『Turnip Boy Robs a Bank』レビュー: 今度は銀行強盗カブボーイ
虫も殺さぬ可愛い顔したカブボーイが、脱税に続いて更なる犯罪に手を染めるローグライト『Turnip Boy Robs a Bank』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Turnip Boy Robs a Bank製品情報
タイトル | Turnip Boy Robs a Bank |
---|---|
開発元 | Snoozy Kazoo |
対応機種 | Xbox, PC |
ジャンル | アクション, ローグライク, アドベンチャー, |
シリーズ | Turnip Boy |
本作は、『Turnip Boy Commits Tax Evasion カブボーイの冒険 税金払うなんてイヤだ!』の続編にあたる。
そんなに複雑な話ではないけれど、物語は前作から繋がっている。本作から楽しむこともできるけれど、最大限物語要素を味わうなら前作からプレイしておいた方が良い(ゲーム内で前作のおさらいはしてくれる)。
本稿は、Xbox向け英語版をプレイした際のレビューを行なっているけれど、現在は、日本語版が配信されている。
Turnip Boy Robs a Bankの攻略
ストーリー
スカウトされたカブボーイ
大激戦が終わった。前作最後に闇堕ちしたオニオン村長との壮大な戦いで完全燃焼し、もはや焼き野菜にになりかけていたカブボーイ。
そこに、とある人物(野菜)が近づいてきた。
ピクルスだ。ピクルスギャングのボスであるディリティーニがカブボーイに声をかけてきたのだ。彼は「これまでのことは全て水に流し、共に一攫千金を狙おうではないか!」とカブボーイに持ちかける。
どうやらピクルス親分はカブボーイを仲間に引き入れたいらしい。
表情からは全く真意が読み取れないカブボーイは何を思ったのか(何も考えていないのか)、そのままピクルス親分についていった。
再び犯罪に手を染めるカブボーイ
そもそもカブとピクルスは、一体どういう知り合いなのか。
前作の内容をざっくり書くと、ことの発端は、カブボーイの脱税だ。その罰として、カブボーイは悪どいオニオン村長にこき使われていた。
村長の雑用をこなす道中で、カブボーイは、漬物としては正しい姿だったと言える瓶詰め状態のピクルス親分を助け出してあげた。これが野菜同士の出会いだ。
また、カブボーイは、前作の冒険を通して世界の真実と自身が今は亡き最強マフィア一家の息子であることも知った。
実はカブボーイの父とピクルス親分はライバル関係だったけれど、その過去は気にせず手を組もうというわけだ。
こうしてカブボーイは脱税だけでは飽き足らず、ピクルス親分と共に更なる悪事に手を染めていくことになる。
ボタニカル銀行の謎
さて、ピクルス親分が企てている悪い金稼ぎ計画は、とても分かりやすいものだ。
シンプルに銀行強盗でお金を奪うというもの。標的はBotanical Bank ボタニカル銀行。
カブボーイは、銃火器を手にし(厳密にはカブボーイに手はないけれど)、何度も何度もボタニカル銀行に押し入っていく。
何度押し入って大暴れしても、銀行内は毎回修復されているし、エレベーターの行き先もランダムだし、一向に客足も減らないボタニカル銀行。
なんだか普通の銀行ではなさそうだ。そう、実はこの銀行には秘密がある…らしい。
カブボーイは金品を強奪しながら、銀行の奥へと足を踏み入れていく(足はちゃんとある)。
攻略のポイント
銀行強盗を繰り返すローグライト
本作は、拠点であるピクルスギャングのアジトからボタニカル銀行に出かけて、お金を奪って帰ってくるという流れを繰り返すローグライト要素のあるアクションゲームだ。
銀行内部のエリア配置は同じだけど、各所にあるエレベーターが到着する部屋はランダムで、敵や金品の配置がほんのり毎回異なっている。
カブボーイはやりたい放題できるわけではない。まず、銀行に入場(トラックで壁を突き破って入る)した途端。タイマーが作動する。タイマーがゼロになると、銀行内に警報が鳴り響き、警備員達が大量に無限湧きするようになる。
タイマーが鳴る前でも鳴った後でもトラックに戻ることができれば、奪ったお金を持ち帰ることができる。
しかし、途中で力尽きてしまったら、獲得したお金の一部は没収されてしまう。
カブボーイの銃火器
カブボーイはいつでも持ち替え可能な2種類の武器を装備して、警備員たちを攻撃することができる。
近接武器や遠距離武器など、さまざまな種類(ふざけた武器もあり)の武器が登場する。
敵が落とした武器も拾って装備ができて、そのまま拠点に持ち帰ると敵の武器はリサイクルに出すことが出来る。
このリサイクルを一定回数行うと、新たな武器がアンロックされる。
敵となるのは銀行の警備員たちだけど、銀行内にはお客さんや何故か住人までいる。敵ではないキャラは、脅してお金をぶんどることが出来る。凶暴なカブだ。
極悪化するカブボーイ
拠点であるアジトでは様々なことが出来る。
ゲームの進行に必要になるのが、Dark Webで買える爆弾などの道具。
道具によって金庫が開けられるようになったり、銅像を壊せるようになり、更に金品を盗むことが出来るようになる。
また、そうした道具によってボタニカル銀行の新たなエリアに進むことが出来るようにもなる。
更に、カブボーイの体力などをアップグレードしたり、銀行で悪事を働く制限時間でもあるタイマーの時間を延長することも出来る。
これらは、銀行で盗んだお金を元手にして購入することになり、ローグライトゲームとしての永続要素にあたる。
カブより図太い野菜
上述した通り、銀行内には敵以外のキャラもいて、何故かカブボーイに頼み事をしてくる。サブクエストだ。
アイテムを見つけたり、写真を撮ったり、様々なお願い事を受けることになる。
報酬としてはカブボーイの帽子が貰えることが多い。
この帽子には凄いステータス効果がある…わけではなく、単なるファッションだ。
記事はさらに下に続きます
Turnip Boy Robs a Banksの評価と感想
物語の面白さ
強盗に入った銀行には、実は意外な秘密が隠されていた。という、先が気になると言えば気になるようなメインストーリーがある。
とはいっても、本作はとにかく笑えるのが1番の魅力。
グラフィックの可愛さに騙されてはいけない。ブラックジョークだらけだ。
しかも、見た目がこの可愛さだからこそ、余計に面白い。ギャップを活かしまくっている。
あまり深くは考えずにクスクス笑いながらプレイするのがおすすめ。
キャラクターの魅力
カブボーイにセリフはない。「!」とか「?」といった表示だけ。相当失礼なことを言われたり、NPCから衝撃の告白を受けてもセリフはない。
カブボーイが何を考えているのかが、物語の結末よりも1番気になるところ。
NPC達も可愛らしい一頭身野菜ばかりだけど、セリフの内容はシリアスだったり、ぶっ飛んだジョークだったり、世相を皮肉ったものなど、個性豊かだ。
「え、銃火器振り回してるカブに、なんでそんなこと頼む?」というサブクエストがたくさん用意されているので、NPCに話しかけるのが本作の楽しさの1つにもなっている。
操作の快適さ
操作性や挙動は、大味でカジュアルな印象。
当たり判定は甘めで、武器の違いによる細かな挙動の変化があるわけでもない。
でも、本作はサクサクッと気軽にプレイ出来るのが魅力なので、特に不満に思うこともない。
一応回避もあるけれど、ドテッとつまずく動作であり、そもそもハイペースでキビキビしたゲームとしては作られていない。
UIは見やすく、全てが分かりやすい。難しいシステムや複雑さはなく、とっつきやすいゲームだ。
難易度バランス
難易度は、2段階から選択できる。私はデフォルト設定でプレイ。
ローグライトとはいっても、お金は着実に溜まっていくし、マップのランダムさもあまりなく、サクサクとゲームを進行できる難易度だ。
ボス戦もあるけれど、使いやすい銃が手に入れば遠くから連射で乱射な攻撃が出来るため攻略しやすい。
というわけで、行手を阻むのは敵ではなく、時間制限とバッグの大きさだ。
奪ったお金をバッグに入っていくけれど容量に上限があるので、一気に多額のお金を持ち帰れない(容量のアップグレードは可能)。
時間とバッグによって必ず繰り返しプレイしなければならないようになっており、カジュアルとはいえ適度な難易度、というか面倒くささが保たれている。
ゲームシステムの面白さ
ローグライトゲームとは、ローグライクゲームに永続的な強化や成長など加わっていて、本気のローグライクゲームよりは攻略しやすいことが多い。
で、本作はそのローグライトの更なるライトといったところ。
もはやローグライトというより、ほんのり新鮮さが続くアクションアドベンチャーゲームといった方がいいかもしれない。
しかし、突拍子のないサブクエストや笑える多彩な武器種、お金がガツガツ溜まっていくペースが気持ち良くて、カジュアルだからといって中弛みしないようになっている。
気軽に笑いながらサクッと楽しめると同時に意外と攻めてくるボスや衝撃展開とブラックジョークにピリッとしながら楽しめるゲームだ。
まさに、カブの味。
やりこみ要素の楽しさ
サブクエストの攻略が1番分かりやすいやり込み要素であり、本作の大部分を占めている。
様々なネタがぶっ込まれているので、とりあえずサブクエストを受注するだけでも楽しい。簡単なものから、結構面倒くさいものまである。
そして報酬である帽子。
カブボーイを可愛く盛ることが出来る帽子ばかりだけど、画面におさまりきらないほど縦に長い帽子など、かなり笑える帽子が登場する。
縦に長すぎて、もはやプレイの邪魔だけど、楽しい。
グラフィックの芸術性
シンプルで可愛く優しい印象のピクセルアートグラフィックで描かれている。グラフィックだけ見たら、メルヘンな野菜ワールドに見えるだろう。
可愛い雰囲気に騙されたつもりでプレイすると、本当に騙された気分が味わえる。本気で可愛いゲームを期待している場合は注意。
ただ、禍々しい場所があったり、銀行内とはとても思えない風景も楽しめる。
サウンドの魅力
にぎやかで明るい曲調のBGMが多くて、耳からも楽しい。
ただ、サウンド面でもギャップが売りになっているので、世界大戦ゲームでも始まったのかと思うくらい深刻で壮大な曲が流れることもある。
また、体力を回復できるハートを拾うとかなりリアルなゲップの音が鳴るなど、いちいち笑わせてくるので、効果音も聞き逃せない。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
Turnip Boy Robs a Bankレビューのまとめ
おすすめな人
- 気軽にゲームを楽しみたい
- ブラックジョーク含め笑えるゲームが好き
- 前作でカブに魅了された
おすすめではない人
- 本気のローグライクを期待している
- 繰り返しプレイに飽きやすい
- 日本語でプレイしたい
総合評価良いところ&残念なところ
- 見た目と内容のギャップなど笑えるジョーク満載
- サクサク攻略できるローグライトが楽しめる
- サブクエストが豊富
- ジョークが楽しめないと本作の面白さが大幅に減る
- ローグライクならではの厳しさはほぼ味わえない
Turnip Boy Robs a Bankが好きならおすすめゲーム
関連ゲーム
Turnip Boy Commits Tax Evasion
脱税から始まった本作へと至るカブボーイの物語が描かれるアクションアドベンチャーゲーム。
カジュアルなバトルとほんのり謎解きもあり、こちらもサクサクと攻略できるジョーク満載ゲーム。
なぜ野菜が動いているのかという驚愕の真実も知ることができる。
似ているゲーム
Mr. Sun’s Hatbox
ゆるい雰囲気のローグライトゲームなら、こちらもおすすめ。
強盗団から帽子を取り返しつつ、犯人達を部下にしたり拠点拡張もできる。カジュアルさがありつつも、しっかりやり込めるゲーム。
様々な帽子が登場し、こちらの帽子は異なる効果を発揮してくれる。
Going Under
ジョーク満載のローグライトゲームなら、こちらもおすすめ。
ベンチャー企業に就職した新人が、なぜか地下で社畜達と戦うローグライクアクションゲーム。
IT系企業への皮肉や、オフィス用品をもとにした面白い武器が登場する。
Turnip Boy Robs a Bank
© 2023 Snoozy Kazoo
https://snoozykazoo.com/games/turnip-boy-robs-a-bank
ローグライクゲームをもっと見る