『和階堂真の事件簿 影法師の足』レビュー: やっちまったんですか?和階堂さん!
『和階堂真の事件簿 影法師の足』とは、スカシウマラボが製作したポイント&クリックゲームであり、推理ゲーム。
『和階堂真の事件簿』はシリーズ作で、過去2作が配信されている。物語はそれぞれで完結しているので、本作含めどれからプレイしても問題ない。
本作は、Nintendo Switch、Android、iOS、PCでプレイ可能で、私はiPhone版をプレイ。Nintendo SwitchとPCでは『和階堂真の事件簿 TRILOGY DELUXE』として発売されており、シリーズ全作が収録されている。
『和階堂真の事件簿 影法師の足』とはどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。
あらすじStory
殺人犯!?
まさかのシーンから物語は始まる。
主人公の和階堂真(わかいどう まこと)が暗闇の中に立っている。その横には死体。そして、和階堂の手にはナイフと血がベッタリ。どう見ても彼が犯人だ。
でも、和階堂自身には身に覚えがない、というか、記憶そのものがない。
ことの始まり
そこから、キュルキュルキュルと時間は巻き戻る。
人身売買を行なっているデモンズシャドウという物騒な組織。
和階堂がその組織の犯罪を暴く!のではなく、その幹部が次々と殺されていく事件が発生していた。
刑事である和階堂は、その捜査に協力するため事件現場へと来たはずだった。
それなのに、冒頭の殺人を犯してしまった!?
無実なのか?
いやいやいや、そんなわけないでしょ。だって、主人公だし。殺人犯なわけがない。
というわけで、身の潔白を晴らすために、残された手がかりとおぼろげな自分の記憶で事件解決を目指すことに。
でも、推理が進めば進むほど、あれ?あれれ?
ゲームの特徴Features
現場が刑事の基本
本作はポイント&クリックゲームなので、まずは画面内をタップして手がかりを探す。
とは言っても、調べられる場所や話せる人物は数カ所だけ。
対象をタップすると表示される選択肢を選んで、より詳しく見たり、相手に質問したりして、手がかり得る。手がかりはメモに書き込まれていく。
何かが見つかったり新情報を聞き出せると、同じ対象をタップした場合でも選択肢が増えていく。
話題は1つずつ
上述した通り、新たな手がかりが明らかになるたびに選択肢は増えるけれど、自動で追加されない場合も多い。関係者は、そんな簡単にペラペラと情報を喋ってくれるわけじゃない。
そんな時は、手がかりを書き込んだメモから、「これを聞こう!」という話題(手がかり)をセットする。
その状態で特定の人物に話しかけると、その話題に対しての選択肢が表示される。
さまざまな手がかりをセットして、いろんな人に話しかける、というのを繰り返して、更に手がかりを集めていく。
推理の時間だ
物語は、いくつかの章に分かれている。
章ごとに決められた数の手がかりを発見出来たら、「推理する」ことができる。
恐らく和階堂の脳内と思われる空間で、「ーーーとは、何だったか?」みたいなクイズが出される。
で、その答えに当たる手がかりをメモから選択する。全てに正解すれば、次の章に進むことが出来る。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
まさかの「容疑者は和階堂真」からのスタート。いや、彼が犯人なわけはない。
でも、そう思っているのは私だけ。ゲーム内のみんなは和階堂が犯人だと裏付けてくる。
和階堂、ピーンチ!というわけで、良いハラハラ感。先が気になる!
だけど、途中からは「ハッハーン、分かっちゃった」となる。手がかりを得ながら推理していくわけなので、自ずと分かってくる。
が、最後に実はもう1つ捻りがあって、「一本取られたぜ!」と気持ち良く騙された。
キャラクターの魅力
4.0
私は、過去2作に続き本作もプレイしてるくらいなので和階堂刑事のことを気に入ってるのは確か。
決して走らないし、常に淡々とした口調。
「そうだったのか!」と私が驚いていても、画面内の和階堂さんは「ふむ…」みたいな感じ。頼もしい。
しかし、本作では冒頭から和階堂さんは記憶なくしすぎて動揺しまくり。和階堂さんには悪いけれど、新鮮で余計に面白かった。
操作性
4.5
操作は全てタップのみ。ドラッグもスワイプもなし。めちゃくちゃシンプル。操作しやすい。
タップした地点に主人公が自動で歩いて行ってくれるし、選択肢は選びやすい大きさ表示されるし、スマホ向けのアプリとして親切に作られている。
難易度バランス
3.0
メモに全て書かれている。
メモで手がかりを選択すると、その手がかりについて誰に訊けるかまで表示される。
推理パートでも、メモをよく読めば全て書かれている。かなり気楽にプレイできる。
逆に悪い意味でもメモ通り。
推理パートでは、質問に対して物語上間違ってはいない回答を選択してもミスになってしまう。メモに書かれている通りの文章を選ばなければならない。
ゲームシステム
4.0
特に目新しいシステムがあるわけではなく、タップしながら着々と進めていくのみ。
「物語が全て」なゲーム。
本作は無料でプレイできて、過去作と同じく推理パートで間違った時に動画広告が流れる。これは本当に良いシステムだと思う。
広告が悪いというわけではなくて、突然ハデな音楽が流れて「さあ!今すぐダウンロード!」とかバァーンと表示されると、一気に現実に戻ってしまう。
本作は落ち着いた雰囲気なので、それが変に崩されないのは嬉しい。
やりこみ要素
3.0
公式も「1時間で」と説明しているくらいなので、ゲームボリュームは少ない。本当に1時間くらいで終わる。
でも、物足りなさは感じないし、過不足なし。
寄り道ややり込み要素も特になし。推理ものの短編小説を読んだ感覚。
グラフィック
4.5
そもそも和階堂シリーズをプレイしたきっかけは素敵なピクセルアートグラフィック。
本作でもシンプルだけど味がある良いドット絵が堪能できる。
緻密ではないし色とりどりってわけでもないのに、ちゃんとキャラの雰囲気まで伝わってくる。
本当に良い。センスがめちゃくちゃ良い。
サウンド
3.0
淡々と喋る和階堂さんに合った落ち着いた渋いBGM。
いくつか曲はあるけれど、どの曲もあまり変わった感じはしない。それくらい落ち着いている。
総合評価Summary
3.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
適度なボリューム
センスの良いドット絵
スマホでプレイしやすい
残念なところ
推理が正しい文章を探すクイズになってしまっている
オススメな人
推理小説がすき
短時間でクリアできるゲームを探している
ドット絵が好き
オススメではない人
複雑な推理をしたい
派手なゲームを求めている
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本作で和階堂真シリーズは第3作目。過去2作もゲームシステムは同じだけど、短編の推理小説を読むように楽しめる。それぞれ別の事件が描かれている。
小さな事件の捜査を始めた私立探偵のアライグマが、徐々に大きな陰謀に迫っていくアドベンチャーゲーム。本作と同じく、会話中の選択肢で物語を進めていく。美しいピクセルアートグラフィックも魅力。
和階堂真の事件簿3 影法師の足
やっちまったんですか?和階堂さん!
シンプルな操作とセンスの良いドット絵グラフィックが魅力のアドベンチャーゲーム。
先が気になる物語を短編小説のように楽しめる。
和階堂真の事件簿3 影法師の足
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