『West of Dead』レビュー: 死んでも死にきれない
『West of Dead』とは、Upstream Arcadeが開発したローグライクアクションゲーム。
撃ち合いが楽しめる独特なバトルと、コミック風なグラフィックが特徴。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
死後のバー
ゲームは、渋ーい語りから始まる。
「俺は死んだはずだが、死んだらこんなものなのか?」などとやさぐれた感じで語りながらチュートリアルを終えると西部劇風のバーに主人公が登場する。
どうやら主人公は死んだらしい。そして、死後の世界で目覚めたらようだ。
ウィリアム
ゲーム冒頭では詳しく説明はされないけれど、主人公の名はウィリアム・メイソン。
そして、1888年ワイオミング州でウィリアム死んだ後の物語が描かれる。
ちなみに、舞台となるのは死後の世界の中でも煉獄と呼ばれる場所だ。
煉獄とは天国と地獄の狭間。カトリック教では、天国へと入る前に煉獄で罪を清めると言われている。
煉獄
そんな煉獄にある不思議なバーを抜けると、そこからは無限ループし続ける不思議な空間が続く。
西部劇さながらの銃撃戦を繰り広げながら、生前の記憶、そしてウィリアムが煉獄で何をするべきなのかが明らかになっていく。
本作では物語が進む際などに主人公の語りが入る。めちゃくちゃ冷静に昔話をするかのような口調で、とにかく渋い。
それもそのはず、主人公の声は映画『ヘルボーイ』などで知られる貫禄ありまくりな俳優ロン・パールマンが演じている。声の深みと厚みが尋常ではない。
ゲームの特徴Features
ローグライク
本作はローグライクゲームであり、死ぬたびにマップがランダム生成で変わる。
また、死ぬと所持している鉄(本作での通貨)や武器など所持品全てを失って、冒頭の不思議なバーからやり直しとなる。
一部屋ごとに進んでいくシステムになっており、部屋に入ったら全敵を倒さなければならない。
いくつかの部屋を攻略すると出口に行き着く。出口はいくかあって、どの出口に進むかによって次のエリア(バイオーム)の種類が変わる。
死んでも成長するウィリアム
祭壇がある部屋では主人公の強化ができる。とはいっても、この強化は死んでしまうと全て失ってしまう。
しかし、エリアとエリアの合間では魔女に会うことができる。
本作では、倒した敵の数が罪の数としてカウントされる。
その罪を魔女に清めてもらうと、一定数で新たな武器をアンロックしたり、回復薬(お酒)の上限数を増やすことができる。
魔女に清めてもらった罪の数やアンロックした武器は永続効果となっている。つまり、プレイするほど、敵を倒すほどウィリアムが長生きしやすくなるというわけだ。
また、特定のボスを倒すとルーンを手に入れて、特定の障害物を越えることができるようになる。これによって行けるエリア(バイオーム)が増えていく。
西部劇ガンマン
本作のバトルは、まさに西部劇の撃ち合い。
物陰に隠れてタイミングを見計らって、敵を撃つ。
マップ上には遮蔽物が点在していて、に近づくと自動的に身を隠す。
例え敵から撃たれたとしても、遮蔽物の裏側にいればダメージは受けない。
ただ、遮蔽物は敵の銃弾には耐久度があるので、ずっと隠れ続けることはできない。
そして、こちらからの攻撃は、基本的に半自動エイムでの銃攻撃。
自分で正確に敵を狙うわけではない。
明るい場所にいる近くの敵から勝手に照準が合うようになっている。明るくなければエイムできないようになっているので、明るくするのも戦術の一つ。
銃は2種類装備出来る。
ショットガンやレーザー銃など銃の種類によって挙動は変わる。弾は自動リロード。
遠距離から狙う銃はトリガーを一定時間押しっぱなしにして狙いを定めないと命中しない。ショットガンなどはすぐ発射されるけれど射程が短い。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.0
はじめは、ほぼ何がなんだか分からない状態で始まる。
でも、ボスや強敵を倒して「記憶」を取り戻していくと、徐々に物語が明らかになってくる。
興味深くはあるんだけど、回想シーンはほぼ語りのみだし、最初は全く事態が飲み込めないので物語にはハマりにくい。
語りはめちゃくちゃ渋いんだけど、渋さのあまり盛り上がることもほぼなくて、事態が飲み込めてきてからも物語は平坦な感じ。
キャラクターの魅力
4.0
物語にハマらないとはいえ、頭全体が燃えちゃってるのに、やたらとクールにきめてる主人公は魅力的。
頭燃えてるところには誰もツッコミ入れてくれないのは、なぜ!?
主人公は喋り方は渋くて落ち着いているけれど、ステータスをグレードアップした時に思いっきりガッツポーズをするし、徐々に愛着が湧いてくる。
操作性
4.0
ローグライクアクションというと、ハイペースなバトルのゲームが多い。
でも、本作のバトルはゆっくりめ。主人公もキビキビ動くわけではない。
遮蔽物に隠れると主人公の動きはゆっくりになり、オートエイムだし、といった感じで独特な操作感なので、正直最初は「うーん、やりにくい?」と思った。
ところが、慣れてくると、このテンポや挙動が面白い。ガンマン同士の撃ち合いが楽しめる。
ただ、残念ながら、主人公が突然異空間に飛んだり、部屋内の全敵を倒したのに扉が開かないといったバグがたまに発生することがある。
ゲームをコンティニューでロードし直すと、スタートからではなく最後のチェックポイントから復帰できるので、バグは許容できる範囲。
難易度バランス
4.0
敵との位置関係、どこの遮蔽物に隠れるか、どのタイミングで攻撃を仕掛けるかなどを考えながら立ち回るのが面白い。
どの銃も装填数は少ないし(ほとんどの銃が2、3発)、リロードには時間がかかるので、1発1発を大切にしなければいけない。
どの部屋でも気の抜けないバトルになるので、退屈する時はなくハマっていく。
携帯できる回復薬の数を増やしていくと長生きできるようになるので、そんなに難しすぎる難易度ではない。
ゲームシステム
4.5
ゲームシステムは、ローグライクゲームそのもの。
でも、バトルシステムはかなり個性的。他のゲームでは体験したことがない撃ち合いが出来る。
純粋なシューティングアクションとは違う。例えエイムが下手でもバンバンと倒していける気持ちよさが味わえる。
逆に、シューティングの腕に自信がある猛者にとってはストレスかもしれない。「自分の好きに撃たせろ!」って思うかと。
やりこみ要素
3.5
さまざまなレシピを手に入れて新しい武器をアンロックする、というのがやり込み要素。
敵を倒して罪の数を重ねていくとアンロックしていけるので、周回プレイ必須だ。
グラフィック
4.0
そもそも本作に興味を持ったきっかけはコミック風のグラフィック。
画面の大部分は暗闇だけど、明るい場所や色がある部分は鮮やか。
マップは同じような景色が多くて、マップ構造はシンプルだし、正直なところ見にくい場所も多くて飽きてきやすくもある。
本作のグラフィックスタイルが好きかどうかで本作についての感想は変わるかもしれない。
私にとっては好みのグラフィックなので、少々見づらくても気にならなかった。
サウンド
3.0
サウンドは、全体的に抑えめ。
物語の雰囲気からして渋い西部劇なので、BGMもドンチャカドンチャカ騒いだりは一切しない。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
西部劇な撃ち合いが楽しめる
戦略立てが楽しめる
エイムが苦手でも全く問題ない
コミック調グラフィック
残念なところ
見づらい部分がある
バグが起きる
自由にエイムは出来ない
オススメな人
ローグライクゲームが好き
コミック風のグラフィックが好き
西部劇な雰囲気が好き
シューティングは好きだけどエイムに自信がない
オススメではない人
エイムを楽しみたい
ハイペースなバトルを期待している
派手な演出を見たい
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本作とは違いハイペースな2D横スクロールアクションのローグライクゲーム。新たな移動スキルを手に入れて行ける場所が増えたり、敵を倒して武器をアンロックしていくシステムが本作と近い。
西部劇な撃ち合いが好きなら、こちらもおすすめ。こちらはアクションRPGで、自分の行動によって状況や物語も変わっていく分岐要素が魅力。
West of Dead
死んでも死にきれない
西部劇な死後の世界で撃ち合いが楽しめるローグライクアクションゲーム。
遮蔽物に隠れたり明るさを利用するなど戦略性高い独特なバトルが楽しめる。
コミック調のグラフィックも魅力。
West of Dead
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