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『Potion Craft』レビュー: 無心でゴリゴリ、グツグツ

『Potion Craft: Alchemist Simulator』とは、niceplay gamesが開発したシミュレーションゲーム

本作は、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。また、2023年春にはPS5、PS4、Nintendo Switchでも発売予定。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。

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あらすじStory

勝手に住みつく錬金術師

本作の主人公は、錬金術師

ゲームの冒頭で、主人公は旅をしてきたと語られる。

そして、とある村でボロボロの家を見つける。

どうやら、錬金術師っぽい誰かが使っていた形跡のある空き家だ。

「よーし、ここを自分のお店にしよう」と、恐らく勝手にお店に作り替えて主人公は住みつき、遂には開店までしてしまう。

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

無計画な主人公

勝手ながら無事に開店すると、早速お客さんがやってくる。

どうやらこの村にはポーション(薬)を必要とする人が多いらしい。

主人公の知識はチュートリアルで登場する回復薬くらい。

そこから手当たり次第に薬草を混ぜながら「何が出来るかな〜」と試しながらポーションを作り、お店を繁盛させていくことになる。

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

ゲームの特徴Features

錬金術師の毎日

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator
採れる材料は毎日変わる

本作では主人公の姿は映し出されない。

自宅兼お店の部屋から部屋へと画面を切り替えるだけ。ゲームプレイはお店の中で完結する。

切り替えられる部屋は、ポーションを調合する作業場、ポーションの材料となる薬草が採れる裏庭、お客様対応し商売をする店舗部分、主人公が眠るプライベートルーム、怪しげな装置が置かれた地下室だ。

裏庭で素材を集めてポーションを作り、店に来たお客様と取引するのがゲームのメイン。

で、お客様対応し終えて全員帰ったら、ベッドで眠る。そうすると次の日になり、また新たなお客様が訪れて、裏庭では新たな薬草が採取できるようになる。

レシピは自由

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator
加えたい材料を入れるとマップ上のどの位置になるかは
あらかじめ×印で表示される

メインとなるポーション作りは、ちょっと独特。

調合中のポーション(液体が入った瓶のアイコンで示される)は、材料を鍋に入れかき混ぜるごとに錬金術マップ上を動いていき、ボード上の各地にある薬瓶が描かれた位置まで到達すると、何らかのポーションとして完成させることができる。

材料ごとに、マップ上でポーションアイコン(調合中の薬)をどの方向どれだけの距離動かすかが決まっている。

つまり、同じ「火のポーション」を作る場合でも、スタートからの経路は入れる材料によって変わる。

どの素材をいくつ加えるかといったレシピが決まっているわけではないのだ。

各材料は鍋に入れる前に乳鉢で念入りにすり潰しておくほど、マップ上でポーションアイコンを動かす距離が伸びる。また、鍋に入れてどれだけかき混ぜた時点で沸騰させるかによって終着点も調節できる(沸騰させた時点で完成となる)。

こうしてボード上で目的のポーションになる位置まで材料を混ぜてポーションアイコンの位置を誘導していく。

混ぜれば混ぜるほど見えてくる

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator
骨が描かれた一帯を通ってしまうと調合失敗となる

錬金術ボードは、最初はほぼモヤに隠されていて見れない。

実際に調合しながら瓶(調合中に薬のアイコン)がボード上を動いていくと、その周囲が少しずつ開示されていく

また、ボード上には、目的地となるポーションの瓶(一度でも作製すれば何の薬かも開示される)以外に本のマークがたくさん描かれている。

瓶が移動していく道中で、本のマークを通過すると経験値を獲得する。つまり同じレシピ(経路)ばかりでポーションを作っていても経験値は得られなくなるわけだ。

経験値が一定量溜まるとレベルアップし才能ポイントという本作でのスキルポイントが手入る。

スキルポイントを消費すると、調合や商売でボーナスを得られるスキルツリーをアンロックしていくことができる。

商売

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

次に大切なのが商売。

客はそれぞれ特定のポーションを求めていて、希望していないポーションは買ってくれない。というか、怒って帰ってしまう。

お望みのポーションを作って売るわけだけど、お客さんがより良い品質追加効果が付与されたポーションを求めている場合は高く売れるし、値段交渉も可能。

ちなみに、客は来た順番に対応するけれど、時間制限はない。ゆったり薬を調合していても辛抱強く待ってくれる。

無事に客との商売が成立すると、お店の人気も上がっていく。

また、時には商人が現れて、裏庭では手に入らない素材や地下にある錬金術装置を直す部品などを売ってくれる。

本作では、「お店の人気レベルを3にする」などの目標が設定されていて、全て達成すると次のに移る。次の章では、また新たな目標が提示される。

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator
めちゃくちゃ正直に犯罪計画を話すお客様

3.5

朝起きて、薬草ゴリゴリ、鍋をグツグツ。

お客様とちょっと世間話しつつ、せっせとポーションを売る。

それだけだ。物語要素はほぼない

ただ、客の中には物騒な薬を求める人がいる。毒や盗みに役立つポーションなどだ。

一見ランダムに客が訪問してきているように見えるけれど、よく見ていると毒ばかり買いに来る人がいる。

本作では客ごとに取引を断ることも可能で、悪い人ばかりに薬を売る悪い錬金術師にもなれる。人気は高くても評判が最悪というアブナイお店にもなれる。その逆ももちろんできる。

といった感じで、ほんのり物語要素が楽しめる。

キャラクターの魅力

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator
怒って帰っていくお客様

3.0

主人公は身元不明で姿は分からない。

客は要望を伝えて、ポーションを買ったらササッといなくなる。

物語を楽しむゲームではないので、それでいい。完全にシミュレーターだ。

欲を言えば、良いポーションを売ると客のリアクションが大きく変わったり、世間話が豊富に発生すると、単調にならず、もっと本作の世界に入り込めると思う。

無心で薬をかき混ぜてるのが楽しいゲームなんだけど、プレイしていると、本当に無になる。無表情でプレイしてる(心の中では楽しんでるんだけど)。

操作性

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

4.0

私はゲームパッドでプレイ。ショートカットもあるし操作性に問題ない。

乳鉢で薬草をすり潰したり、鍋をかき混ぜるなどの操作は実際にスティックを動かして行う。

これが単純に楽しい。ちまちました作業が好きなら、ハマる。

UIも見やすく分かりやすい。処方本に記録しておくと、次回からいちいち調合しなくても一発で同じ処方もできる。

本作はゲームプレイがポーション調合と商売に限られているので、操作も複雑ではなく分かりやすい。

それでも、マウスの方が操作はしやすいとは思う。

処方本(一回作った調合へのショートカット)を閉じるのがボタン1つで出来なかったりなど、ちょこちょこと面倒くささがある

難易度バランス

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

4.0

章ごとに目標が設定されているので、何をすれば攻略にできるのかが分かりやすい。

極悪ポーション屋さんになろうとか、全ての客にポーションを高く売りつけてやろうといった縛りプレイをしなければ、苦戦することはない

「次の章に進んだ途端に無理難題言われるんですけど!」みたいな突然の難易度跳ね上がりもない。

ただ、目標に書かれていることがどうやって達成できるかのヒントはないので、自分なりに試行錯誤は必要だ。

客の要望は分かりやすいけれど、たまに頑なに特定の材料だけで作られた薬しか認めない超こだわり派の客がいて、店先で「お客様、困ります」となることがある。

全員の希望を叶えるのは難しい。

ゲームシステム

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

4.0

本作は、薬の調合に焦点を当てた錬金術シミュレーター

多くのゲームでは、「あれとこれとそれを混ぜるとあの薬が出来ます」という「あれ」や「それ」を特定していくことが多いけれど、本作では材料が自由というのか面白いところ。

先が見えない錬金術ボードの上を「今度はこっちに行ってみよう」とワクワクしながら素材を加えていくので、調合が毎回楽しい。

大量の材料をぶち込めば、最初から高度なポーションを作ることだって可能だ。

この過程が自由な調合は、珍しくて面白い。時間を忘れて薬を練り練りグツグツしてしまう。

効果が気になるポーションばかりなので、お客さんが売った薬を使ってどうなったとか、もう少し物語要素も欲しかったところ。

やりこみ要素

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

4.0

材料の組み合わせが自由なので、どうやってポーションを作るかでさえもやり込み要素だ。材料節約しながら最短距離で調合するのもいいし、寄り道しまくって経験値を稼ぐのもいい。

でも、一番分かりやすいやり込み要素は、善い錬金術師になるか、悪い錬金術師になるかだ。

お店には人気とは別に評判(良い錬金術師として振る舞っていると上がっていく)というパラメータもあり、「絶対悪巧みしてるだろ」という客を見極めて対応を決める。

評判+100か-100を目指すわけだ。

また、今後アプデによって新たなアップグレードや客やBGMなども追加されていくそうだ。

グラフィック

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

4.0

錬金術の本の挿絵として描かれているようなグラフィック。

雰囲気に合っていて、錬金術師になる気分を高めてくれる。

また、出来上がったポーションや瓶の形やラベルや色もカスタマイズすることが出来るので、そこらへんまでこだわり始めると本気で時間が溶ける。

サウンド

Potion Craft 評価 攻略 Alchemist Simulator

3.5

本当に錬金術師のポーション屋さんがあったとしたら、店内BGMとして流れていそうな音楽だ。

ただ、常にずっと同じ曲が流れているので単調になってくる。

一方で、効果音はかなり気持ちいい。特に乳鉢で薬草をすり潰す時の音はもはやASMR。

ゲームプレイと相まって癒されるゲームだ。

総合評価Summary

4.0

物語の魅力

ゲームプレイの快適さ

ゲームとしての面白さ

芸術性

 

 

 

 

良いところ

自由な材料で薬を調合できる

調合する作業が楽しい

段階的に難易度が上がっていく

善人にも悪人にもなれる

残念なところ

物語要素が少なく単調になってくる

風景や音楽が変わらない

オススメな人

作業の繰り返しが好き

ゆったりプレイできるゲームを探している

癒されたい

悪巧みに加担したい

オススメではない人

演出や物語に期待している

調合以外も楽しみたい

細かな作業が面倒くさい

おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ

オススメ

Little Witch in the Woods

薬の調合が好きならこちらもおすすめ。森に迷い込んだ魔女見習いが様々な薬を調合して攻略していくライフシムゲーム。可愛らしいピクセルアートグラフィックも魅力。

オススメ

Graveyard Keeper

倫理に反したことができるシミュレーションゲームならこちらもおすすめ。異世界で墓守になった主人公が、かなり不謹慎なクラフトに手を染めていくライフシム要素もある牧場系シミュレーションゲーム。「道徳的に絶対ダメだろ」というネタ満載の人気作。

Potion Craft Alchemist Simulator
4

無心でゴリゴリ、グツグツ

自由に材料を混ぜてポーションを調合し商売もするシミュレーションゲーム。 錬金術ボードの上を動いていく経路を考えたり、実際に薬草をすり潰したり似たりする感覚を疑似体験できる調合の作業も楽しい時間が溶けるゲーム。 ゆったりプレイすることが出来て、癒されるのも魅力。

Potion Craft: Alchemist SimulatorPotion Craft: Alchemist Simulator
© 2022 niceplay games © 2022 tinyBuild
https://www.potioncraft.com

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