『ゼルダ無双 厄災の黙示録』レビュー: この100年前は思ってたのと違う!
知られざる物語に驚き、大爽快なバトルにボタンを押す手が止まらなくなる『ゼルダ無双 厄災の黙示録』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
ゼルダ無双 厄災の黙示録製品情報
タイトル | ゼルダ無双 厄災の黙示録 |
---|---|
開発元 | コーエーテクモゲームズ |
対応機種 | Nintendo Switch |
ジャンル | アクション, ハクスラ |
シリーズ | ゼルダ無双 |
本作は『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のスピンオフ作にあたる。
ゼルダの伝説シリーズは任天堂のゲームだけど、本作は無双シリーズを手がけているコーエーテクモゲームズが開発し、任天堂は監修として携わっている。
本作では、ブレワイ前の物語が描かれるけれど、ブレワイ後が描かれる続編も発売されている。
ゼルダ無双 厄災の黙示録の攻略
ストーリー
本作は、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の100年前の物語が描かれる。つまり、厄災ガノンが現れてハイラルの大地がめちゃくちゃにされる時代が描かれる(本編では、100年後にリンクがもう一度ガノンに挑む物語が描かれている)。
ガノンは、マリオシリーズで言うところのクッパ大魔王みたいなもので、ゼルダシリーズ常連の悪役だ(クッパ大魔王みたいな愛嬌は皆無)。
いつものリンク
主人公リンクやヒロインであるゼルダ姫の暮らしているハイラルの大地。
そこを治めるハイラル王国には、「ガノンという怪物によって厄災が引き起こされる」という不吉な予言が伝わっていた。
冒頭の時点でモンスターが各地で大量発生する事件がすでに多発しており、「いよいよ本当に厄災が起きるのかも!?」という胸騒ぎザワザワな状況から始まる。
主人公リンクはというと、ハイラル兵士の1人として任務に就いている。リンクは、とにかく強い。早々に王様に気に入られ、ゼルダ姫の護衛に抜擢されていた。
有能なハイラル王のガノン対策
リンクの主君であり、ゼルダ姫の父でもあるハイラル王は、来る厄災に備えて着々と準備を進めていた。
各地に発生したモンスター討伐だけではなく、古代の機械を掘り起こして更なる兵力増強プロジェクトも指揮していた。
更には、各地にいる強い者を集めてガノン対抗軍を組織している有能ぶりだ。
ハイラル王の指揮のもと、各種族の精鋭である英傑と呼ばれる強者たちが中心となり、ハイラル全土で戦いを展開していった。
英傑の皆さんは以下の通り
- リンク
- ハイリア人
- 凄腕の剣士ではあるものの無言で天然ボケをかましていたりする
- インパ
- 機械など高い技術を持つシーカー族
- 生真面目なハイラル王国の執政補佐官
- ミファー
- 水中で自在に動ける半魚人のようなゾーラ族
- 心優しく芯の強いゾーラ族の姫
- ウルボザ
- 高い身体能力を持つゲルド族
- 女性だけで構成されるゲルドの里を束ねる長
- リーバル
- 空を飛ぶ能力を持つ鳥人のようなリト族
- リト族最強の戦士で、かなりの自信家
- ダルケル
- 岩を食べるし姿も岩のようなゴロン族
- ゴロン族の英雄であり、豪快な性格
タマゴと魔術師アストル
そして、もう1人(1体?)。「ゼルダ姫を守るため未来からやって来た」という謎の小さな卵型のガーディアンもリンクたちと共に活躍する。
また、激しい戦いが続く中、禍々しいガーディアンとローブを着た怪しげな魔術師風のアストルという者が怪しい動きを見せる。
気になることはたくさんあるものの、この戦いはそのまま『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のオープニングへと繋がっていってしまうのだろうか。
攻略のポイント
ミッションへ出撃してハイラルの大地を救う
ゲームはミッションクリア型で進行する。
ワールドマップからプレイしたいミッションを選択し、出撃するメンバーを選び、好きな料理(バフがかかる)を食べてミッションを開始する。
操作キャラは主人公リンク以外にも複数登場し、物語進行に伴って増えていく。
ミッションには、メインストーリーが進むメインミッション、特定の目標を達成するバトルチャレンジ、マップ上で素材やルピーを渡すだけでクリアできるハイラルチャレンジなどがある。
バトルが発生するミッションは、一度クリアした後でも再挑戦が可能。
また、ミッションクリア時には、倒した敵の数やクリアにかかった時間などプレイ内容が評価され、良い成績だとルピー(お金)を多めに貰うことができる。
まとめて倒す無双バトル
本作は無双ゲームなので、ミッションが始まると大量の雑魚敵がそこら中に溢れかえっている。
でも、リンクたち操作キャラは武器一振りで大量の敵を一気に攻撃することが出来る。信じられないほどの攻撃範囲の広さなので、バサバサと倒す戦闘狂になればいい。
操作方法は全キャラ通して基本的に同じだけど、使用武器や挙動はキャラごとに全く異なっている。弱攻撃と強攻撃を組み合わせることでキャラごとに異なるコンボ技も発動できる。
ただし、リンクだけは多種類の武器を使用出来る。剣や槍など武器を持ち変えれば、コンボ技も一変する。
また、ZRボタンでキャラ固有のスキルも発動できる。例えば、翼を持つリーバルなら空中に飛び上がり、雷を操るウルボサなら雷パワーを溜めて強攻撃の威力を上げることが出来る。
さらに、ゲージを溜めて使える必殺技やシーカーストーンを使った爆弾や磁力を使った便利ツールによる攻撃も可能で、これもキャラごとに挙動が異なっている。
強敵とはちゃんと戦う
上述の通り、武器を振れば雑魚敵をどんどん巻き込んで蹴散らしていくことができる。
しかし、そうはいかないのが強敵。いわゆる中ボスや大ボスだ。
ミッションのステージ上には敵の拠点がいくつかあり、その拠点の雑魚敵を倒していると「よくも可愛い部下たちをやってくれましたね」と強敵が登場する(実際には無言でスッと出現する)。
強敵は体力が高く、さまざまな攻撃を繰り出してくる。
しかし、強敵が大技を繰り出してきた時には、対応したシーカーストーンの技を当てると、敵をスタンさせることが出来る。
スタン状態なった敵にはウィークポイントゲージが表示される。その状態で攻撃するとウィークポイントゲージを削ることができ、全て削りきると大ダメージを与えられるスマッシュを発動できる。
憧れの神獣に乗って大破壊
特定のミッションでは、神獣と呼ばれる古代兵器に乗り込むことが出来る。
神獣は超巨大な戦艦のような乗り物で、敵を砲撃していくことが出来る。もはや、こっちが厄災なんじゃないかというレベルで大暴れできる。
神獣は4体登場する。神獣ごとに異なる必殺技を持ち、攻撃とガードも使い分けながら戦うことになる。
ゼルダ無双 厄災の黙示録の評価と感想
物語の面白さ
本作は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』をクリアしてからプレイした方が良い。これは確実。「事情はもちろん知ってるよね」と、細かな説明はほぼなくズンズン進んでいく。
ブレワイを知った上でプレイすると、断片的にしか語られてなかった100年前の出来事が分かってきて、めちゃくちゃ楽しい。
かなり熱い展開の連続でテンポも良く、大興奮で物語を楽しめる。ミッションごとに話が進むので、若干ぶつ切り感もあるけれど。
ただ、ネタバレになるので詳しく書かないけれど、途中からは「やはり無双シリーズおなじみのお祭り!?」という状況にもなってくる。
良い意味でも悪い意味でも「ええええ、そうなる!?」と驚く物語だ。
キャラクターの魅力
ブレワイでは魅力的だけど登場シーンがちょっぴりだけで残念だった英傑たちをたっぷり味わうことができる。
リーバルは思っていたより1000倍くらいかっこいいし、ハイラル王は思ってたより100倍くらい娘に厳しい。
ブレワイの回想シーンで、やけにツンツンしていたリーバルやゼルダ姫の事情もよく分かる。本作のおかげでブレワイの物語をもっと理解できる事態だ。
本作はミッションクリアで進むゲームだけど、キャラの良さがしっかり描かれており、その魅力が爆発してる。
操作の快適さ
無双ならではのサクサクした動きとバシバシ決まるド派手なアクション。
どのキャラでも軽快な挙動で、かなりハイペースなバトルが楽しめる。しかも、一気に大量の敵を倒せるので「俺つえぇ」プレイができる。
「あのコンボ技をお見舞いしてやろう」と狙ってコンボをつなげるのもいいし、「うわぁああ」とボタンを押しまくっているだけでも強力な攻撃がバシバシとド派手に決まっていってしまう。
技が成功した時の演出も操作性も抜群に良い。
ただ、カメラリセットができないのが気になるところ。
本作では、強敵にのみロックオンはできるけれど、他は全て手動でカメラ操作をすることになる。
カメラ自動追従はほぼ効かず、派手な攻撃エフェクトや大量の雑魚敵やらで画面がしっちゃかめっちゃかになることがある。攻撃しながら自分でカメラを立て直すしかない。
難易度バランス
ミッションに出撃すればキャラのレベルはぐいぐい上がっていくし、「訓練所」でお金を払うと低レベルキャラのレベル引き上げもできるので使っていなかったキャラも即座に主戦力になれる。
操作できるキャラは多いけれど、好きなキャラで爽快に攻略できる。
キャラごとに武器も挙動も全然違うけれど、誰かだけが強かったり弱かったりしないように調整されてるのが凄い。もちろん使いやすさの好みはあるけれど。
ちなみに、ミッションごとに難易度を4段階から選んでプレイすることができる。
ゲームシステムの面白さ
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、自由度が高いオープンワールドだった。スタミナや武器の耐久度を考えながら、色々と策を練って戦い、頭を捻って謎解きを楽しむ。
でも、100年前は激戦に続く激戦の時代だ。ゆっくり考えている場合じゃない。
100年前はリンクも万全な体調で、仲間は各種族の最強と謳われる英傑たちが勢揃い。なので、「俺つぇえ」ができる無双システムを100年前を描くゲームに取り入れたのは、それだけで良いアイデアだなあと思った。
物語や雰囲気はブレワイそのものだけど、ゲームプレイは全くの別ゲーなので新鮮な気持ちで楽しめる。
「無双」だけど、ちゃんと「ゼルダ」。「ゼルダ」なんだけど、ちゃんと「無双」。それぞれのいいところが潰れないように上手くブレンドされている。
やりこみ要素の楽しさ
とにかくボリューム満点。最終的には操作キャラが大量になる。
コログを見つけたり、ファッションを楽しんだり、バトル以外のやり込み要素も用意されている。
更に操作キャラや新ストーリーが追加される追加DLCも発売されており、これでもかと遊べる。
ハイラルチャレンジのミッションはアイテムを渡すだけなので、内容はNPCのセリフが表示されるテキスト情報だけで終わってしまう。
しかし、ブレワイをプレイしていた人にとっては「あ!これってアレだ!」とニヤッとしてしまうエピソードが満載なので、読みながら攻略するのがおすすめ。
グラフィックの芸術性
グラフィックは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』そのもの。トゥーンレンダリング、もしくはセルシェーディングと呼ばれるスタイルだ。
リンクもゼルダ姫も英傑たちも、戦う姿がかっこいい。
コーエーテクモさんには悪いけれど、もはや「任天堂が作りました」って言われても信じてしまうだろう。それくらいの再現度の高さだ。
そして、バトルで通り過ぎてしまうのが勿体無いくらい背景も見応え抜群。
ブレワイでは崩壊してしまっていた街や建物の本来の姿を見ることができるので、うっかりしげしげと眺めてしまう。大量の雑魚敵が邪魔してくるけれど。
サウンドの魅力
音楽は、ブレワイの音楽がアレンジされている。
特に英傑たちのテーマ曲はブレワイでは切ないメロディだったけれど、本作ではカッコ良いバトル調になっていて、一瞬で気に入った。
逆に落ち着いた曲調はほぼなく、常に臨戦体制といった雰囲気だ。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
ゼルダ無双 厄災の黙示録レビューのまとめ
おすすめな人
- ハクスラが好きな戦闘狂
- 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のファン
- 長時間遊べるゲームを探している
おすすめではない人
- 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』未プレイもしくは興味がない
- 指と手が疲れている時
総合評価良いところ&残念なところ
- 爽快でド派手なバトルがたっぷり楽しめる
- メインストーリーがしっかり楽しめる
- 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の再現度が高くファンにはたまらない
- 視点が不安定になる
- 『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』を未プレイだと理解しにくい
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本作の100年後が描かれる超名作オープンワールドゲーム。本作をプレイする前に履修必須!
ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム
上記ブレワイのその後の物語が描かれる、これまた神ゲーなオープンワールドゲーム。
謎解きやアクションの面白さはもちろんのこと、本作で描かれる100年前よりさらに昔の時代が描かれ、世界の謎が明かされていく物語も魅力。
ゼルダ無双 厄災の黙示録
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