『The Last Campfire』とは

Hello Gamesが製作したパズルアドベンチャー。
Hello Gamesといえば、死ぬまで遊び尽くせない『No Man’s Sky』を製作しているスタジオだ。

本作は、死ぬまでにちゃんと遊び尽くせる
PS4、Nintendo Switch、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。
私はApple Arcade版をプレイ。
あらすじ
エンバー族という頭から足元までスッポリと頭巾を被った不思議な生物。
そんなエンバー達数人が不思議な遺跡を進んでいる。

エンバー族に希望の光を取り戻すために旅しているらしい。
ところが、既に遅れをとっていた赤い頭巾のエンバーが、飛んできた鳥に夢中になっていると、遂に仲間からはぐれてしまう。

やっばーい!仲間の元に戻らなきゃ!

…というストーリーではない。
なぜか、その赤エンバーに起こされた青エンバーを操作することになる。

青エンバーは自然と自分の使命を分かっているのか、不思議な遺跡にいる希望を失って抜け殻のようになった他の仲間を助けたい!と立ち上がる。

仲間たちを助けながら、遺跡の各所にあるキャンプファイヤーに希望の火を灯し、故郷に想いを馳せる。
みんなを助けて、この不思議な遺跡を抜け出し、故郷に戻ることが出来るのか。

ていうか、赤エンバーが遠くからこっちをチラチラ覗き見てるんですけど!
あいつは一体?

なぜエンバー族は希望を失い遺跡から抜け出せなくなったのか?
そして、彼らの行末はどうなるのか?
ゲームの特徴
謎解きで魂の解放
主人公は、不思議な遺跡を進んでいく。
各地には、希望を失い魂が抜けたような、考えることをやめた状態のエンバーたち(「フォーローン」と呼ばれる)がいる。

石像化してしまっているフォーローンに触れると、謎解き空間へ吹っ飛ぶ。
恐らく、彼らの脳内もしくは心の中だ。

スタート地点から、青い炎(これが各エンバーの希望)に到達すればゴール。
固まっていたエンバーが目覚める。
救出完了!というわけだ。
遺跡はいくつかのエリアに分かれていて、各エリアには大きなキャンプファイヤーがある。
助けたエンバー達は、このキャンプファイヤーに集まって行儀良く座ることになる。

エリア内のエンバーを全てを助けると、キャンプファイヤーが完全な炎になる。
ちなみに、全てのエンバーを救出できていなくても、炎の神様的な図体のでかい霊にお願いすると次のエリアに進むことも可能。
もちろん戻ってくることもできるので進め方は自由。

ホルンで操る
上述した抜け殻エンバーを助けるパズル空間での謎解きや遺跡内の探索中には、アイテムを持ち運んでギミックを起動する。
アイテムには、カバンに入れて持ち歩くものとヨイショと抱えて持ち運ぶアイテムがある。
抱えるタイプのものを持っている時は、もちろん他のアクションが出来なくなる。

そして、持ち運ぶ以外に地形を動かす方法がある。
それは、ホルン(角笛)だ。
ホルンを吹くと、金ピカに光っているブロックを動かすことが出来る。

サイコロのようにゴロリゴロリと転がって動く
更には、壁に設置された梯子さえ、壁からバリィッと引き剥がして移動させることが出来てしまう。

評価
それぞれの希望を失ったエンバー達のエピソードは、人間が希望を失うきっかけになりそうな内容が描かれている。
それをただ「みんなを助けたい」とひたむきに頑張る主人公。
ジーンとくるあたたかいストーリー。

で、何よりも1番の魅力は、エンバーが可愛すぎること。
仕草がいちいち可愛い。
もう、これだけでプレイする価値がある。
パズルの種類が豊富。
だけど、考え込んでしまうことは、ほぼ無い。
ゲーム全体のボリュームが少なめなので、もう少しパズルで悩みたかった。
操作性は全く問題ないんだけど、狭間から抜け出せなくなったり、なぜかブロックの上に登れてしまうなど、ゲーム自体を終了しないと進めないバグがあった。
あと、各所で見つかる日記の日本語訳が、ボイスで流れる英語の内容とかなり違うのが気になった。
日本語は自然で物語とも合ってるんだけど、内容が変わってる。

すごく目新しいパズルというわけではない。
でも、パズルのゴールがエンバーの希望になっていて炎を灯すっていう流れは、物語にパズルがちゃんと落とし込まれていて良い。
物語ぶつ切りで突如パズルだけ解かされるって感じがしない。

やり込み要素としては、誰かが書いた日記の切れ端を探していくというもので、ちょっと分かりにくい場所に隠れている。
とは言っても、集めるのはそんなに難しくはない。
どれだけエンバーを助けられるか、どれだけ日記を集められるか、どちらも楽にやり込める。
すべてが癒し。