッと見ると「昔のゲーム?」と思ってしまうレトロなピクセルアートで描かれる。
これがファンタジーRPGをやっている気分を高めてくれる仕掛けにもなっている。
昔のRPGのワールドマップで遊んでいるような見た目だ。
住民たちは割り当てられた生産設備に合わせて見た目が変わり、戦士たちも特性によって見た目がちゃんと異なる。
そして、敵の数が大量になるのも本作の見どころの1つ。
敵のウジャウジャぶりを眺めるのが楽しい(味方の戦士を応援するべきだけど)。
ゲーム性は異なるけれど、城門の前では『Vampire Survivors』を観戦しているような感覚になる。
BGMもレトロゲームな雰囲気満点。
そしてカメラの位置によってBGMが変わるのも面白いところ。
画面の中央を王国に合わせているとのどかな中世ファンタジー風BGMが流れているけれど、カメラを城門の方に動かしていくと熾烈なバトル曲が流れている。
この変わりぶりが面白くて、無駄にカメラを行ったり来たりさせたくなる。
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Super Fantasy Kingdomの総合評価
Super Fantasy Kingdom

総合評価
見える世界が広がり資源が増えていく永続要素が面白い、拠点建築と防衛もRPGのような探索も楽しめるローグライクストラテジーゲーム。食事で戦士が強くなるシステムも面白く、様々な要素が上手くブレンドされていて繰り返しプレイしたくなる。
長所と短所
良いところ
-
引き継がれる要素が面白い
-
絶妙なバランスで管理を楽しめるリアルタイムストラテジー
-
笑えるネタも仕込まれたレトロな雰囲気
残念なところ
-
物語描写は軽め
こんな人におすすめ!
おすすめな人
-
管理を楽しむシミュレーションやストラテジーが好き
-
レトロゲームの雰囲気が好き
-
着実に進行できるローグライトゲームを探している
おすすめではない人
-
永続要素は控えめでいい、もしくはいらない
-
現代的なグラフィックや派手な演出を求めている
-
自ら敵を攻撃したい
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Cataclismo
拠点建築と防衛を楽しめる高評価ストラテジーゲーム。
砦や壁をブロックで自由に建築でき、物理演算に沿って崩れるのが特徴。
人類存亡の危機がかかった物語も楽しめる。

Against the Storm
様々な地に街を作り、軌道に乗せていく高評価ローグライクシミュレーションゲーム。
女王からの命令に対応しつつ、種族によって異なる得意分野を活かして仕事を割り振る都市運営も楽しめる。














